ヨハネの黙示録(19)—ふたりの証人の活動—

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ふたりの証人の活動について学ぶ。

「ふたりの証人の活動」

黙11:1~6

1.はじめに

(1)キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている。

  ①9章は第5と第6のラッパの裁きである。

       *第5のラッパは、神の裁きのターニングポイントとなるものである。

       *第6のラッパで、大患難時代の前半が終了する。

     ②10章~14章は、挿入箇所である。

    *物語の進展はなく、状況の説明が入る。

       *7章と同じである。

*例外は、11:15~19(第7のラッパが吹かれる)だけである。

    (2)黙示録全体の中で11章が最も難解な章である。

      ①注解書を読み比べると、さまざまな解釈があることが分かる。

      ②解釈法の違いが、さまざまな解釈を生み出している。

        *字義通りの解釈か、象徴的、あるいは比喩的解釈か。

        *比喩的解釈を採用するなら、あらゆる解釈の可能性に扉を開くことになる。

      ③私たちは、字義通りの解釈を一貫して行っている。

        *「聖所と祭壇」は、地上にできる文字通りの聖所と祭壇である。

*「大きな都」(大いなる都)(黙11:8)とは、エルサレムのことである。

        *「ふたりの証人」とは、ふたりの人間のことである。

        *「三日半の間」(黙11:9)とは、文字通り三日半のことである。

        *「地震」(黙11:13)とは、文字通りの地震である。

        *「七千人が死に」(黙11:13)とは、文字通り七千人である。

      ④字義通りに解釈を行えば、細部に相違点があっても、大筋では一致できる。

  2.アウトライン

    (1)神の測りざお(1~2節)

    (2)ふたりの証人の活動(3~6節)

  3.結論

    (1)第3神殿

    (2)ふたりの証人

ふたりの証人の活動について学ぶ。

Ⅰ.神の測りざお(1~2節)

   1.1節

Rev 11:1 それから、私に杖のような測りざおが与えられた。すると、こう言う者があった。「立って、神の聖所と祭壇と、また、そこで礼拝している人を測れ。

    (1)「杖のような測りざお」

      ①これは、ヨルダン川の岸辺に育つ葦で、成長すると6メートルほどにもなる。

      ②それが「測りざお」として与えられた。

      ③聖書時代においては、長くて、軽くて、堅い葦が、測りざおとして使用された。

    (2)ヨハネは命令を受けた。

      ①「こう言う者」とは、天使であろう。

      ②「神の聖所と祭壇」を測れ。

        *第2神殿は、紀元70年に滅びた。

        *ヨハネが黙示録を執筆している時点では、神殿は建っていない。

        *ここに登場する神殿は、大患難時代に建っている第3神殿である。

        *「聖所」とは祭司だけが入ることのできる空間で、至聖所と聖所からなる。

        *「祭壇」は聖所の外に置かれたもので、イスラエル人なら犠牲のいけにえ

を持って近づくことができる。

      ③「そこで礼拝している人々」の数を数えよ。

    (3)測ることの意味

      ①ゼカ2:1~2

Zec 2:1 私が目を上げて見ると、なんと、ひとりの人がいて、その手に一本の測り綱があった。

Zec 2:2 私がその人に、「あなたはどこへ行かれるのですか」と尋ねると、彼は答えた。「エルサレムを測りに行く。その幅と長さがどれほどあるかを見るために。」

        *神の裁きと関連性がある。神がエルサレムの状態を吟味しておられる。

      ②エゼ40:1~49

        *千年王国の神殿が測られている。

      ③黙21:15~17

        *新しいエルサレムが測られている。

      ④以上の事例から、「測る」とは神の所有権を示す行為であることが分かる。

      ⑤また、神による吟味を示す行為でもある。

        *神殿も町も人々も神の吟味を受け、背教の状態にあることが明らかになる。

  2.2節

Rev 11:2 聖所の外の庭は、異邦人に与えられているゆえ、そのままに差し置きなさい。測ってはいけない。彼らは聖なる都を四十二か月の間踏みにじる。

     (1)「聖所の外の庭」は、異邦人の庭と呼ばれる。

      ①そこは測ってはいけない。

      ②その理由は、外庭は異邦人に与えられている(委ねられている)からである。

      ③測らないことによって、神が異邦人を拒否しておられることを表現している。

    (2)異邦人は、聖なる都を42ヶ月(大患難時代の後半の3年半)の間踏みにじる。

①「聖なる都」とは、エルサレムのことである。

       ②「42ヶ月の間」とは、大患難時代の後半の3年半のことである。

    (3)エルサレムが蹂躙されてきた歴史

      ①アッシリヤ

②バビロン

③メド・ペルシヤ

④ギリシア

⑤ローマ

    (4)大患難時代においては、反キリストとその勢力がエルサレムを蹂躙する。

      ①2テサ2:4

2Th 2:4 彼は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。

      ②マタ24:15~16

Mat 24:15 それゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす憎むべき者』が、聖なる所に立つのを見たならば、(読者はよく読み取るように。)

Mat 24:16 そのときは、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。

      ③ダニ9:27

Dan 9:27 彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。荒らす忌むべき者が翼に現れる。ついに、定められた絶滅が、荒らす者の上にふりかかる。」

