私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
創世記(48)—ベテルへの帰還—
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地上生涯における祝福と訓練について学ぶ。
創世記48 創世記35章1節~29節
「ベテルへの帰還」
イントロ:
1.創世記は11のトルドット(歴史、経緯)に分かれる。
(1)今私たちは、第8番目のトルドットにいる。
(2)創25:19~35:29 「これはアブラハムの子イサクの歴史である」
(3)きょうの箇所で、第8番目のトルドットが終了する。
2.文脈を確認する。
(1)ヤコブの安心(ラバンやエソウとの葛藤が終了した)
(2)それが危険をもたらす(ディナ事件)
(3)私たちもまたシェケムにとどまるようなことがあるが、それは危険である。
①神に頼らなくなる。
②神への義務(約束)を忘れてしまう。
(4)ディナ事件は、神がヤコブの背中を押した事件である。
3.きょうの箇所
(1)義務(約束)の履行(35:1~8)
(2)更なる祝福(35:9~15)
(3)更なる訓練(35:16~22a)
(4)「イサクのトルドット」の終結
4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)聖書を読む際の注意点
①その箇所が今の私たちに語られたものかどうか、考える。
②どの箇所にも、霊的適用や教訓が含まれている。
(2)地上生涯における祝福と訓練について学ぼうとしている。
このメッセージは、
地上生涯における祝福と訓練について学ぼうとするものである。
Ⅰ.義務(約束)の履行(35:1~8)
1.神からの直接的啓示(4回目の直接的啓示である)。2つの命令
(1)「立ってベテルに上り、そこに住みなさい」
①強い決断を促している。
②ある期間、ベテルに住めという命令。
(2)「そしてそこに、あなたが兄エサウからのがれていたとき、あなたに現れた神のために祭壇を築きなさい」
①創28章のベテルの体験
②ヤコブは「この石は神の家となり、…10分の1を必ずささげます」と言った。
③神はその履行を迫っておられる。
④これまで族長たちは自発的に祭壇を築いてきたが、ここでは命令が下っている。
2.ヤコブの呼びかけ(家族と、彼といっしょにいたすべての人に)
(1)「あなたがたの中にある異国の神々を取り除き」
①ラケルが盗んできたテラフィムがあった(ヤコブは知らなかったか?)。
②シェケムで手に入れた奴隷たちは、偶像礼拝者であった。
(2)「身をきよめ、着物を着替えなさい」
①ともに、清めの儀式を指している。
②シェケムの奴隷たちは清めを必要としていた。
③シメオンとレビの手と衣は、血に染まっていた。
(3)「そうして私たちは立って、ベテルに上って行こう。私はそこで、私の苦難の日に私に答え、私の歩いた道に、いつも私とともにおられた神に祭壇を築こう」
①「私の苦難の日」とは、ラバンとエソウとの葛藤日々を指している。
②ヤコブの一家にリバイバルが起きている。
3.一家の霊的清め
(1)手にしていたすべての異国の神々をヤコブに渡した。
(2)耳につけていた耳輪も渡した。
①この文脈では、「耳輪は偶像礼拝と関係がある」と理解すべき。
②ホセア2:13参照
(3)「ヤコブはそれらをシケムの近くにある樫の木の下に埋めた」(新共同訳)
①「隠した」(新改訳)よりも、「埋めた」の方がよい。
②偶像は死んでいるので埋葬することができる。
4.旅立ち
(1)カナン人たちは後を追わなかった。
(2)2人でここまでできるのだから、11人が協力したら恐ろしい。
(3)神が彼らに恐怖を与えた。
5.ベテル到着
(1)以前はルズと呼ばれた。
(2)ヤコブは祭壇を築き、「エル・ベテル」と呼んだ。「ベテルの神」という意味。
(3)「それはヤコブが兄からのがれていたとき、神がそこで彼に現れたからである」
①エロヒムという言葉(神の複数形)
*偶像を指す場合(動詞、形容詞なども複数形)
*真の神を指す場合(動詞、形容詞は単数形)
②ここは例外的用法
*エロヒムに動詞の複数形(現れた)が使われている。
*ラビたちは、天使であるとする。
*三位一体の暗示である。
6.リベカのうばデボラの死
(1)想像できるシナリオ:リベカが死んで以降、デボラはパダン・アラムに住んだ。
(2)ベテルの下手にある樫の木の下に葬られた。
(3)その木の名は「アロン・バクテ」(嘆きの樫)と呼ばれた。
(4)リバイバルの進行と同時に、悲しいことが起こっている。
(5)いかなることが起こっても、目的地に向かって前進せよ。
