キリストの使徒たちが伝えたこと(2)—使徒信条とは—「イントロダクション(2)」

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このメッセージでは...

このメッセージは、苦難の意味について考えようとするものである。

キリストの使徒たちが伝えたこと(2)

―使徒信条とは―

「イントロダクション(2)」

使徒信条

我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。

我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。


主は聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり、三日目に死人のうちよりよみがえり、天に昇り、全能の父(ちち)なる神の右に座したまえり。
かしこより来たりて生ける者と死にたる者とを審きたまわん。

我は聖霊を信ず。

聖なる公同の教会、聖徒の交わり、罪の赦し、身体のよみがえり、永遠の生命を信ず。

アーメン。

  1.はじめに

    (1)使徒信条の内容

      ①三位一体論を土台とした信仰告白である。

      ②キリスト論が一番強調されている。

    (2)使徒信条の歴史

      ①短い形のものは、古ローマ信条と呼ばれる(紀元140年頃まで遡る)。

      ②現在の形のものは、紀元8世紀まで遡ることができる。

      ③使徒信条は、使徒たちの作品ではないが、使徒たちの教えが要約されているの

で、使徒信条と呼んでもよい。

    (3)使徒信条が必要とされた理由

      ①洗礼式のために

      ②異端との戦いのために

        *2世紀に入ると、グノーシス主義との戦いが激しくなった。

        *グノーシスとの論争は、救済論に関係したものである。

    (4)「信ず」という言葉について

      ①信仰とは、単なる知的承認ではない。

      ②信仰とは、個人的な信頼のことである。

      ③信仰とは、信じる対象としての神が存在することである。

      ④信仰とは、神が与えてくださった良き約束に信頼することである。

      ⑤信仰の有効性は、その人の熱心さによってではなく、信じる対象によって決ま

る。

    (5)信じることに関する疑問

      (例話)「神なんかいるはずがない」と飛行機の中で叫んだ男性の話

      (例話)「神がいるなら、なぜ〇〇があるのか」という疑問

      ①悪や苦難の存在と、天地を創造した愛なる神の存在とは、調和するのか。

  2.アウトライン

    (1)人間の自由意志

    (2)人間の成長の可能性

    (3)人間とともに苦しまれる神

  3.結論

    (1)信仰者の応答(詩131)

このメッセージは、苦難の意味について考えようとするものである。

Ⅰ.人間の自由意志

  1.創世記1~3章の学びで出て来る質問

      ①神はなぜ人間を、罪を犯さないように造らなかったのか。

      ②もしそうしていたなら、人間はロボットのようになっていたであろう。

      ③罪を犯す可能性のないロボット型人間と、罪を犯す可能性のある自由意志を持

      った人間と、どちらが優れているか。

2.人間が人間であるために必要な条件

    ①自由に自らの選択ができる能力を持っていること。

    ②自由意志を否定したなら、人間が人間ではなくなる。

    ③人間性を否定した制度や組織が存在する。

      *奴隷制

      *全体主義国家

      *カルト集団(宗教団体だけでなく、政治カルト、経済カルトなどもある)

    ④英語で「責任」「責務」を、「responsibility」という。

        *これは、「応答できる能力」という意味である。

        *人間には、神の命令に応答する能力が与えられた。

  3.自由意志の危険性

      ①人間は自由意志のゆえに、神に従うことも、神に反抗することもできた。

      ②神への反抗は、悲惨な結果をもたらす。

      ③それでも、自由意志を持った人間の方がロボット型人間よりもすぐれている。

  4.最初の人アダムの失敗

    (1)アダムは、自由意志を用いて、神の命令に反抗することを選んだ。

    「そういうわけで、ちょうどひとりの人によって罪が世界に入り、罪によって死が入

り、こうして死が全人類に広がったのと同様に、──それというのも全人類が罪を犯

したからです」
(ロマ5:12)

(2)アダムは人類の代表として行動している。

  ①アダムの失敗によって、罪が世界に入った。

  ②罪によって死が入った。

  ③罪が全人類に広がった。

  ④全人類は、アダムにあって罪を犯した。

  (例話)外務大臣がサインした条約は、全国民に影響を及ぼす。

  5.結論

      ①悪の存在は、自由意志の誤用から来るものである。

        *死の問題

        *天変地異の問題(地は呪われている)

      ②それでも、自由意志を持った人間の方が、ロボット型人間よりもすぐれている。

Ⅱ.人間の成長の可能性

  1.人間は、成長の可能性のあるものとして造られた。

    (1)アダムに対する神の意図

    「主なる神は人に命じて言われた。『園のすべての木から取って食べなさい。ただし、

善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう』」
(創

2:16~17)

  ①悪を避け、善を選ぶことを通して、アダムを成長させようとした。

  ②善と悪がともに存在する世界での生活を通して、成長が可能となる。

(2)アダムの行為

  ①彼は、悪を体験することによって、善悪の知識を得てしまった。

  ②彼自身が、悪の一部になったのである。

  2.神は、人間を成長させるために、苦難をお用いになる。

    (1)東日本大震災以降、日本は変わった。「震災前」と「震災後」。

      ①第2の敗戦とも言える(物質主義、成功哲学、エネルギー政策)。

      ②多くの人たちが、神がいるならなぜ、という疑問を抱くようになった。

      ③クリスチャンも例外ではない。信仰が揺さぶられている。

    (2)西洋のキリスト教(物質主義的、成功志向のキリスト教)の盲点

      ①「苦難」の意味の喪失

      ②「苦難」は神の計画の一部である。

      ③私たちの品性を練り、完成へと導く。

      ④試練の中での霊的覚醒(目覚め)

