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ローマ人への手紙(29)—聖化の力(聖霊)(3)—

  • 2011.07.17
  • ローマ書8章:12〜17
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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聖化の力について学ぶ。
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「聖化の力(聖霊)(3)―養子の霊―」

1.はじめに

(1)「聖化」に関する8回目の学びである。最終回。

  ①最大の悲劇は、律法を行うことによって聖化を達成しようとすること。

  ②この理解は、クリスチャン生活を律法主義的生活に追い込む。

(2)救いの3つの側面は、すべて信仰により、恵みによって達成される。

  ①義認(過去形)

  ②聖化(現在進行形)

  ③栄化(未来形)

    (3)今回は、「養子の霊」について学ぶ。

  2.アウトライン

    (1)神の子の義務とは何か(12節)。

    (2)神の子の地位は永遠か(13~14節)。

    (3)神の子にされるとはどういうことか(15~16節)。

    (4)神の子の特権とは何か(17節)。

  3.メッセージのゴール

  (1)クリスチャンの義務

  (2)苦難の意味

このメッセージは、聖化の力について学ぼうとするものである。

Ⅰ.神の子の義務とは何か(12節)

1.12節

「ですから、兄弟たち。私たちは、肉に従って歩む責任を、肉に対して負ってはいません」

「それで、兄弟たち、わたしたちには一つの義務がありますが、それは、肉に従って生き

なければならないという、肉に対する義務ではありません」(新共同訳)

