ローマ人への手紙(38)—拒否の理由(2)—

  • 2011.09.19
  • ローマ書10章:1〜11
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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ユダヤ人の拒否の理由を学ぶ。
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「拒否の理由(2)―的外れの熱心さ―」

1.はじめに

  (1)ロマ書9の文脈

    ①イスラエル人は7つの特権を与えられているがメシアを拒否した(1~5節)。

    ②しかし、イスラエル人の一部しか救われていないのは、神の計画である。

    ③神は、権威をもって救われる人たちを選んでおられる。

      ④イスラエルの拒否の理由は、彼らの頑なさにある。

  *神の主権による選び

  *人間の側の責任

    (2)きょうの箇所では、神の義についての無知が取り上げられている。

      ①頑なさは、無知から来ている。

      ②重要であるが、難解な箇所が出てくる。

  2.アウトライン

    (1)パウロの願い(1~2節)

    (2)律法による義(3~5節)

    (3)信仰による義(6~11節)

  3.メッセージのゴール(適用)

    (1)パウロの回心

(2)「イエスは主なり」という告白

このメッセージは、ユダヤ人の拒否の理由を学ぼうとするものである。

Ⅰ.
パウロの願い(1~2節)

  
1.1節

  「兄弟たち。私が心の望みとし、また彼らのために神に願い求めているのは、彼らの救わ

れることです」

  (1)パウロの個人的願望が表明されている。

    ①ロマ9:1と同じ。

  (2)パウロは、同胞の救いを望み、そのために祈っている。

    ①神の選びの教理を取り扱う際には注意が必要である。

    ②その教理は、救われている者には、さらなる確信を与えるものである。

    ③しかし、人間の側の責任を無視してはならない。

    ④神の神秘(誰が救われるか分からない)によって、伝道と祈りの意欲が制限さ

れてはならない

  2.2節

「私は、彼らが神に対して熱心であることをあかしします。しかし、その熱心は知識に基

づくものではありません」

  (1)パウロは自らを証人にしている。

    ①彼自身が、かつてパリサイ派に属していた。

    ②目撃者の証言である。

  (2)ユダヤ人たちは、神に対して熱心である。

    ①「熱心に神に仕えている」(新共同訳)

    ②つまり彼らは、神についての知識を有している。

    ③その熱心さが、パウロの痛みの原因となっている。

  (3)しかし、その熱心は知識に基づくものではない。

    ①知識 「グノーシス」

    ②ここでの知識は、「エピグノーシス」

    ③「この熱心さは、正しい認識に基づくものではありません」(新共同訳)

    ④「その熱心は深い知識によるものではない」(口語訳)

    ⑤神に関する知識を持っていたが、キリストにあって神を知ることはなかった。

  (4)ホセ4:6

  「わたしの民は知識がないので滅ぼされる。あなたが知識を退けたので、わたしはあ

なたを退けて、わたしの祭司としない。あなたは神のおしえを忘れたので、わたしも

また、あなたの子らを忘れよう」

(5)人は、熱心さや誠実さだけで救われるのではない。

  (例話)モルモンの家庭にホームステイした。

Ⅱ.律法による義(3~5節)

  1.3節

  「というのは、彼らは神の義を知らず、自分自身の義を立てようとして、神の義に従わな

かったからです」

  (1)彼らは、神の義について無知であった。

    ①パウロが、1~8章で論じてきた内容である。

    ②神は、信仰と恵みによって、人を義としてくださる。

  (2)彼らは、自分自身の義を立てようとした。

    ①律法を行うことによる義である。

  (3)自分自身の義を立てることは、神の義を拒否することである。

  (例話)マサダのケーブルカー(登れる山だと思う人、自分の足に自信のある人)

2.4節

「キリストが律法を終わらせられたので、信じる人はみな義と認められるのです」

(1)彼らは、4節の真理について無知であった(非常に難解な聖句である)。

  「キリストは、すべて信じる者に義を得させるために、律法の終りとなられたのであ

る」(口語訳)

「キリストは律法の目標であります、信じる者すべてに義をもたらすために」(新共同

訳)

(2)「テロス」というギリシア語が問題

  ①「終わり」という意味。その場合は、「律法の終わり」となる。

  ②「目標(ゴール)」という意味。その場合は、「律法の目標」となる。

  ③両方の意味があると考えてよい。

    *キリストは、律法の要求をすべて満たし、それを終わらせた。

    *律法が与えられた目的は、人をキリストに導くためである。

  (3)ユダヤ人たちは、その両方を見失った。

    ①つまり、信仰による義を受け入れなかったということ。

3.5節

「モーセは、律法による義を行う人は、その義によって生きる、と書いています」

  (1)律法による義が不可能であることを証明するために、レビ記を引用する。

  「あなたがたは、わたしのおきてとわたしの定めを守りなさい。それを行う人は、そ

れによって生きる。わたしは【主】である」(レビ18:5)

    ①「それを行う人は、それによって生きる」

②行わなかったなら、生きられない。

③律法を完全に行うことは不可能である。

    (2)律法による義が不可能なら、信仰による義しか救いの道は残されていない。

Ⅲ.信仰による義(6~11節)

