出エジプト記(30)—シナイ契約(3)—

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このメッセージでは...

メシア論の一端を論じる。

出エジ30 出エジプト記20章18節~26節

「シナイ契約(3)」

1.文脈の確認

(1)シナイ契約は宗主契約である。

  ①当時の政治的な契約形式を採用している。

  ②この契約によって、神はイスラエルの民を正式な契約関係へと招かれた。

(2)シナイ契約の構造

  ①両者が同意する条項(命令と祝福)(20:3~17)

  ②挿入句(20:18~26)

  ③基本条項に付加された諸条項(21:1~23:33)

  2.アウトライン

(1)民の恐れ(20:18~21)

(2)偶像に関する命令(20:22~23)

(3)祭壇に関する命令(20:24~26)

  3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。

(1)メシア論の一端を論じてみたい。

  仲介者イエス・キリストの本質を教える7つの箇所

このメッセージは、メシア論の一端を論じるものである。

Ⅰ.民の恐れ(20:18~21)

  1.恐るべき光景(18a)

(1)彼らは恐るべき光景を目撃した。

「民はみな、雷と、いなずま、角笛の音と、煙る山を目撃した」

(2)ヘブ12:18~21

「あなたがたは、手でさわれる山、燃える火、黒雲、暗やみ、あらし、ラッパの響き、

ことばのとどろきに近づいているのではありません。このとどろきは、これを聞いた

者たちが、それ以上一言も加えてもらいたくないと願ったものです。彼らは、『たと

い、獣でも、山に触れるものは石で打ち殺されなければならない』というその命令に

耐えることができなかったのです。また、その光景があまり恐ろしかったので、モー

セは、『私は恐れて、震える』と言いました」

  ①ヘブル人の記憶に刻まれている歴史のひとこま。

  ②こう書けば、誰もがこの出来事を理解した。

  2.民の恐れ

(1)この時の民の状態(18b)

「民は見て、たじろぎ、遠く離れて立った」

(2)民の言葉(19節)

「彼らはモーセに言った。『どうか、私たちに話してください。私たちは聞き従いま

す。しかし、神が私たちにお話しにならないように。私たちが死ぬといけませんから』」

  ①神の権威、栄光、聖なることを目撃した。

  ②自らの罪を認識した。

  ③仲介者の必要性を感じた。

  ④ルカ5:8

  「これを見たシモン・ペテロは、イエスの足もとにひれ伏して、『主よ。私のよ

  うな者から離れてください。私は、罪深い人間ですから』と言った」

  ⑤律法は人の罪を示し、人をメシアに導く。

  3.モーセの応答

(1)神が直接民に語った理由を説明する(20節)。

「それでモーセは民に言った。『恐れてはいけません。神が来られたのはあなたがた

を試みるためなのです。また、あなたがたに神への恐れが生じて、あなたがたが罪を

犯さないためです』」

  ①恐れる必要はない。

  ②神が民に直接語られた理由は、イスラエルの民に恐れを与えるためである。

  ③それは、死に至る恐れではなく、健全な畏怖の念である。

  ④畏怖の念を持った者は、罪を犯さなくなる。

(2)モーセは仲介者としての行動を開始する(21節)

「そこで、民は遠く離れて立ち、モーセは神のおられる暗やみに近づいて行った」

  ①民は神に直接応答することをせず、遠く離れて立っている。

  ②モーセは神に近づいて行った。

  ③「暗やみ」に入ると、その中にシャカイナグローリーが輝いているということ。

  ④モーセはメシアの型である。

Ⅱ.偶像に関する命令(20:22~23)

  1.この命令の背景(22節)

  「【主】はモーセに仰せられた。『あなたはイスラエル人にこう言わなければならない。あ

なたがた自身、わたしが天からあなたがたと話したのを見た』」

  (1)神は目に見える世界を超越している。

  ①「天から話した」

  (2)イスラエル民は神が話すのを聞き、神の権威を体験した。

  ①それが恐れの原因となった。

  ②モーセに仲介者になるように懇願した。

2.命令の内容(23節)

「あなたがたはわたしと並べて、銀の神々を造ってはならない。また、あなたがた自身の

ために金の神々も造ってはならない」

  (1)礼拝の対象として、偶像を造ってはならない。

  (2)銀や金で造ってはならない。

  ①最初の偶像は、金の子牛であった(32章)。

  ②偶像の価値を高めるために、貴金属が用いられる。

Ⅲ.祭壇に関する命令(20:24~26)

