ローマ人への手紙(7)—テーマ(1)—

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このメッセージでは...

パウロが福音を恥としなかった4つの理由を考え、福音の本質を理解する。
チャート「神の義の啓示」

「テーマ(1)」

1.はじめに

  (1)あいさつ(1~7節)

  (2)ローマ教会との関係(8~15節)

  ①「心の絆」を結んだ。

  ②パウロの使命意識が明らかになった。

(3)いよいよテーマに入って行く。

  ①今回は1:16のみ取り上げる。

  2.「私は福音を恥とは思いません」(16節)

    (1)日本語訳では、「なぜなら」という言葉が抜けている。

  ①15節と16節をつなぐ重要な言葉である。

  ②英語では、「For」であろう。

(2)パウロがローマにまで行って、命がけで福音を伝えたい理由がある。

  ①それは、彼が福音を恥としていないからである。

  ②「しない(思わない)」という言葉に強調がある。

(3)「恥と思う」とは、信じないことと同じ意味である。

  ①マコ8:38

  「このような姦淫と罪の時代にあって、わたしとわたしのことばを恥じるような

  者なら、人の子も、父の栄光を帯びて聖なる御使いたちとともに来るときには、

  そのような人のことを恥じます」

  ②2テモ1:11~12

  「私は、この福音のために、宣教者、使徒、また教師として任命されたのです。

そのために、私はこのような苦しみにも会っています。しかし、私はそれを恥と

は思っていません。というのは、私は、自分の信じて来た方をよく知っており、

また、その方は私のお任せしたものを、かの日のために守ってくださることがで

きると確信しているからです」

(4)「恥としない」とは、完璧な信頼を置いている、誇りとしているという意味。

(5)パウロがそう言わざるを得なかった理由がある。

      ①1コリ1:22~23

  「ユダヤ人はしるしを要求し、ギリシヤ人は知恵を追求します。しかし、私たち

  は十 字架につけられたキリストを宣べ伝えるのです。ユダヤ人にとってはつまず

  き、異邦人にとっては愚かでしょうが、しかし、ユダヤ人であってもギリシヤ人

  であっても、 召された者にとっては、キリストは神の力、神の知恵なのです」

  ②ユダヤ人からは軽蔑される。

    *彼らはキリストからでさえも「しるし」を要求した。

    *十字架の死は、呪いの死である。「つまずき」である。

    *パウロはユダヤ人から迫害された。

  ③ギリシア人からも軽蔑される。

    *彼らは知恵を追求した(ローマ人は力も追求した)。

    *十字架の死は、愚かである。

    *パウロは無視された。

  2.メッセージのアウトライン(ギリシア語の語順に従って)

パウロが福音を恥としなかった4つの理由

(1)神の力

(2)救い

(3)すべての人

(4)先ずユダヤ人、そしてギリシア人

  3.メッセージのゴール

(1)救いの本質の理解

(2)ユダヤ人、異邦人という順番

このメッセージは、パウロが福音を恥としなかった4つの理由を考え、福音の本質を理解しようとするものである。

Ⅰ.神の力

  1.「福音は、神の力です」

(1)福音の定義はこの箇所にはない。

  2.1コリ15:3~8にある定義

「私があなたがたに最もたいせつなこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次

のことです。キリストは、聖書の示すとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、また、

葬られたこと、また、聖書の示すとおりに、三日目によみがえられたこと…」

  (1)キリストは私たちの罪のために死なれた。

  (2)葬られた。

  (3)三日目によみがえられた。

3.パウロのイメージの中には、イザ55:11があったに違いない。

「そのように、わたしの口から出るわたしのことばも、むなしく、わたしのところに帰っ

ては来ない。必ず、わたしの望む事を成し遂げ、わたしの言い送った事を成功させる」

  (1)神のことばには力がある。

  (2)究極的な神のことばは、イエス・キリストである。

(3)イエス・キリストは、父なる神の計画を成し遂げ、成功させた。

  4.パウロは、福音の中に神の力が内在していることを確信していた。

    (1)福音は、御子に関することである。

(2)福音は、御子を通して成し遂げられたことである。

(3)この福音に全幅の信頼を置いていた。

Ⅱ.救い

  1.「福音は、救いを得させる神の力です」

    (1)「救いをもたらす神の力だからです」(新共同訳)

  「救いに至る神の力だからです」(直訳)

(2)逆に言えば、神の力は救いをもたらすということ。

  2.救いがこの書簡のキーワードである。

(1)ロマ書1章~8章までは、救いの説明と定義である。

(2)チャート参照。

  3.救いの3要素

(1)義認(過去形の救い)

  ①信じた瞬間に与えられている。

  ②善良な人間になったということではない。

  ③これは法廷用語である。

④父なる神との関係が変化した。和解させられた。

    (2)聖化(現在進行形の救い)

  ①完成に向かうプロセスである。

  ②クリスチャンはみな、この過程を歩んでいる。

(3)栄化(未来形の救い)

  ①救いが完成した状態である。

  ②私たちはやがて栄光の姿に変えられる。

  4.福音が神の力である理由は、救いの3要素がすべて約束され、成就するからである。

(例話)安いツアーはグッド・ニュースか。安いなりのわけがある。

(1)義認だけなら、神の力は3分の1である。

(2)聖化までなら、神の力は3分の2である。

(3)栄化まで成就するがゆえに、それは100パーセント神の力である。

Ⅲ.すべての人

  1.「福音は、信じるすべての人にとって、救いを得させる神の力です」

    (1)救いは、すべての人に差し出されている。

(2)しかし、すべての人が救いを経験するわけではない。

①救いを受ける条件(方法)は、信仰である。

②福音の3要素を信じ、イエスをそのようなお方として信頼すること。

③イエスの処女降誕や復活を信じない牧師やクリスチャンがいるが、その人たち

は救われていない。

Ⅳ.先ずユダヤ人、そしてギリシア人

  1.「福音は、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、信じるすべての人にとって、救いを得さ

せる神の力です」

  (1)「先ずユダヤ人に対して、そしてギリシア人に対して」(直訳)

  (2)福音伝達には神が計画された順序がある。

2.動詞はひとつで、現在形である。

(1)今も福音は、神の力である。

  (2)今も、ユダヤ人、ギリシア人という順序が有効である。

結論: メッセージのゴールは、パウロが福音を恥としなかった理由を考え、福音の本質を理解することである。

  1.
救いの本質の理解

    (1)信仰以外の
条件を付け加えるなら、福音は神の力ではなくなる。


(2)教会史は、そういう事例で満ちている。


(3)義認、聖化、栄化はすべて信仰によるということを教えないなら、神の力を割


引していることになる。

  2.ユダヤ人、異邦人という順番


(1)時間的順番(ユダヤ人の選び)


(2)契約が与えられた順番


(3)キリストの宣教の順番


(4)パウロの宣教の順番


  ①使13:4~5 サラミスでの伝道


  ②使28:23 ローマでの伝道

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