私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
創世記(4)—第4日目〜第6日目—
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天地創造の記事は、人間の価値がどこから来ているかを教えている。
創世記4 創世記1章14節~31節
「第4日目~第6日目」
イントロ:
1.前回の復習:創造の6日間について
(1)1章2節:「トーフー」とは、カオスのこと。
(2)1章2節:「ボーフー」とは、虚しい状態のこと。
(3)6日間の創造は、厳密には修復、再生のことである。
①「トーフー」の修復が、第1日目から第3日目の業
②「ボーフー」の修復が、第4日目から第6日目の業
(4)きょうは、第4日目から第6日目を取り上げる。
2.第1日と第4日、第2日と第5日、第3日と第6日が対応している。
3.7つのステップが基本的には踏襲されている。
4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)日本は自殺大国
①自殺者数は、2007年に33,093人。連続10年3万人以上(警察庁統計資料)
②自殺率は、10万人に約24人。旧ソ連邦に匹敵。米国の2倍以上。
③交通事故死。2006年に6,352人。10万人当たり4.97人。
④3分の2以上が男性。
⑤年齢と自殺者数とは正比例する。
(2)自殺の原因(3大原因で84パーセントを占める)
①健康問題48%
②経済・生活問題24%
③家庭問題12%
(3)旧ソ連邦の例:ストレス、そして心の病気、特に、うつ病の状態
(4)うつ病は、ありふれた病気。一生のうちでうつ病にかかる人は14人に1人とも。
(5)問題は、人間の価値の源泉をどこで見出すかに尽きる。
(6)うつの時も、貧しい時も、病気の時も、年老いても「私には価値がある」と言えるか。
天地創造の記事は、人間の価値がどこから来ているかを教えている。
Ⅰ.第4日目(創世記1:14~19)(第1日目と対応している)
1.太陽、月、星が造られた。
(1)ここで造られた光る物が、3節の「光(シャカイナグローリー)」に取って代わる。
(2)季節、日、年のために役立つ。
(3)季節、日、年という概念が初めにあって、それを示すために光る物が造られた。
2.天の光るものは、「しるし」としての役割を果たす。
(1)航路を示すためのしるしとなる(ヨブ38:31~33)。
(2)神の栄光を示すしるしとなる(詩篇19:1、ロマ1:20)。
(3)神とイスラエルの契約が永遠に続くことのしるしとなる。(エレミヤ31:35~36)
3.昼と夜、光とやみが区別された。
4.神は見て、それを良しとされた。
5.締めくくりのことば、「夕があり、朝があった」が出てくる。
Ⅱ.第5日目(創世記1:20~23)(第2日目と対応している)
1.海には海の生き物が、空には鳥が創造された。
(1)「種類に従って」:必ずしも生物学的な種類ではない。
(2)「種の壁」のことである。
2.1:21に出てくる「海の巨獣」とは何か。
(1)ヘブル語では「タニニム(単数形タニン)」。旧約聖書に14回出てくる。
(2)新改訳聖書の訳
①「海の巨獣」
②「蛇」(出エジプト7章)
③「竜」
*イザヤ27:1ではレビヤタンと同じ生き物。
*イザヤ51:9ではラハブと同じ生き物。
④「わに」(エゼ29:3)
(3)「タニニム」が出てくる理由は、バビロニア神話(異教の創造神話)を否定するため。
*それらの神話では、天地は、神々と海の巨獣の戦いの結果誕生したとされる。
*神は唯一至高のお方であり、すべての生き物を創造された方
例話:日本の創造神話(小林永濯・画、明治時代)
古事記と日本書紀には、「国生み」の神話が記されている。
伊邪那岐(イザナギ)・伊邪那美(イザナミ)という二柱の神は、別天つ神(ことあまつがみ)たちから、国生みの命令を受ける。それは、漂っていた大地を完成させよという命令であった。別天つ神たちは、天沼矛(あめのぬぼこ)を二神に与えた。
イザナギ・イザナミは、天浮橋(あめのうきはし)に立って、天沼矛(あめのぬぼこ)で、渾沌とした海をかき混ぜるのであるが、この時、矛から滴り落ちたものが、積もって島となった。この島を淤能碁呂島(オノゴロ島、あるいはオノコロ島)という。これが、日本で最初に出来た島だとされる。「こをろこをろ」とかき混ぜて引き上げたので、この名が付いたという説がある。イザナギ・イザナミの二神は、この島に降り立ち、次々に島を造っていくのである。創世記の創造物語と日本の創造神話は、全く内容が異なるものである。
3.第5日には、命名はなくて、祝福という行為がある。
