ヨハネの黙示録(34)—キリストの再臨—

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キリストの再臨について学ぶ。

「キリストの再臨」

黙19:11~21

1.はじめに

(1)これまでの復習

  ①大患難時代を扱っているのは、6~18章。

②再臨を扱っているのは、19章。

*默19:1~10は、再臨の前に起こるいくつかのことがらである。

*黙19:11以降に、再臨が出てくる。

    (2)旧約聖書のメシア預言には2つの流れがあった。

      ①受難のしもべ(初臨のメシア)

      ②王の王(再臨のメシア)

      ③両方のメシア像を理解しないと、神の計画の全貌を理解したことにはならない。

        *イエス時代のユダヤ人たちが持っていたメシア像は、「王の王」である。

*異邦人信者の多くが持っているメシア像は、「受難のしもべ」である。

      ④現在でも、メシアの到来を待っているユダヤ人がいる。

        *メシアニック・ジューには、広義の意味と狭義の意味がある。

  2.アウトライン

    (1)白い馬に乗った方の啓示(11~13節)

    (2)キリストの再臨(14~18節)

    (3)ハルマゲドンの戦い(19~21節)

3.結論

  (1)再臨がもたらす裁き

(2)再臨がもたらす祝福

キリストの再臨について学ぶ。

Ⅰ.白い馬に乗った方の啓示(11~13節)

   1.11節

Rev 19:11 また、私は開かれた天を見た。見よ。白い馬がいる。それに乗った方は、 「忠実また真実」と呼ばれる方であり、義をもってさばきをし、戦いをされる。

    (1)「またわたしが見ていると、天が開かれ、見よ、そこに白い馬がいた」(口語訳)

      ①イエスがバプテスマを受けたとき、天が開かれて聖霊が鳩のように下った。

      ②ここでは、天が開かれて再臨のメシアが地に下ってこられる。

      ③黙4:1では、ヨハネを招くために天が開かれた。

      ④ここでは、キリストが地に下るために天が開いた。

    (2)白い馬に乗った方

      ①ローマ軍の将軍は、白い馬に乗った。

      ②再臨のキリストは、天の軍勢の将軍として白い馬に乗られる。

      ③初臨のキリストはロバの子に乗られたが、再臨のキリストは白い馬に乗られる。

    (3)「忠実また真実」と呼ばれる方

      ①ヘブル的には、名前やタイトルは、その人の実質を表わす。

      ②キリストは、ご自身の約束に忠実で真実なお方である。

      ③マタ24:30

Mat 24:30 そのとき、人の子のしるしが天に現れるであろう。またそのとき、地のすべての民族は嘆き、そして力と大いなる栄光とをもって、人の子が天の雲に乗って来るのを、人々は見るであろう。

      ④反キリストは、契約を破る不真実な者である。

    (4)「義をもってさばきをし、戦いをされる」

      ①キリストは、すべての敵を滅ぼされる。

      ②この戦いは、反キリストと悔い改めない罪人に対する神の怒りの表現である。

  2.12~13節

Rev 19:12 その目は燃える炎であり、その頭には多くの王冠があって、ご自身のほかだれも知らない名が書かれていた。

Rev 19:13 その方は血に染まった衣を着ていて、 その名は「神のことば」と呼ばれた。

     (1)「その目は燃える炎であり」

      ①キリストは、すべてのことを見抜かれるお方である。

      ②默1:14

Rev 1:14 その頭と髪の毛は、白い羊毛のように、また雪のように白く、その目は、燃える炎のようであった。

      ③キリストが再臨されたとき、すべてのことが明るみに出される。

    (2)「その頭には多くの王冠があって」

      ①これは王がかぶる王冠である(ダイアデム)。

      ②キリストは王の王である。

      ③キリストの権威に挑戦できる者はいない。

    (3)「ご自身のほかだれも知らない名が書かれていた」

      ①キリストは、筆舌に尽くし難いお方である。

        *その御名はまだ啓示されていない。

      ②実際の名は、「神のことば」である。

       ③ヨハ1:1

Joh 1:1 初めに、ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。

    (4)「その方は血に染まった衣を着ていて」

      ①この血は、イエスご自身の血ではなく、敵の血である。

      ②イザ63:1~6参照

        *エドムから来る者、ボツラから深紅の衣を着て来るこの者

        *酒ぶねを踏んだので着物は赤い。

      ③キリストは、裁き主として戻って来られる。

        *敵の血が流されることの予表である。

Ⅱ.キリストの再臨(14~18節)

   1.14節

Rev 19:14 天にある軍勢はまっ白な、きよい麻布を着て、白い馬に乗って彼につき従った。

    (1)「軍勢」は複数形である。

      ①2つの軍勢が再臨のキリストにつき従う。

      ②敵と戦うのは、キリストだけである。

    (2)天使たちの軍勢

      ①マタ16:27

Mat 16:27 人の子は父の栄光を帯びて、御使いたちとともに、やがて来ようとしているのです。その時には、おのおのその行いに応じて報いをします。

      ②マタ25:31

Mat 25:31 人の子が、その栄光を帯びて、すべての御使いたちを伴って来るとき、人の子はその栄光の位に着きます。

      ③2テサ1:7

2Th 1:7 苦しめられているあなたがたには、私たちとともに、報いとして安息を与えてくださることは、神にとって正しいことなのです。そのことは、主イエスが、炎の中に、力ある御使いたちを従えて天から現れるときに起こります。

    (3)聖徒たちの軍勢

      ①「まっ白な、きよい麻布を着て」とは、聖徒たちのことである。

      ②默19:8では、同じ言葉がキリストの花嫁に用いられていた。

  2.15~16節

Rev 19:15 この方の口からは諸国の民を打つために、鋭い剣が出ていた。この方は、鉄の杖をもって彼らを牧される。この方はまた、万物の支配者である神の激しい怒りの酒ぶねを踏まれる。

