私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
創世記(13)—ノアに対する命令—
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このメッセージでは...
ノアの箱舟が私たちの信仰のあり方に教訓を与えていることを学ぶ。
創世記13 創世記6章9節~22節
「ノアに対する命令」
イントロ:
1.前回までの復習
(1)「これはノアの歴史である」。第3の区分(トルドット)が始まる。
(2)第3のトルドットは、6:9~9:29。
(3)モーセはトルドットを意識しながら、複数の文書を編集した。
(4)前回は、「洪水が起こる理由」について学んだ。
(5)今回は、「ノアに対する命令」について学ぶ。
(6)このトルドットの構造:antithetical parallelism 対照対句法がある。
*6:9~10がイントロダクション。
A 6:11~13 神は人類を滅ぼすことを決意する。
B 6:14~22 ノアは箱舟を造る。
C 7:1~9 神は箱舟に入るように命じる。
D 7:10~16 洪水が始まる。
E 7:17~24 洪水が150日続く。山々が水で覆われる。
F 8:1a 神はノアを覚えておられた。
E 8:1b~5 洪水が150日後に引いていく。山々が現れる。
D 8:6~14 地は乾き始める。
C 8:15~19 神は箱舟から出るように命じる。
B 8:20 ノアは祭壇を築く。
A 8:21~22 神は人類を滅ぼさないことに決める。
2.メッセージのアウトライン
(1)イントロダクション(ノアの霊性)
(2)A 6:11~13 神は人類を滅ぼすことを決意する。
(3)B 6:14~22 ノアは箱舟を造る。
3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)箱舟の歴史性
(2)箱舟とモーセのかごの関係
(3)箱舟と十字架の関係
このメッセージは、ノアの箱舟が私たちの信仰のあり方に教訓を与えていることを学ぼうとするものである。
Ⅰ.イントロダクション:ノアの霊性(9~10節)
1.「正しい人」
(1)ツァディク。義認、内面の義、救いなどの意味。
2.「全き人」
(1)タミム。無垢な人の意味。外面的状態を指す。
(2)レビ1:3、10、3:1、6では、犠牲の動物に関して「傷のない」と訳されている。
3.「その時代にあっても」
(1)「時代(世代)」が複数形。これまでの10世代の中で最も義なる人。
4.「正しい人」「全き人」とは、「主の前に恵みを得た」ことの結果である。
5.「ノアは神とともに歩んだ」とは、神の命令に従ったという意味。
(1)5:22~24 エノクと同じ。
(2)ヘブル11:7
「信仰によって、ノアは、まだ見ていない事がらについて神から警告を受けたとき、恐れかしこんで、その家族の救いのために箱舟を造り、その箱舟によって、世の罪を定め、信仰による義を相続する者となりました」
6.息子たち(10節)
(1)セム(名前)
(2)ハム(熱い)
(3)ヤペテ(美しい)
Ⅱ.A 6:11~13 神は人類を滅ぼすことを決意する。
1. 神はノアに7回語りかけるが、ノアの応答は記録されていない。
2. 詩篇29篇 「主の声」が7回出てくる。
3. 「すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている」
(1) 6:3 「人の齢は、120年にしよう」
(2) 120年が満ちたか、ここから120年が始まるか。
(3) その間に、食物を用意し、動物を集める。
4.「地は、彼らのゆえに、暴虐で満ちているからだ」。これが理由。
5.「それで今わたしは、彼らを地とともに滅ぼそうとしている」。これが神の意図。
(1)「地は、神の前に堕落し」(シャハット)
(2)「彼らを地とともに滅ぼそうとしている」(シャハット)
(3)人は地を破壊したので、その人を神が破壊するということ。
(4)Ⅱペテロ3:6