      ④ダニ12:11

Dan 12:11 常供のささげ物が取り除かれ、荒らす忌むべきものが据えられる時から千二百九十日がある。

      ⑤以上のことから分かる内容

*反キリストは、7年の中間で平和条約を破り、自分が神だと宣言する。

*反キリストは、自分の像(「荒らす憎むべきもの」)を神殿の中に安置する。

        *この時、ユダヤ人たちは荒野に避難し、そこで守られる。

Ⅱ.ふたりの証人の活動(3~6節)

   1.3節

Rev 11:3 それから、わたしがわたしのふたりの証人に許すと、彼らは荒布を着て千二百六十日の間預言する。」

     (1)「わたし」

      ①天使が神の代理人として語っているのであろう。

      ②あるいは、父なる神のことばか、キリストのことばである可能性もある。

      ③いずれにしても、その啓示は神から来ている。

    (2)ふたりの証人の活動

      ①彼らの活動は、神によって許可されたものである。

      ②活動期間は、1260日間である。

        *大患難時代の前半の3年半

        *彼らは大患難時代の中間期に殺される。

        *彼らの活動期間は、144,000人のユダヤ人の活動期間と同じである。

      ③活動範囲は、エルサレムに限定される。

      ④彼らは、悔い改めのメッセージを伝える。

        *荒布を着ているのは、嘆きの象徴である。

        *彼らは、神の裁きが近づいていることを伝え、悔い改めを勧める。

   2.4節

Rev 11:4 彼らは全地の主の御前にある二本のオリーブの木、また二つの燭台である。

     (1)彼らの活動の目的が比ゆ的言葉で語られる。

      ①ヨハネは、読者が旧約聖書を知っていることを前提に書いている。

      ②ゼカ4章に、2本のオリーブの木と一つの燭台の幻が出て来る。

        *燭台は、イスラエルのことである。

*油を提供する2本のオリーブの木は、ゼカリヤの時代の祭司的指導者ヨシ

ュアと政治的指導者ゼルバベルを指すと考えられる。

      ③2本のオリーブの木の究極的成就は、大患難時代にやって来る。

④黙11:3~13に登場するふたりの証人がそれである。

    (2)黙11章では、2人の証人は、2本のオリーブの木であり2つの燭台である。

      ①彼らは、聖霊に満たされたオリーブの木となる。

      ②彼らは、大患難時代において、暗闇を照らす働きをする。

        *神の真理を伝える働きをする。

   3.5~6節

Rev 11:5 彼らに害を加えようとする者があれば、火が彼らの口から出て、敵を滅ぼし尽くす。彼らに害を加えようとする者があれば、必ずこのように殺される。

Rev 11:6 この人たちは、預言をしている期間は雨が降らないように天を閉じる力を持っており、また、水を血に変え、そのうえ、思うままに、何度でも、あらゆる災害をもって地を打つ力を持っている。

     (1)ふたりの証人に奇跡的な力が付与される。

      ①彼らに害を加えようとする者は、殺される。

      ②彼らの口から火が出る。

        *聖書では、火は神の怒りを示す。

Nah 1:6 だれがその憤りの前に立ちえよう。/だれがその燃える怒りに耐えられよう。/その憤りは火のように注がれ、/岩も主によって打ち砕かれる。

Jer 4:4 ユダの人とエルサレムの住民よ。/【主】のために割礼を受け、心の包皮を取り除け。/さもないと、あなたがたの悪い行いのため、/わたしの憤りが火のように出て燃え上がり、/消す者もいないだろう。」

      ③雨を降らないようにしたり、水を血に変えたり、災害をもたらしたりすること

ができる。

  *これは、神の裁きを地上にもたらす働きである。

④それまでに登場した預言者の誰よりも多くの力が付与される。

     (2)次回は、その彼らが殺されるということについて学ぶ。

      ①神の時が来るまでは、彼らは安全に守られる。

結論:

  1.第3神殿

    (1)大患難時代後半の3年半が始まる時点では、第3神殿は建っている。

      ①いつ建設されるかは預言されていない。

    (2)第3神殿再建に向けた動きが現在進行中である。

      ①エルサレムにあるTemple Instituteがその中心にある。

      ②西壁を見下ろす位置に復元された金のメノラーが置かれている。

    (3)緊急性と平常心の必要性

      ①センセーショナルになる必要はない。

      ②今の政治情勢を見ていると、神殿の建設がすぐに始まるとは思えない。

      ③私たちとしては、いつ携挙が起こってもよいような生き方をすべきである。

  2.ふたりの証人

    (1)誰なのか。

      ①イスラエルと教会

        *これは比ゆ的解釈である。

      ②旧約聖書と新約聖書

*これも比ゆ的解釈である。

③モーセとエリヤ

        *彼らが行う奇跡が、モーセとエリヤのそれに似ている。

        *モーセは2度死ぬのかという問題がある。

      ④エノクとエリヤ

        *ともに生きたまま天に上げられた。

        *彼らは、死ぬことのない体に変えられている。

        *歴史上の人物が登場する際には、名前が出て来る。

      ⑤大患難時代の間に生きている2人のユダヤ人であろう。

        *2人、ないし3人の証人による証言(申17:6)

    (2)活動期間

      ①活動期間は、1260日間である。

        *大患難時代の前半の3年半

      ②彼らは大患難時代の中間期に殺される。

      ③使命を終えるまでは、神の守りによって生かされている。

      (例話)O姉は、昨年12月23日(金)の夜召天、27日(火)葬儀。

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