私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ローマ人への手紙(27)—聖化の力(聖霊)(1)—
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聖化の力について学ぶ。
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「聖化の力(聖霊)(1)―罪からの解放―」
1.はじめに
(1)「聖化」に関する6回目の学びである。
①最大の悲劇は、律法を行うことによって聖化を達成しようとすること。
②この理解は、クリスチャン生活を律法主義的生活に追い込む。
(2)ロマ書7章クリスチャンとロマ書8章クリスチャンの違い
①前者は、自分で自分に重荷を課している。
②その人が苦しむのは、自然の成り行きである。
③後者は、聖霊の導きで歩む。
④その結果として、祝福と平安が与えられる。
(3)聖化の教理の重要性について(前回のアンケートの内容の紹介)
2.アウトライン
(1)ロマ書7章の復習(まとめ)(1~2節)。
(2)その真理の適用(行為)(3~4節)。
(3)信者の前にある2つの選択肢(5~8節)。
3.メッセージのゴール
(1)位置的真理について
このメッセージは、聖化の力について学ぼうとするものである。
Ⅰ.ロマ書7章の復習(まとめ)(1~2節)
1.1節
「こういうわけで、今は、キリスト・イエスにある者が罪に定められることは決してあり
ません」
(1)「こういうわけで」の意味
①広くはロマ書6~7章(聖化の議論)を受けている。
②狭くは、ロマ7:1~6を受けている。
③ロマ7:7~25は、脇道にそれた議論である(挿入句と呼んでもいい)。
(2)ロマ7:1~6の要約
①律法の大原則
*律法は、人に対して権限を持つ。
*律法は、死んだ人には権限を持たない。
②結婚関係の例話
*夫が生きている間は、結婚の律法によって制約されている。
*それを破れば、姦淫の女と呼ばれる。
*夫が死ねば、結婚の律法から解放される。
*再婚しても、姦淫の女ではない。
③例話の適用
*信者は、律法に対して死んだ。
*今は、新しい御霊(聖霊)によって生きている。
*もし今、律法による聖化を求めるなら、死んだ夫との関係が復活する。
*律法が働き始めるので、罪の性質が活発化する。
(3)「今は、キリスト・イエスにある者が罪に定められることは決してありません」
①福音を信じた瞬間に、私たちは新生した。
②聖霊の内住が与えられた。
③聖霊のバプテスマによってキリストと一体化させられた。
④以上のことが、私たちの新しい状態である。
⑤「キリスト・イエスにある者」という言葉は、私たちの新しい位置を示している。
*「キリスト・イエスに結ばれている者」(新共同訳)
*これを「位置的真理(positional truth)」という。
(4)「罪に定められることは決してありません」
①キリストにある者は、罪の責めから解放されている(義認)。
②聖化もまた、同じ方法で実現する。
*恵みによる
*聖霊による
*位置的真理による
③これは客観的真理である。
*主観的に罪の責めを感じる余地はない。
*神との平和を得ているのに、主観的には自分を責めている信者の悲劇。
*罪責感を強調するのは、神を助けようとする人間の愚かな行為である。
2.2節
「なぜなら、キリスト・イエスにある、いのちの御霊の原理が、罪と死の原理から、あな
たを解放したからです」
(1)新しい原理
①「キリスト・イエスにある」
*キリストとの一体化
*神は私たちに、武器なしで戦えとは命じておられない。
②ヨハ15:5
「わたしはぶどうの木で、あなたがたは枝です。人がわたしにとどまり、わたし
もその人の中にとどまっているなら、そういう人は多くの実を結びます。わたし
を離れては、あなたがたは何もすることができないからです」
③「いのちの御霊の原理」
④ヨハ7:38~39
「『わたしを信じる者は、聖書が言っているとおりに、その人の心の奥底から、生
ける水の川が流れ出るようになる。』これは、イエスを信じる者が後になってから
受ける御霊のことを言われたのである。イエスはまだ栄光を受けておられなかっ
たので、御霊はまだ注がれていなかったからである」
(2)古い性質
①「罪と死の原理」。7章で見た原理のこと。
②自力で律法を行う生活は不可能であり、やがて死に至る。
(3)「あなたを解放した」
①動詞はアオリスト。
②信じたときに起こった一度限りの出来事である。
③「罪と死の原理」は、私たちに対する法的権威を失った。
Ⅱ.その真理の適用(行為)(3~4節)
1.3節
「肉によって無力になったため、律法にはできなくなっていることを、神はしてください
ました。神はご自分の御子を、罪のために、罪深い肉と同じような形でお遣わしになり、
