私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
十字架のことば(4)—第3のことば:愛のことば—
- このメッセージに感謝を贈る
-
この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?
このメッセージでは...
第3のことば:愛のことばの意味について考えます。
十字架のことば(4)
―第3のことば:愛のことば―
ヨハ19:25~27
1.はじめに
(1)「十字架のことば」には7つある。
①前半:午前9時から正午までの間の3時間
*3つのことば
*他人に関するものである。
②後半:正午から午後3時までの間の3時間
*4つのことば
*自分に関するものである。
(2)第1のことばは、赦しの祈りである。
「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」
(ルカ23:34)
(3)第2のことばは、救いを約束することばである。
「まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいま
す」 (ルカ23:43)
(4)第3のことばは、愛のことばである。
「女の方。そこに、あなたの息子がいます」 (ヨハ19:26)
「そこに、あなたの母がいます」 (ヨハ19:27)
2.アウトライン
(1)愛の力
(2)愛の飛躍
3.結論:このことばの現代的意味
このメッセージは、第3のことばの意味について考えるものである。
Ⅰ.愛の力
1.憎しみの中で輝く愛
「 兵士たちはこのようなことをしたが、イエスの十字架のそばには、イエスの母と母
の姉妹と、クロパの妻のマリヤとマグダラのマリヤが立っていた」 (25節)
(1)兵士たちは、4人いた。
①彼らは、マニュアル通りに、イエスを十字架につけた。
②彼らは、慣例通りに、イエスの着物を4分した。
③ここには、無関心、残酷さ、利己心、貪欲が渦巻いている。
(2)十字架のそばには、婦人たちが4人いた。
①イエスの母(マリア)、母の姉妹(恐らくサロメであろう)、
クロパの妻のマリヤ、マグダラのマリヤ
②弟子たちは逃げていたが、彼女たちは、十字架のイエスに寄り添っていた。
③受刑者の親族、友人は、立ち会うことを許されたか?
③愛は、危険を冒し、犠牲を払う。
2.痛みの中で輝く愛
(1)子を失くす母の痛み
①人間が感じる最大の痛みであろう。
②幼子の死、友人に囲まれての死には、痛みを和らげる要因がある。
③しかし、人生の最盛期の死には、それがない。
④しかもイエスは、敵に囲まれて死に臨もうとしている。
⑤シメオンがマリアに語った預言が成就した。
「ご覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人が倒れ、また、立ち上がる
ために定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。剣が
あなたの心さえも刺し貫くでしょう。それは多くの人の心の思いが現れるた
めです」(ルカ2:34~35)
(2)ラケルの嘆き
①ラケルは、ユダヤ人の母親の象徴である。
②ベツレヘムで2歳以下の男の子が殺された時、ラケルは嘆き悲しんだ。
「ラマで声がする。泣き、そして嘆き叫ぶ声。ラケルがその子らのために泣
いている。ラケルは慰められることを拒んだ。子らがもういないからだ」(マ
タ2:18)
③これは、エレ31:15からの引用である。
*バビロン捕囚に引かれていく我が子を見て、母親が嘆いている。
④マリアの嘆きは、イスラエルの母たちの嘆きの集大成である。
(3)母の痛みを見る息子の痛み
①イエスの肉体的苦しみは、筆舌に尽くし難い。
②しかし、イエスにとっては、母の痛みを見ることの方がより苦しい。
③精神的痛みのゆえに、肉体的痛みを忘れるほどであった。
3.使命の中で輝く愛
(1)この時、宇宙の歴史の中で、最大の出来事が起こっていた。
①アダムによって堕落した人類の罪の贖いがなされようとしていた。
②アダムの堕落によって呪われた宇宙が、再創造に向かおうとしていた。
