創世記(34)—サラの埋葬—

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人生の方向性を確認する。

創世記34 創世記22章20節~23章20節

「サラの埋葬」

イントロ:

1.前回までの復習

(1)アブラハムは、生涯のクライマックススを信仰によって乗り越えた。

(2)人生の仕上げの時期に入っている。

  2.きょうの箇所

    (1)カランに住む親族の情報が入ってきた。

    (2)そんな折に、サラが死んだ。

    (3)アブラハムはマクペラの墓地を購入する。

    (4)そこにサラを埋葬する。

  3.メッセージのアウトライン

   (1)親族の情報

   (2)サラの死

   (3)墓地の購入

  4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。

    (1)人生の方向性を確認せよ。

    (2)一度確認した方向性を再吟味せよ。

    (3)それに基づいて行動を起こせ。

このメッセージは、人生の方向性を確認するためのものである。

Ⅰ.親族の情報(22:20~24)

  1.「これらの出来事の後」

    (1)アブラハムのテストの後

    (2)この箇所は、創24章の舞台設定となっている。

    (3)イサクの嫁をどうするかという問題がある。

  2.遠方から親族の近況が伝えられた。

    (1)カランに住む兄弟ナホルの一家の情報

    (2)長年交流がなかったのだろう。

    (3)アブラハムに里心がついた。

    例話:「北国の春」 千昌男

    白樺(しらかば) 青空 南風/こぶし咲くあの丘 北国の/ああ 北国の春/

    季節が都会ではわからないだろうと/届いたおふくろの小さな包み/

    あの故郷(ふるさと)へ帰ろかな 帰ろかな

  3.ナホルとミルカに8人の子が生まれた。

    (1)ナホルはアブラハムの兄。

    (2)ハランもアブラハムの兄。ミルカはその娘(ロトと兄妹)。

    (3)ナホルとミルカの結婚は、叔父と姪の結婚である。

      ①ウツ(彼の子孫が住んだ地は、ヨブの故郷となった。ヨブ1:1)

      ②ブズ(エリフの故郷。ヨブ32:2、5)

      ③ケムエル(アラムの父)

      ④ケセデ(カルデヤ人の先祖。ヨブ1:17)

      ⑤ハゾ

      ⑥ピルダシュ

      ⑦イデラフ

      ⑧ベトエル

    (4)レウマというそばめも、4人の子を産んだ。

    (5)ここで大事なのは、「ベトエルはリベカを生んだ」。

      ①息子のラバンの名が出てこない。

      ②リベカの名が出てくるのは、創24章の舞台設定。

  4.神の導きの御手が見えてくる。

    (1)イサク奉献の後に、この情報がもたらされた。

    (2)もしこれがないと、イサクは土地の娘と結婚したかもしれない。

      ①同盟を結んでいたエモリ人マムレ、エシュコル、アネルの娘が考えられる。

    (3)一つの段階を過ぎると、次が見えてくる。これが導きの原則。

Ⅱ.サラの死(23:1~2)

  1.「サラの一生、サラが生きた年数は百二十七年であった」

    (1)聖書の中で、死んだ時の年齢が書かれている女性は、サラだけである。

    (2)それだけ、彼女が果たした役割は大きい。

    (3)サラをたたえる言葉

      ①イザ51:1~2

      ②Ⅰペテ3:5~6

    (4)アブラハムは137歳。

    (5)イサクは37歳。

  2.サラはキルヤテ・アルバ(4人の村)で死んだ。

    (1)後に、ヘブロンと呼ばれる。

      ①アブラハムが「神の友」と呼ばれたから。

    (2)当時アブラハムは、ベエル・シェバに住んでいたので、ヘブロンまで来た。

      ①2人の別居の理由は分からない。

      ②約40キロの距離

Ⅲ.墓地の購入(23:3~20)