Ⅱ.更なる祝福(35:9~15)
1.神からの直接啓示の5回目
(1)ヤコブが追い求めてきた祝福が彼のものとなる。
(2)アブラハム契約の2度目の確認。
2.名前の変更
(1)ヤコブからイスラエルへ。再確認である。
(2)「あなたの名は、もう、ヤコブと呼んではならない」
①これは、「ヤコブという名だけではない」という意味。
②これ以降神は、彼をヤコブとイスラエルの2つの名で呼ぶ。
3.神の御名
(1)「わたしは全能の神である」
①エル・シャダイ
②創17:1 アブラハムが99歳の時に神はこの御名で現れた。
4.神の命令と約束
(1)「生めよ。ふえよ」
①ヤコブの子どもたちへの命令。
(2)「一つの国民、諸国の民のつどいが、あなたから出て」
①一つの国民とは、イスラエルの民のこと。
②諸国の民のつどいとは、12部族のこと。
(3)「王たちがあなたの腰から出る」
①これは、創17:6でアブラハムに与えられた約束である。
②創17:16でサラに与えられた約束。
(4)「わたしはアブラハムとイサクに与えた地を、あなたに与え、あなたの後の子孫にもその地を与えよう」
①ヤコブの子孫への約束
②ヤコブ個人への約束。
③これが成就するのは、メシア的王国(千年王国)においてである。
5.ヤコブの応答
(1)記念の石の柱を立てた。
(2)その上に油を注いだ。
(3)以上のことは、創28:18~22の行為の繰り返しである。
①注ぎのぶどう酒を注ぐのは、新しい要素。
②ベテルが文字通り「神の家」(礼拝の場)となった。
(4)「ヤコブは、神が自分と語られたその所をベテルと名づけた」
①繰り返しの行為である。
②今やここが、名実ともにベテル(神の家)となった。
Ⅲ.更なる訓練(35:16~22a)
1.ベニヤミンの誕生と、ラケルの死
(1)エフラテは、ベツレヘムの近辺にある。
(2)エフラテへの途上、ラケルは産気づいた。
①サマリヤの山地、ユダの山地を南北に通過する道がある。
②この事件は、エルサレムの北、ラマで起こった。
(3)創30:24で、彼女はもう一人の子が生まれることを期待した。
①ベニヤミンは、約束の地で誕生した唯一の子。
②子が与えられなければ死ぬと言ったラケルが、子が誕生する時に死んでいる。
(4)息子の命名
①助産婦の励まし
②ラケルは、「ベン・オニ」(私の苦しみの子)と命名した。
③ヤコブは、「ベニヤミン」(私の右手の子)と改名した。
(5)ラケルの埋葬
①現在、ラケルの墓は、ベツレヘム郊外にあるが、これは後代の伝承である。
②墓の上に石の柱を立てた。今日に至っている。
*モーセがこれを書いた時には、まだ残っていた。
*サムエルの時代にも墓はあった。Ⅰサム10:2
2.ミグダル・エデルの事件
(1)ルベンは、父のそばめ(ラケルの女奴隷)と寝た。
①長子が、父の権威を奪おうとしている。
②王のそばめと寝ている例。Ⅱサム3:7、12:8、16:20~22
(2)ヤコブの沈黙
①後に呪いの言葉が出てくる。
②創49:3~4。ルベンは長子の権を失った。
3.その後、ヨセフを失う。
Ⅳ.「イサクのトルドット」の終結
1.ヤコブの12人の息子
(1)レアの息子たち
(2)ラケルの息子たち
(3)ラケルの女奴隷ビルハの息子たち
(4)レアの女奴隷ジルパの息子たち
2.イサクとヤコブの再会
(1)約30年ぶりの再会
(2)ヤコブは1人で出て行き、民族として帰ってきた。
3.イサクの埋葬
(1)180歳で死んだ。
(2)この時のヤコブは、120歳。
(3)ヤコブは130歳でエジプトに下る。創47:9
(4)イサクの死をここで出しているのは、このトルドットを終えるため。
①イサクは、ヨセフを失ったヤコブの悲しみを目撃している。
②イサクは、ヨセフがエジプトにいる間に死んだ。
③ヨセフは17歳でエジプトへ。
④ヨセフが39歳の時に、ヤコブは130歳でエジプトへ。
⑤つまり、ヨセフがエジプトに売られたのはヤコブが108歳の時である。
⑥この時イサクは、168歳でまた生きている。
(5)エサウとヤコブが、イサクを葬った。
結論
1.神の訓練法
(1)義務(約束)の履行
(2)更なる祝福
(3)更なる訓練
2.人生は、箴言15:15
(1)【口語訳】
悩んでいる者の日々はことごとくつらく、心の楽しい人は常に宴会をもつ。
(2)【新改訳改訂3】
悩む者には毎日が不吉の日であるが、心に楽しみのある人には毎日が宴会である。
(3)【新共同訳】
貧しい人の一生は災いが多いが/心が朗らかなら、常に宴会にひとしい。
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