私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ローマ人への手紙(43)—献身の勧め(1)—
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真理適用の基本原則を学ぶ。
チャート「神の義の啓示」
「献身の勧め(1)」
1.はじめに
(1)前回のメッセージ
①神学のない礼拝はない。
②礼拝のない神学もない。
③この言葉に感動した方々が多くいた(アンケート紹介)。
(2)同じ意味で、神学のない実践はない。また、実践のない神学もない。
①パウロ書簡の特徴は、教理、そして、適用である。
②エペソ書:1~3章が教理、4~6章が適用。
③ロマ書の場合
*1~8章が教理
*9~11章がイスラエルの救い
*12~16章が適用
(3)きょうの箇所
①学んだ真理を適用するための基本原則が書かれている。
②それ以降の具体的な行為は、すべてこの基本原則から出てくる。
③ロマ12:1~2節ほど、神学的概念が盛り込まれた箇所は他にはないと思う。
④きょうは1節だけを取り上げる。
2.アウトライン
(1)学んだ真理の復習
(2)真理適用の基本原則
3.メッセージのゴール(クリスチャンの自己認識)
(1)キリストのしもべ
(2)キリスト教の神髄
このメッセージは、真理適用の基本原則を学ぼうとするものである。
Ⅰ.
学んだ真理の復習
1.接続詞に注目
「そういうわけですから、兄弟たち」(新改訳)
「こういうわけで、兄弟たち、」(新共同訳)
「兄弟たちよ。そういうわけで、」(口語訳)
(1)ギリシア語で「ウーン」、英語で「therefore」である。
①聖研では、これがキーワードとなる。
②どこまで戻って考えるべきかを、吟味する。
③9~11章か。
④1から11章が正解である。
2.12~16章は、神学的議論を基にした勧めである。
(1)1~8章(神の義の神学)
①義認(過去形の救い)
②聖化(現在進行形の救い)
③栄化(未来形の救い)
「私はこう確信しています。死も、いのちも、御使いも、権威ある者も、今ある
ものも、後に来るものも、力ある者も、高さも、深さも、そのほかのどんな被造
物も、私たちの主キリスト・イエスにある神の愛から、私たちを引き離すことは
できません」(8:38~39)
(2)9~11章(イスラエルの救い)
①イスラエルはイエスを拒否した。
②しかし、神の計画が挫折したわけではない。
*彼らがメシアを拒否することは、旧約聖書に預言されていた。
*もし彼らがイエスを信じていたなら、イエスはメシアではないことになる。
③救いは、異邦人に及んだ。
*ユダヤ人も異邦人も、個人的なベースで救われる時代に入った。
④最後に、イスラエルは民族的救いを経験する。
(3)以上の真理を踏まえて、適用に入る。
Ⅱ.真理適用の基本原則(1節)
1.パウロの勧告
「私は、神のあわれみのゆえに、あなたがたにお願いします」(新改訳)
「神の憐れみによってあなたがたに勧めます」(新共同訳)
「神のあわれみによってあなたがたに勧める」(口語訳)
(1)「パラカロウ」という動詞が、1節の冒頭に出てくる。
①それだけでも、この動詞が強調されていることが分かる。
②この動詞は、呼ぶ、励ます、促す、強く勧める、などの意味がある。
(2)この動詞から、「パラクレイトス」という名詞が出てくる。
①ヨハ14:16、26、15:26、16:7
「わたしは父にお願いします。そうすれば、父はもうひとりの助け主をあなたが
たにお与えになります。その助け主がいつまでもあなたがたと、ともにおられる
ためにです」(ヨハ14:16)
②「助け主」=聖霊
(3)「パラカロウ」=「パラ」(そば)+「カロウ」(呼ぶ)
①ここでパウロは、聖霊の働きを実行している。
②新改訳の「あなたがたにお願いします」では、弱い。
③直訳は、「あなたがたを呼び、励まし、促し、強く勧める」となる。
2.勧告の土台
(1)「神のあわれみ」である。
(2)これは、1~11章の要約である。
①信仰により義とされた。
②キリストにあって数々の特権と祝福が与えられた。
③聖霊の内住が与えられた。
④神の命令に応答できる状態になった。
3.勧告の内容
「あなたがたのからだを、神に受け入れられる、聖い、生きた供え物としてささげなさい」
(新改訳)
「自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい」(新共同訳)
「あなたがたのからだを、神に喜ばれる、生きた、聖なる供え物としてささげなさい」
(口語訳)
(1)献身の勧め
①旧約聖書の背景がある。
②「ささげる」は、「パラステイミ」である。
③七十人訳:いけにえをささげるという動詞は、「パラステイミ」と訳されている。
(2)からだを捧げる。
①からだは、内なる人の器である。
②からだは、聖霊の宮である(1コリ6:19~20)。
③自分の全存在を捧げる。
(3)「生きた供え物」
①旧約時代の供え物は、死んだ動物であった。
②新約時代の供え物は、他の命を犠牲にしない。
③それは、自発的な供え物である。
(4)「聖なる供え物」
①神のために選び分ち、ささげるがゆえに、それは「聖なる供え物」となる。
(5)「神に受け入れられる」
①自発的な供え物であるがゆえに、神に受け入れられるのである。
4.勧告の結論
「それこそ、あなたがたの霊的な礼拝です」(新改訳)
「これこそ、あなたがたのなすべき礼拝です」(新共同訳)
「それが、あなたがたのなすべき霊的な礼拝である」(口語訳)
(1)「霊的」、「なすべき」、「なすべき霊的な」
①ギリシア語で「ロギコス」である。
②「ロゴス」は、言葉、理性である。
③「なすべき」
*神の恵みを熟慮した結果、全的献身は理性的な結論である。
*英語では、「reasonable」「rational」な礼拝である。
④「霊的」
*旧約時代のいけにえは、「殺されたいけにえ」である。
*新約時代のいけにえは、「自発的ないけにえ」である。
*そういう意味で、これは「霊的」である。
(2)「礼拝」
①ギリシア語で「ラツレイアン」である。
②奉仕のこと、キリストにあって行う業のすべてを指す。
③英語では、「service」がこれに相当する。
結論
1.キリストのしもべ(第2回目のメッセージ語った内容の復習)
(1)クリスチャンとしての献身は、キリストのしもべとなること。
(2)しもべとは、ギリシア語で「デューロス」である。
①奴隷のことである。
(3)奴隷には2種類あった。
①自分の意志に反して奴隷となった者
②自由意思に基づいて奴隷となった者
(4)パウロが経験した3つのステップ
①罪の奴隷から解放された。
②自由の身となった。
③自らの選択によって神の奴隷となった。
(5)「キリスト・イエスのしもべ」とは、逆説的言葉である。
①最も不自由であるかに見えて、最も自由である。
②最も低き所に降ろされたように見えて、最も高き所に引き上げられている。
③最も弱い者になったように見えて、最も強い者にされている。
④以上のことは、献身している者にだけ体験できる祝福である。
2.キリスト教の神髄
(1)キリスト教の教理の中心は、「恵み」である。
(2)キリスト教の倫理・道徳の中心は、「感謝」である。
(3)「恵み」も「感謝」も「カリス」というギリシア語である。
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