創世記(50)—夢見る人ヨセフ—

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このメッセージでは...

ヨセフとキリストに起こったことは私たちにも起こることを学ぶ。

創世記50 創世記37章2節~36節

「夢見る人ヨセフ」

イントロ:

1.創世記37章~50章は第11番目のトルドット(歴史、経緯)である。

(1)38章はユダの物語

(2)それ以外の13章はすべてヨセフの物語

2.文脈を確認する。

(1)ヤコブは12人の息子たちとともに、約束の地に住むようになった。

(2)アブラハム契約の条項が、次にどのような展開を見せるのか。

(3)これからの物語は、ヨセフを中心に回り始める。

①ヨセフ物語は、「ヤコブ一家」から「イスラエル民族」へのリンクとなる。

(4)ヨセフについて

①ヨセフはヤコブの最愛の妻ラケルから生まれた。

②不妊の女から生まれた子が重要な役割を果たすようになる例が多くある。

③イサク(サラ)、ヤコブ(リベカ)、サムソン(マノアの妻)、サムエル(ハンナ)

(5)ヨセフとキリストの関係

①新約聖書には、ヨセフはキリストの型だと教えている個所はない。

②しかし、ヨセフとキリストの間には類似点が多くある。

*辱めを受ける(37章、39章~40章)。

*上に引き上げられる(41章)。

3.きょうの箇所

(1)第1のステップ 正直な性格

(2)第2のステップ 父の偏愛

(3)第3のステップ 2つの夢

(4)第4のステップ 父の使い

(5)第5のステップ 隊商の通過

4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。

(1)ヨセフに起こったことはキリストにも起こる。

(2)キリストに起こったことは私たちにも起こる。

(3)つまり、ヨセフに起こったことは私たちにも起こるのである。

このメッセージは、ヨセフとキリストに起こったことは私たちにも起こることを
学ぼうとするものである。

Ⅰ.第1のステップ 正直な性格(2節)

1.ヨセフは17歳

(1)ビルハの子ら(ダン、ナフタリ)

(2)ジルパの子ら(ガド、アシェル)

(3)ヤコブは、レアの子ら(ルベン、シメオン、レビ、ユダ)を警戒したのであろう。

(4)「手伝い」とは、羊飼いの仕事を教えてもらうこと。

2.「彼らの悪いうわさを父に告げた」

(1)正直な性格は、悪を見逃すことができない。

(2)「悪いうわさ」「悪い報告」とは何か。

①想像するしかない。いじめ、仲間内の喧嘩。

②羊に害を与えるような行動。生きたまま食べる。

(3)兄たちは年上なので直接抗議するのが難しい。

(4)そこで、父ヤコブに報告した。

(5)兄たちはヨセフに恨みを抱くようになった。

3.イエスがユダヤ人の指導者たちから攻撃された理由

(1)イエスが真理を語ったから

(2)彼らが闇の中にいたから。

「あなたがたのうちだれか、わたしに罪があると責める者がいますか。わたしが真理を話しているなら、なぜわたしを信じないのですか」(ヨハ8:46)

Ⅱ.第2のステップ 父の偏愛(3~4節)

1.「イスラエルは、彼の息子たちのだれよりもヨセフを愛していた」

(1)理由:「ヨセフが彼の年寄り子であったからである」

(2)愛の表現:「それで彼はヨセフに、そでつきの長服を作ってやっていた」

(3)結果:「彼の兄たちは、…彼を憎み、彼と穏やかに話すことができなかった」

2.「そでつきの長服」の意味

(1)「ケトニム・パスィム」。「パス」は「手のひら」。そでが手の先まである長服

(2)これは、長子に着せる服である。

(3)後継者選び

①アブラハムの場合:イシュマエルかイサクか。

②イサクの場合:エサウかヤコブか

③ヤコブの場合:12人の中から選ばねばならない。

(4)レアの最初の4人の子ら

①ルベンは35:22で罪を犯した。

②シメオンとレビは、ディナ事件で暴虐を働いた。

③ユダは、堕落している。

(5)ビルハとジルパはそばめであるので、その子たちは除外される。

(6)そうなると、候補としては、最愛の妻ラケルの長子であるヨセフしかない。

(7)兄たちの怒りの原因は、ヨセフが後継者候補になっていることにもある。

3.イエスが裁判にかけられた理由

(1)イエスに対するねたみ(マタ27:18)

「ピラトは、彼らがねたみからイエスを引き渡したことに気づいていたのである」

Ⅲ.第3のステップ 2つの夢(5~11)

