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創造から新天新地へ(04)―24章でたどる神の救済史 3章 「アブラハムの選び」創世記12章 | メッセージステーション

創造から新天新地へ(04)―24章でたどる神の救済史 3章 「アブラハムの選び」創世記12章

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創世記12章には歴史を導く原則が記されている。アブラハム契約の3つの特徴を理解すればそれが分かる。

創造から新天新地へ―24 章でたどる神の救済史

3 章 「アブラハムの選び」

創世記12

1 .はじめに

(1)1章では創1章を取り上げ、「世界の始まり」について考えた。

  ①天地創造の目的は、神の国の臣民を造り出すことにあった。

  ②創1:1をどう受け止めるかで、私たちの人生観・世界観・歴史観が決まる。

(2)2章では創3章を取り上げ、「人類の堕落と救い主の約束」について考えた。

  ①「堕落の物語」は、歴史的事実である。

  ②世界に死、苦しみ、破壊が存在する理由がここにある。

  ③悪魔は、悪魔の国を作ろうとしている。

  ④神は、救い主の約束を与えた。

(3)創4章~11章の主要な出来事

  ①カインによるアベル殺害

  ②レメクの暴力の誇示

  ③全地に満ちた堕落とノアの洪水

  ④ノアを通した契約と再出発の恵み

  ⑤バベルの塔による人間中心の文明

  ⑥罪が個人から家庭へ、社会へ、文明へと広がっていく過程

(4)神の救済計画は、一人の人の選びから始まる。

  ①無名の偶像礼拝者が召される。

  ②その名はアブラムである。

  ③彼の選びは救済史を完成させるための選びである。

(5)救済史の転換点としての創世記12章

  ①創12章は、単なる一家庭の物語ではない。

  ②ここで歴史は転換する。

  ③普遍史(全人類の堕落史)から 救済史(選ばれた系譜の歴史)へ。

  ④アダム → ノア → バベルまでは「人類全体」。

  ⑤アブラハム以降は「選ばれた系譜」。

  ⑥「選び」は排除ではなく、全世界を祝福するための手段である。

創世記12 章には歴史を導く原則が記されている。

アブラハム契約の3 つの特徴を理解すればそれが分かる。

Ⅰ. 無条件契約

1.創12:1~3

Gen 12:1

【主】はアブラムに言われた。/「あなたは、あなたの土地、/あなたの親族、あなたの父の家を離れて、/わたしが示す地へ行きなさい。

Gen 12:2

そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、/あなたを祝福し、/あなたの名を大いなるものとする。/あなたは祝福となりなさい。

Gen 12:3

わたしは、あなたを祝福する者を祝福し、/あなたを呪う者をのろう。/地のすべての部族は、/あなたによって祝福される。」

(1)聖書全体の背骨となるアブラハム契約の原型

2.シナイ契約のような条件付き契約ではなく、無条件契約である。

(1)ここに、救済史の出発点における「恵みの主導性」がある。

  ①神が主導権を握っておられる。

(2)「行きなさい」とは、契約を受け入れる行為である。

  ①無条件契約を受け入れるという意思表示である。

(3)この契約は、人間の側の不履行によって破棄されることはない。

  ①イスラエルの民は不信仰に陥ったが、この契約は破棄されなかった。

3.創世記12章1節の中心命令

(1)「あなたは…行きなさい。」

  ①これは単なる移住命令ではない。

(2)アブラムは、見えない約束に人生を委ねる選択をした。

  ①安定した文化圏からの分離

  ②親族の保護からの分離

  ③確立した宗教的世界からの分離

(3)ヘブ11:8

Heb 11:8
信仰によって、アブラハムは相続財産として受け取るべき地に出て行くようにと召しを受けたときに、それに従い、どこに行くのかを知らずに出て行きました。

  ①信仰とは、理解してから従うことではなく、約束に信頼して従うこと。

Ⅱ.祝福の三重構造

1.個人への祝福

(1)「あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとする。」

(2)単なる名声ではない。

(3)神の救済計画の中で意味ある存在とされるという約束ある。

2.民族への祝福

(1)「あなたを大いなる国民とする。」

  ①ここで初めて、イスラエル民族の誕生が預言される。

(2)アブラハムは個人の信仰者であると同時に、民族の父となる人物である。

3.全世界への祝福

(1)「地のすべての部族は、あなたによって祝福される。」

  ①これは単なる普遍的幸福の約束ではない。

  ②キリストにおいて成就する「メシア的約束」(ガラ3:16)である。

(2)アブラハム契約の祝福は、個人から外側に広がっていく構造になっている。

Ⅲ.「土地」の約束 救済史の転換点

1.アブラムへの約束の中心に「地」がある。

(1)「わたしが示す地へ行きなさい。」

  ①この土地は、単なる生活圏ではない。

  ②神の救済計画が展開される「歴史的・神学的な舞台」である。

(2)土地の約束の展開

  ①創15章で「エジプトの川からユーフラテス川まで」。

  ②創17章で「カナンの全土は永遠の所有」。

(3)イスラエルの地は、救済史の中で「代替不能な地」として選ばれている。

結論:今日の信者への適用

1 .約束を根拠に従う信仰

(1 )「理解してから従う」のではなく、「約束に依拠して従う」。

(2)アブラハムは、行き先を知らずに出て行った(ヘブ11:8
)。

(3 )神は、価値観・習慣・過去の自分からの出発を求めておられる。

(4 )私たちにとっての最大の安定は、状況ではなく「神の約束」に根ざすこと。

2 .祝福を他者に流す使命

(1 )アブラハムは「祝福の通り道」として召された。

(2 )選びは特権の独占ではなく、他者を祝福するための召命である。

(3 )クリスチャンは「祝福の受け手」であると同時に「祝福の配達人」。

(4)家族、職場、地域社会において、「祝福の香り」(2コリ2:15
)となる。

3 .世の価値観からの分離

(1 )アブラハムは分離の命令を受けた。

(2 )分離は隠遁ではなく、「価値観の分離」を意味する。

(3)信者は、世にありながら世に属さない(ヨハ17:14〜16
)。

4 .契約に忠実な神への信頼

(1 )アブラハム契約は、現在も神の救済史の枠組みとして機能している。

(2 )教会時代にあっても、神の計画はイスラエルを中心に展開されている。

(3 )イスラエルの再興は、聖書の約束の成就であり、信者の信仰を励ます。

(4 )終末に向かって確実に進行する救済史の流れを意識した生活が重要。

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