私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
60分でわかる旧約聖書(1)「創世記」
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創世記を通して、あらゆることの始まりについて学ぶ
(大阪月例会の収録分が音声不良だった
ために、東京定例会で再収録したものです。)
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「60分で分かる創世記」
1.はじめに
(1)「60分で分かる〇〇」のシリーズを開始する。
①1節1節の解説も重要であるが、鳥瞰図的な理解も必要である。
②その場合重要なのは、「センス・オブ・プロポーション」である。
(2)創世記について
①旧約聖書の最初の五書は、本来は「ひとつの書」として書かれたものであ
る。
②最初の五書の呼び名
*英語では「thePentateuch」(5つの筒)と言われる。
*ユダヤ人たちは、「トーラー」(教え)と呼ぶ。
*一般的には、「モーセの五書」である。
③著者はモーセである。
*モーセが誕生する前の情報もある。
*神からの啓示があった。
*残された記録があった。
*イエスは、モーセが書いたと認めている(ヨハ5:45~47)。
④執筆の目的
*カナンの地に入国する前のイスラエル人のために書いた。
*彼らは、イスラエルの歴史や出エジプトの歴史を知らない世代である。
*何のためにカナンの地で生きるのかを知らなければならない。
*モーセは彼らに、以下のことを教えようとした。
・天と地の始まり
・人類の始まり
・罪の始まり
・イスラエル民族の始まり
・神の人類救済計画の始まり
2.アウトライン
(1)人類一般の歴史(1~11章)
①天と地の創造(1~2章)
②アダムとその家族(3~5章)
③ノアとその家族(6~11章)
(2)イスラエルの歴史(12~50章)
①アブラハム(12:1~25:18)
②イサク(25:19~26:35)
③ヤコブ(27:1~36:43)
④ヨセフ(37:1~50:26)
3.結論
(1)創世記とキリスト
(2)創世記と黙示録
創世記を通して、あらゆることの始まりについて学ぶ。
Ⅰ.人類一般の歴史(1~11章)
1.天と地の創造(1~2章)
(1)地の強調
「初めに、神が天と地を創造した」(1:1)
①天使の創造、天使の堕落などのテーマは、省略されている。
②天と地の創造に言及しながら、強調点は地にある。
③地上における神の主権が、これから展開されるテーマとなる。
④イスラエルの民にカナンの地を約束されたのは、全地の所有者である。
(2)人間の創造
「神は仰せられた。『さあ人を造ろう。われわれのかたちとして、われわれに似せて。彼らが、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地をはうすべてのものを支配するように。』神は人をご自身のかたちとして創造された。神のかたちとして彼を創造し、男と女とに彼らを創造された」(1:26~27)
①人は、神の「かたち」に造られている。
②人は、創造の冠である。
(3)唯一の禁止令
「神である【主】は人に命じて仰せられた。『あなたは、園のどの木からでも思いのまま食べてよい。しかし、善悪の知識の木からは取って食べてはならない。それを取って食べるとき、あなたは必ず死ぬ』」(2:16~17)
①神への従順は、人を自由にする。
(4)結婚
「神である【主】は仰せられた。『人が、ひとりでいるのは良くない。わたしは彼のために、彼にふさわしい助け手を造ろう』」(2:18)
①結婚制度の始まり
②女性は男性の助け手として創造された。
2.アダムとその家族(3~5章)
(1)人類の堕落(3:1~24)
①蛇に乗り移ったサタンの誘惑
・サタンの起源に関しては、触れられていない。
②霊的死の経験
・園の木の間に身を隠した。
③罪の裁きと救いの約束
(2)原福音(3:15)
「わたしは、おまえと女との間に、また、おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく」(3:15)
①「おまえの子孫」とは、反キリストのことである。
②「女の子孫」とは、キリストのことである。
③キリストが反キリストに勝利することが約束された。
④「女の子孫」が今後の展開の主題である。
(3)アダムとエバの子孫たち(4~5章)
①カインとアベル
②カインから広がる子孫たち
③セツの誕生
④神は、アダムの息子たちの中からセツを選ばれた。
*「選び」も、重要な主題である。
3.ノアとその家族(6~11章)
(1)洪水(6~10章)
「主は、地上に人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っているのを御覧になって、地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた」(6:5~6)