1.最初の夢

(1)内容

①ヨセフの麦の束がまっすぐに立ち上がった。

②兄たちの麦の束が、その周りに来ておじぎをした。

③意味はすぐに分かった。

(2)ヨセフには悪意はない。ただ、判断が幼い。

(3)兄たちは、ますますヨセフを憎むようになった。

2.次の夢

(1)内容

①太陽と月と11の星がヨセフを伏し拝んでいる。

②太陽とは父、月とは母(ビルハ)、11の星とは11人の兄弟たち

(2)ヤコブは兄たちの怒りを静めるために、ヨセフを叱責した。

(3)しかし、これを心に留めていた。

①ルカ2:51でのマリアの状態と同じ。

3.なぜ神はこの時点で、ヨセフに2つの夢を見させたのか。

(1)アブラハム、イサク、ヤコブは、神からの直接的な語りかけを受けている。

(2)ヨセフには直接的な語りかけはない。2つの夢が与えられているだけである。

(3)2つの夢は、幾多の困難に立ち向かおうとしているヨセフへの励ましである。

4.イエスが十字架を忍ことができた理由

「信仰の創始者であり、完成者であるイエスから目を離さないでいなさい。イエスは、ご自分の前に置かれた喜びのゆえに、はずかしめをものともせずに十字架を忍び、神の御座の右に着座されました」(ヘブ12:2)

Ⅳ.第4のステップ 父の使い(12~24)

1.ヤコブがヨセフを使いに出す理由

(1)シェケムで羊の群れを飼う息子たちのことを心配した。

(2)シェケムは、かつてディナ事件が起こった場所

(3)兄たちの安否を確かめるために、ヨセフが送られる。

(4)ヤコブもヨセフも、兄たちの怒りがどの程度のものであるか認識していない。

2.ヘブロンからシェケム、そしてドタンへ

(1)およそ100キロの距離。足早に歩いて3日。

(2)兄たちはシェケムからさらに北に22キロほど移動したドタンにいた。

3.兄たちの殺意

(1)ヨセフがまだ遠くにいる時から、殺害を計画した。

(2)動機は何か

①「夢見る者」という言葉

②「あれの夢がどうなるか見ようではないか」という言葉

③ヨセフの前にひざまずきたくないというのが、最大の動機である。

4.神の摂理的守り

(1)ルベンの介入

①ルベンは長子であるので、ヨセフを一番憎んでもおかしくない。

②しかし彼は、ヨセフを助ける側に立つ。

③血を流すことを退けた。

④穴(水だめ)に投げ込むことを提案した。

*餓死するなら、誰か特定の人物が直接手を下したことにならない。

*穴に水がなかったのは、神の摂理である。

⑤後で父にヨセフを返すつもりでいた。

(2)ドタンにいた。

①ヴィア・マリスは、ドタンで西に折れて海岸平野に出る。

②そこから南に向かいエジプトに至る。

③ドタンは隊商街道の要衝の地である。

(3)イシュマエル人の隊商が通りかかった。

5.イエスもまた自分の兄弟たちから拒否された。

(1)父なる神から送られてきた。

(2)しかし、拒否された(ヨハネ1:11)。

「この方はご自分のくにに来られたのに、ご自分の民は受け入れなかった」

Ⅴ.第5のステップ 隊商の通過(25~36)

1.イシュマエル人とミデヤン人

(1)イシュマエル人はイシュマエルの子孫で、アラビア半島に定住した。

(2)ミデヤン人は、アブラハムとケトラの子孫で、ミデヤンの地に定住した。

(3)イシュマエル人がミデヤン人を征服し、雑婚関係ができた。

2.隊商は、ギルアデの産物(樹膠、乳香、没薬)をエジプトに運んでいた。

(1)エジプトには育たない産物である。

3.ユダの思いつき

(1)殺すよりは、利益を得る方がいい。

①兄弟たちは、良心の呵責からそれに同意した。

②ヨセフの夢を妨害するという最初も目的は達成される。

(2)ヨセフを穴から引き上げ、イシュマエル人に売った。

①銀20枚。

②ユダヤ人の伝承では、各人が2シェケルを得て、それで靴を買ったとされる。

③ヨセフの状態は、創42:21に描かれている。

4.イエスはイスカリオテのユダに銀貨30枚で売られた。

5.その後の結末

(1)ルベンの驚きと失望

(2)事件を隠すための工作

(3)ヤコブの悲しみ

(4)ヨセフは、パロの廷臣、その侍従長ポティファルの家に売られた。

結論

1.5つのステップすべてが、最後に上げられるための準備となっている。

(1)兄たちは、これでヨセフの夢はついえたと考えた。

(2)しかし、神の摂理がヨセフを導いた。

2.ヤコブの痛みは、父なる神の痛みに共通する部分がある。

(1)アブラハムはイサクを捧げ、彼を取り戻した。

(2)ヤコブはヨセフを亡くしたが、やがて取り戻すようになる。

(3)父なる神は御子を十字架に付けたが、次に高く上げた。

3.ヨセフを支えたのは2つの夢であった。

(1)私たちも、患難を通過して高く上げられる。

(2)老いと死の先に、栄光の体が待っている。

(3)Ⅱコリ4:16~18

「ですから、私たちは勇気を失いません。たとい私たちの外なる人は衰えても、内な

る人は日々新たにされています。今の時の軽い患難は、私たちのうちに働いて、測り

知れない、重い永遠の栄光をもたらすからです。私たちは、見えるものにではなく、

見えないものにこそ目を留めます。見えるものは一時的であり、見えないものはいつ

までも続くからです」

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