60分でわかる旧約聖書(15)エズラ記

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エズラ記を通して、リバイバルの原則について考える。

60 分でわかる旧約聖書( 15 )「エズラ記」

1.はじめに

(1)書名と著者

①エズラ記は、祭司エズラの名が付けられた書である。

②ある時期、エズラ記とネヘミヤ記は、1冊の書であった。

③しかし、それより以前には今と同じように別の書として扱われていた。

*エズ2章とネヘ7章は、ほぼ同じ内容である(帰還民のリスト)。

④歴代誌同様、著者は恐らくエズラであろう。

*7:27~9:15は、一人称で書かれている。

⑤エズラは、もっと注目されてよい人物である。

*大祭司ヒルキヤの子孫である(エズ7:1)。

*ヒルキヤは、ヨシア王の時代に、神殿でモーセの律法を発見した。

*それがきっかけで、南王国(ユダ)にリバイバルが起こった。

⑥エズラは、バビロン捕囚の間、祭司として働くことは不可能であった。

⑤その間、彼はモーセの律法を熱心に学んだ。「学者」と呼ばれる。

 

(2)内容

①エズラ記は、イスラエルの民の霊的、信仰的歴史である。

②エズラは、存在するさまざまな資料を用いて、この書を書いた。

*ペルシヤ帝国の公式文書は、アラム語で書かれている。

*アラム語は、当時の世界共通語である。

③世俗的歴史の記録が、霊的、信仰的歴史の記述に用いられる。

*歴史は、神の働きの足跡である。

④バビロン捕囚は70年続いた。

⑤そこから帰還した民の生活を描いている。

⑥捕囚期後の歴史書は、エズラ記、ネヘミヤ記、エステル記である。

⑦捕囚期後の預言書は、ハガイ書、ゼカリヤ書、マラキ書である。

⑧最初の読者は、エズラと同時代のユダヤ人たちである。

⑨問題に直面していた帰還民たちには、大きな励ましとなった。

 

2.メッセージのアウトライン

Ⅰ.国の再建:ゼルバベルの指導(1~6章)

1.カナンの地への帰還(1~2章)

2.神殿の再建(3章)

3.敵の妨害との戦い(4~6章)

Ⅱ.信仰生活の再建:エズラの指導(7~10章)

1.エルサレムに到着するエズラ(7~8章)

2.民の罪を告白するエズラ(9章)

3.国を清めるエズラ(10章)

 

結論:私たちへの適用

1.悔い改めの力

2.みことばの力

 

エズラ記を通して、リバイバルの原則について考える。

Ⅰ.国の再建:ゼルバベルの指導( 1 6 章)

1 .カナンの地への帰還( 1 2 章)

(1)年表

①前538年クロス王の布告により、約5万人のユダヤたちが帰還した。

②前515年神殿は完成し、奉献式が行われた。

③前476年エステルがペルシヤの女王になる。

④前458年エズラのエルサレム到着

 

(2)神は、支配者を支配しておられる。

①エレミヤの預言:バビロン捕囚は70年で終わる。

②ペルシヤのクロス王が、その預言を成就させた。

*ユダヤ人の帰還と神殿再建を許可した。

*政治目的のためであった(周辺に傀儡政権を置くことが目的)。

 

(3)帰還した民の人数は、約5万人弱であった。

①大半が、バビロンに留まった。

*物質主義の束縛

*バビロン捕囚は、霊的問題への最終的な回答にはならなかった。

②帰還した人たちは、「イスラエルの残れる者」である。

*生活の安定よりも、神との関係を優先させた人たちである。

 

2 .神殿の再建( 3 章)

(1)帰還民たちは、エルサレムだけでなく、それ以外の町々にも住み着いた。

①ベツレヘム、アナトテ、ラマ、ゲバ、ミクマシュ、ベテル、アイ、エリコ

②エズラは、「すべてのイスラエル人」という言葉を使っている。

③帰還民の中心はユダ族とベニヤミン族であるが、北の10部族もこの中に含

まれていることを、彼は強調している。

 

(2)帰還民たちは、神殿建設のために、能力に応じてささげ物を捧げた。

①金は約256キロ、銀は約3トン。

②これは、自発的ささげ物で、新約時代の献金と同じである。

 

(3)最初に、神殿が建っていた場所に祭壇を築いた。

①仮庵の祭りを祝った。

②帰還民たちは、祭壇を中心にひとつとなった。

③私たちも、十字架を中心にひとつになる。

 

(4)祭壇完成から7ヶ月後(帰還の翌年の2月)に、神殿の工事を開始した。

①城壁再建の前に、神殿の建設に着手した。

②城壁は防衛のためであるが、いかなる城壁も神がともにいないなら虚しい。

③神殿建設は、彼らの真ん中に神の臨在を招き入れるためのものであった。

 

