出エジプト記(37)—契約の箱、贖いの蓋、供えのパンの机—

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幕屋の中に隠されたキリストを発見する。

出エジ37 出エジプト記25章10節~30節

「契約の箱、贖いの蓋、供えのパンの机」

1.文脈の確認

(1)創3章以降、シャカイナグローリーは現れたり、消えたりした。

(2)出エジプトの目的は、民の中にシャカイナグローリーが宿ることにある。

  ①モーセの律法は、神の民に生きるための指針(理念)を与えた。

  ②幕屋は、神の民に礼拝の方法を教えた。

*神に近づくための方法を教えた。

*父の愛が啓示された。

  ③天にある幕屋の型通りに作らねばならない。

(3)幕屋は、神の計画がすべて成就する前の一時的な仕組みである。

①人が永遠の世界でシャカイナグローリーとともに住むことがゴールである。

(4)幕屋のための奉納物が捧げられた。

(5)いよいよ、具体的な指示に入って行く。

  ①幕屋の全体像を確認しておこう(図を参照)。

②具体的な指示は、重要な部分から始まり、外側に広がっていく。

  *契約の箱から始まり、幕屋の庭で終わる(27:9~19)。

*香をたく壇(30:1~10)と洗盤(30:17~21)は除外されている。

*祭司に関する命令と関連して出てくる。

2.きょうのアウトライン

(1)契約の箱(10~16節)

(2)贖いのふた(17~22節)

(3)供えのパンの机(23~30節)

  3.メッセージのゴール(なぜ私たちが、幕屋について学ぶ必要があるのか)

(1)契約の箱とキリスト

(2)贖いのふたとキリスト

(3)供えのパンの机とキリスト

このメッセージは、幕屋の中に隠されたキリストを発見するためのものである。

Ⅰ.契約の箱(10~16節)

  1.幕屋の中で最も重要なもの

(1)「アカシヤ材の箱」とは、「契約の箱」のことである。

2.その形状

(1)サイズ

①1キュビトを約44cmとすると、箱の大きさは、110cm×66cm×66cmとなる。

(2)この箱の内側と外側に純金をかぶせる。

①持ち運びができるように、4つの金の環を箱の四隅に取り付ける。

②棒は、箱の環に通したままにしておく。

③誤って人が触れないように。

④2サム6:6~7で悲劇が起こっている。

  3.中に入れるもの

(1)「わたしが与えるさとしをその箱に納める」(16節)

  ①十戒を書いた石の板2枚

  ②「あかしの板」(口語訳)

  ③「掟の板」(新共同訳)

(2)偶像の宮との対比

  ①一番奥には、偶像が安置されている。

  ②幕屋の場合、一番奥には「契約条項」が安置されている。

  ③神の愛と義(契約に基づく)を信頼する人だけが、神に近づくことができる。

(2)それ以外のもの

①マナを入れた壷

  ②芽を出したアロンの杖

  4.その意義

(1)その上にシャカイナグローリーが輝いた。

  ①神がこの箱に入られたのではない。神を持ち運んだのではない。

(2)この箱は至聖所に置かれた。

①そこには、大祭司が年に1度だけ入ることができた。

②大祭司は、神の栄光の光に照らされて務めを遂行することができた。

Ⅱ.贖いのふた(17~22節)

  
1.契約の箱の上に載せるふたである。

  ①「贖いの座」(新共同訳)

  ②「the mercy seat」(英語訳)

  2.その形状

(1)大きさは、契約の箱のサイズと同じ。

(2)材質はすべて純金。

(3)2つの金のケルビムを両端に作る。

  ①天使の最高位のものがケルビム(単数形はケルブ)である。翼が2つ。

  ②次がセラフィム(単数形セラフ)である。翼が6つ。

  ③最下位にいるのが一般の天使である。翼はない。

  ④互いに向かい合い、翼を上の方に伸べ広げ、贖いのふたを覆うようにする。

  3.3つの役割

(1)神の御座としての役割

①最高位の天使であるケルビムが置かれた。

②シャカイナグローリーは、ケルビムとの関連でのみ語られている。

*「ケルビムの上に座す【主】」という表現が、たびたび出てくる。

*1サム4:4、2サム6:2、2列19:15

*詩80:1 「ケルビムの上の御座に着いておられる方よ」

(2)贖いの場としての役割

  ①「贖いのふた」は、ヘブル語では「カッポーレス」である。

*この語には「覆う」または「隠す」という意味がある。

*「罪をおおう」、「罪を隠す」という意味でも用いられる。

  ②ヘブ9:5では、「ヒラステーリオン」(ギリシア語)と呼ばれている。

*「贖罪所」(口語訳)

*「贖罪蓋」(新改訳)

*「償いの座」(新共同訳)

