私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(37)—契約の箱、贖いの蓋、供えのパンの机—
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幕屋の中に隠されたキリストを発見する。
出エジ37 出エジプト記25章10節~30節
「契約の箱、贖いの蓋、供えのパンの机」
1.文脈の確認
(1)創3章以降、シャカイナグローリーは現れたり、消えたりした。
(2)出エジプトの目的は、民の中にシャカイナグローリーが宿ることにある。
①モーセの律法は、神の民に生きるための指針(理念)を与えた。
②幕屋は、神の民に礼拝の方法を教えた。
*神に近づくための方法を教えた。
*父の愛が啓示された。
③天にある幕屋の型通りに作らねばならない。
(3)幕屋は、神の計画がすべて成就する前の一時的な仕組みである。
①人が永遠の世界でシャカイナグローリーとともに住むことがゴールである。
(4)幕屋のための奉納物が捧げられた。
(5)いよいよ、具体的な指示に入って行く。
①幕屋の全体像を確認しておこう(図を参照)。
②具体的な指示は、重要な部分から始まり、外側に広がっていく。
*契約の箱から始まり、幕屋の庭で終わる(27:9~19)。
*香をたく壇(30:1~10)と洗盤(30:17~21)は除外されている。
*祭司に関する命令と関連して出てくる。
2.きょうのアウトライン
(1)契約の箱(10~16節)
(2)贖いのふた(17~22節)
(3)供えのパンの机(23~30節)
3.メッセージのゴール(なぜ私たちが、幕屋について学ぶ必要があるのか)
(1)契約の箱とキリスト
(2)贖いのふたとキリスト
(3)供えのパンの机とキリスト
このメッセージは、幕屋の中に隠されたキリストを発見するためのものである。
Ⅰ.契約の箱(10~16節)
1.幕屋の中で最も重要なもの
(1)「アカシヤ材の箱」とは、「契約の箱」のことである。
2.その形状
(1)サイズ
①1キュビトを約44cmとすると、箱の大きさは、110cm×66cm×66cmとなる。
(2)この箱の内側と外側に純金をかぶせる。
①持ち運びができるように、4つの金の環を箱の四隅に取り付ける。
②棒は、箱の環に通したままにしておく。
③誤って人が触れないように。
④2サム6:6~7で悲劇が起こっている。
3.中に入れるもの
(1)「わたしが与えるさとしをその箱に納める」(16節)
①十戒を書いた石の板2枚
②「あかしの板」(口語訳)
③「掟の板」(新共同訳)
(2)偶像の宮との対比
①一番奥には、偶像が安置されている。
②幕屋の場合、一番奥には「契約条項」が安置されている。
③神の愛と義(契約に基づく)を信頼する人だけが、神に近づくことができる。
(2)それ以外のもの
①マナを入れた壷
②芽を出したアロンの杖
4.その意義
(1)その上にシャカイナグローリーが輝いた。
①神がこの箱に入られたのではない。神を持ち運んだのではない。
(2)この箱は至聖所に置かれた。
①そこには、大祭司が年に1度だけ入ることができた。
②大祭司は、神の栄光の光に照らされて務めを遂行することができた。
Ⅱ.贖いのふた(17~22節)
1.契約の箱の上に載せるふたである。
①「贖いの座」(新共同訳)
②「the mercy seat」(英語訳)
2.その形状
(1)大きさは、契約の箱のサイズと同じ。
(2)材質はすべて純金。
(3)2つの金のケルビムを両端に作る。
①天使の最高位のものがケルビム(単数形はケルブ)である。翼が2つ。
②次がセラフィム(単数形セラフ)である。翼が6つ。
③最下位にいるのが一般の天使である。翼はない。
④互いに向かい合い、翼を上の方に伸べ広げ、贖いのふたを覆うようにする。
3.3つの役割
(1)神の御座としての役割
①最高位の天使であるケルビムが置かれた。
②シャカイナグローリーは、ケルビムとの関連でのみ語られている。
*「ケルビムの上に座す【主】」という表現が、たびたび出てくる。
*1サム4:4、2サム6:2、2列19:15
*詩80:1 「ケルビムの上の御座に着いておられる方よ」
(2)贖いの場としての役割
①「贖いのふた」は、ヘブル語では「カッポーレス」である。
*この語には「覆う」または「隠す」という意味がある。
*「罪をおおう」、「罪を隠す」という意味でも用いられる。
②ヘブ9:5では、「ヒラステーリオン」(ギリシア語)と呼ばれている。
*「贖罪所」(口語訳)
*「贖罪蓋」(新改訳)
*「償いの座」(新共同訳)
③大祭司が年に1度、いけにえの血を振りかける場所である(レビ16:11~17)。
*贖罪の日
*やぎの血
(3)啓示の場としての役割
「わたしはそこであなたと会見し、その『贖いのふた』の上から、すなわちあかしの
箱の上の二つのケルビムの間から、イスラエル人について、あなたに命じることをこ