「当時の世界は、その水により、洪水におおわれて滅びました」
Ⅲ.B 6:14~22 ノアは箱舟を造る。
1.箱舟について(14節)
(1)ヘブル語でテイバー。エジプト語から借りたもの。船ではなく、箱である。
①出エジプト2:3~6で、赤子のモーセが入れられたかご。
②モーセはエジプト語をよく知っていた。
(2)ゴフェルの木について
①どういう木なのか、分からない。
(3)部屋について
①鳥の巣、部屋
②動物が入る部屋
(4)「木のやに」について
①防水のためにこれを施す。
②通常のタールという言葉ではない。
③「カファー」。被い。贖い。
④これが、箱舟が物理的に沈まないようにする。
⑤イエスの血潮は、霊的に私たちを救う。
2.箱舟のサイズ(15節)
(1)1キュビト(ひじから中指の先までの長さを基にした長さの単位)を45㎝とする。
(2)長さ135m、幅22.5m、高さ13.5m
(3)床面積 135×22.5=3037.5㎡ 920坪。総床面積2,760坪
(4)排水トン数4万3千トンくらいの船。つまり、4万3千トンを運ぶ能力がある。
(5)今日米国の鉄道で使用している家畜運搬車両550両に匹敵する。
(6)羊なら、13万頭も入れることができる。
(7)現在知られている種類によれば、実際の動物の頭数は3万5千頭から7万頭の間。
3.天窓、戸、その他(16節)
(1)窓。「明り取り」のこと。日中に太陽の光を取り入れるために。
(2)中央に向かって傾斜した屋根を作る。
(3)屋根の立ち上がりの部分を1キュビト以内で水平にし、その下に空間を造る。
(4)これが箱舟の屋根の周囲に出来る。
(5)光取り、換気のための窓となる。また、屋根があるので、雨が落ちてこない。
(6)扉を側面に作る。ひとつだけ。
(7)3階建て。各階4.5m。
(8)巨大な箱ができる。
①航行目的ではなく、浮くことだけが目的。
②転覆の危険性はない。90度近く傾いても、元に戻る。
4.大洪水(17節)
(1)「大洪水」 ハ・マブール The Flood ノアの洪水だけを指す。
(2)旧約聖書では、詩篇29:10のみに出てくる。
(3)特別な洪水。全世界を覆った。
(4)新約聖書では、カタクルースモスという言葉。
マタイ24:39、ルカ17:27、Ⅱペテロ2:5、3:6
(5)目的
①息をする動物と人間を滅ぼすこと。
②魚は含まれない。
5.契約の予告(18節)
(1)ノア契約の予告。内容は9章で明らかになる。
(2)「契約(ブリット)」という言葉はここで初めて出てくる。
(3)ノア、息子たち、妻、息子たちの妻の順番
6.動物(19~20節)
(1)すべての動物を、2匹ずつ。
(2)鳥、動物、地をはうもの。種類に従って。
(3)きよい動物は、7つがいずつ、きよくない動物は、1つがいずつ(7:2~3)
(4)神が超自然的に管理するので、動物たちは自分からノアのところに来る。
(5)今日の種類 7万5千種類
①ヘブル語の種類とは、より大まか。つまり、7万5千種類以下ということ。
②7万5千種類いたとしても、箱舟は60パーセントの占有。
③成長した動物でなくても構わなかった。恐竜に関して。
④残りの40パーセントのスペースは、昆虫、食物、居住空間。
7.ノアの仕事(21~22節)
(1)動物は自然に集まってくる。神の役割。
(2)食料を用意するのはノアの仕事。
(3)22節「ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った」
①同世代の者とは異なり、彼は忠実であった。
②ノアの忠実さは、7章で3度語られる。5、9、16節。
結論
1.
ノアの箱舟は、歴史的なものである。
2.
箱舟とモーセのかごには類似点がある。
(1)
溺死から守られた者には、他の人に救いをもたらす使命がある。
(2)
ノアは、人類に救いをもたらした。
(3)
モーセは、イスラエルに解放をもたらした。
3.
箱舟と十字架には類似点がある。
(1) 救われた者には使命がある。
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