  ③大祭司が年に1度、いけにえの血を振りかける場所である(レビ16:11~17)。

*贖罪の日

*やぎの血

(3)啓示の場としての役割

「わたしはそこであなたと会見し、その『贖いのふた』の上から、すなわちあかしの

箱の上の二つのケルビムの間から、イスラエル人について、あなたに命じることをこ

とごとくあなたに語ろう」(22節)

①神は、そこでモーセに啓示を与えると言われる。

Ⅲ.机(23~30節)

  1.パンを置く机

(1)形状

①この机も、アカシヤ材で表面に純金をかぶせたもの。

②持ち運びができるように、金の環とかつぐ棒も作られた。

③サイズは、契約の箱よりも少し小さめ(88cm×44c m×66cm)。

   (2)機能

①この机は、至聖所の中ではなく、聖所に置かれた。

②机の上には絶えず「供えのパン」が置かれた。

  2.供えのパン

(1)「神の前に供えたパン」という意味である。

*出25:30、35:13、39:36

*民4:7

*1サム21:6

*1列7:48

*2歴4:19

(2)パン種のはいらない丸くて薄いパン12個

  ①6個ずつ二並びにして置かれた。

②各並びに乳香も添えて置かれた。(レビ記24:5~7)。

③これは、パンの代わりに燃やして【主】に捧げた。

(3)パンの数は、イスラエルの12部族を表わしている。

①イスラエル人は常に、自分たちが神の前を歩んでいることを自覚させられた。

②このパンは、週1回、安息日ごとに新しく供えられた(レビ24:8)。

③この奉仕に当たったのは、ケハテ族である(1歴9:32)。

(4)供えられたパンは聖別された物である。

①祭司だけが食べることを許された。

②しかし、ダビデとその供の者はこれを食した(1サム21:4~6)。

③イエスはこれを引用して、安息日は人のためにあるとされた(マタ12:3~4)。

結論:このメッセージは、幕屋の中に隠されたキリストを発見するためのものである。

1.契約の箱とキリスト

(1)新約聖書から証明できることだけを、キリストを示す型として理解する。

①「聖書は聖書によって解釈する」という原則

  (2)ヨハ1:14からの証明

  「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみ

もとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられ

た」

  ①「住まわれた」という言葉は、「スケイネイ」というギリシア語である。

②この言葉には、「幕屋を張る」という意味がある。「シャカイナ」の派生語である。

③旧約時代には、神は幕屋の中に栄光を表わされた。

④新約時代には、神はイエス・キリストのうちに栄光を表わされた。

*メシアの受肉は、神が地上に幕屋を張られたことを意味する。

*イエスの御体は、幕屋であり神殿である。

*イエス自身が、シャカイナグローリーである(目に見えない神の現れ)。

   (3)ヨハ2:18~21からの証明

「そこで、ユダヤ人たちが答えて言った。『あなたがこのようなことをするからには、

どんなしるしを私たちに見せてくれるのですか』。イエスは彼らに答えて言われた。『こ

の神殿をこわしてみなさい。わたしは、三日でそれを建てよう』。そこで、ユダヤ人た

ちは言った。『この神殿は建てるのに四十六年かかりました。あなたはそれを、三日で

建てるのですか』。しかし、イエスはご自分のからだの神殿のことを言われたのである」

    ①イスラエルの民は、幕屋の中のシャカイナグローリーを見て、神がともにいてく

    ださることを確認した。

②私たちは、イエスの中にシャカイナグローリーが宿っているのを見て、神がとも

にいてくださることを確認する。

2.贖いのふたとキリスト

  (1)ヘブ9:1~14からの証明

①「贖いのふた」は、キリストの贖いを示す型である。

②ふたの上にやぎの血が振りかけられ、罪に対する神の怒りが静められた。

③これは、イエスが十字架上で、私たちの罪のために死なれたことを示す型である。

④キリストの犠牲的死は、一度限りのもので、その効果は永遠に続く。

(2)1ヨハ2:1~2からの証明

「私の子どもたち。私がこれらのことを書き送るのは、あなたがたが罪を犯さないように

なるためです。もしだれかが罪を犯すことがあれば、私たちには、御父の前で弁護する方

がいます。義なるイエス・キリストです。この方こそ、私たちの罪のための──私たちの

罪だけでなく、世全体のための──なだめの供え物です」

  ①私たちの罪は、キリストの死によって完全に贖われた。

②新生体験をした者は、習慣的に罪を犯さなくなった。

③もし罪を犯したなら、それを告白することによって赦しをいただくことができる。

*1ヨハ1:9

3.供えのパンの机とキリスト

  (1)ヨハ6:35、48、51からの証明

①イエスは、ヨハネの福音書で3度、「わたしがいのちのパンです」と語られた。

②パンという言葉は、ユダヤ人にとっては非常に霊的な意味を含んだものである。

*種入れぬパン

*天からのパンであるマナ

*供えのパン

③神は荒野でイスラエルの民を養われた。

④新約時代においては、主イエスが私たちの霊の糧となってくださる。

⑤「いのちのパン」は、毎日食べる必要がある。

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