ローマ人への手紙(28)—聖化の力(聖霊)(2)—

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このメッセージでは...

聖化の力について学ぶ。
チャート「神の義の啓示」

「聖化の力(聖霊)(2)―死ぬべきからだからの解放―」

1.はじめに

(1)「聖化」に関する7回目の学びである。

  ①最大の悲劇は、律法を行うことによって聖化を達成しようとすること。

  ②この理解は、クリスチャン生活を律法主義的生活に追い込む。

(2)ロマ書7章クリスチャンとロマ書8章クリスチャンの違い

  ①前者は、自分で自分に重荷を課している。

  ②その人が苦しむのは、自然の成り行きである。

  ③後者は、聖霊の導きで歩む。

  ④その結果として、祝福と平安が与えられる。

    (3)今回も、聖化の力として与えられている聖霊について教えられている。

  2.アウトライン

    (1)信者と未信者の違い(9節)。

    (2)信者にすでに起こったこと(10節)。

    (3)信者にこれから起ころうとしていること(11節)

  3.メッセージのゴール

  (1)三位一体の教理について

  (2)クリスチャン生活への適用

このメッセージは、聖化の力について学ぼうとするものである。

Ⅰ.信者と未信者の違い(9節)

1.9節a

「けれども、もし神の御霊があなたがたのうちに住んでおられるなら、あなたがたは肉の

中にではなく、御霊の中にいるのです」

  (1)私たちは、否定的な解釈をしてしまう傾向がある。

①もし聖霊の内住があるなら → 聖霊の中にいる。

②しかし、聖霊の内住があるように思えないので → 自分は聖霊の中にいない。

    (2)原文と日本語訳の比較

    ①「あなたがたは肉の中にではなく、御霊の中にいるのです」が先に出てくる。

    ②「あなたがた」に強調がある。

    ③信者は、すでに御霊の中にいるのである。

    ④「もし神の御霊があなたがたのうちに住んでおられるなら」が後に続く。

    ⑤「もし」という言葉は、「なぜなら」と訳すべき言葉である。

2.9節b

「キリストの御霊を持たない人は、キリストのものではありません」

  (1)これは未信者のことを指している。

    ①未信者は御霊を持たないので、肉の中にある。

  (2)ロマ8:9は、信じた瞬間に聖霊の内住が与えられることを最も明確に教えてい

る聖句である。

  ①もし、聖霊の内住は聖化のある段階で与えられるとするなら、新生からその時

点まで、聖霊の内住を持たない信者が存在することになる。

②「キリストの御霊を持たない人は、キリストのものではありません」とあるの

で、その人は救われていないことになり、救いの教理で矛盾が生じる。

③1コリ12:13

「なぜなら、私たちはみな、ユダヤ人もギリシヤ人も、奴隷も自由人も、一つの

からだとなるように、一つの御霊によってバプテスマを受け、そしてすべての者

が一つの御霊を飲む者とされたからです」

④1ヨハ4:13

「神は私たちに御霊を与えてくださいました。それによって、私たちが神のうち

におり、神も私たちのうちにおられることがわかります」

  3.御霊とキリストの御霊

    (1)御霊とは、神の御霊である。

    (2)「神の御霊」と「キリストの御霊」は同じお方である。

      ①つまり、聖霊は父なる神に対するのと同じ関係を、キリストに対して持ってお

られるということ。

②これは、三位一体の真理を暗示している。

  4.適用

    (1)内住の聖霊なしの救いはない。

      ①新生、聖霊のバプテスマ、聖霊の内住は、救いの瞬間に同時に起こる。

    (2)内住の聖霊が信者を導いてくださる。

      ①未信者は肉の中にいる。つまり、古い性質にあって生きている。

      ②信者は御霊の中にいる。つまり、新しい性質にあって生きている。

      ③「内住」とは「永住」、「全面的影響」のことである。

    (3)信者には罪を犯す可能性が残っている。

①これは、古い性質の影響を受けて行動してしまうことである。

②これは、未信者の時のように古い性質にあって生きているということではない。

③古い性質にあって生きることと、古い性質の影響を受けることとを区別する。

Ⅱ.信者にすでに起こったこと(10節)

