創世記(22)—カナンの地からエジプトへ—

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このメッセージでは...

信仰者の選びが後世に影響を与えることを学ぶ。

創世記22 創世記12章4節~20節

「カナンの地からエジプトへ」

イントロ:

1.前回までの復習

(1)創世記には11の区分(トルドット)がある。

(2)第6の区分「テラの歴史」に入っている。

(3)「テラの歴史」(11:27~25:11)というのは、アブラム(アブラハム)の記録のこと。

 2.メッセージのアウトライン

(1)カナンの地に入るアブラム

 ①旅立ち

 ②シェケム到着

 ③ベテル到着

 ④ネゲブ到着

(2)エジプトに下るアブラム

 ①苦渋の決断

 ②サライの危機

 ③神の介入

 ④エジプト脱出

 3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。

  (1)ロードムービーを見ているようである。そのまま、私たちの人生である。

  (2)信仰者の光と影。

  (3)アブラムの存在が今日の状況にまで影響を与えている。

このメッセージは、信仰者の選びが後世に影響を与えることを教えようとするものである。

Ⅰ.カナンの地に入るアブラム

1. 旅立ち

 (1)4節は、アブラムが神の命令に従ってただちに行動を起こしたことを示している。

(2)この従順さによって、創世記12:1~3が無条件の約束として機能し始める。

(3)ヘブル11:8

「信仰によって、アブラハムは、相続財産として受け取るべき地に出て行けとの召しを受けたとき、これに従い、どこに行くのかを知らないで、出て行きました」

(4)旅立ちの様子(5~6節)当時の一般的な記述方式にならったもの。

①家の主人である○○が、

②○○をともなって、

③○○を持って、

④○○に向かって旅立った。

(5)ここでは、

①アブラムが、

②妻のサライと、おいのロトと、ハランで加えられた僕たちをともなって、

③すべての財産を持って、

④カナンの地に向かって旅立った。

(6)同様の記述が、創11:31、36:6、46:5~6、出19:2~4に出てくる。

2. シェケム到着

 (1)ついにアブラムは、カナンの地に入った。

(2)そこは、「シェケムの場」と呼ばれている。異邦人の町シェケムの郊外。

(3)さらにそこは、「モレの樫の木のところ」と呼ばれている。

①「樫の木」は、ヘブル語で「エロン」。「テレビンの木」とも訳される。

②「モレ」というのは、「教師」、「占い師」などを意味する。

③「モレの樫の木」は、カナン宗教の聖木であり、ここはカナン人の宗教の中心地。

④アブラムは、ここに最初の宿営を設けた。

(4)これは、自分の神が偶像神よりも優位に立つお方であることの宣言となっている。

(5)カナンの地はアブラムに約束されたものであるが、先住民たちが住んでいた。

①その人々は偶像礼拝者たちであり、道徳的に堕落していた。

②アブラムは、カナン人の宗教や文化の影響を受けないところに自らを置いた。

  (6)シェケムは、聖書の中では「決断の場所」としてたびたび登場する。

①イスラエル人たちは、ここで祝福とのろいの選択を迫られた(申11:29~30)。

②このシェケムでソロモン王国の分裂が決定的になった(Ⅰ列12章)。

  (7)主の顕現(7節)

「そのころ、【主】がアブラムに現れ、そして『あなたの子孫に、わたしはこの地を与える』と仰せられた。アブラムは自分に現れてくださった【主】のために、そこに祭壇を築いた」

