ローマ人への手紙(31)—現在の苦難(2)—

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このメッセージでは...

2つのうめきの原因と解決について学ぶ。
チャート「神の義の啓示」

「現在の苦難(2)―神の子たちのうめき―」

1.はじめに

(1)救いの3つの側面は、すべて信仰により、恵みによって達成される。

  ①義認(過去形)

  ②聖化(現在進行形)

  ③栄化(未来形)

(2)今私たちは、「栄化」のテーマについて学んでいる。

  ①ロマ8:18~27で3つの「うめき」が記されている。

    *被造物のうめき(8:17~22)

    *神の子たちのうめき(8:23~25)

    *御霊のうめき(8:26~27)

  ②前回は、被造物のうめきを取り上げた。

③今回は、神の子たちのうめき、御霊のうめき、を取り上げる。

  2.アウトライン

    (1)神の子たちのうめき(23~25節)

    (2)御霊のうめき(26~27節)

  3.メッセージのゴール

  (1)第一の復活

  (2)第二の復活

このメッセージは、2つのうめきの原因と解決について学ぼうとするものである。

Ⅰ.神の子たちのうめき:
(23~25節)

1.23節

「そればかりでなく、御霊の初穂をいただいている私たち自身も、心の中でうめきながら、

子にしていただくこと、すなわち、私たちのからだの贖われることを待ち望んでいます」

  (1)「そればかりでなく」

①被造物だけでなく私たちも、うめいている。

  ②被造物は、新しい世界を産むための「産みの苦しみ」を通過している。

  ③その「うめき」は、意味あるものである。

  ④私たちもまた、意味ある「うめき」をしている。

(2)「心の中でうめきながら」

  ①被造物のうめきは、言葉にならないものである。

  ②私たちもうめきも、それと同じように言葉にならない。

  2.私たちが得ているもの

    (1)「御霊の初穂をいただいている」:旧約聖書の背景がある。

      ①出23:19

      「あなたの土地の初穂の最上のものを、あなたの神、【主】の家に持って来なけれ

ばならない」

②レビ23:10~11

「イスラエル人に告げて言え。わたしがあなたがたに与えようとしている地に、

あなたがたが入り、収穫を刈り入れるときは、収穫の初穂の束を祭司のところに

持って来る。祭司は、あなたがたが受け入れられるために、その束を【主】に向

かって揺り動かす。祭司は安息日の翌日、それを揺り動かさなければならない…」

    (2)「初穂」の意味

①その年の最初の収穫

②次に続く収穫を保障するもの

    (3)新約聖書への適用

      ①2コリ1:22

      「神はまた、確認の印を私たちに押し、保証として、御霊を私たちの心に与えて

くださいました」

②2コリ5:5

「私たちをこのことにかなう者としてくださった方は神です。神は、その保証と

して御霊を下さいました」

    (4)「御霊の初穂」の意味

      ①信じた瞬間に、神の恵みの初穂として御霊は与えられた。

      ②御霊は、保証(手付金)である。

      ③終末的保証である。

  3.うめきの原因

(1)「すでに」(得ている)と「いまだ」(まだ得ていない)の間における葛藤

      ①御霊の初穂は、すでに得ている。

      ②完成は、いまだ成っていない。

    (2)肉体的弱さ、道徳的弱さのゆえに、うめいている。

    (3)救いの完成を求めて、うめいている。

      ①「子にしていただくこと」

        *すでに神の子になっているが、完成していない。

      ②「私たちのからだの贖われること」

        *復活のからだを持つこと

        *私たちが復活のからだを持つことと、新世界が出現することが連動。

  4.24節

  「私たちは、この望みによって救われているのです。目に見える望みは、望みではありま

せん。だれでも目で見ていることを、どうしてさらに望むでしょう」

  (1)「私たちは、この望みによって救われているのです」(新改訳)

    「わたしたちは、このような希望によって救われているのです」(新共同訳)

    ①“by this hope”ではなく、”in this hope”である。

    ②私たちが受けた救いが、23節の希望と結びついているという意味である。

  (2)神の子の完成への3段階

    ①神による予定(エペ1:5)

「神は、みむねとみこころのままに、私たちをイエス・キリストによってご自分

の子にしようと、愛をもってあらかじめ定めておられました」

②神による守り(ロマ8:14)

「神の御霊に導かれる人は、だれでも神の子どもです」

③復活

    (3)この望みは、終末的望みである。

      ①目に見えていない。

      ②それゆえ、望みがある。

  5.25節

  「もしまだ見ていないものを望んでいるのなら、私たちは、忍耐をもって熱心に待ちます」

    (1)苦難の時こそ、希望が必要である。

      ①まだ見ていない望みとは、復活の望みのことである。

    (2)復活の望みを持っている人は、忍耐をもって熱心に待ち続ける。

      ①2コリ5:2

      「私たちはこの幕屋にあってうめき、この天から与えられる住まいを着たいと望

んでいます」

②2コリ5:4

「確かにこの幕屋の中にいる間は、私たちは重荷を負って、うめいています。そ

れは、この幕屋を脱ぎたいと思うからでなく、かえって天からの住まいを着たい

からです。そのことによって、死ぬべきものがいのちにのまれてしまうためにで

す」

Ⅱ.御霊のうめき(26~27節)