*使徒行伝の伝道の拡大

*共産圏での霊的覚醒(目覚め)

    (3)苦しみの意味

    「苦しみに会う前には、私はあやまちを犯しました。しかし今は、あなたのことばを

守ります」
(詩119:67)

  ①苦しみの体験は、作者の信仰を成長させた。

「苦しみに会ったことは、私にとってしあわせでした。私はそれであなたのおきてを

学びました」
(詩119:71)

  ①イスラエルは、バビロン捕囚によって偶像礼拝から解放された。

  ②各人が、苦難を通して、より深く神の教えの意味を理解するようになる。

  3.クリスチャンは、苦難を通して成長していく。

    (1)高齢化と死は、クリスチャンにとっても現実的な課題である。

      (例話)飛行機の中で、ラスベガスに行く人に出会った。

      ①年老いたクリスチャンの姿は、完成形を予想されるものである。

    「ですから、私たちは勇気を失いません。たとい私たちの外なる人は衰えても、内な

る人は日々新たにされています。今の時の軽い患難は、私たちのうちに働いて、測り

知れない、重い永遠の栄光をもたらすからです。私たちは、見えるものにではなく、

見えないものにこそ目を留めます。見えるものは一時的であり、見えないものはいつ

までも続くからです」
(2コリ4:16~18)

      ①今の患難は、軽いものである。

      ②将来与えられる栄光は、計り知れないほど重く、永遠のものである。

Ⅲ.人間とともに苦しまれる神

  
1.2つの誤解

      ①苦難のない人生が一番いい人生である。

      ②人間が苦しむ時、神は遠く離れて立っておられる。

  2.アブラハムがイサクを捧げた出来事

  「これらの出来事の後、神はアブラハムを試練に会わせられた。神は彼に、『アブラハム

よ』と呼びかけられると、彼は、『はい。ここにおります』と答えた。神は仰せられた。『あ

なたの子、あなたの愛しているひとり子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。そし

てわたしがあなたに示す一つの山の上で、全焼のいけにえとしてイサクをわたしにささげ

なさい』」
(創22:1~2)

    (1)いくら神とは言え、このような命令をする権利があるのか。

      ①神は愛のお方なのか。

      ②神は、専制君主のようなお方なのか。

    (2)父なる神が子なる神を犠牲にするという前提で読まなければ、意味は分からない。

      ①神は、私たち人間の罪、苦しみ、不安を背負われるお方である。

②私たち人間が通過するすべての苦難を知っておられる。

  3.子なる神が苦しむ時、父なる神も苦しまれる。

    (1)ゲツセマネの祈り

    「『父よ。みこころならば、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わた

    しの願いではなく、みこころのとおりにしてください。』すると、御使いが天からイ

エスに現れて、イエスを力づけた。イエスは、苦しみもだえて、いよいよ切に祈られ

た。汗が血のしずくのように地に落ちた」
(ルカ22:42~44)

  
「この杯」とは、罪に対する神の怒り、裁きのことである。

  ②イエスは今、「罪とされ」、父なる神から切り離されようとしている。

  ③その苦しみは、汗が血のしずくのように地に落ちるほどのものであった。

  ④この時、父なる神もまた苦しみを通過しておられた。

(2)人生観を革命的に変える認識

①私たちが苦しむ時、キリストはともに苦しんでくださる。

②キリストが苦しまれる時、父なる神もともに苦しんでおられる。

③この認識は、苦難に立ち向かう私たちの姿勢を変える。

結論:信仰者の応答(詩131)

  (都上りの歌。ダビデによる)

  「【主】よ。私の心は誇らず、私の目は高ぶりません。及びもつかない大きなことや、奇

しいことに、私は深入りしません。まことに私は、自分のたましいを和らげ、静めました。

乳離れした子が母親の前にいるように、私のたましいは乳離れした子のように私の前にお

ります。イスラエルよ。今よりとこしえまで【主】を待て」

  1節

  「【主】よ。私の心は誇らず、私の目は高ぶりません。及びもつかない大きなことや、奇

しいことに、私は深入りしません」

    (1)人生は謎に満ちている。

(2)この世界には、人間に理解できることと、できないことが同居している。

(3)自分はあらゆる問題に対する答えを持っていると考える人は、愚かで傲慢。

  ①なぜ、この世には悪が存在するのか。

②なぜ、ある人たちに悲劇が起こるのか。

③神の主権と人間の自由意志の関係はどうなっているのか。

④なぜ、ある祈りは聞かれ、ある祈りは聞かれないのか。

(4)難問に直面したときのダビデの視線は、低いところにある。

①彼は、自らの無知を告白している。

②「私は知りません」と言える人は、謙遜な人である。

  2節

  「まことに私は、自分のたましいを和らげ、静めました。乳離れした子が母親の前にいる

ように、私のたましいは乳離れした子のように私の前におります」(2節)

  (1)乳離れした子(離乳期の子)を例に上げ、自分の心の状態を解説している。

(2)最初はむずかっていた子も、母親の胸に抱かれると、安心しておとなしくなる。

(3)ダビデもまた、神の御前でそのような平安の体験をしている。

(4)心が揺れ動く時、彼は自らの無知を告白し、神がすべてをご存じであることを

信じて魂の平安を得ている。

  3節

「イスラエルよ。今よりとこしえまで【主】を待て」(3節)

  (1)全知全能の神に信頼することこそ、平安の秘訣である。

  (2)そのことをイスラエルの民に語りかけている。

  (3)「【主】を待て」とは、「主に希望を置け」という意味である。

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