Rev 19:16 その着物にも、ももにも、「王の王、主の主」という名が書かれていた。

     (1)鋭い剣

      ①剣は、敵を打ち破るキリストの権威を象徴している。

      ②「口から出ていた」とあるので、ことばをもって敵を滅ぼされるのであろう。

    (2)鉄の杖

      ①詩2:9

Psa 2:9 あなたは鉄の杖で彼らを打ち砕き、/焼き物の器のように粉々にする。』」

      ②キリストの統治は完璧であり、それに従わない者はいない。

    (3)「神の激しい怒りの酒ぶねを踏む」

      ①裁きを意味する比喩的表現である。

      ②ぶどう液ではなく、裁かれた者の血が流れ出す。

      ③再臨のキリストは、裁き主である。

    (4)もうひとつの名は、「王の王、主の主」である。

      ①長く待望していたメシアが、ついに来られた。

   3.17~18節

Rev 19:17 また私は、太陽の中にひとりの御使いが立っているのを見た。彼は大声で叫び、中天を飛ぶすべての鳥に言った。「さあ、神の大宴会に集まり、

Rev 19:18 王の肉、千人隊長の肉、勇者の肉、馬とそれに乗る者の肉、すべての自由人と奴隷、小さい者と大きい者の肉を食べよ。」

    (1)ハルマゲドンの戦いの前に、空の鳥たちに宴会への招待状が送られた。

      ①太陽の中に立っているひとりの御使いが大声で叫んだ。

      ②すべての鳥がその天使を見ることができた。

    (2)宴会の内容は、肉を食べることである。

      ①王の肉、千人隊長の肉、勇者の肉、馬とそれに乗る者の肉、すべての自由人と

奴隷、小さい者と大きい者の肉。

②神に敵対した者たちは、ハルマゲドンの戦いで殺される。

Ⅲ.ハルマゲドンの戦い(19~21節)

   1.19節

Rev 19:19 また私は、獣と地上の王たちとその軍勢が集まり、馬に乗った方とその軍勢と戦いを交えるのを見た。

     (1)反キリストとその軍勢は、戦わずしてあきらめることはない。

      ①反キリストは、地上の王たちとその軍勢を招集し、再臨のキリストと戦う。

  2.20節

Rev 19:20 すると、獣は捕らえられた。また、獣の前でしるしを行い、それによって獣の刻印を受けた人々と獣の像を拝む人々とを惑わしたあのにせ預言者も、彼といっしょに捕らえられた。そして、このふたりは、硫黄の燃えている火の池に、生きたままで投げ込まれた。

     (1)ハルマゲドンの戦いの結果

      ①獣(反キリスト)は、捕らえられた。

      ②偽預言者も、獣といっしょに捕らえられた。

      ③ふたりは、生きたままで「硫黄の燃えている火の池」に投げ込まれた。

  3.21節

Rev 19:21 残りの者たちも、馬に乗った方の口から出る剣によって殺され、すべての鳥が、彼らの肉を飽きるほどに食べた。

     (1)反キリストの軍勢の残りの者たちは、再臨のキリストのことばによって殺された。

      ①異邦人の軍勢の裁きである。

      ②招待されていた鳥たちは、彼らの肉を飽きるほどに食べた。

結論:

  1.再臨がもたらす裁き

    (1)「燃える火の池」とは、永遠の地獄である。

      ①これは、現実に存在する場所である。

②これは、最初の被造世界には含まれていなかった。

      ③これは、悪魔と堕天使たちを閉じ込めるために用意されたものである。

      ④再臨の後に、異邦人の裁きが行われる(羊と山羊の区別)。

Mat 25:41 それから、王はまた、その左にいる者たちに言います。『のろわれた者ども。わたしから離れて、悪魔とその使いたちのために用意された永遠の火に入れ。

      ⑤悪の三位一体の中で、先にそこに入るのは、反キリストと偽預言者である。

    (2)悪魔は、「底知れぬ所」(アビス)に閉じ込められる。

      ①千年後に解放されるが、最終的には、「燃える火の池」に投げ込まれる。

      ②偽の三位一体は、すべて「燃える火の池」に投げ込まれる。

    (3)罪人の魂は、ハデスに閉じ込められている。

      ①白い御座の裁きの後、「燃える火の池」に投げ込まれる。

    (4)「燃える火の池」での裁きには、種々の段階がある。

      ①マタ10:15

Mat 10:15 まことに、あなたがたに告げます。さばきの日には、ソドムとゴモラの地でも、その町よりはまだ罰が軽いのです。

      ②ルカ12:47~48

Luk 12:47 主人の心を知りながら、その思いどおりに用意もせず、働きもしなかったしもべは、ひどくむち打たれます。

Luk 12:48 しかし、知らずにいたために、むち打たれるようなことをしたしもべは、打たれても、少しで済みます。すべて、多く与えられた者は多く求められ、多く任された者は多く要求されます。

      ③黙20:12

Rev 20:12 また私は、死んだ人々が、大きい者も、小さい者も御座の前に立っているのを見た。そして、数々の書物が開かれた。また、別の一つの書物も開かれたが、それは、いのちの書であった。死んだ人々は、これらの書物に書きしるされているところに従って、自分の行いに応じてさばかれた。

  2.再臨がもたらす祝福

    (1)キリストは、地上に千年王国を設立される。

      ①それは、完璧な王であるキリストが支配する正義の王国である。

      ②そこには、回復された自然界がある。

    (2)私たちは、復活の体をもってその王国の住民となる。

    (3)千年後には、永遠の御国に住まうようになる。

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