(1)「生めよ、ふえよ。海の水に満ちよ、また鳥は地にふえよ」
(2)神がお語りになった最初の祝福のことば。
4.神の評価と締めくくりのことばが続く。
Ⅲ.第6日目前半(創世記1:24~25)(第3日目と対応している)
1.動物の創造
(1)人間と同じように、動物も地から形作られた(創2:19)。
(2)人間と高等動物の体には、類似性がある。
2.3種類の動物。
(1)家畜
(2)はうもの。足がないか、足が短いもの。両生類、爬虫類。
(3)野の獣。家畜にならない動物。
3.種類に従って創造された。「種の壁」。
4.神は見て、それを良しとされた。
Ⅳ.第6日目後半(創世記1:26~31)(第3日目と対応している)
1.6日目の創造は、第3日目と同じように2段階で行われる。
(1)動物が創造され、最後に人間が創造される。
2.新しい形の構文
(1)「われわれに似るように、…人を造ろう」。それまでは、「○○あれ」。
(2)神の創造の御業がクライマックスを迎えたことを示している。
(3)「われわれ」という複数形の主語は、神が三位一体のお方であることを表している。
(4)「人」はヘブル語で「アダム」。ここでは、アダムが普通名詞として使われている。
3.「神のかたち」とはどのようなものか。
(1)「かたち」はヘブル語で「ツェレム」。
(2)その意味は、偶像、彫像、似姿(幻で見る形)、などである。
(3)「神のかたち」の外面的な性質。
①人間は言葉を使用する。
②顔に表情がある。
③恥を感じることができる(顔が赤くなる)。
④自然界を支配する能力がある。
(4)「神のかたち」の内面的な性質。
①知性
②感情
③意志
④霊性(神を認識する能力)
(5)この段階での人間の状態
①罪を犯すことができた。
②罪を犯さないこともできた。
③堕落以降、罪を犯さないということができなくなる。
4.創世記1:27
(1)「創造する(ヘブル語でバラ)」という動詞が3度も出てくる(クライマックス)。
(2)神は人を創造された。
(3)ご自分のかたちとして創造された。
(4)男と女とに創造されました。男女は同じ日(6日目)に創造された。
5.創世記1:28~30
(1)エデン契約と呼ばれる契約
①聖書の最初の契約。
②2章に入ってから、さらに詳しい内容が示される。
③神がアダム(アダムは人類の代表)と結んだ契約である。
④しかし、結果的にはアダムはこの契約を破る(ホセア6:7参照)。
(2)「エデン契約」の条項
①地に増え広がれという命令。「生めよ。ふえよ。地を満たせ」。
*男女の性的な関係を前提とした命令。
*性的な関係を堕落の結果と見る見方は、聖書的ではない。
②地を管理せよという命令。「地を従えよ」。
*地とそこに住むものとを支配・管理する特権が与えられた。
*詩篇8:6~8
*ヘブル2:5~9
*この特権は、かつてサタンに与えられていたものである(エゼ28:11~19参照)。
③生物界を管理せよという命令。「海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ」。
*アダムが動物に名前を付けるのは、管理権の行使。
④食物が与えられる。
*この時点では、人類は菜食主義者である。
*肉食は、動物の死がなければあり得ないこと。
*自然界に死が入ってくるまでは、人類は菜食しか知らなかった。
*動物たちもまた、菜食によって命を維持した。
6.創世記1:31
(1)「神はお造りになったすべてのものを見られた。見よ。それは非常に良かった」
①「非常に良かった」と書かれているのは、第6日だけ。
②この日が、いかに特別な日であったかが分かる。
(2)締めくくりのことばは、「夕があり、朝があった。第六日」。
結論
1.被造の世界は、「非常に良かった」という状態から始まっている。
2.それを悪くしたのは、私たちの罪である。
3.人間性を正しく理解することによって、私たちの生きる方向性が確立する。
(1)「良いもの」と「罪」の区別により、人間の生活は積極的で感謝に満ちたものとなる。
(2)人間の価値は、生産性や、年齢や、優劣によって決まるものではない。
(3)私たちは、不完全から完全へと日々前進している。
①Ⅱコリント3:18
「私たちはみな、顔のおおいを取りのけられて、鏡のように主の栄光を反映させながら、栄光から栄光へと、主と同じかたちに姿を変えられて行きます。これはまさに、御霊なる主の働きによるのです」
②「姿を変える」は、「メタモフォウ」という動詞。
③キリストが変貌した時の動詞(マタイ17:2、マルコ9:2)
③死という繭にくるまれても、そこから見事な蝶に変貌する希望がある。
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