  (1)「ですから」の意味

    ①その前の11節で、聖霊が復活の保障であると教えられた。

    ②祝福に伴う義務がある。

  (2)「責任を負っている」「義務がある」

    ①英語では「debtor」、債務者である(オフェイレテイス)。

    ②肉の性質(古い性質)の奴隷状態から解放された。

    ③今や、御霊に従って生きる義務が与えられた。

2.人間の本質

  (例話)カルトから解放された人は、相当数が不安定になったり、元に戻ったりする。

  (1)人間には、完全に自立した状態などあり得ない。これは神のみに可能。

    ①クリスチャンになるとは、主人を変えること。

    ②肉の性質から解放されて自由になり、自発的にキリストのしもべになる。

Ⅱ.神の子の地位は永遠か(13~14節)。

  1.13節

  「もし肉に従って生きるなら、あなたがたは死ぬのです。しかし、もし御霊によって、か

らだの行いを殺すなら、あなたがたは生きるのです」

  (1)ここでは「因果の法則(因果律)」が語られている。

      ①「肉に従って生きるなら、死ぬ」

②「御霊によって、からだの行いを殺すなら、生きる」

  *継続した行為である。

    (2)比較の内容

      ①肉的信者と霊的信者の比較ではない。

      ②未信者と信者の比較である。

  2.14節

  「神の御霊に導かれる人は、だれでも神の子どもです」

    (1)私たちが神の子であることは、御霊に対する従順によって証明される。

      ①御霊が私たちを導かれる。主体は神(御霊)にある。

      ②御霊は常に、私たちを導かれる。

      ③ここには、羊飼いが羊を導いて行くイメージがある。

    (2)神は常に私たちが御霊に従順であることを期待される。

      ①しかし、私たちは時には不従順になる。

      ②それでも御霊は、私たちを導かれる。

  3.13節を肉的信者と霊的信者の比較と解釈した場合の問題点

    (1)アルミニウス主義の立場である。

      ①義認の恵みを受けた人でも、救いを失う可能性はある。

      ②確かに、聖書の中にはそのように読める箇所もある(信者への戒め)。

    (2)カルビン主義はそれに反対する立場である。

      ①神は常に信者を導かれる。

      ②神の子の定義は、イエスをメシアと信じ、聖霊に導かれている人。

    (3)ピリ1:6

    「あなたがたのうちに良い働きを始められた方は、キリスト・イエスの日が来るまで

にそれを完成させてくださることを私は堅く信じているのです」

(例話)スポルジョン。信者は船に乗っている人。甲板でつまずいても外に落ちない。

(4)ピリ2:12にある命令に注目する。

「そういうわけですから、愛する人たち、いつも従順であったように、私がいるとき

だけでなく、私のいない今はなおさら、恐れおののいて自分の救いの達成に努めなさ

い」

    (5)ヨハ10:28~29、コロ3:3~4:1、1ペテ1:3~5参照。

Ⅲ.神の子にされるとはどういうことか(15~16節)。

 
 1.15節

  「あなたがたは、人を再び恐怖に陥れるような、奴隷の霊を受けたのではなく、子として

くださる御霊を受けたのです。私たちは御霊によって、『アバ、父』と呼びます」

  (1)神の子にされるとは、「養子の霊」を受けること。

    ①「子としてくださる御霊」は「the spirit of adoption」である。

    ②養子となったと認識させる霊である。

    ③それは「奴隷の霊」ではない。

    ④2テモ1:7

    「神が私たちに与えてくださったものは、おくびょうの霊ではなく、力と愛と慎

みとの霊です」

    (2)養子に迎えられたので、過去の関係は全て終了した。

      ①新しい親子関係に入った。

      ②その関係に伴う特権と責務が与えられている。

  (3)「私たちは御霊によって、『アバ、父』と呼びます」

    ①「アバ」あるいは「アッバ」は、親密な呼びかけの言葉である。

    ②呼ぶとは、深い感情が伴った動詞である。

    ③英語で「call」ではなく、「cry」である(クラゾウ)。

  (4)マコ14:36に見られるイエスと父なる神の関係

  「またこう言われた。『アバ、父よ。あなたにおできにならないことはありません。ど

うぞ、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願うことではなく、

あなたのみこころのままを、なさってください』」

    ①ゲツセマネの園での神の御子の祈り

    ②私たちは、この関係に入ることを許されている。

2.16節

「私たちが神の子どもであることは、御霊ご自身が、私たちの霊とともに、あかししてく

ださいます」

  (1)ユダヤ人は神を「アバ」とは呼ばない。

  (2)私たちは、神を「アバ」と呼ぶ。

    ①自らの信仰の実行である。

    ②御霊が、私たちの霊に確証を与えてくださる。

Ⅳ.神の子の特権とは何か(17節)。

  1.17節

  「もし子どもであるなら、相続人でもあります。私たちがキリストと、栄光をともに受け

るために苦難をともにしているなら、私たちは神の相続人であり、キリストとの共同相続

人であります」

  (1)「もし」とは、「神の子どもなのだから」という意味である。

    ①私たちに与えられている特権は、相続人とされたということである。

    ②ガラ4:7

    「ですから、あなたはもはや奴隷ではなく、子です。子ならば、神による相続人

です」

    ③テト3:7

    「それは、私たちがキリストの恵みによって義と認められ、永遠のいのちの望み

によって、相続人となるためです」

    (2)キリストとの共同相続人である。

      ①キリストが受けるものを私たちも受ける。

      ②キリストは地上の王国を受ける。預言的言葉である。

      ③この約束は、次の「栄化」というテーマに私たちを導く。

  2.苦難は栄光への道

    (1)キリストは苦難を通過して栄光に入られた。

      ①キリストに起こったことは、私たちにも起こる。

②私たちは、キリストが通過したのと同じ道を通る。

結論:

  1.クリスチャンの義務:祝福には義務が伴う。

    (1)ロマ13:8

    「だれに対しても、何の借りもあってはいけません。ただし、互いに愛し合うことに

ついては別です。他の人を愛する者は、律法を完全に守っているのです」

    (2)ロマ15:1

    「私たち力のある者は、力のない人たちの弱さをになうべきです。自分を喜ばせるべ

きではありません」

    (3)ロマ15:27

    「彼らは確かに喜んでそれをしたのですが、同時にまた、その人々に対してはその義

務があるのです。異邦人は霊的なことでは、その人々からもらいものをしたのですか

ら、物質的な物をもって彼らに奉仕すべきです」

    (4)1ヨハ2:6

    「神のうちにとどまっていると言う者は、自分でもキリストが歩まれたように歩まな

ければなりません」

    (5)1ヨハ3:16

    「キリストは、私たちのために、ご自分のいのちをお捨てになりました。それによっ

て私たちに愛がわかったのです。ですから私たちは、兄弟のために、いのちを捨てる

べきです」

    (6)1ヨハ4:11

    「愛する者たち。神がこれほどまでに私たちを愛してくださったのなら、私たちもま

た互いに愛し合うべきです」

  2.苦難の意味

    (1)1ペテ4:12~13

    「愛する者たち。あなたがたを試みるためにあなたがたの間に燃えさかる火の試練を、

何か思いがけないことが起こったかのように驚き怪しむことなく、むしろ、キリスト

の苦しみにあずかれるのですから、喜んでいなさい。それは、キリストの栄光が現れ

るときにも、喜びおどる者となるためです」

  ①信者が通過する苦難は、贖罪のための苦難ではない。

  ②それは、この世との戦いという苦難である。

  ③苦難があるのは、神から愛されていないからではない。

④苦難は、栄光への道をたどっている証拠である。

    (2)共同相続人として苦難の道をたどっているという事実が「栄化」につながる。

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