  1.26節

  「御霊も同じようにして、弱い私たちを助けてくださいます。私たちは、どのように祈っ

たらよいかわからないのですが、御霊ご自身が、言いようもない深いうめきによって、私

たちのためにとりなしてくださいます」

  (1)私たちは弱い。

    ①肉体的、道徳的弱さ

    ②理解力において弱い

    ③1コリ13:12

    「今、私たちは鏡にぼんやり映るものを見ていますが、その時には顔と顔とを合

わせて見ることになります。今、私は一部分しか知りませんが、その時には、私

が完全に知られているのと同じように、私も完全に知ることになります」

④どう祈っていいか分からないことがある。

    (2)御霊は助けてくださる。

      ①「同じようにして」とは、私たちと同じように御霊もうめいているということ。

②御霊のうめきは、私たちのための執りなしの祈りである。

    (3)「言いようもない深いうめき」

      「言葉に表せないうめき」(新共同訳)

      ①ペンテコステ派では、これを異言と解釈する。

      ②しかし、これは異言ではない。

      ③「cannot be uttered」

      ④言葉にはできない内なるうめき

      ⑤イエスの祈りには深い感情が伴っていた。

      ルカ22:44

      「イエスは、苦しみもだえて、いよいよ切に祈られた。汗が血のしずくのように

地に落ちた」

⑥御霊の祈りにも同じような深い感情が伴っている。

  2.27節

  「人間の心を探り窮める方は、御霊の思いが何かをよく知っておられます。なぜなら、御

霊は、神のみこころに従って、聖徒のためにとりなしをしてくださるからです」

  (1)「人間の心を探り窮める方」

    ①父なる神は、人間の心に何があるかをご存じである。

    ②1サム16:7

    「しかし【主】はサムエルに仰せられた。『彼の容貌や、背の高さを見てはならな

い。わたしは彼を退けている。人が見るようには見ないからだ。人はうわべを見

るが、【主】は心を見る』」

(2)父なる神は、御霊の思いが何かをよく知っておられる。

  (3)祈りの神秘

    ①私たちの祈りは、不十分である。

    ②御霊が私たちの祈りの欠点を修正し、不足を補ってくださる。

    ③私たちのうめき(23節)が、御霊のうめき(26節)となる。

    ④御霊のとりなしは父なる神の御心に従っている。

    ⑤それゆえ、私たちの祈りは神に聞かれている。

  (4)私たちの救いは保証されている。

    ①エペ4:30

    「神の聖霊を悲しませてはいけません。あなたがたは、贖いの日のために、聖霊

によって証印を押されているのです」

(例話)「神様の下さる救いは永遠だけど、人間が自由意志をもって信仰から離れ

続け、内住してくださる聖霊を死の瞬間まで否定し続けるなら、救いは失われる

と私は思います。そのために、神様は絶えず立ち返りなさいと叫んでおられるの

だと思います」

  *そういう人は救われていない可能性が高い。

  *救われている場合は、いつか必ず神に立ち返る。

  *悔い改めのない状態が続くと、サタンに引き渡される(1コリ5:5)。

  「このような者をサタンに引き渡したのです。それは彼の肉が滅ぼされるた

めですが、それによって彼の霊が主の日に救われるためです」

*自由意志によって救われたり、救いを失くしたりすると考えるのは、誤解。

*神の恵みを軽視している。

結論:

  聖句

    (1)ダニ12:2

    「地のちりの中に眠っている者のうち、多くの者が目をさます。ある者は永遠のいの

ちに、ある者はそしりと永遠の忌みに」

(2)ヨハ5:28~29

「このことに驚いてはなりません。墓の中にいる者がみな、子の声を聞いて出て来る

時が来ます。善を行った者は、よみがえっていのちを受け、悪を行った者は、よみが

えってさばきを受けるのです」

1.第一の復活:信者の復活(黙20:5~6)

    (1)キリストの復活(初穂)

    (2)携挙の時の復活

      ①1テサ4:16~17

      ②教会時代の聖徒で、死んだ者が先に復活する。

      ③生きている者は、死を通過しないで栄光の体に変えられる。

    (3)地上再臨の時の復活

      ①大患難時代の殉教者たちの復活(黙20:4)

      ②旧約時代の聖徒たちの復活(イザ26:19)

2
.第二の復活:不信者の復活(黙20:11~15)

  (1)千年王国が終わる時の復活

①白い御座の裁きのための復活

②第2の死が続く。

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