③イエスは、宇宙大の使命を実行しておられた。
(2)しかしイエスは、自分に最も身近な人のことを忘れてはいなかった。
①この時マリアは、40代半ばから後半であろう。
②この年代の婦人は、子どもの世話になるしかない。
③しかし、イエスの弟たちはガリラヤにおり、まだ信者ではない。
④そこでイエスは、母と弟子を結びつける。
(3)第3のことば
「イエスは、母と、そばに立っている愛する弟子とを見て、母に『女の方。そこ
に、あなたの息子がいます』と言われた。それからその弟子に『そこに、あなた
の母がいます』と言われた。その時から、この弟子は彼女を自分の家に引き取っ
た」 (26~27節)
①「愛する弟子」とは、ヨハネのことである。
②12弟子の中では、ヨハネだけが十字架のそばにいた。
③イエスは、母マリアを弟子ヨハネに委ねた。
*これは証人たちの前で語られた遺言であり、法的効力がある。
*母マリアと弟子ヨハネの間に親子関係が成立した。
④ヨハネにとっては、大変な特権である。
*ユダヤ的文脈では、弟子たちは師を「父」と呼ぶことがあった。
*師の母を自分の母とすることは、師から栄誉を受けたことになる。
⑤「この弟子は彼女を自分の家に引き取った」
*ヨハネはエルサレムに住まいを持っていたのであろう。
*マリアが死ぬまで、エルサレムに留まった。
Ⅱ.愛の飛躍
1.マリアとイエスの関係の進展
(1)イエスが公生涯に入る前
①ルカ1:35 受胎告知
②ルカ2:19 羊飼いたちの言葉を心に納めて、思いを巡らしていた。
③ルカ2:34~35 剣が心を刺し貫くと言われた。
④ルカ2:48~51 イエスが12歳の時、エルサレムに上った。
(2)イエスが公生涯に入って以降
①ヨハ2:4
「すると、イエスは母に言われた。『あなたはわたしと何の関係があるので
しょう。女の方。わたしの時はまだ来ていません』」
*「女の方」とは、敬意を込めた言葉である。
*イエスとマリアの親子関係に制限が加わった。
②ルカ8:19~21
「イエスのところに母と兄弟たちが来たが、群衆のためにそばへ近寄れなか
った。それでイエスに、『あなたのお母さんと兄弟たちが、あなたに会おう
として、外に立っています』という知らせがあった。ところが、イエスは人々
にこう答えられた。『わたしの母、わたしの兄弟たちとは、神のことばを聞
いて行う人たちです』」
③ヨハ19:25~27
*再び、「女の方」という呼びかけが使われた。
*イエスの遺言は、マリアとの親子関係の断ち切りであった。
2.血によるつながりから、愛によるつながりへ
(1)イエスが復活して以降
①使1:14
「この人たちは、婦人たちやイエスの母マリヤ、およびイエスの兄弟たちと
ともに、みな心を合わせ、祈りに専念していた」
*マリアは信者の群れの中の一員となっている。
*これ以降、マリアが聖書に登場することはない。
*彼女は、その信仰のゆえに称賛されるべきであるが、崇拝されるべき
ではない。
(2)血によるつながりから、信仰によるつながりへ
①マリアはイエスを、自分の息子ではなく、主(救い主)と認識した。
結論:このことばの現代的意味
1. 私たちへの教訓
(1)責務vs家族への愛
2.新しい関係の認識
(1)血によるつながりではない関係
(2)愛によるつながりという関係
(3)神を父とする新しい生き方
(4)ヨハ1:12
「しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の
子どもとされる特権をお与えになった」
(5)すべては変わっても、この親子関係は変わらない。
週間アクセスランキング
コリント人への手紙第二(13)批判する者たちへの反論10:1~18
Q421 天国でも性別は存在しますか。
イスラエル旅2023#088中川牧師とめぐる旅:【エルサレム旧市街】4つの地区とエルサレムの再統一
コリント人への手紙第二(14)パウロと偽使徒の違い(1)11:1~15
コリント人への手紙第二(12)エルサレム教会への献金(3)-喜んで与える祝福―9:1~15
Q420 頭に燃える炭火を積むとはどういう意味ですか。