(5)神殿の礎が据えられた喜び

①祭司とレビ人たちは、ダビデ王の先例に倣って【主】を賛美した。

②年老いた世代の中には、大声をあげて泣く人もいた。

*ソロモンの神殿と比較して第二神殿は貧弱であった。

*神殿の豪華さは、神の栄光の現れである。

*彼らは、神の栄光のために嘆いたのである。

③この嘆きは、私たちへの教訓となる。

 

3 .敵の妨害との戦い( 4 6 章)

(1)アッシリヤ帝国は、征服した地に異民族を連れてきて雑婚を図った。

①その混血民の子孫たちが、神殿建設に対する妨害が始めた。

②その中心がサマリヤ人である。

 

(2)彼らは、工事に協力するという申し出をした。

①これは、指導者たちをかく乱するためである。

②彼らは、自分たちもイスラエルの神を求めていると言った。

③彼らの信仰は混合主義で、【主】以外の神々も礼拝の対象となっていた。

④ここでの敵は、現代の自由主義神学者のようなものである。

 

(3)政治的リーダー(ゼルバベル)と宗教的リーダー(ヨシュア)

①毅然とした態度で、ただちに拒否した。敵に付け入る隙を与えない。

②自分たちは、イスラエルの神のために宮を立てようとしている。

*サマリヤ人が礼拝している神とイスラエルの神は、同じ神ではない。

③宮の建設計画は、クロス王が自分たちに命じたものである。

*それゆえ、自分たちだけで完成させる。

 

(4)敵は、かく乱戦法から露骨な脅しに戦略を変えた。

①サマリヤ人は、建設に携わっている人たちを脅迫した。

②議官(宮廷の役人)を買収して、この計画を打ちこわそうとした。

③工事は中断され、14年後に再開された(4:24)。

 

(5)預言者ハガイとゼカリヤの活躍

①ゼルバベルとヨシュアは、神殿の工事を再開した。

②神殿がなければ、モーセ契約の内容を実行することができない。

③ふたりの預言者は、神殿建設を最優先課題とした。

④クリスチャンライフにおいても、最優先課題というものがある。

 

(6)ダリヨス王は、クロス王の布告に基づき法的許可を与えた。

①川向こうの総督タテナイが妨害の中心人物であった。

②かつて工事を妨害した者が、神の御業を実行する者とされた。

 

(7)エズ6:15

Ezr 6:15 こうして、この宮はダリヨス王の治世の第六年、アダルの月の三日に完成した。

①神殿が完成したのは、前515年のアダルの月(2-3月)。

②前536年の着工から21年後。

③第一神殿が破壊されて(前586年8月12日)から、70年後。

④ユダヤ人たちは、70年ぶりに過越の祭りを祝った。

⑤挫折を乗り越え、神の計画を完成に導く人は幸いである。

⑥試練の中にいる人に対して、聖書から励ましの言葉を語る人も幸いである。

 

(8)エズ1~6章の意義

①最初の帰還から80年経ってから、エズラがエルサレムに到着した。

②エズ1~6章は、エズラが到着する前に起こったことである。

③神殿建設の記録は、神殿での礼拝を行う人たちに励ましをもたらした。

 

Ⅱ.信仰生活の再建:エズラの指導( 7 10 章)

1 .エルサレムに到着するエズラ( 7 8 章)

(1)7~10章は、バビロンからの第2次帰還の様子を取り上げている。

①エズ6:22と7:1の間には、57~58年のギャップがある。

 

(2)エズラの系図

①レビ族出身で、アロンの子孫。

②彼は、祭司として民に律法を教える権威を持っていた。

③モーセの律法に精通した律法学者であった。

④ネヘミヤの場合は宮廷での高官であった。

⑤異教の王であるアルタシャスタの好意を得ていた。

 

(3)エズラの決心(エズ7:10)

Ezr 7:10 エズラは、【主】の律法を調べ、これを実行し、イスラエルでおきてと定めを教えようとして、心を定めていたからである。

①【主】の律法を調べる。

②学んだことを実行に移す。

③他の人たちに律法を教える。

*この順番は、祝されたミニストリーを展開するための秘訣である。

 

(4)アルタシャスタは、エズラをイスラエルの地における正義の執行役に命じた。

①エズラには、さばきつかさや裁判官を任命するという権威が与えられた。

②彼は、ペルシヤの王にこのような思いを与え、王と議官たちの好意を自分に

向けさせてくださったのは、イスラエルの神であると告白している。

③神に栄光を帰し、自分の手柄にしていない。

 

(5)エズラとともに帰還した人数

①79年前の帰還民の数(5万人弱)と比べると、ほぼ10分の1である。

②驚く必要はない。「イスラエルの残れる者」は常に少数派である。

 

(6)旅のための準備

①神の祝福と守りを願うための断食を、民に命じた。

②エズラは、護衛部隊を付けることを王に要請しなかった。

③イスラエルの神が力と恵みに溢れたお方であることを王に証言していた。

 

(7)エルサレム到着後

①神殿で全焼のいけにえをささげた。

②雄牛12頭は、イスラエル12部族のためである。

 