肉において罪を処罰されたのです」
(1)神は、律法にはできないことをしてくださった。
①律法自体に問題があるのではなく、肉の弱さこそが問題である。
(2)神は、ご自分の御子を遣わされた。
①「罪深い肉と同じような形で」
*人間として来られたが、罪はなかった。
②「罪のために」
*罪の問題の解決を解決するために。
③神は、肉において罪を処罰された。
*私たちの罪は、御子の上に転嫁された。
④ピリ2:7~8
「ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられました。人
としての性質をもって現れ、自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架の死に
までも従われました」
*人でなければ死ねない。
*神でなければ罪人を救えない。
2.4節
「それは、肉に従って歩まず、御霊に従って歩む私たちの中に、律法の要求が全うさ
れるためなのです」
(1)キリストを信じた瞬間、私たちは罪に対して死に、解放された。
(2)その結果、御霊に従って歩む自由が与えられた。
①御霊に従って歩むなら、結果的に律法の要求が全うされる。
②これが聖化である。
Ⅲ.信者の前にある2つの選択肢(5~8節)
1.5節
「肉に従う者は肉的なことをもっぱら考えますが、御霊に従う者は御霊に属することをひ
たすら考えます」
(1)肉に従う者と、御霊に従う者の対比
①古い性質と、新しい性質の対比
②アダムから引き継いだ性質と、新生した性質の対比
③未信者には古い性質しかない。
(2)人は、心に抱いているものによって考え、行動する。
①ガラ5:19~23
「肉の行いは明白であって、次のようなものです。不品行、汚れ、好色、偶像礼
拝、魔術、敵意、争い、そねみ、憤り、党派心、分裂、分派、ねたみ、酩酊、遊
興、そういった類のものです。前にもあらかじめ言ったように、私は今もあなた
がたにあらかじめ言っておきます。こんなことをしている者たちが神の国を相続
することはありません。しかし、御霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善
意、誠実、柔和、自制です。このようなものを禁ずる律法はありません」
2.6~8節
「肉の思いは死であり、御霊による思いは、いのちと平安です。というのは、肉の思いは
神に対して反抗するものだからです。それは神の律法に服従しません。いや、服従できな
いのです。肉にある者は神を喜ばせることができません」
(1)肉の思い
①神に対して反抗的
*ヤコ4:4 「貞操のない人たち。世を愛することは神に敵することである
ことがわからないのですか。世の友となりたいと思ったら、その人は自
分を神の敵としているのです」
②神の律法に服従しない。
③死に至る。
(2)御霊による思い
①神に心が開かれている。
②御霊に導かれて神の律法に服従する。
③いのちと平安に至る。
(3)「肉にある者は神を喜ばせることができません」
①正統派のユダヤ人がいくら熱心に律法を守っても
②モルモン教徒がいくら熱心に死者のためのバプテスマを行っても
③エホバの証人がいくら熱心に輸血を拒んでも
④セブンスデイアドベンチストがいくら土曜安息日を守っても
⑤イスラム教徒がいくら熱心に戒律を守っても
結論:
1.位置的真理について(ロマ書のみを取り上げる)
(例話)壊れた窓。ネジがひとつ見つかったので修理ができた。
①位置的真理は、クリスチャン生活の「失われたネジ」である。
(1)ロマ3:24(義とされた)
「ただ、神の恵みにより、キリスト・イエスによる贖いのゆえに、価なしに義と認め
られるのです」
(2)ロマ6:11(生かされた)
「このように、あなたがたも、自分は罪に対しては死んだ者であり、神に対してはキ
リスト・イエスにあって生きた者だと、思いなさい」
(3)ロマ8:2(罪と死の原理から解放された)
「なぜなら、キリスト・イエスにある、いのちの御霊の原理が、罪と死の原理から、
あなたを解放したからです」
(4)ロマ12:5(一つのからだに属する)
「大ぜいいる私たちも、キリストにあって一つのからだであり、ひとりひとり互いに
器官なのです」
(5)ロマ16:3、9(同労者である)
「キリスト・イエスにあって私の同労者であるプリスカとアクラによろしく伝えてく
ださい。…キリストにあって私たちの同労者であるウルバノと、私の愛するスタキス
とによろしく」
(6)聖めを受けた、恵みの受け手、新しく造られた者、自由にされた、
天にあるすべての祝福の受け手、アブラハム契約の祝福の受け手、
ユダヤ人とともに約束に与る、善い行いをするために造られた、などなど。
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