① これは、神からの2度目の直接的語りかけ。

② 「主が現れ」とあるが、これは神の「顕現(目に見える形で現れること)」のこと。

③ 創世記にはこれ以外に5回ある(創17:1、18:1、26:2、24、35:9)。

④ この時神は、アブラハム契約の再確認をされた。

⑤ その内容は、土地の約束はアブラムの子孫に与えられたというもの。

⑥ 注目すべきは、アブラムにはその土地が約束されていないことである。

  (8)アブラムの応答は、祭壇の建築。

①モレの樫の木のところに、主への祭壇(真の神への祭壇)を築いた。

②その理由は、「主が彼に現れたから」である。

③これ以降、祭壇を築くことが族長たちの習慣となる。

(創12:8、13:18、22:9、26:25、33:20、35:7など参照)。

3. ベテル到着

 (1)ベテルの東にある山のほうに移動して、そこで天幕を張る。

(2)西にはベテル、東にはアイがあった。

(3)つまり彼は、町から離れた場所に天幕を張った。

(4)そこで彼は、2つのことをしている。

①祭壇を築いた。主への犠牲を捧げるため。

②主の御名によって祈った。カナンの地で公の礼拝を始めたということ。

4. ネゲブ到着

 (1)彼はさらに進んで、ネゲブ(南)へ移動した。

(2)これまで彼は、シェケム、ベテルなどの山地の町々の近くを移動した。

(3)ネゲブ地方はそこよりもはるかに人口の少ない場所。

(4)彼はますますカナン人から分離していった。

(4)アブラムの移動は、山地の分水嶺を北から南に向かって下るものであった。

①エフライムの山地から

②ユダの山地へ、

③そして、ネゲブへ。

(5)そうすることによって、彼はカナンの地への所有権を主張していた。

(6)カナン人との接触はない。会話も対立もない。居住地の周辺を移動していたから。

(7)この移動は、信仰による移動であった。

①その地はまだアブラムの所有物になってはいない。

②彼は神の約束信じて、移動している。

③ヘブル11:9

「信仰によって、彼は約束された地に他国人のようにして住み、同じ約束をともに相続するイサクやヤコブとともに天幕生活をしました」

Ⅱ.エジプトに下るアブラム

1. 苦渋の決断

 (1)アブラムの信仰が試される。

(2)「ききん」という言葉が2度出てくる。ききんの激しさが強調されている。

(3)ついにアブラムは、エジプトに下る決心をする。

①永住の意図はない。

②しばらく滞在するだけという判断。

③いかなる境遇にあっても神の守りがあるという信仰はまだない。

(4)これが、重大な結果を引き起こすことになる。

2. サライの危機

(1) アブラムにはある恐れがあった。

① この時代のエジプト人は、他人の妻を略奪することで有名。

② サライは65歳になっていたが、見目麗しい女であった。

③ 当時の平均寿命は、およそ今の倍です。サライは年齢よりもはるかに若く見えた。

④ アブラムは、自分が殺されるかもしれないという恐れを抱いた。

(2)そこで彼は、異母妹であった妻サライを妹だと言うことにした。

 ①これは、半分の真実である。

②当時の習慣によれば、父が死んだ後は兄が妹の保護者となる。

③他の男性から結婚の申し出があれば、兄に花嫁料についての交渉権がある。

⑤ エジプト人が結婚を申し込んできたなら、交渉している間に逃亡することができる。

  (3)サライの美しさが再度強調されている(14節)。

(4)サライに関する情報は、一般のエジプト人、政府の高官、パロへと伝わった。

(5)アブラムが想定していなかったことが起こった。

(6)パロが、アブラムと交渉することなしに、サライを宮廷(ハーレム)に召し入れた。

(7)パロは、当時の習慣に従ってアブラムに花嫁料を払った。

 ①羊の群れ、

②牛の群れ、

③ろば、

④男の奴隷、

⑤女の奴隷、

⑥雌ろば、

⑦らくだ

3. 神の介入

(1)アブラハム契約がサタンの攻撃を受けている。

(2)神の解決法

①悪いのはパロではなく、アブラムである。

②しかし、神はパロを裁かれた。

③その理由は、アブラハム契約が無条件契約であるから。

④アブラハム契約の条項の中に、「あなたをのろう者をわたしはのろう」がある。

⑤この条項に基づいて、パロが罰を受けている。

⑥ユダヤ教の伝統では、この「災害」は重い皮膚病だとされている。

(3)パロの反応

①サライの告白か、神の啓示か、彼はサライがアブラムの妹であることを発見した。

②パロは3つの質問をしている。

*あなたは私にいったい何ということをしたのか。

*なぜ彼女があなたの妻であることを、告げなかったのか。

*なぜ彼女があなたの妹だと言ったのか。

4. エジプト脱出

(1)パロは、そのままでアブラムとサライをエジプトから去らせた。

①今までの経緯から、アブラムの神が恐るべきお方であることを学んでいた。

②パロの部下たちは、国境までアブラムの一行を見送った。

③礼を尽くしたのだが、エジプトに再入国させないようにとの意図もある。

(2)その結果、アブラムは以前よりも裕福になってカナンの地に戻ってきた。

(3)カナンの地に入った時点で、子孫の約束が成就し得る状態に戻った。

(4)この事件の背後には、サタンの暗躍があった。

結論

 1.物質的な繁栄は、必ずしも神の祝福の結果とは言えない。

  (1)アブラムは、多くの家畜を所有したために、ロトと共存できなくなった。

 2.小さな失敗が大きな問題につながる。

  (1)エジプトの女奴隷ハガルは、この時手に入れたと思われる。

(2)サライとハガルの葛藤(16章)

(3)イサクとイシュマエルの葛藤(21章)

(4)今日のユダヤ人とアラブ人の葛藤

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