私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(28)—シナイ契約(1)—
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モーセの律法を人類救済計画の中に正しく位置づける。
出エジ28 出エジプト記20章1節~17節
「シナイ契約(1)」
1.文脈の確認
(1)出19章の内容は、シナイ契約の準備であった。
(2)きょうの箇所から、契約の条項(モーセの律法)が啓示される。
①モーセの律法は613の命令から成る。
②十戒は、その最初に出てくるものである。
2.十戒に関する認識の相違
(1)ユダヤ人の認識:2枚の石板にそれぞれ5つの戒めが書かれている。
*第1戒:わたしは【主】(ヤハウェ)である。
*第2戒:ほかの神々があってはならない。偶像を作ってはならない。
*第3戒:御名をみだりに唱えてはならない。
*第4戒:安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。
*第5戒:両親を敬え。
*第6戒:殺してはならない。
*第7戒:姦淫してはならない。
*第8戒:盗んではならない。
*第9戒:偽りの証言をしてはならない。
*第10戒:隣人のものを欲しがってはならない。
(2)クリスチャンの認識(A):2枚の石板にそれぞれ5つの戒めが書かれている。
*第1戒:ほかの神々があってはならない。
*第2戒:偶像を作ってはならない。
*第3戒:御名をみだりに唱えてはならない。
*第4戒:安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。
*第5戒:両親を敬え。
*第6戒:殺してはならない。
*第7戒:姦淫してはならない。
*第8戒:盗んではならない。
*第9戒:偽りの証言をしてはならない。
*第10戒:隣人のものを欲しがってはならない。
(3)クリスチャンの認識(B):最初に3つ、次に7つの戒めが書かれている。
*第1戒:ほかの神々があってはならない。偶像を作ってはならない。
*第2戒:御名をみだりに唱えてはならない。
*第3戒:安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。
*第4戒:両親を敬え。
*第5戒:殺してはならない。
*第6戒:姦淫してはならない。
*第7戒:盗んではならない。
*第8戒:偽りの証言をしてはならない。
*第9戒:隣人の家を欲しがってはならない。
*第10戒:隣人の妻、奴隷、家畜を欲しがってはならない。
(4)第4の認識:2枚の石板にはともに10の戒めが書かれている。
①出32:15
「モーセは向き直り、二枚のあかしの板を手にして山から降りた。板は両面から
書いてあった。すなわち、表と裏に書いてあった」
②申19:15
「どんな咎でも、どんな罪でも、すべて人が犯した罪は、ひとりの証人によって
は立証されない。ふたりの証人の証言、または三人の証人の証言によって、その
ことは立証されなければならない」
3.シナイ契約の構造(宗主契約)
*当時の政治的な契約形式を採用している。
*ただし、偶像的要素はすべて排除されている。
*この契約によって、神はイスラエルの民を正式な契約関係へと招かれた。
(1)この契約を結ぶ王の名(20:1)
(2)この契約を結ぶに至った歴史的経緯(20:2)
(3)両者が同意する条項(命令と祝福)(20:3~17)
(4)挿入句(20:18~26)
(5)基本条項に付加された諸条項(21:1~23:33)
(6)契約の書を朗読する時と、それを保管する場所(24:7、25:16)
(7)証人として神々が呼ばれる(24:4、12の石の柱)
(8)祝福と呪い(23:20~33)
4.アウトライン
(1)この契約を結ぶ王の名(20:1)
(2)この契約を結ぶに至った歴史的経緯(20:2)
(3)両者が同意する条項(命令と祝福)(20:3~17)
*第1戒~第4戒
5.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)第1戒と第2回の現代的適用
(2)第3戒の現代的適用
(3)第4戒の現代的適用
このメッセージは、モーセの律法を人類救済計画の中に正しく位置づけるためのものである。
Ⅰ.この契約を結ぶ王の名(20:1)
「それから神はこれらのことばを、ことごとく告げて仰せられた」
1.語る主体は「神」(エロヒム)である。
2.語る内容は「これらのことば」である。
(1)「十のことば」(The Ten Words)
①出34:28
②申4:13、10:4
(2)気まぐれや、思いつきの言葉ではない。
①創造主から人間に与えられた生活原則である。
②人生のマニュアル(取り扱い説明書)である。
Ⅱ.この契約を結ぶに至った歴史的経緯(20:2)
「わたしは、あなたをエジプトの国、奴隷の家から連れ出した、あなたの神、【主】である」
1.宗主契約の前書きの部分に当たる。
(1)この契約が可能であり、道理にかなっていることを示している。
2.イスラエルの民を契約関係に招いているのは、知らない神ではない。
(1)アブラハム、イサク、ヤコブの神である。
(2)その御名は【主】である。
(3)イスラエルの民をエジプトから救った神である。
①イスラエルの民は、神の力を体験した。
②イスラエルの民は、神の恵みを体験した。
Ⅲ.両者が同意する条項(命令と祝福)(20:3~17)
*神との契約関係に入った者の行動規範
*第1戒~第4戒は、神と人との関係を規定する。
*第5戒~第10戒は、人と人との関係を規定する。
1.第1戒(3節)
「あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない」
(1)正しい神学を持てということである。
①すべての神学が正しいわけではない。
②しかし、神学なしに正しい信仰を持つことはできない。
(2)神は唯一であるということを認めることが信仰の第一歩である。
①申4:35
「あなたにこのことが示されたのは、【主】だけが神であって、ほかには神はな
いことを、あなたが知るためであった」
