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ヨハネの黙示録(32)—経済的・政治的バビロンの崩壊(2)—
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大バビロンの滅亡について学ぶ。
「経済的・政治的バビロンの崩壊(2)」
黙18:9~24
1.はじめに
(1)キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている。
①15章~16章では、大患難時代後半の3年半に起こる出来事が取り上げられた。
②7つ鉢の裁きに続く出来事が、キリストの再臨である(19章)。
③16章と19章の間に17章と18章がある。
*17章は、大患難時代の前半に起こることの再記述である。
*18章は、大患難時代の後半に起こることの再記述である。
(2)黙17章と18章に出てくる「バビロン」の意味
①17章の大バビロンは、背教の世界統一教会。
②18章の大バビロンは、経済的・政治的バビロン。
③大患難時代の中間で、経済的・政治的大バビロンが宗教的大バビロンを滅ぼす。
*黙17:16
Rev 17:16 あなたが見た十本の角と、あの獣とは、その淫婦を憎み、彼女を荒廃させ、裸にし、その肉を食い、彼女を火で焼き尽くすようになります。
④バビロンは、反キリストの経済的・政治的都となる。
⑤反キリストはイスラエルを攻撃するために軍勢をハルマゲドンに集結させる。
*第6の鉢の裁き(ハルマゲドンの戦いの第1段階)
⑥しかし神は、バビロンの都を滅ぼされる。
*ハルマゲドンの戦いの第2段階
2.アウトライン
(2)大バビロンの崩壊を喜ぶ人たち(20節)
(3)大バビロンの崩壊の描写(21~24節)
3.結論
(1)ロマ12:19~21(復讐)
(2)マタ6:19~21(地上の富)
大バビロンの滅亡について学ぶ。
Ⅰ.大バビロンの崩壊を嘆く人たち(9~19節)
1.王たち(9~10節)
Rev 18:9 彼女と不品行を行い、好色にふけった地上の王たちは、彼女が火で焼かれる煙を見ると、彼女のことで泣き、悲しみます。
Rev 18:10 彼らは、彼女の苦しみを恐れたために、遠く離れて立っていて、こう言います。『わざわいが来た。わざわいが来た。大きな都よ。力強い都、バビロンよ。あなたのさばきは、一瞬のうちに来た。』
(1)「不品行を行い、好色にふけった地上の王たち」
①黙17:16に登場する10人の王たちよりも広い意味での王たちである。
②不品行、好色とは、反キリストと親密な関係にあったことを示す言葉である。
*ここでの大バビロンは、神に敵対する経済的・政治的システムである。
③地上の王たちは、その関係によって莫大な利益を得ていた。
(2)王たちは、大バビロンが火で焼かれる煙を見る。
①大バビロンは、火によって破壊される。
②王たちは、泣き(大声を上げて)、悲しむ。
③大バビロンの崩壊は、反キリストの滅亡を意味する。
④王たちは、反キリストから富と権威を受けていた。
⑤それゆえ、彼らの嘆きは極めて利己的なものである。
(3)王たちは、非常に恐れている。
①遠く離れて立つのは、自分も裁きに巻き込まれることのないようにするため。
②これまで大バビロンは非常に力強い都であった。
③しかし、大バビロンよりも力強い方がおられることが明らかになった。
④大バビロンの崩壊は、確実で、徹底的なものであある。
*「わざわいが来た」が2度繰り返されている。
⑤大バビロンの崩壊は、瞬時に起こる。
2.商人たち(11~17節a)
(1)11節
Rev 18:11 また、地上の商人たちは彼女のことで泣き悲しみます。もはや彼らの商品を買う者がだれもいないからです。
①政治と経済は、密接に結びついている。
②政治が崩壊すれば、経済不況がやって来る。
③黙13:17
Rev 13:17 また、その刻印、すなわち、あの獣の名、またはその名の数字を持っている者以外は、だれも、買うことも、売ることもできないようにした。
④大バビロン崩壊により、反キリストに従う者たちは、経済活動ができなくなる。
(2)12~14節
Rev 18:12 商品とは、金、銀、宝石、真珠、麻布、紫布、絹、緋布、香木、さまざまの象牙細工、高価な木や銅や鉄や大理石で造ったあらゆる種類の器具、
