私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(17)—初子の贖い—
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出エジプト事件と私たちの生活を結び付ける。
出エジ17出エジプト記12章43節~13章16節
「初子の贖い」
1.文脈の確認
(1)アブラハム契約(創12章)から人類救済の新しい計画が始まっている。
(2)アブラハム、イサク、ヤコブの子孫は、その計画を推進する器となる。
(3)神はヤコブの一家をエジプトに導き、そこで隔離しながら一大民族に育てた。
(4)イスラエルの民は、430年後にエジプトを脱出した。
(5)その際、子羊をほふり、過越の食事をした。
①この時から過越の祭りの習慣が始まった。
②過越の子羊はメシアの型である。
(6)この箇所は、エジプトを出た直前か直後に、イスラエルの民に語られたもの。
2.メッセージのアウトライン
(1)過越の祭りに関する付加規定(12章43節~51節)
(2)初子の聖別(13章1節~16節)
3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)アブラハム契約の重要性
(2)出エジプト事件の詩的まとめ
(3)健全な自己認識
このメッセージは、出エジプト事件と私たちの生活を結び付けるためのものである。
Ⅰ.過越の祭りに関する付加規定(12章43節~51節)
1.付加規定が必要な理由
(1)12:38「多くの入り混じってきた外国人」
(2)カナンの地に定住した際の状況
2.付加規定の内容
(1)外国人(非イスラエル人)
①過越のいえにえを食べてはならない。
(2)金で買われた奴隷
①食べることができる。
②割礼を施すという条件付き。
(3)居留者(短期間の滞在者)と雇い人(給与労働者)
①食べてはならない。
(4)家の中で食べる。
①外に持ち出してはならない。
(5)骨を折ってはならない。
①詩34:20
「主は、彼の骨をことごとく守り、その一つさえ、砕かれることはない」
②ヨハ19:32~36
「この事が起こったのは、『彼の骨は一つも砕かれない』という聖書のことばが
成就するためであった(36節)
3.さらなる付加規定
(1)在留異国人
①カナンの地に定住してからのこと
②家の男子がみな割礼を受けるなら、食べてもよい。
③信仰をもって割礼を受けるなら、イスラエルの共同体に入ることができた。
④無割礼の者は食べてはならない。
4.付加規定のまとめ
(1)過越のいけにえを食べてもよい人
①イスラエル人
②金で買われた奴隷
③在留異国人
(2)条件は割礼を受けていること
(3)聖餐式は、心に割礼を受けている者がそれに与る。そうでないなら無意味。
(4)イスラエルの民の従順
6.エジプト脱出
(1)「ちょうどその日に、【主】はイスラエル人を、集団ごとに、エジプトの国から
連れ出された」(新改訳)
(2)「その軍団に従って」(口語訳)
(3)「部隊ごとに」(新共同訳)
(4)組織化された、秩序ある脱出であった。
Ⅱ.初子の聖別(13章1節~16節)
1.神の所有権(1~2節)
「イスラエル人の間で、最初に生まれる初子はすべて、人であれ家畜であれ、わたしのた
めに聖別せよ。それはわたしのものである」(2節)
(1)イスラエル人の間でのみ行われるべきこと
(2)最初に生まれる初子はすべて
①男子のみ
②人の初子
③家畜の初子
(3)聖別
①主のために選り分ける、俗的世界から、聖なる世界に移し替える。
2.祭りの再確認(3~10節)
(1)この日を覚えていなさい。
①アビブ(ニサン)の月の15日
②過越の食事を食した日
③エジプトを出た日
(2)カナンの地に入った時に守るべき儀式
①種なしパンの祭り7日間
②この祭りの期間、イスラエル人の周りにパン種があってはならない。
(3)子どもたちに、祭りの意味を教える。
(4)このことを記念するために、手と額の上に、【主】の教えを置く。
「これをあなたの手の上のしるしとし、またあなたの額の上の記念としなさい。それ
は【主】のおしえがあなたの口にあるためであり、【主】が力強い御手で、あなたを
エジプトから連れ出されたからである」(9節)
①ユダヤ人はこの箇所を字義通りに解釈している。
②テフィリン(ヘブル語)、フィラクテリオン(ギリシア語)
③額と左手に「聖句の入った小箱」を付ける。
④マタ23:5イエスはこの習慣を否定していない。偽善を否定している。
⑤中に入っている聖句(この順番に記されている)
*申命記11:13~22
*申命記6:4~9
*出エジプト記13:11~16
*出エジプト記13:1~10
3.初子の聖別(11~16節)
(1)家畜の初子は、ほふる。
(2)人間の初子は、贖う。
①民18:16
「初子は、生後一か月を経た後、銀五シェケル、つまり一シェケル当たり二十
ゲラの聖所シェケルの贖い金を支払う」(新共同訳)
(3)けがれた家畜の場合
①ろばがその代表(馬、らくだなどもいる)
②羊で贖う。
③そうでないなら、首を折る。
(4)種々のケースが考えられる。
①最初の生まれた女子の場合は、贖う必要はない。
②女子の次に生まれた長男の場合も、贖う必要はない。
③再婚した妻に子がいる場合、彼女がその結婚で産む初子は、贖う必要がない。
④数人の妻と結婚した男の場合、すべての妻の初子を贖う必要がある。
⑤女と男の双子が誕生した場合、贖う必要はない。
⑥イスラエル人にのみ適用される規定である。
(5)子孫に伝えるべきメッセージ
①出エジプトの際、【主】はエジプトの初子を人から家畜に至るまで打たれた。
②イスラエル人は、初子をみな贖う。
③これを手の上のしるしとし、額の上の記章とする。
結論:このメッセージは、出エジプト事件と私たちを結びつけるものである。
1.アブラハム契約の重要性
(1)過越の食事をするための資格は、アブラハム契約の条項に合致していること。
(2)創17:9~14
「次のことが、わたしとあなたがたと、またあなたの後のあなたの子孫との間で、あ
なたがたが守るべきわたしの契約である。あなたがたの中のすべての男子は割礼を受
けなさい」
①割礼は契約のしるしである。
②生まれて8日目に男子は割礼を受ける。
③家で生まれたしもべも、金で買い取った者も
④割礼を受けない者は、民から断ち切られる。
(4)出エジプトも、その後のドラマも、アブラハム契約を土台としている。
2.出エジプト事件の詩的まとめ
(1)詩105:26~38を味わう。
3.健全な自己認識
(1)神は私たちの上に所有権を主張される。
「イスラエル人の間で、最初に生まれる初子はすべて、人であれ家畜であれ、わたし
のために聖別せよ。それはわたしのものである」(2節)
(2)出エジプトの目的は、2つある。
①奴隷の家からの解放
②【主】の民の形成
(3)新約聖書における出エジプトにも2つの目的がある。
①罪の束縛と死の恐怖からの解放
②【主】の民の形成
(4)使20:28
「あなたがたは自分自身と群れの全体とに気を配りなさい。聖霊は、神がご自身の血
をもって買い取られた神の教会を牧させるために、あなたがたを群れの監督にお立て
になったのです」
(5)Ⅰコリ6:20
「あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。ですから自分のからだをもって、
神の栄光を現しなさい」
(6)ロマ12:1
「そういうわけですから、兄弟たち。私は、神のあわれみのゆえに、あなたがたにお
願いします。あなたがたのからだを、神に受け入れられる、聖い、生きた供え物とし
てささげなさい。それこそ、あなたがたの霊的な礼拝です」
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