②イザ43:10~11
「あなたがたはわたしの証人、──【主】の御告げ──わたしが選んだわたしの
しもべである。これは、あなたがたが知って、わたしを信じ、わたしがその者で
あることを悟るためだ。わたしより先に造られた神はなく、わたしより後にもな
い。わたし、このわたしが、【主】であって、わたしのほかに救い主はいない」
(3)イスラエルの民の使命は、神が唯一であることを諸国民に示すことである。
2.第2戒(4~6節)
「あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地に
あるものでも、地の下の水の中にあるものでも、どんな形をも造ってはならない。それら
を拝んではならない。それらに仕えてはならない。あなたの神、【主】であるわたしは、ね
たむ神、わたしを憎む者には、父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、わたしを愛
し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである」
(1)真の礼拝とは何かを教えている。
①神は被造の世界を超越している。
②その神を目に見えるもので表現することは不可能である。
③それをするなら、最終的には被造物を拝む結果を招く。
(2)礼拝のための像を造ることを禁止したもので、それ以外の像は除外される。
①モーセは幕屋の中にケルビムの織物や、像を造った。
(3)【主】は、ねたむ神である。
①イザ54:5~6
「『あなたの夫はあなたを造った者、その名は万軍の【主】。あなたの贖い主は、
イスラエルの聖なる方で、全地の神と呼ばれている。【主】は、あなたを、夫に
捨てられた、心に悲しみのある女と呼んだが、若い時の妻をどうして見捨てられ
ようか』とあなたの神は仰せられる」
②イスラエルの民は、【主】の妻である。
③偶像礼拝は、霊的姦淫である。
④【主】は、夫が妻に対して嫉妬するように、背信の民に対して嫉妬する。
(4)「父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし」
①父の犯した罪のゆえに子が罰を受けることはない。
②先祖の罪の悪影響が子孫に及ぶということ。
③【主】はそれを三代か四代でとどめてくださる。
(5)「恵みを千代にまで施す」
①先祖の良い影響が子孫に及ぶということ。
②その場合は、それが長く続くということ。
(6)神の義と愛とのバランスを保つことが必要である。
3.第3戒(7節)
「あなたは、あなたの神、【主】の御名を、みだりに唱えてはならない。【主】は、御名を
みだりに唱える者を、罰せずにはおかない」
(1)神の尊厳や性質を引き下げてはいけないということを教えている。
①ヘブル的には、名は実態を表す。
②「みだりに唱える」とは、神を価値のない存在のように扱うことである。
③実行する気がないのに、神の名によって誓うのは、この罪に当たる。
(2)ユダヤ人たちは、偶然に神の御名をみだりに唱えることさえ恐れた。
①発音しなくなった。
②ヤハウェという発音が最も近いと思われるが、正確なところは分からない。
4.第4戒(8~11節)
「安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。六日間、働いて、あなたのすべての仕事をし
なければならない。しかし七日目は、あなたの神、【主】の安息である。あなたはどんな仕
事もしてはならない。──あなたも、あなたの息子、娘、それにあなたの男奴隷や女奴隷、
家畜、また、あなたの町囲みの中にいる在留異国人も──それは【主】が六日のうちに、
天と地と海、またそれらの中にいるすべてのものを造り、七日目に休まれたからである。
それゆえ、【主】は安息日を祝福し、これを聖なるものと宣言された」
(1)神との契約関係に入ったなら、神がなさるようにする。
①創造の7日目に、神は休まれた。
②6日間ですべての労働を終え、7日目に休む。
(2)安息日は、シナイ契約のしるしである。
①出31:13
②奴隷から自由の民となったことのしるしである。
(3)神が私たちの必要を満たしてくださる方であることを思い出す。
結論:このメッセージは、モーセの律法を人類救済計画の中に正しく位置づけるためのものである。
1.
第1戒と第2戒の適用
(1)他の神々があってはならないという命令は、キリストの律法にもある。
(2)「神」とは、私たちの心の中心を占めているもの。
(3)エペ5:5
「あなたがたがよく見て知っているとおり、不品行な者や、汚れた者や、むさぼる者
──これが偶像礼拝者です、──こういう人はだれも、キリストと神との御国を相続
することができません」
(4)イスラエルの民は【主】の妻
(5)新約時代の信者は、キリストの花嫁
①【主】のねたみは、花婿が花嫁に対して抱く感情である。
2.第3戒の適用
(1)【主】の御名を辱めてはならないという命令は、キリストの律法にもある。
(2)英語圏の人たちの御名の使用法
(3)ヤコ2:7
「あなたがたがその名で呼ばれている尊い御名をけがすのも彼らではありませんか」
(4)カルト的言葉
①神が私にこう語っている。
②私は聖霊によって語っている。
(5)霊的リーダーが置かれている位置
①恐ろしいのは、人々が耳を傾けないことではない。
②人々が耳を傾け、それに従うことこそ恐ろしいのである。
3.第4戒の適用
(1)安息日の規定は、キリストの律法にはない。
(2)安息日は、キリストを信じた人が経験する霊的状態の型である。
①ヘブ4章
(3)新約時代の信徒は、どの日に礼拝をしてもよい。
①ロマ14:5
「ある日を、他の日に比べて、大事だと考える人もいますが、どの日も同じだと
考える人もいます。それぞれ自分の心の中で確信を持ちなさい」
②ヘブ10:25
「ある人々のように、いっしょに集まることをやめたりしないで、かえって励ま
し合い、かの日が近づいているのを見て、ますますそうしようではありませんか」
*定期的に集まる。
*最低週に1回であろう。
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