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ヨハネの黙示録(1)—イントロダクション—

  • 2016.08.15
  • 黙示録1章:3、22章:7
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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黙示録のイントロダクションを学ぶ

「イントロダクション」

黙1:3、22:7

1.はじめに

  (1)黙示録は難解な書だと考えられている。

    ①象徴的言葉が多い。

    ②さまざまな解釈が存在する。

    ③結局、本当のところは誰も分からないということになる。

    (2)黙示録は、一般に考えられているほど難解な書ではない。

      ①象徴的言葉の解釈を確立する。

      ②解釈上さまざまなアプローチがあることを理解する。

      ③最も信頼性のあるアプローチを採用する。

    (3)本文の解説に入る前に、黙示録を理解するために必要不可欠な情報を分かち合う。

2.アウトライン

  (1)著者と受取人

  (2)解釈のための4つのアプローチ

  3.結論:黙示録を学ぶ目的

黙示録のイントロダクションを学ぶ

Ⅰ.著者と受取人

  1.著者は、使徒ヨハネである。

    (1)内的証拠

      ①黙1:1、4、9


Rev 1:1
イエス・キリストの黙示。これは、すぐに起こるはずの事をそのしもべたちに示すため、神がキリストにお与えになったものである。そしてキリストは、その御使いを遣わして、これをしもべヨハネにお告げになった。


Rev 1:4 ヨハネから、アジヤにある七つの教会へ。今いまし、昔いまし、後に来られる方から、また、その御座の前におられる七つの御霊から、


Rev 1:9
私ヨハネは、あなたがたの兄弟であり、あなたがたとともにイエスにある苦難と御国と忍耐とにあずかっている者であって、神のことばとイエスのあかしとのゆえに、パトモスという島にいた。

    
(2)外的証拠:2世紀の教会指導者たちがこれを認めている。

      ①殉教者ユスティノス

        *100-165年頃に活躍。職責はないが、巡回伝道者、キリスト教の護教者。

        *『ユダヤ人トリュフォンとの対話』: ユスティノスの聖書解釈を示す著作。

②エイレナイオス

  *2世紀の活躍したキリスト教理論家であり、リオンの司祭である。

  *彼は、御国の預言を比喩的に解釈することに対して警告を発している。

③アレクサンドリアのクレメンス

  *2世紀に活躍した初期キリスト教を代表する神学者。

*ギリシア教父と呼ばれる一群の神学者の一人。

*オリゲネスとならんでアレクサンドリア学派の代表的な神学者である。

④テルトリアヌス

  *160-220年頃に活躍した神学者。

  *いわゆるラテン教父の系統に属する最初の人物。

  *異教、ユダヤ教、異端に対してキリスト教を弁護する働きに生涯を捧げた。

  *神の本質を説明するために「三位一体」という用語を作り出した。

    (3)ヨハネはエーゲ海のパトモス島に島流しになっていた。

      ①イエス・キリストのメッセージを伝えたことで、有罪となった。


Rev 1:9
私ヨハネは、あなたがたの兄弟であり、あなたがたとともにイエスにある苦難と御国と忍耐とにあずかっている者であって、神のことばとイエスのあかしとのゆえに、パトモスという島にいた。

      ②この島で、ヨハネは啓示を受け取った。

      ③この書が書かれたのは、紀元95年頃である。

2.受取人は、迫害下にあって苦しんでいた信者たちである。

  
(1)イエス・キリストの十字架と復活から、約65年後のことである。

    ①この時代のクリスチャンたちは、そのほとんどが第2世代の信者たちであった。

②それゆえ、迫害は彼らの信仰にとって脅威となった。

      ③ローマ帝国は、キリスト教に対する敵意をますます強めつつあった。

    (2)迫害下にあって、殉教の死を遂げた者もいた。


Rev 2:13
「わたしは、あなたの住んでいる所を知っている。そこにはサタンの王座がある。しかしあなたは、わたしの名を堅く保って、わたしの忠実な証人アンテパスがサタンの住むあなたがたのところで殺されたときでも、わたしに対する信仰を捨てなかった。