Rev 18:13 また、肉桂、香料、香、香油、乳香、ぶどう酒、オリーブ油、麦粉、麦、牛、羊、それに馬、車、奴隷、また人のいのちです。
Rev 18:14 また、あなたの心の望みである熟したくだものは、あなたから遠ざかってしまい、あらゆるはでな物、はなやかな物は消えうせて、もはや、決してそれらの物を見いだすことができません。
①大バビロン崩壊の前は、国際貿易が活発に行われていた。
②商品が列挙されている(富のある国が所有する代表的な商品)
*金、銀、宝石、真珠、麻布、紫布、絹、緋布、香木、さまざまの象牙細工、
高価な木や銅や鉄や大理石で造ったあらゆる種類の器具
*肉桂、香料、香、香油、乳香、ぶどう酒、オリーブ油、麦粉、麦、牛、羊、
それに馬、車
*奴隷、また人のいのち
③奴隷の存在は、大患難時代にまで続く。
*今日でも、多くの奴隷が存在している。
④美食家が渇望する食物はなくなり、豪華な衣装も取り去られる。
(3)15~17節
Rev 18:15 これらの物を商って彼女から富を得ていた商人たちは、彼女の苦しみを恐れたために、遠く離れて立っていて、泣き悲しんで、
Rev 18:16 言います。『わざわいが来た。わざわいが来た。麻布、紫布、緋布を着て、金、宝石、真珠を飾りにしていた大きな都よ。
Rev 18:17a あれほどの富が、一瞬のうちに荒れすたれてしまった。』
①商人たちは、大バビロンとの取引によって富を得ていた。
②彼らは、かつてなかった経済不況に直面し、泣き悲しむ。
③彼らは、遠く離れて立ち、王たちの言葉と同じような言葉を口にする。
④「わざわいが来た」が2度繰り返される。
⑤「麻布、紫布、緋布を着て、金、宝石、真珠を飾りにしていた大きな都よ」
⑥宗教的バビロンの描写と似ている(黙17:4)。
Rev 17:4 この女は紫と緋の衣を着ていて、金と宝石と真珠とで身を飾り、憎むべきものや自分の不品行の汚れでいっぱいになった金の杯を手に持っていた。
*遊女が着飾って、男を誘惑する様が描かれている。
⑦大バビロンは、富によって商人たちを誘惑した。
3.海で働く人たち(17b~19節)
(1)17b~18節
Rev 18:17b また、すべての船長、すべての船客、水夫、海で働く者たちも、遠く離れて立っていて、
Rev 18:18 彼女が焼かれる煙を見て、叫んで言いました。『このすばらしい都のような所がほかにあろうか。』
①船長、船客(航海する者)、水夫
*商品を海洋輸送する人たちであろう。
*輸送する商品がなくなるので、嘆くのである。
②海で働く者たち
*漁師たち、真珠取りたち、など
*自分たちが獲ったものを買ってもらえなくなった。
③彼らもまた、遠く離れて立って、大バビロンの栄華が消え去るのを嘆く。
(2)19節
Rev 18:19 それから、彼らは、頭にちりをかぶって、泣き悲しみ、叫んで言いました。『わざわいが来た。わざわいが来た。大きな都よ。海に舟を持つ者はみな、この都のおごりによって富を得ていたのに、それが一瞬のうちに荒れすたれるとは。』
①頭にちりをかぶるのは、深い悲しみの表現である。
②彼らもまた、大バビロンとの取引によって富を得ていた。
③大バビロンが一瞬のうちに滅びたので、彼らの商売も一瞬のうちに消え去った。
Ⅱ.大バビロンの崩壊を喜ぶ人たち(20節)
1.20節
Rev 18:20 おお、天よ、聖徒たちよ、使徒たちよ、預言者たちよ。この都のことで喜びなさい。神は、あなたがたのために、この都にさばきを宣告されたからです。」
(1)地上的視点から、天的視点に移行する。
①天にいる神の民は、大バビロン崩壊の宣言を聞いて、大いに喜ぶ。
②ついに、神の義が成就するからである。
③また、大バビロンが裁かれると、再臨が近いことが分かるからである。
(2)3種類の人たち
①聖徒たち(すべての信者)
②使徒たち(神の啓示を伝えるための器となった人たち)
③預言者たち(やはり、神からの啓示の器となった人たち)
(3)神の裁きは、この3種類の人たちのために行われる。
Ⅲ.大バビロンの崩壊の描写(21~24節)
1.21節
Rev 18:21 また、ひとりの強い御使いが、大きい、ひき臼のような石を取り上げ、海に投げ入れて言った。「大きな都バビロンは、このように激しく打ち倒されて、もはやなくなって消えうせてしまう。
