創世記(65)—ヨセフの死—

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信仰者の生き方を学ぶ。

創世記65 創世記50章1節~26節

「ヨセフの死」

イントロ:

1.文脈を確認する。

  (1)エジプトに移住してから17年後、ヤコブは死んだ。

  (2)ヤコブの死後、その子孫たちはどのように行動したか。

  (3)この章は、創世記のまとめであると同時に、出エジプト記への準備でもある。

  2.メッセージのアウトライン

    (1)ヤコブの葬儀の準備(50:1~6)

(2)葬儀そのもの(50:7~14)

(3)ヨセフと兄弟たちの和解(50:15~21)

(4)ヨセフの死(50:22~26)

  3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。

    (1)カナンの地へのあこがれ

    (2)不安がもたらす弊害

    (3)創世記全体のまとめ

このメッセージは、信仰者の生き方を学ぶためのものである。

Ⅰ.ヤコブの葬儀の準備(50:1~6)

  
1.「ヨセフは父の顔に取りすがって泣き、父に口づけした」(新改訳)

(1)ヨセフだけではなく、息子たち全員がそうしたことだろう。

(2)死の瞬間が来ることは分かっていても、実際にそれが来ると悲しいものである。

(3)最後の17年間を父と過ごせたことは、ヨセフにとっては幸いであった。

  2.父の遺体のミイラ化

   (1)魔術的要素を排除するために、医者に命じている。

(2)ミイラにしないと、カナンの地に埋葬できない。

(3)ミイラにするために40日を要した(前5世紀のギリシアの史家ヘロドトス)

  ①脳と内臓を取り出す。

  ②薬品漬にする(遺体のピクルス)。

(4)エジプトは70日間喪に服した。

  ①エジプト人は、王が死ぬと72日間喪に服した。

  ②恐らく、王と区別するために70日となっている。

  ③いずれにしても、ヤコブはエジプト人たちからも尊敬された。

  3.パロへの申し出

(1)仲介者を通した申し出

  ①ヨセフの謙遜

(2)父との誓いを果たすため

  ①「掘っておいた」とは「買った」という意味である。

  ②実際に買ったのはアブラハムであるが、ヤコブがその墓地を相続した。

(3)パロの許可が必要な理由

  ①重要な地位に就いていた。

  ②「私はまた帰って来ます」と約束した。

(4)パロからの許可が出た。

Ⅱ.葬儀そのもの(50:7~14)

  1.葬儀のためにカナンの地に上った者たち

(1)パロのすべての家臣たち、パロの家の長老たち、エジプトのすべての長老たち

(2)ヨセフの全家族とその兄弟たち

(3)父の家族たち

  2.子どもと羊と牛はゴシェンの地に残った。

(1)葬儀の意味が分からない。

(2)安心して残せる状態であった。

  3.ボディーガードが付いた。

(1)戦車と騎兵

  4.「彼らはヨルダンの向こうの地ゴレン・ハアタデに着いた」

(1)通常は「ヨルダンの向こうの地」とはヨルダン川東岸のことである。

(2)ここでは、文脈上ヨルダン川西岸である。

(3)7日間に及ぶ荘厳な葬儀

(4)地名の改名:「アベル・ミツライム」(エジプトの葬儀)

  5.ヨセフはマクペラの墓地にヤコブを葬り、エジプトに帰還した。

(1)マタ8:22との比較

(2)神の計画を進めるために何を為すべきかを考える。

Ⅲ.ヨセフと兄弟たちの和解(50:15~21)

  
1.ヨセフの兄弟たちの不安

(1)父の守りがなくなった。

(2)ヨセフの仕返しを恐れた。

(3)彼らは本当の意味でまだヨセフと和解していなかった。

  2.作り話によってヨセフの赦しを得ようとする。

(1)父の命令を伝えた。

(2)もし本当なら、父ヤコブは直接ヨセフにそう命じていたはずである。

  3.ヨセフの反応

(1)兄たちの言葉を聞いて泣いた。

(2)彼らは、ヨセフの前にひざまずいた。

(3)死ぬよりも奴隷になる方がいいと語った。

(4)夢のさらなる成就。太陽と月は消えたが、11の星はヨセフを伏し拝んだ。

(5)「恐れることはありません。どうして、私が神の代わりでしょうか」

(6)人の視点:あなたがたは、私に悪を計りました。

(7)神の視点:神はそれを、良いことのための計らいとなさいました。

  ①多くの人々を生かしておくため。

    *ヤコブの家族

    *エジプト人

    *カナン人

  ②ですから、もう恐れることはありません。

(8)慰めの言葉:私は、あなたがたや、あなたがたの子どもたちを養いましょう。

Ⅳ.ヨセフの死(50:22~26)

  1.ヨセフは110歳で死んだ。

(1)ヤコブは147歳で死んだ(この時ヨセフは56歳)。

(2)ヤコブの死後54年経ってヨセフが死んだ。

(3)彼はエフライムの孫、彼にとっては曾孫の顔を見ることができた。

  2.ヨセフの遺言

(1)父ヤコブと同じ信仰を告白している。

(2)ヨセフは神からの直接的啓示を受けなかったが、夢によって信仰を保持した。

(3)遺体をカナンの地に運ぶことを、子らに誓わせた。

(4)ヘブ11:22によれば、これは信仰による言葉であった。

(5)ヨセフの遺体のミイラ化

(6)ヨセフの願いの成就

  ①出13:19

  ②ヨシ24:32

結論:このメッセージは、信仰者の生き方を考えるためのものである。

  1.カナンの地へのあこがれ


(1)イスラエル民族の共通の夢


(2)ヨセフのミイラはその夢の成就を語り続けた。


(3)紀元70年以降離散の民となったユダヤ人は、この夢を抱き続けた。


(4)クリスチャンの夢は、空になった墓にある。

  2.不安がもたらす弊害

(1)赦されたという確信がない。

  ①的外れの行動を起こす。

  ②周りの人と競争することになる。

(2)ヨセフはイエスの型

  ①ヨセフは泣いた。

  ②ヨセフは赦した。

  ③ヨセフは慰め、優しく語りかけた。

  3.創世記全体のまとめ

(1)観察

  ①光と命から始まり、死と闇で終わっている。

(2)原因

  ①アダムの罪

  ②罪の拡大

(3)解決

  ①神はひとりの人を選ばれ、そこから出てくるひとつの民族を選ばれた。

  ②アブラハム契約こそ聖書全体を解く鍵である。

*全人類の救いが最終ゴールである。

*イスラエルは祭司の民となる。

*イスラエルから祭司の中の祭司、メシアが誕生する。

  ③次の書である出エジプト記は、解放の書である。

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