  1.ヘテ人へのアブラハムの要請

    (1)「私はあなたがたの中に居留している異国人です」

       ①約束の地に住みながら、体ひとつ葬る地もない状態。

    (2)「あなたがたのところで私有の墓地を私に譲っていただきたい」

    (3)「死んだ者を葬ることができるのです」

  2.ヘテ人の答え

    (1)「あなたは私たちの間にあって、神のつかさです」

      ①彼らはアブラハムの存在を認めた。

      ②アブラハムは、大いなる名を与えられている。

    (2)「私たちの最上の墓地に、なくなられた方を葬ってください」

      ①好きな墓地を選んで、埋葬を行ってください。

    (3)「私たちの中で、だれひとり、なくなられた方を葬る墓地を拒む者はおりません」

      ①保障が与えられた。

      ②墓は無料で提供されたか、貸し出されたように見える。

      ③しかし、これは交渉の第一段階である。

  3.アブラハムの応答

    (1)「アブラハムは立って、その土地の人々、ヘテ人にていねいにおじぎをして」

      ①中近東の交渉の習慣。アブラハムは時間をかけて、それを実行していく。

      ②偶像礼拝には従わないが、社会的な習慣で中立のものには従う。

    (2)「死んだ者を私のところから移して葬ることが、あなたがたのおこころであれば」

    (3)「私の言うことを聞いて、ツォハルの子エフロンに交渉して、彼の畑地の端に

      ある彼の所有のマクペラのほら穴を私に譲ってくれるようにしてください」

    (4)「彼があなたがたの間でその畑地に十分な価をつけて、私に私有の墓地として

      譲ってくれるようにしてください」

      ①アブラハムには、最高の額を払う用意がある。

  4.エフロンの回答

    (1)「エフロンはヘテ人たちの間にすわっていた」

      ①権威ある立場を示している。

    (2)「ヘテ人のエフロンは、その町の門に入って来たヘテ人たちみなが聞いている

      ところで、アブラハムに答えて言った」

      ①ヘテ人たちが証人。この交渉は非常に公のものである。

      ②町の門で、取引や法的決定がなされた。

    (3)「畑地をあなたに差し上げます。そこにあるほら穴も、差し上げます。私の国の

      人々の前で、それをあなたに差し上げます。なくなられた方を、葬ってください」

      ①無料での提供のように聞こえるが、額面通りに受け取ってはならない。

      ②アブラハムは当時の中近東の習慣をよく理解していた。

  5.アブラハムの提案

    (1)再びおじぎをしている。習慣に則り、時間をかけて交渉を進めていく。

    (2)無料の提供を断り、支払いを申し出ることは、当時の習慣に叶っている。

  6.エフロンの値踏み

    (1)「銀四百シェケルの土地」。エフロンは土地の売却に同意した。

    (2)「それなら私とあなたとの間では、何ほどのこともないでしょう」

       ①これは決して高くはないという意味。

       ②しかし、アブラハムは時価の10倍を要求されている。

       ③中近東の習慣では、ここから、値下げ交渉が始まる。

    (3)「どうぞ、なくなられた方を葬ってください」

  7.アブラハムの同意

    (1)アブラハムは値下げ交渉をしないで、それを了承した。

    (2)証人たちの前で、信用できる支払を行った。

    「アブラハムはこのエフロンの言葉を聞き入れ、エフロンがヘトの人々が聞いている

    ところで言った値段、銀四百シェケルを商人の通用銀の重さで量り、エフロンに渡し

    た」(新共同訳)

  8.交渉成立

    (1)町の門で、商人たちの前で結ばれた契約は有効。

    (2)これまでにアブラハムは、井戸を所有していた。

    (3)それ以外には、約束の地で所有した地は、ここだけである。

    (4)「畑地」まで含まれている理由は

      ①ヘテ人の法律では、その土地の所有者は王に対して税を納める義務を負う。

      ②エフロンは、納税の義務を負いたくなかった。

    (5)サラの埋葬

結論

  1.アブラハムが墓地を買い、そこにサラを葬った理由

    (1)創22:20~24 アブラハムは75歳でハランを出た(創12:4)。

      ①そこには、家族の墓地があった。

      ②サラをそこに葬ることも可能であった。

    (2)サラをマクペラの墓地に葬ったのは、ハランを故郷として放棄したことである。

    (3)アブラハムは、自分と子孫の将来はカナンの地にあることを認めた。

  2.私たちへの教訓

    (1)人生の方向性を確認せよ。

      ①イエスを信じたことは、自分が天の御国への旅人であることを認めたこと。

    (2)一度確認した方向性を再吟味せよ。

      ①里心がつく時期がやって来る。人生の節目でやって来る。

      ②ヨハ21章の弟子たち。漁師に戻ろうとした。

    (3)それに基づいて行動を起こせ。

      ①アブラハムに倣う者となれ。

      ②ヘブ11:8~10

      「信仰によって、アブラハムは、相続財産として受け取るべき地に出て行けとの

      召しを受けたとき、これに従い、どこに行くのかを知らないで、出て行きました。

      信仰によって、彼は約束された地に他国人のようにして住み、同じ約束をともに

      相続するイサクやヤコブとともに天幕生活をしました。彼は、堅い基礎の上に建

      てられた都を待ち望んでいたからです。その都を設計し建設されたのは神です」

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