(1)ひとりの強い御使いの行為
①ひき臼のような石を海に投げ入れた。
②聖書時代のひき臼は、巨大なもので、1トンを超えるものもあった。
③それを海に投げ入れるなら、永遠に失われてしまう。
④大バビロンの崩壊も、それと同じである。
2.22~23節
Rev 18:22 立琴をひく者、歌を歌う者、笛を吹く者、ラッパを鳴らす者の声は、もうおまえのうちに聞かれなくなる。あらゆる技術を持った職人たちも、もうおまえのうちに見られなくなる。ひき臼の音も、もうおまえのうちに聞かれなくなる。
Rev 18:23 ともしびの光は、もうおまえのうちに輝かなくなる。花婿、花嫁の声も、もうおまえのうちに聞かれなくなる。なぜなら、おまえの商人たちは地上の力ある者どもで、すべての国々の民がおまえの魔術にだまされていたからだ。
(1)大バビロンから、生活の営みが消え去る。
①音楽家たちがいなくなる。
②贅沢品を製造する職人たちがいなくなる。
③食物を生産する音が消え去る。
④ともしびの光が輝かなくなる。
⑤結婚式を挙げる者がいなくなる。
⑥大バビロンは、沈黙の町となる。
(2)大バビロンが裁かれる理由は、彼女が地上のあらゆる人たちを騙していたからで
ある。
3.24節
Rev 18:24 また、預言者や聖徒たちの血、および地上で殺されたすべての人々の血が、この都の中に見いだされたからだ。」
(1)大バビロンが裁かれるもう一つの理由は、聖徒たちを殺したことである。
①預言者や聖徒たちの血
②地上で殺されたすべての人々の血
③彼らは、主イエスに対する信仰のゆえに、殉教の死を遂げた。
(2)神は、ご自身の義を成就された。
①これで、キリスト再臨の舞台は整った。
結論:
1.ロマ12:19~21(復讐)
Rom 12:19 愛する人たち。自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。それは、こう書いてあるからです。「復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする、と主は言われる。」
Rom 12:20 もしあなたの敵が飢えたなら、彼に食べさせなさい。渇いたなら、飲ませなさい。そうすることによって、あなたは彼の頭に燃える炭火を積むことになるのです。
Rom 12:21 悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい。
(1)「復讐するは我にあり」(佐木隆三の小説、直木賞、1979年に映画化)の意味
①報復は、神だけが行われる。
②悪に勝つ唯一の方法は、善を行うことである。
(2)「彼の頭に燃える炭火を積むことになる」の意味。
①その人は、深い恥と痛みを感じるようになる。
②その結果、その人が悔い改めにいたる可能性は高くなる。
(3)裁きを神に委ねることは、自分自身を解放する結果につながる。
Mat 6:19 自分の宝を地上にたくわえるのはやめなさい。そこでは虫とさびで、きず物になり、また盗人が穴をあけて盗みます。
Mat 6:20 自分の宝は、天にたくわえなさい。そこでは、虫もさびもつかず、盗人が穴をあけて盗むこともありません。
Mat 6:21 あなたの宝のあるところに、あなたの心もあるからです。
(1)聖書は、富は長続きしないと教えている。
Pro 27:24 富はいつまでも続くものではなく、/王冠も代々に続かないからだ。
(2)死ぬと、自分が蓄積した財を地上に残すことになる。
Ecc 2:18 私は、日の下で骨折ったいっさいの労苦を憎んだ。後継者のために残さなければならないからである。
(3)1テモ6:7
1Ti 6:7 私たちは何一つこの世に持って来なかったし、また何一つ持って出ることもできません。
(4)地上の宝か、天の宝か。
①大バビロンの崩壊は、地上の宝の虚しさを私たちに教えている。
②天に宝を積むことを第一にする人生は、幸いである。
③以下のことを確認しよう。
*私たちの国籍は天にある。
*富みに支配されるのではなく、その忠実な管理者となることを志そう。
*デボーション、祈り、礼拝、伝道などは、天に宝を積む行為である。
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