    
(3)そこでヨハネは、迫害に直面している信者たちを励ますために、この書を書いた。

①黙示録は、忍耐をもって迫害を耐え忍ぶようにとの勧めである。

      ②黙示録は、終わりの日には、悪は必ず滅ぼされるという預言である。

Ⅱ.解釈のための4つのアプローチ

  はじめに

    
(1)黙示録に関しては、さまざまな解釈が提唱されてきた。

    (2)黙示録が人間の作品の寄せ集めであるなら、混乱をもたらすだけの書で終わる。

(3)黙示録が神の霊感を受けて書かれた神の啓示の書だとすると、私たちは人知では

計り知ることのできない未来の出来事に関する情報、また、永遠の世界に関する情報

を得たことになる。

(4)私たちの前提:

      ①黙示録は神の霊感を受けて書かれた神の啓示の書である。

      ②聖書の他の書と同じように、黙示録も字義通りに解釈する必要がある。

        *字義通りの解釈とは、著者の意図を探し当てる作業である。

      ③黙示録に出てくる「言葉使い」や「象徴」は、他の聖書箇所での使用法に照ら

してその意味を判断する必要がある。

④以上を総合すると、私たちは、ディスペンセーショナリズムに基づく、千年期

前再臨説、患難期前携挙説に立って、黙示録を解釈するということである。

    (5)黙示録を神の啓示の書と認めても、まだ解釈上の問題は残る。

①教会史上、4つのアプローチが提唱されてきた。

1.歴史主義的アプローチ

  
(1)黙示録は、紀元1世紀からメシアの再臨に至るまでの教会史の預言的パノラマを

提供している。

(2)このアプローチは、紀元4世紀に誕生した。

①当時の教会が置かれていた状況と聖書預言の間に相関関係があると見た学者が、

この説を提唱した。

(3)フィオーレのヨアキム(1135‐1202年)は、歴史を3つの時代に区分した。

    ①父の時代、子の時代、聖霊の時代

(4)宗教改革者たちもこの説を支持した。

①彼らは、カトリックの法王を反キリストと見なした。

②その根拠は、黙13章の2匹の獣である。

  *海からの獣(10本の角と7つの頭。7番目が反キリスト)

  *地中からの獣(小羊のような2本の角。偽預言者)

    (5)しかし、黙示録と他の聖書預言の箇所を比較すると、この説の弱点が見えてくる。

      ①ダニ9:25~27、マタ24~25章、2テサ2:1~12、テト2:13~14

      ②これらの預言箇所は、将来の出来事を指し示している。

      ③大患難時代、反キリストの登場、再臨、千年王国、白い御座の裁き、永遠の秩

      序と続く。

2.比ゆ的アプローチ

(1)これは、アレクサンドリヤ神学(アレクサンドリアのクレメンス、オリゲネス)

