私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(19)—紅海を渡る—
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私たちの世界観を確立するための学び。
出エジ19 出エジプト記14章15節~15章21節
「紅海を渡る」
1.文脈の確認
(1)イスラエルの民は、430年後にエジプトを脱出した。
(2)エジプト脱出の記録は、13:1~15:21まである。
(3)紅海の出来事の記録はすでに始まっている。
①イスラエルは窮地に陥る。
②神に全面的に信頼するか、死ぬかのいずれかしかない。
③イスラエルの民は動揺した。
④モーセは、旧約聖書の中で最高の信仰告白をした(13~14節)。
2.アウトライン
(1)紅海を渡る(14:15~31)
(2)モーセの歌(15:1~18)
(3)ミリアムの歌(15:19~21)
3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)シャカイナグローリーの働きについて
(2)世界観について
(3)歴史の分水嶺について
このメッセージは、私たちの世界観を確立するためのものである。
Ⅰ.紅海を渡る(14章15節~31節)
1.まとめが14:29~31に書かれている。
(1)イスラエル人は海の真ん中のかわいた地を歩いた。
(2)【主】はその日イスラエルをエジプトの手から救われた。
(3)民は【主】を恐れ、【主】とそのしもべモーセを信じた。
2.イスラエル人は海の真ん中のかわいた地を歩いた。
(1)「なぜあなたはわたしに向かって叫ぶのか」
①書かれていないが、モーセは【主】に祈っていた。
②その祈りは、叫ぶような祈りであった。
(2)「イスラエル人に前進するように言え」(新改訳)
「イスラエルの人々に命じて出発させなさい」(新共同訳)
①祈るに時があり、行動するに時がある。
②背後から敵が迫って来るので、海に向かって前進するしかない。
③海はまだ分かれていない状態で、前進し始める。
*分かれてから歩き始めるなら、それは確認である。
*分かれる前に歩き始めるなら、それは信仰である。
(3)「あなたの杖を上げ、あなたの手を海の上に差し伸ばし、海を分けて、」
①エジプトに災いを下すために用いられた杖が用いられる。
②杖で海を打つわけではい。
③海の上に杖を指し伸ばすだけである。
(4)「わたしの栄光を現そう」(17節)
①栄光は「カボッド」という言葉。重みがある、現実そのもの、などの意味。
②対比する相手は、パロとその全軍勢、戦車と騎兵。
③エジプトはその時代の文明の最高峰であり、その軍事力は最強であった。
(5)雲の柱(シャカイナグローリー)の働き
①神の使いは、雲の柱の中にいる。受肉前のメシアである。
②イスラエルの陣営の前を進んでいた雲の柱は、うしろに移動した。
③エジプトの陣営は闇に閉じ込められたが、イスラエルの陣営には光があった。
(6)モーセが手を海の上に指し伸ばすと、強い東風が吹いてきた。
①浅瀬の水なら、強風でその姿を変えることはあるが、陸地にはならない。
②水は左右に壁となった。
③神は自然現象を用いて、奇跡を行われる。
④イスラエル人は海の真ん中のかわいた地を進んで行った。
(7)エジプト人は、自分たちもそこを進めると考えた。
①神のことばを受けていないなら、その約束は自分のものではない。
(8)【主】の御業
①「朝の見張りのころ」 夜明け前の時間、「暁の更に」(口語訳)
②【主】は火と雲の柱のうちからエジプトの陣営を見おろし、攪乱された。
③戦車の車輪に問題が生じた。
④エジプト人は、ようやく何が起こっているかに気づいた。
「【主】が彼らのために、エジプトと戦っておられるのだから」
⑤モーセが手を海の上に差しのべた時、海がもとの状態に戻った。
⑥パロの全軍勢は溺死した。
2.【主】はその日イスラエルをエジプトの手から救われた。
(1)この出来事は、奴隷からの解放物語のクライマックスとなった。
①それ以降のすべての解放物語の原型となった。
(2)この救いは、アブラハム契約の約束が成就する第一歩となった。
①イスラエルの民への祝福
②諸国民への祝福
③イスラエルを祝福する者は祝福を受け、呪う者は呪いを受ける。
④イスラエルの赤子を溺死させたエジプトは、紅海で溺死させられた。
3.民は【主】を恐れ、【主】とそのしもべモーセを信じた。
(1)【主】の奇跡を見た。