  1.6~7節

  「しかし、信仰による義はこう言います。『あなたは心の中で、だれが天に上るだろうか、

と言ってはいけない』。それはキリストを引き降ろすことです。また、『だれが地の奥底に

下るだろうか、と言ってはいけない』。それはキリストを死者の中から引き上げることです」

  (1)この聖句は、信仰の義について、説明している。

  (2)申30:11~13

  「まことに、私が、きょう、あなたに命じるこの命令は、あなたにとってむずかしす

ぎるものではなく、遠くかけ離れたものでもない。これは天にあるのではないから、

『だれが、私たちのために天に上り、それを取って来て、私たちに聞かせて行わせよ

うとするのか』と言わなくてもよい。また、これは海のかなたにあるのではないから、

『だれが、私たちのために海のかなたに渡り、それを取って来て、私たちに聞かせて

行わせようとするのか』と言わなくてもよい」

  ①この箇所は、神の義は近くにあることを教えている。

    *天に上って、それを取って来る必要はない。

    *海のかなたに渡り、それを取って来る必要はない。

(3)パウロは、この聖句をキリストに適用している。

  ①神の義を得るために、天に上ったり、地の奥底に下ったりする必要はない。

  ②神の義は、人間の業とは無関係に与えられるからである。

  ③キリストはすでに、地上に下られた(受肉)。

  ④キリストはすでに、よみがえられた(復活)。

  ⑤人間の側で何かを付け加える必要はない。

  2.8節

  「では、どう言っていますか。『みことばはあなたの近くにある。あなたの口にあり、あな

たの心にある』。これは私たちの宣べ伝えている信仰のことばのことです」

  (1)申30:14の引用

  ①神の義は、すぐ近く、手を伸ばせば届くところにある。

  ②口で告白し、心で信じるのが神の義を得る方法である。

  ③これが、パウロが伝えている「信仰のことば」(福音)である。

  3.9~10節

  「なぜなら、もしあなたの口でイエスを主と告白し、あなたの心で神はイエスを死者の中

からよみがえらせてくださったと信じるなら、あなたは救われるからです。人は心に信じ

て義と認められ、口で告白して救われるのです」

  (1)極めて重要な聖句である。

  (2)交差対句法(chiasm)

    ①口で告白し→心で信じる

    ②心に信じて→口で告白して

    ③告白と信じることが、同時に起こっている。

  (3)信仰の内容

      ①「神はイエスを死者の中からよみがえらせてくださった」ということ

      ②復活は、イエスの教えと行いとが、すべて真理であることを証明する。

    (4)告白の内容

      ①「イエスは主なり」ということ。

4.11節

「聖書はこう言っています。『彼に信頼する者は、失望させられることがない』」

(1)イザ28:16

「だから、神である主は、こう仰せられる。『見よ。わたしはシオンに一つの石を礎と

して据える。これは、試みを経た石、堅く据えられた礎の、尊いかしら石。これを信

じる者は、あわてることがない』」

      ①信仰だけが救いの条件である。

結論

  1.パウロの回心

    (1)同胞たちの今の状態は、かつての自分と同じ。

      ①神に仕えることに熱心である。

      ②その熱心さは、正しい知識に基づくものではない。

      ③熱心であるがゆえに、かえって、神の義を拒否している。

    (2)パウロは、ダマスコ途上で復活のキリストと出会った。

    使9:3~8

    「ところが、道を進んで行って、ダマスコの近くまで来たとき、突然、天からの光が

彼を巡り照らした。彼は地に倒れて、『サウロ、サウロ。なぜわたしを迫害するのか』

という声を聞いた。彼が、『主よ。あなたはどなたですか』と言うと、お答えがあっ

た。『わたしは、あなたが迫害しているイエスである。立ち上がって、町に入りなさ

い。そうすれば、あなたのしなければならないことが告げられるはずです』。同行し

ていた人たちは、声は聞こえても、だれも見えないので、ものも言えずに立っていた。

サウロは地面から立ち上がったが、目は開いていても何も見えなかった。そこで人々

は彼の手を引いて、ダマスコへ連れて行った」

使9:17~19a

「そこでアナニヤは出かけて行って、その家に入り、サウロの上に手を置いてこう言

った。『兄弟サウロ。あなたの来る途中、あなたに現れた主イエスが、私を遣わされ

ました。あなたが再び見えるようになり、聖霊に満たされるためです』。するとただ

ちに、サウロの目からうろこのような物が落ちて、目が見えるようになった。彼は立

ち上がって、バプテスマを受け、食事をして元気づいた」

(3)パウロはこの体験を同胞にもして欲しいと願った。

2
.「イエスは主なり」という告白

  (1)初代教会の信者たちの告白

  1コリ12:3

  「ですから、私は、あなたがたに次のことを教えておきます。神の御霊によって語る

者はだれも、『イエスはのろわれよ』と言わず、また、聖霊によるのでなければ、だ

れも、『イエスは主です』と言うことはできません」

(2)主とは「キュリオス」である。

  ①LXXでは、ヤハウェをギリシア語のキュリオスと訳した(6000回以上)。

  ②旧約聖書に慣れ親しんだユダヤ人信者たちは、イエスをキュリオスと呼んだ。

  ③直訳すれば、「イエスはヤハウェである」という信仰告白になる。

(3)聖書的キリスト論

  ①キリストの人間性と神性が告白されている。

  ②イエスは、全知全能の神ご自身である。

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