①神は、セツの子孫の中からノアを選ばれた。
②当時の世界は滅ぼされ、人類の歴史は8人の人たちで再スタートを切った。
*ノア、セム、ハム、ヤペテ、そして彼らの妻たち
(2)バベルの塔(11:1~32)
①人類は、地上に広がらずに、一か所に集まってバベルの塔を建てた。
②神が介入され、言葉を混乱させた結果、人々は全地に散って行った。
③神の人類救済計画は、挫折していない。
④神は、ノアの子孫の中からアブラハムを選ばれた。
Ⅱ.イスラエルの歴史(12~50章)
1.アブラハム(12:1~25:18)
(1)アブラハム契約
「【主】はアブラムに仰せられた。『あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。」(12:1~3)
①土地の約束
②子孫の約束
③祝福の約束
(2)アブラハムの選びの本質
①救いのための選びではない。
②全人類を救うための方法としての選びである。
(3)この契約は、無条件契約である。
①アブラハムとその子孫の失敗があっても、破棄されない。
②神のみが責任を負う片務契約である。
2.イサク(25:19~26:35)
(1)イシュマエルではなく、イサクが選ばれた。
①イサクは、約束の子である。
②アブラハムは、イサクを捧げよという命令に従うことによって、自らの信仰
を証明した。
(2)アブラハム契約は、イサクに引き継がれた。
①「アブラハム、イサクの神」
3.ヤコブ(27:1~36:43)
(1)エサウではなく、ヤコブが選ばれた。
①ヤコブの肉的な性質が神によって取り扱われ、霊的な性質が成長した。
(2)アブラハム契約は、ヤコブに引き継がれた。
①「アブラハム、イサク、ヤコブの神」
(3)ヤコブに12人の息子たちが与えられた。
①彼らは、12部族の始まりとなった。
②特に重要なのが、ヨセフ族とユダ族である。
③ヨセフ族は長子の部族となり、2部族を輩出した。
*マナセ族とエフライム族
④ユダ族は、メシアを世に出す家系となった。
4.ヨセフ(37:1~50:26)
(1)カナン文化との同化を防ぐために、ヨセフが用いられた。
①彼の人生には、神の摂理が働いていた。
②兄たちの悪意のゆえにエジプトに売られたが、それは神の計画でもあった。
(2)神は、イスラエルの民を隔離した状態で大きく育て、カナンの地に戻そうと
された。
①イスラエルの民は、エジプトで400年間奴隷になった。
②しかし、民族の記憶としてカナンの地への帰還を忘れることはなかった。
「ヨセフは兄弟たちに言った。『私は死のうとしている。神は必ずあなたがたを顧みて、この地からアブラハム、イサク、ヤコブに誓われた地へ上らせてくださいます。』そうして、ヨセフはイスラエルの子らに誓わせて、『神は必ずあなたがたを顧みてくださるから、そのとき、あなたがたは私の遺体をここから携え上ってください』と言った。ヨセフは百十歳で死んだ。彼らはヨセフをエジプトでミイラにし、棺に納めた」(50:24~26)
結論
1.創世記とキリスト
(1)神はことばによって天地を創造した。キリストは神のことば(ヨハ1:1~5)。
(2)キリストは、最後のアダムである(ロマ5:1~21、1コリ15:45)。
(3)キリストは、「女の子孫」である(ガラ3:19、4:4)。
(4)アベルは、キリストの型である(ヘブ11:4、12:24)
(5)メルキゼデクは、キリストの型である(ヘブ7~10章)。
(6)小羊は、キリストの型である(ヨハ1:29)。
(7)ヨセフは、キリストの型である。
2.創世記と黙示録
(1)神は天と地を創造された。
①神は、新しい天と新しい地を創造される(黙21章)。
(2)サタンは人類を攻撃した。
①サタンは最終戦争で敗北する(黙20:7~10)。
(3)神は闇と光を創造された。
①いつか闇は消え去り、光だけとなる(黙21:23、22:5)。
(4)神は水の集まった所を海と名づけられた(創1:10)。
①海は消え去る(黙21:1)。
(5)神は人をエデンの園(シャカイナグローリー)から追放された(創3:24)。
①神は人をシャカイナグローリーの内に招かれる(黙22:1)。
(6)神は人を「いのちの木」から遠ざけた(創3:22)。
①人は「いのちの木」から食べることができるようになる。
「自分の着物を洗って、いのちの木の実を食べる権利を与えられ、門を通って都に入れるようになる者は、幸いである」(黙22:14)
まとめ:
(1)創世記を理解したなら、それまでの人生観を一変せざるを得なくなる。
(2)キリスト教は、世界観であり、歴史観である。
(3)創世記によって、霊的体幹を強くすることができる。
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