  
1.祭壇を造れという命令

(1)これは幕屋の設計図が示される前の祭壇である。

(2)信仰の行為によって造られる祭壇である。

  ①族長たちも祭壇を造った。

  ②目的は、【主】へのいけにえを捧げるためである。

  ③幕屋建設以降も、このような祭壇は造られた。

(3)旧約聖書の例

  ①士6:24

  「そこで、ギデオンはそこに【主】のために祭壇を築いて、これをアドナイ・シ

  ャロムと名づけた。これは今日まで、アビエゼル人のオフラに残っている」

  ②士13:19

  「そこでマノアは、子やぎと穀物のささげ物を取り、それを岩の上で【主】にさ

  さげた。主はマノアとその妻が見ているところで、不思議なことをされた」

  ③Ⅰサム7:17

  「(サムエルは)ラマに帰った。そこに自分の家があったからである。彼はそこ

  でイスラエルをさばいた。彼はまた、そこに【主】のために一つの祭壇を築いた」

  2.祭壇の造り方

(1)土の祭壇

  ①非常に質素な素材である。

  ②神を礼拝する際の心の在り方を暗示している。

  ③この命令には、祝福の約束が伴っている。

(2)石の祭壇

  ①石の多い場所で祭壇を造る場合、切り石、のみを当てた石、は使用しない。

  ②カナン人の偶像礼拝者たちは、見事な石で祭壇を築いていた。

  ③のみを石に当てることは、偶像を刻む誘惑を受けることである。

  ④階段を造らない。

  ⑤裸が表れないように。これもまた、カナン人の淫乱な礼拝を避けるためである。

  ⑥この祭壇は、非常に低い。神の前での謙遜を教えている。

(3)ヨハ4:23~24

「しかし、真の礼拝者たちが霊とまことによって父を礼拝する時が来ます。今がその

時です。父はこのような人々を礼拝者として求めておられるからです。神は霊ですか

ら、神を礼拝する者は、霊とまことによって礼拝しなければなりません」

結論:このメッセージは、このメッセージは、メシア論の一端を論じるものである。

聖句:Ⅰテモ2:5

「神は唯一です。また、神と人との間の仲介者も唯一であって、それは人としてのキリス

ト・イエスです」

(1)人でなければ死ねない。

(2)神でなければ救えない。

  
仲介者イエス・キリストの本質を教える7つの箇所

1.人として成長しながら(ルカ2:40)、永遠の昔からおられた(ヨハ8:58)。

  「幼子は成長し、強くなり、知恵に満ちていった。神の恵みがその上にあった」

  「イエスは彼らに言われた。『まことに、まことに、あなたがたに告げます。アブラハム

が生まれる前から、わたしはいるのです』」

2.肉体の疲れを覚えながら(ヨハ4:6)、疲れている人を招かれた(マタ11:28)。

  「そこにはヤコブの井戸があった。イエスは旅の疲れで、井戸のかたわらに腰をおろして

おられた。時は第六時ごろであった」

「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあな

たがたを休ませてあげます」

3.空腹になりながら(マタ4:2)、「命のパン」だと宣言された(ヨハ6:35)。

  「そして、四十日四十夜断食したあとで、空腹を覚えられた」

  「イエスは言われた。『わたしがいのちのパンです。わたしに来る者は決して飢えること

がなく、わたしを信じる者はどんなときにも、決して渇くことがありません』」

4.渇きを覚えながら(ヨハ4:7、19:28)、命の水を提供された(4:10、7:37~38)。

  「ひとりのサマリヤの女が水をくみに来た。イエスは『わたしに水を飲ませてください』

と言われた」

「この後、イエスは、すべてのことが完了したのを知って、聖書が成就するために、『わ

たしは渇く』と言われた」

「イエスは答えて言われた。『もしあなたが神の賜物を知り、また、あなたに水を飲ませ

てくれと言う者がだれであるかを知っていたなら、あなたのほうでその人に求めたことで

しょう。そしてその人はあなたに生ける水を与えたことでしょう』」

「さて、祭りの終わりの大いなる日に、イエスは立って、大声で言われた。『だれでも渇

いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい。わたしを信じる者は、聖書が言っている

とおりに、その人の心の奥底から、生ける水の川が流れ出るようになる』」


5.「父はわたしよりも偉大な方」(ヨハ14:28)と言いながら、「わたしを見た者は、父を見た」(ヨハ14:9)と言われた。

  「『わたしは去って行き、また、あなたがたのところに来る』とわたしが言ったのを、あ

なたがたは聞きました。あなたがたは、もしわたしを愛しているなら、わたしが父のもと

に行くことを喜ぶはずです。父はわたしよりも偉大な方だからです」

  「イエスは彼に言われた。『ピリポ。こんなに長い間あなたがたといっしょにいるのに、

あなたはわたしを知らなかったのですか。わたしを見た者は、父を見たのです。どうして

あなたは、『私たちに父を見せてください』と言うのですか」

6.墓の前で泣きながら(ヨハ11:35)、死人を蘇らせた(ヨハ11:43)。

  「イエスは涙を流された」

  「そして、イエスはそう言われると、大声で叫ばれた。『ラザロよ。出て来なさい』」

7.十字架に付きながら(マタ27:46)、救いを約束された(ルカ23:43)。

  「三時ごろ、イエスは大声で、『エリ、エリ、レマ、サバクタニ』と叫ばれた。これは、『わ

が神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか』という意味である」

「イエスは、彼に言われた。『まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしと

ともにパラダイスにいます』」

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