によって提唱されたものである。

    (2)この神学はギリシア哲学の影響を受けている。

①霊を善、物質を悪とみなす傾向が非常に強い。

②それゆえ、本質的に反キリアズムである。

③キリアズムとは、初期の教会が持っていた千年王国を信じる信仰のことである。

④アウグスチヌスもこの神学の伝統を受け入れた。

    (3)黙示録は、今も続いている神と悪魔の戦い、善と悪の戦いを、象徴的に描写した

ものである。

(4)しかし、このアプローチには致命的な欠陥がある。

①なぜ黙示録が当時迫害で苦しんでいた聖徒たちの慰めになるのか分からない。

②黙示録に出てくる具体的な数字の意味を解明することができない。

        *42ヶ月


Rev 11:2
聖所の外の庭は、異邦人に与えられているゆえ、そのままに差し置きなさい。測ってはいけない。彼らは聖なる都を四十二か月の間踏みにじる。

        *1260日

Rev 12:6 女は荒野に逃げた。そこには、千二百六十日の間彼女を養うために、神によって備えられた場所があった。

      ③黙示録に出てくるさまざまな象徴は、将来登場する具体的な人物や出来事を指

し示している。

        *大患難時代、反キリスト、再臨、千年王国、白い御座の裁き、永遠の秩序

3.預言既成的アプローチ

    (1)黙示録の預言は、紀元70年に、ティトゥス将軍とローマ軍がエルサレムを滅ぼ

し、神殿を破壊した時に、すべて成就した。従って、黙示録は将来の出来事を預言し

ているわけではない。

(2)しかし、このアプローチは黙示録自身の証言と矛盾している。

      ①黙1:3


Rev 1:3 この預言のことばを朗読する者と、それを聞いて、そこに書かれていることを心に留める人々は幸いである。時が近づいているからである。

      ②黙22:7

Rev 22:7 「見よ。わたしはすぐに来る。この書の預言のことばを堅く守る者は、幸いである。」

      ③その他、黙22:10、18~19にも「預言」という言葉が出てくる。

      ④紀元70年には人類の3分の1は死んでいない。


Rev 9:18 これらの三つの災害、すなわち、彼らの口から出ている火と煙と硫黄とのために、人類の三分の一は殺された。

    (3)黙示録の執筆年代は、95年頃である。紀元70年よりも後である。

4.未来的アプローチ

    (1)黙示録のほとんどは、再臨の前に起こる終末時代の出来事の預言である。

      ①4章以降が将来の預言である。

        *4~18章 大患難時代

        *19章 メシアの再臨

        *20章 メシア的王国(千年王国)

        *21~22章 千年王国から永遠の秩序への移行

    (2)未来的アプローチは、黙示録の字義通りの解釈を可能にする唯一のアプローチ。

    (3)メシアの初臨に関する旧約聖書の預言は文字通り成就した。

①100以上の預言がある。

②再臨とそこに至るまでの出来事の預言も、すべて文字通り成就すると信じる。

    (4)初期の教会は、未来的アプローチを採用していた。

    (5)私たちは、このアプローチを採用して黙示録を学ぶ。

    (6)この書が当時の信者の慰めになるということを疑問視する人たちもいる。

      ①遠い未来に起こることが、なぜ今苦しんでいる人にとって慰めとなるのか。

      ②聖書預言の多くが、遠い未来の出来事を扱っている。

        *旧約聖書におけるメシア預言

        *ダニエル書における異邦人の王国に関する預言(ダニ2章、7章)

      ③2ペテ3:10~12


2Pe 3:10
しかし、主の日は、盗人のようにやって来ます。その日には、天は大きな響きをたてて消えうせ、天の万象は焼けてくずれ去り、地と地のいろいろなわざは焼き尽くされます。


2Pe 3:11
このように、これらのものはみな、くずれ落ちるものだとすれば、あなたがたは、どれほど聖い生き方をする敬虔な人でなければならないことでしょう。


2Pe 3:12
そのようにして、神の日の来るのを待ち望み、その日の来るのを早めなければなりません。その日が来れば、そのために、天は燃えてくずれ、天の万象は焼け溶けてしまいます。

結論:黙示録を学ぶ目的

  1.黙示録は、この書を学ぶ者に祝福を約束している唯一の書である。

    (1)黙1:3


Rev 1:3 この預言のことばを朗読する者と、それを聞いて、そこに書かれていることを心に留める人々は幸いである。時が近づいているからである。

    (2)黙22:7

Rev 22:7 「見よ。わたしはすぐに来る。この書の預言のことばを堅く守る者は、幸いである。」

      ①「この書の預言のことばを堅く守る者」とは、黙示録の預言を信じ、メシアの

再臨を期待しながら地上生涯を歩む人のことである。

  2.黙示録の学びには、7つの祝福がついてくる。

(1)神は主権者であり、人類の歴史を支配しておられるという確信が与えられる。

(2)神はいつか、善が悪に勝利するように摂理の御手をもって導かれるという確信

が与えられる。

(3)空中でイエス・キリストとお会いする携挙の時が近づいているという希望が与

えられる。

(4)天において、すでに召された聖徒たちと再会し、イエス・キリストとともに永遠

に住むようになるという希望が与えられる。

(5)イエス・キリストにあって与えられている救いが、どれほど素晴らしいものであ

るかを知るようになる。

(6)神のことばである聖書に対する信頼性が増す。

(7)神はご自身の約束に忠実なお方あることを、深く確信するようになる。

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