私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ローマ人への手紙(7)—テーマ(1)—
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パウロが福音を恥としなかった4つの理由を考え、福音の本質を理解する。
チャート「神の義の啓示」
「テーマ(1)」
1.はじめに
(1)あいさつ(1~7節)
(2)ローマ教会との関係(8~15節)
①「心の絆」を結んだ。
②パウロの使命意識が明らかになった。
(3)いよいよテーマに入って行く。
①今回は1:16のみ取り上げる。
2.「私は福音を恥とは思いません」(16節)
(1)日本語訳では、「なぜなら」という言葉が抜けている。
①15節と16節をつなぐ重要な言葉である。
②英語では、「For」であろう。
(2)パウロがローマにまで行って、命がけで福音を伝えたい理由がある。
①それは、彼が福音を恥としていないからである。
②「しない(思わない)」という言葉に強調がある。
(3)「恥と思う」とは、信じないことと同じ意味である。
①マコ8:38
「このような姦淫と罪の時代にあって、わたしとわたしのことばを恥じるような
者なら、人の子も、父の栄光を帯びて聖なる御使いたちとともに来るときには、
そのような人のことを恥じます」
②2テモ1:11~12
「私は、この福音のために、宣教者、使徒、また教師として任命されたのです。
そのために、私はこのような苦しみにも会っています。しかし、私はそれを恥と
は思っていません。というのは、私は、自分の信じて来た方をよく知っており、
また、その方は私のお任せしたものを、かの日のために守ってくださることがで
きると確信しているからです」
(4)「恥としない」とは、完璧な信頼を置いている、誇りとしているという意味。
(5)パウロがそう言わざるを得なかった理由がある。
①1コリ1:22~23
「ユダヤ人はしるしを要求し、ギリシヤ人は知恵を追求します。しかし、私たち
は十 字架につけられたキリストを宣べ伝えるのです。ユダヤ人にとってはつまず
き、異邦人にとっては愚かでしょうが、しかし、ユダヤ人であってもギリシヤ人
であっても、 召された者にとっては、キリストは神の力、神の知恵なのです」
②ユダヤ人からは軽蔑される。
*彼らはキリストからでさえも「しるし」を要求した。
*十字架の死は、呪いの死である。「つまずき」である。
*パウロはユダヤ人から迫害された。
③ギリシア人からも軽蔑される。
*彼らは知恵を追求した(ローマ人は力も追求した)。
*十字架の死は、愚かである。
*パウロは無視された。
2.メッセージのアウトライン(ギリシア語の語順に従って)
パウロが福音を恥としなかった4つの理由
(1)神の力
(2)救い
(3)すべての人
(4)先ずユダヤ人、そしてギリシア人
3.メッセージのゴール
(1)救いの本質の理解
(2)ユダヤ人、異邦人という順番
このメッセージは、パウロが福音を恥としなかった4つの理由を考え、福音の本質を理解しようとするものである。
Ⅰ.神の力
1.「福音は、神の力です」
(1)福音の定義はこの箇所にはない。
2.1コリ15:3~8にある定義
「私があなたがたに最もたいせつなこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次
のことです。キリストは、聖書の示すとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、また、
葬られたこと、また、聖書の示すとおりに、三日目によみがえられたこと…」
(1)キリストは私たちの罪のために死なれた。
(2)葬られた。
(3)三日目によみがえられた。
3.パウロのイメージの中には、イザ55:11があったに違いない。
「そのように、わたしの口から出るわたしのことばも、むなしく、わたしのところに帰っ
ては来ない。必ず、わたしの望む事を成し遂げ、わたしの言い送った事を成功させる」
(1)神のことばには力がある。
(2)究極的な神のことばは、イエス・キリストである。
(3)イエス・キリストは、父なる神の計画を成し遂げ、成功させた。
4.パウロは、福音の中に神の力が内在していることを確信していた。
(1)福音は、御子に関することである。
(2)福音は、御子を通して成し遂げられたことである。
(3)この福音に全幅の信頼を置いていた。
Ⅱ.救い
1.「福音は、救いを得させる神の力です」
(1)「救いをもたらす神の力だからです」(新共同訳)
「救いに至る神の力だからです」(直訳)
(2)逆に言えば、神の力は救いをもたらすということ。
2.救いがこの書簡のキーワードである。
(1)ロマ書1章~8章までは、救いの説明と定義である。
(2)チャート参照。
3.救いの3要素
(1)義認(過去形の救い)
①信じた瞬間に与えられている。
②善良な人間になったということではない。
③これは法廷用語である。
④父なる神との関係が変化した。和解させられた。
(2)聖化(現在進行形の救い)
①完成に向かうプロセスである。
②クリスチャンはみな、この過程を歩んでいる。
(3)栄化(未来形の救い)
①救いが完成した状態である。
②私たちはやがて栄光の姿に変えられる。
4.福音が神の力である理由は、救いの3要素がすべて約束され、成就するからである。
(例話)安いツアーはグッド・ニュースか。安いなりのわけがある。
(1)義認だけなら、神の力は3分の1である。
(2)聖化までなら、神の力は3分の2である。
(3)栄化まで成就するがゆえに、それは100パーセント神の力である。
Ⅲ.すべての人
1.「福音は、信じるすべての人にとって、救いを得させる神の力です」
(1)救いは、すべての人に差し出されている。
(2)しかし、すべての人が救いを経験するわけではない。
①救いを受ける条件(方法)は、信仰である。
②福音の3要素を信じ、イエスをそのようなお方として信頼すること。
③イエスの処女降誕や復活を信じない牧師やクリスチャンがいるが、その人たち
は救われていない。
Ⅳ.先ずユダヤ人、そしてギリシア人
1.「福音は、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、信じるすべての人にとって、救いを得さ
せる神の力です」
(1)「先ずユダヤ人に対して、そしてギリシア人に対して」(直訳)
(2)福音伝達には神が計画された順序がある。
2.動詞はひとつで、現在形である。
(1)今も福音は、神の力である。
(2)今も、ユダヤ人、ギリシア人という順序が有効である。
結論: メッセージのゴールは、パウロが福音を恥としなかった理由を考え、福音の本質を理解することである。
1.
救いの本質の理解
(1)信仰以外の
条件を付け加えるなら、福音は神の力ではなくなる。
(2)教会史は、そういう事例で満ちている。
(3)義認、聖化、栄化はすべて信仰によるということを教えないなら、神の力を割
引していることになる。
2.ユダヤ人、異邦人という順番
(1)時間的順番(ユダヤ人の選び)
(2)契約が与えられた順番
(3)キリストの宣教の順番
(4)パウロの宣教の順番
①使13:4~5 サラミスでの伝道
②使28:23 ローマでの伝道
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