  1.10節

  「もしキリストがあなたがたのうちにおられるなら、からだは罪のゆえに死んでいても、

霊が、義のゆえに生きています」

  (1)「もしキリストがあなたがたのうちにおられるなら」

    ①信者の今の状態を示している。

  (2)「からだは罪のゆえに死んでいても」

    ①アダムの罪によって死がこの世に入った。

    ②私たちもまた、罪のゆえに肉体的には死ぬ。

    ③信者には死はやって来る。

  (3)「霊が、義のゆえに生きています」

    ①義認のゆえに、信者の霊は生きている。

    ②義認とは、神の怒りから解放され、神との平和が与えられること。

    ③信者の霊は、今はすでに生かされて、神との交わりを楽しんでいる。

2.聖霊とキリストの関係

  (1)御霊、キリストの御霊、そして、キリストという3つの言葉

    ①キリストもまた内住される。

  (2)三位一体の教理の暗示

    ①聖霊とキリストとは、区別可能である。

②しかし、分離不可能である。

Ⅲ.信者にこれから起ころうとしていること(11節)

  1.11節

  「もしイエスを死者の中からよみがえらせた方の御霊が、あなたがたのうちに住んでおら

れるなら、キリスト・イエスを死者の中からよみがえらせた方は、あなたがたのうちに住

んでおられる御霊によって、あなたがたの死ぬべきからだをも生かしてくださるのです」

  (1)キリストの復活と信者の復活が関連づけられている。

    ①2コリ4:14

    「それは、主イエスをよみがえらせた方が、私たちをもイエスとともによみがえ

らせ、あなたがたといっしょに御前に立たせてくださることを知っているからで

す」

②1コリ6:14

「神は主をよみがえらせましたが、その御力によって私たちをもよみがえらせて

くださいます」

③1テサ4:14

「私たちはイエスが死んで復活されたことを信じています。それならば、神はま

たそのように、イエスにあって眠った人々をイエスといっしょに連れて来られる

はずです」

    (2)内住の聖霊は、復活の保障である。

      ①「あなたがたの死ぬべきからだをも生かしてくださるのです」

      ②終末的な意味での肉体の復活を意味している。

    (3)三位一体の教理の暗示

      ①「イエスを死者の中からよみがえらせた方の御霊」とは、「父なる神の御霊」。

      ②父なる神は聖霊によって、朽ちるべき私たちのからだを生かしてくださる。

結論:

  1.三位一体の教理について

    (1)用語の確認

      ①「神の御霊」(9節)

      ②「御霊」(9節)

      ③「キリストの御霊」(9節)


  ④「キリスト」(10節)

      ⑤「イエスを死者の中からよみがえらせた方の御霊」(11節)

      ⑥「キリスト・イエスを死者の中からよみがえられた方」(11節)

      ⑦「あなたがたのうちに住んでおられる御霊によって、あなたがたの死ぬべきか

らだをも生かしてくださるのです」

    (2)父なる神が計画し、子なる神が実行し、聖霊なる神が完成する。

    (3)三位一体の教理は、救済史全体の流れの中で捉える必要がある。

      ①父、子、聖霊は区別可能な位格である。

      ②そして、分離不可能な位格でもある。

  2.この箇所の適用

    (1)未信者の時の自分と、信者になってからの自分とは違う。

      ①未信者の生活原則は、「肉の中」である。

      ②信者の生活原則は、「御霊の中」である。

    (2)信者になってからも、罪を犯す可能性は残されている。

      ①信じた瞬間に聖霊の内住が与えられた。

      ②それは、聖霊の永住であり、全面的影響力のことである。

      ③従って、信者が未信者の生活原則である「肉の中」に戻ることはない。

      ④しかし、信者は「肉の性質」に協力してしまうことがある。

      ⑤内住の聖霊は信者を支配するが、それは隷属的支配ではない。

⑥信者には自由が与えられている。

      ⑦罪を犯す度合いは、信者によってそれぞれである。

      ⑧しかし、信者が完全に「肉」によって支配されることはない。

    (3)信者の心構え

      ①「自分は罪を犯すかもしれない。きっとそうだ」と思ってはならない。

      ②1ヨハ3:9

      「だれでも神から生まれた者は、罪を犯しません。なぜなら、神の種がその人の

うちにとどまっているからです。その人は神から生まれたので、罪を犯すことが

できないのです」

③罪を犯さないという前提で生きることが大切である。

④聖霊が、私たちを習慣的罪から解放してくださる。

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