2 .民の罪を告白するエズラ( 9 章)

(1)雑婚の問題

①帰還の理由は、信仰の道に立ち帰るためであったが、民の心には古い罪の性

質が残っていた。

②エズラは、「雑婚」(異教徒との結婚)の罪があることを知った。

③異民族との結婚は、偶像礼拝をもたらす(ソロモンの事例)。

④エズラは悲しみ(着物を裂く行為)、大いに怒った(毛を抜く行為)。

⑤ここで彼は、捕囚が再び起こる可能性を感じたに違いない。

⑥彼は、夕方のささげ物の時刻(午後3時)まで黙して座っていた。

⑦彼の周りには、「イスラエルの神のことばを恐れている者たち」(真の信仰

者たち)が集まって来た。

⑧隣人に対する寛容は美徳であるが、罪に関して寛容であることは大変危険

なことである。

 

(2)エズラの祈り

①夕方のささげ物の時刻(午後3時)になって祈り始める。

②彼自身は無罪であるが、民の罪が自分の罪であるかのように祈っている。

 

(3)祈りの内容

①民が約束の地に帰還できたのは、神の恵みのゆえである。

②ペルシヤの王たちを動かして、神殿と町の再建を可能にさせたのも、神の恵

みの業である。

③雑婚の罪に関しては、どんな言い訳も通用しない。

④雑婚によって、イスラエルの地に汚れと忌むべき習慣が持ち込まれた。

⑤これによって、将来の祝福が危険にさらされた。

⑥エズラは特別な要請をしたわけではなく、ただ神の前にひれ伏した。

⑦エズラは神のいくつかの属性を認め、列挙している。

*あわれみ(8節)

*恵み(9節)

*怒り(14節)

*正義(15節)

 

3 .国を清めるエズラ( 10 章)

(1)罪を認める人々

①エズラのところに、「雑婚の罪」を悲しんでいた人々が集まって来た。

②指導者層が動き始めたのを見て、民衆も行動を起こし始めた。

③シェカヌヤという人物が、異教徒の妻と子どもを追放することを提案した。

④この提言が神の御心に叶ったものであるかどうかは、議論の余地がある。

⑤ひとつ言えるのは、捕囚から帰還した直後の時代には、このような厳しい対

応が必要だったということである。

⑥イスラエルの神を信じるようになれば、異邦人の妻でも追放されないとい

うのは、確かな希望である。

⑦律法には、裁きの側面と恵みの側面がともに備わっている。

 

(2)神殿に集う民

①エズラがおふれを出し、3日後に、民はエルサレムに集まった。

②第9の月というのは、今の11月~12月で、雨季に入っている。

③あいにくの大雨であったが、集会は予定通りに開催された。

④エズラは、民の罪(外国の女と結婚したこと)を糾弾した。

⑤その罪を認め、【主】に告白すべきだと勧告した。

⑥さらに、霊性を聖く保つために、外国の妻を離別すべきだと命じた。

⑦全集団は、エズラの勧告に従うと大声で応答した。

*この問題を処理するのに3ヶ月かかった。

⑧民は、大雨の中で罪を告白し、悔い改めを実際の行動で示した。

 

(3)新約聖書は、このテーマに関連して2つのことを教えている。

①不信者と「つり合わぬくびき」を共にしてはならない(2コリ6:14~18)。

②すでに未信者と結婚しているなら、相手が同意している限り、離婚すべきで

はない(1コリ7:12~13)。

 

結論:私たちへの教訓

1 .悔い改めの力

1 )霊性の再建が優先される。

①神殿が再建され、立派な祭儀が行われても、それだけではなんの意味もな

い。

2 )民の霊性の再建のために必要とされたのは、悔い改めである。

①ここに、私たちへの希望がある。

3 )どんなに神から遠く離れた所にいる人でも、悔い改めを通して神に立ち帰る

ことができる。

 

2 .みことばの力

1 )エズラ記は霊的覚醒の書である。

2 )みことばを学び、それを生活に適用し、悔い改めが必要なら悔い改める。

3 )エズラは、宗教改革者であり、リバイバリストである。

①ネヘミヤ記 8 章にも登場する。

4 )リバイバルは、組織論や方法論では起こらない。

(例話) D L ・ムーディ( 19 世紀後半に活躍した米国人のリバイバリスト)

「次のリバイバルは、聖書研究によるリバイバルであろう」

Ezr 9:4 捕囚から帰って来た人々の不信の罪のことで、イスラエルの神のことばを恐れている者はみな、私のところに集まって来た。私は夕方のささげ物の時刻まで、色を失ってじっとすわっていた。

Ezr 10:3 今、私たちは、私たちの神に契約を結び、主の勧告と、私たちの神の命令を恐れる人々の勧告に従って、これらの妻たちと、その子どもたちをみな、追い出しましょう。律法に従ってこれを行いましょう。

5 )「聖書研究から日本の霊的覚醒(目覚め)が」

 

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