(2)3つの結果
①【主】への恐れが生じた。
②【主】を信じた。
③【主】のしもべモーセを信じた。
(3)彼らの信仰は短命であった。
①15:24 水についての文句
②16:3 食べ物についての不平
Ⅱ.モーセの歌(15:1~18)
1.特徴
(1)聖書に記録されている最初の詩である。
①ヘブルの詩の形式は、対句法である。
②散文では表現できない心の動きと感動を表現する。
(2)3つのスタンザ(連)からなる。
2.最初のスタンザ(1~5節)
(1)テーマは、神の性質である。
①「その御名は【主】」(3節)
②ここは、「ヤハウェ」と訳すべきところである。
(2)「ヤハウェ」は契約の神の御名である。
①「私の父の神」
②「この方こそ、わが神」
③彼らは、神を体験した。
3.第2のスタンザ(6~12節)
(1)テーマは、神の力である。
①「右の手」とは、剣を持つ手である。
②「鼻の息」とは、東風である。
(2)偶像の神々との比較
①「【主】よ。神々のうち、だれかあなたのような方があるでしょうか」
②エジプトの敗北は、エジプトの偶像の敗北である。
4.第3のスタンザ(13~18節)
(1)テーマは、【主】にある希望である。
①「恵み」(新改訳)、「慈しみ」(新共同訳)とは、「ヘセッド」。
②契約に基づく「恵み」である。
(2)近隣諸国に、恐れが生じた。
①ペリシテ
②エドム
③モアブ
④カナン
⑤ヨシ2:9~11 エリコのラハブの告白
(3)「あなたは彼らを連れて行き、あなたご自身の山に植えられる」(17節)
①【主】が彼らを約束の地に導かれる。
②彼らは、その地で繁栄を経験するようになる。
Ⅲ.ミリアムの歌(15:19~21)
1.歌の理由(19節)
2.女たちの歌
(1)古代世界では、儀式的踊りや歌は、男女別々に行った。
(2)ミリアム
①アロンの姉(モーセは幼いころから家を出ていた)
②女預言者(聖書で初めてこの言葉が登場する)
③タンバリンを手にとって踊る。
④ミリアムが女たちの賛美を導く。
結論:このメッセージは、私たちの世界観を確立するためのものである。
1.シャカイナグローリーの働きについて
(1)4段階
①モーセを召した。
②イスラエルの民を導いた。
③イスラエルの民を敵から守った。
④エジプト軍を破った。
(2)私たちへの教訓
①マタ28:20 イスラエルとともにおられたお方が、私たちとともにおられる。
②そのお方の権威を認識する。
③その権威は、神の御心を行う時に有効なる権威である。
2.世界観について
(1)エジプト文明とローマ文明の世界観は、ともに多神教である。
①自然界の観察により、多くの神々がいるとの結論を出した。
②歴史の出来事は、繰り返すと考えた。
(2)イスラエル人の世界観は、これとは全く異なる。
①神は唯一であり、自然界を超越している。
②その神は、目的をもって天地を創造した神である。
③神は、ご自身の計画に従って、ある目的に向かって歴史を導いている。
(3)イスラエル人がこのような世界観を持つようになった理由
①神が、歴史に介入した。
②自分たちは、それを体験した。
③紅海を渡った出来事は、その体験の最高峰である。
④この体験によって、ヤハウェは先祖の神から、「私の神」となった。
(4)私たちへの教訓
①なぜ私は、イスラエルの神を信じるのか。
②なぜ私は、2000年前に十字架上で死んだというイエスを信じるのか。
③神が歴史に介入されたからである。
*神が人となられた。
*イエスは呪いの死を遂げ、3日目に復活された。
*イエスの御名による罪の赦しが、ユダヤ人信者によって伝えられた。
④イエスを信じた私たちは、神が歴史に介入されたことを体験した。
*イスラエルの神は、「私の神」となった。
3.歴史の分水嶺について
(1)パウロはこの出来事を、Ⅰコリ10:1~2に引用している。
①イスラエル国家の誕生
②信者が経験する霊的誕生の型
(2)その他の分水嶺
①カデシュ・バルネア事件(民13章)
②ヨルダン川を渡る。
③エリコの征服
④王国の誕生
⑤ダビデの油注ぎ
⑥南北分裂
⑦アッシリヤ捕囚
⑧バビロン捕囚
⑨捕囚からの帰還
⑩メシアの誕生
⑪メシアの拒否
⑫エルサレムの崩壊(紀元70年)
(3)次の分水嶺
①携挙と地上再臨
②その前に、異邦人の時が満ちる。
③日本のリバイバルは、間違いなく歴史の分水嶺となる。
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