とごとくあなたに語ろう」(22節)
①神は、そこでモーセに啓示を与えると言われる。
Ⅲ.机(23~30節)
1.パンを置く机
(1)形状
①この机も、アカシヤ材で表面に純金をかぶせたもの。
②持ち運びができるように、金の環とかつぐ棒も作られた。
③サイズは、契約の箱よりも少し小さめ(88cm×44c m×66cm)。
(2)機能
①この机は、至聖所の中ではなく、聖所に置かれた。
②机の上には絶えず「供えのパン」が置かれた。
2.供えのパン
(1)「神の前に供えたパン」という意味である。
*出25:30、35:13、39:36
*民4:7
*1サム21:6
*1列7:48
*2歴4:19
(2)パン種のはいらない丸くて薄いパン12個
①6個ずつ二並びにして置かれた。
②各並びに乳香も添えて置かれた。(レビ記24:5~7)。
③これは、パンの代わりに燃やして【主】に捧げた。
(3)パンの数は、イスラエルの12部族を表わしている。
①イスラエル人は常に、自分たちが神の前を歩んでいることを自覚させられた。
②このパンは、週1回、安息日ごとに新しく供えられた(レビ24:8)。
③この奉仕に当たったのは、ケハテ族である(1歴9:32)。
(4)供えられたパンは聖別された物である。
①祭司だけが食べることを許された。
②しかし、ダビデとその供の者はこれを食した(1サム21:4~6)。
③イエスはこれを引用して、安息日は人のためにあるとされた(マタ12:3~4)。
結論:このメッセージは、幕屋の中に隠されたキリストを発見するためのものである。
1.契約の箱とキリスト
(1)新約聖書から証明できることだけを、キリストを示す型として理解する。
①「聖書は聖書によって解釈する」という原則
(2)ヨハ1:14からの証明
「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみ
もとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられ
た」
①「住まわれた」という言葉は、「スケイネイ」というギリシア語である。
②この言葉には、「幕屋を張る」という意味がある。「シャカイナ」の派生語である。
③旧約時代には、神は幕屋の中に栄光を表わされた。
④新約時代には、神はイエス・キリストのうちに栄光を表わされた。
*メシアの受肉は、神が地上に幕屋を張られたことを意味する。
*イエスの御体は、幕屋であり神殿である。
*イエス自身が、シャカイナグローリーである(目に見えない神の現れ)。
(3)ヨハ2:18~21からの証明
「そこで、ユダヤ人たちが答えて言った。『あなたがこのようなことをするからには、
どんなしるしを私たちに見せてくれるのですか』。イエスは彼らに答えて言われた。『こ
の神殿をこわしてみなさい。わたしは、三日でそれを建てよう』。そこで、ユダヤ人た
ちは言った。『この神殿は建てるのに四十六年かかりました。あなたはそれを、三日で
建てるのですか』。しかし、イエスはご自分のからだの神殿のことを言われたのである」
①イスラエルの民は、幕屋の中のシャカイナグローリーを見て、神がともにいてく
ださることを確認した。
②私たちは、イエスの中にシャカイナグローリーが宿っているのを見て、神がとも
にいてくださることを確認する。
2.贖いのふたとキリスト
(1)ヘブ9:1~14からの証明
①「贖いのふた」は、キリストの贖いを示す型である。
②ふたの上にやぎの血が振りかけられ、罪に対する神の怒りが静められた。
③これは、イエスが十字架上で、私たちの罪のために死なれたことを示す型である。
④キリストの犠牲的死は、一度限りのもので、その効果は永遠に続く。
(2)1ヨハ2:1~2からの証明
「私の子どもたち。私がこれらのことを書き送るのは、あなたがたが罪を犯さないように
なるためです。もしだれかが罪を犯すことがあれば、私たちには、御父の前で弁護する方
がいます。義なるイエス・キリストです。この方こそ、私たちの罪のための──私たちの
罪だけでなく、世全体のための──なだめの供え物です」
①私たちの罪は、キリストの死によって完全に贖われた。
②新生体験をした者は、習慣的に罪を犯さなくなった。
③もし罪を犯したなら、それを告白することによって赦しをいただくことができる。
*1ヨハ1:9
3.供えのパンの机とキリスト
(1)ヨハ6:35、48、51からの証明
①イエスは、ヨハネの福音書で3度、「わたしがいのちのパンです」と語られた。
②パンという言葉は、ユダヤ人にとっては非常に霊的な意味を含んだものである。
*種入れぬパン
*天からのパンであるマナ
*供えのパン
③神は荒野でイスラエルの民を養われた。
④新約時代においては、主イエスが私たちの霊の糧となってくださる。
⑤「いのちのパン」は、毎日食べる必要がある。
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