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メシアの生涯(163)—パリサイ主義の糾弾(2)—

  • 2015.08.03
  • マタイ23章:13〜36
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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このメッセージでは...

パリサイ主義の本質とは何かを学ぶ。

「パリサイ主義の糾弾(2)」

マコ12:38~40、マタ23:1~39、ルカ20:45~47

1.はじめに

  (1)文脈の確認

    ①イエスの最後の1週間について学んでいる。

②きょうの出来事も、火曜日に起こったものである。

③イエスの公生涯は、間もなく終了しようとしている。

  *パリサイ主義の糾弾

  *やもめの献金

④パリサイ主義に対するイエスのことばは、非常に厳しい。

⑤前回は、リーダーの見分け方について考えた。

⑥今回は、リーダーの自己吟味について考える。

  *「わざわいだ」という言葉が7回出て来る。

  *14節が欠けるギリシア語の底本がある(NIVの底本)。

  *それを含めれば、「わざわいだ」は8回出て来る。

*1と7はともに「メシアの拒否」である。サイクルがつながってくる。

  (2)A.T.ロバートソンの調和表

    §137 イエスは、最後の公の教えで、律法学者とパリサイ人たちを糾弾する。

        マコ12:38~40、マタ23:1~39、ルカ20:45~47

2.アウトライン

  (1)群衆と弟子たちに向かって(1~12節)

  (2)パリサイ人たちに向かって(13~36節)

  (3)イエスの嘆きと再臨の預言(37~39節)

        *今回は、(2)を取り上げる。

  3.結論:

    (1)メシアの拒否

    (2)的はずれの熱心さ

    (3)優先順位の逆転

    (4)八福の教え

パリサイ主義の本質とは何かを学ぶ。

Ⅱ.パリサイ人たちに向かって(13~36節)

  
1.メシアの拒否

    (1)13節


Mat 23:13
わざわいだ。偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちは人々から天の御国をさえぎっているのです。自分も入らず、入ろうとしている人々をも入らせません。

      
①訳文の比較

        *「わざわいだ」(新改訳)

        *「不幸だ」(新共同訳)

        *「わざわいである」(口語訳)

        *「禍害(わざはひ)なるかな」(文語訳)

        *「いまわしい人たちよ」(リビングバイブル)

        *「Woe unto you」(KJV)

        *「How terrible it will be for you,」(ISV)

      ②「わざわいだ」とは呪いの言葉ではない。

        *神から見ると忌むべきものであることを示す言葉である。

        *彼らの運命を悲しむ言葉である。

      ③「偽善の律法学者、パリサイ人」

        *7つのわざわいの中で、「偽善」という言葉が6回出て来る。

        *彼らは、イエスをメシアとして認めようとしない。

        *自分が天の御国に入らないだけなく、入ろうとしている人々も入らせない。

        *民衆は、指導者たちの影響を受けていた(リーダーコンプレックス)。

  
2.的外れの熱心さ

    (1)15節


Mat 23:15
わざわいだ。偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちは改宗者をひとりつくるのに、海と陸とを飛び回り、改宗者ができると、彼を自分より倍も悪いゲヘナの子にするのです。

      
①ひとりの人をラビ的ユダヤ教に改宗させるために、長距離を旅した。

        *海路も陸路も旅した。

      ②その結果は何をもたらしたか。

        *ラビ的ユダヤ教への改宗者は、真理に目が閉ざされている。

        *彼らは、パリサイ人たち以上にパリサイ的になる。

        *「ゲヘナの子」とは、永遠の罰を受ける人のことである。

  3.優先順位の逆転

    (1)16~17節


Mat 23:16
わざわいだ。目の見えぬ手引きども。おまえたちは言う。『だれでも、神殿をさして誓ったのなら、何でもない。しかし、神殿の黄金をさして誓ったら、その誓いを果たさなければならない。』

Mat 23:17 愚かで、目の見えぬ者たち。黄金と、黄金を聖いものにする神殿と、どちらがたいせつなのか。

      
①「わざわい」の1と2は、パリサイ人たちの悪影響がテーマであった。

      ②「わざわい」の3~7は、パリサイ人たちの内面がテーマである。

      
③彼らは、誓いの義務から解放されるための抜け道を作った。

        *神殿をさして誓ったなら、その誓いは果たさなくてもよい。

        *神殿の黄金をさして誓ったなら、その誓いを果たす必要がある。

        *彼らは、神殿よりも黄金を重視した。

    
(2)18~19節


Mat 23:18
また、言う。『だれでも、祭壇をさして誓ったのなら、何でもない。しかし、祭壇の上の供え物をさして誓ったら、その誓いを果たさなければならない。』

Mat 23:19 目の見えぬ者たち。供え物と、その供え物を聖いものにする祭壇と、どちらがたいせつなのか。

      
①抜け道の別の例

        *祭壇をさして誓ったなら、その誓いは果たさなくてもよい。

        *祭壇の上の供え物をさして誓ったなら、その誓いを果たす必要がある。

        *彼らは、祭壇よりも供え物を重視した。

    
(3)20~22節

Mat 23:20 だから、祭壇をさして誓う者は、祭壇をも、その上のすべての物をもさして誓っているのです。

Mat 23:21 また、神殿をさして誓う者は、神殿をも、その中に住まわれる方をもさして誓っているのです。

Mat 23:22 天をさして誓う者は、神の御座とそこに座しておられる方をさして誓うのです。

      
①祭壇や神殿に価値があるのは、そこに神が臨在しておられるからである。

      ②祭壇や神殿をさして誓うことは、神をさして誓うことである。

  
4.実質のない儀式主義

    (1)23~24節


Mat 23:23
わざわいだ。偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちは、はっか、いのんど、クミンなどの十分の一を納めているが、律法の中ではるかに重要なもの、正義とあわれみと誠実を、おろそかにしているのです。これこそしなければならないことです。ただし、十分の一もおろそかにしてはいけません。

Mat 23:24 目の見えぬ手引きども。ぶよは、こして除くが、らくだは飲み込んでいます。

      
①イエスは、什一のささげ物を否定しているのではない。

      ②彼らの問題は、細部にこだわりすぎて、より重要な命令を無視していること。

  *菜園で取れるはっか、いのんど(ディル)、クミンなどの十分の一

  *正義とあわれみと誠実をおろそかにしている。

③彼らは、目の見えぬ手引きどもである。

  *ぶよは、こして除くが、らくだは飲み込んでいる。

  *「センスオブプロポーション」を失くしている。

  5.外面へのこだわり(1)

    (1)25~26節


Mat 23:25 わざわいだ。偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちは杯や皿の外側はきよめるが、その中は強奪と放縦でいっぱいです。

Mat 23:26 目の見えぬパリサイ人たち。まず、杯の内側をきよめなさい。そうすれば、外側もきよくなります。

      
①杯や皿の外側は、熱心にきよめる。

        *パリサイ人や祭司たちは、石でできた食器を用いた。

        *この行為は、自らの敬虔な姿を誇示するためのものである。

      ②まず、杯の内側(心の中)をきよめる必要がある。

        *内面のきよめは、外面の行為に出て来る。

  6.外面へのこだわり(2)

    
(1)27~28節


Mat 23:27
わざわいだ。偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちは白く塗った墓のようなものです。墓はその外側は美しく見えても、内側は、死人の骨や、あらゆる汚れたものがいっぱいです。

Mat 23:28 そのように、おまえたちも外側は人に正しく見えても、内側は偽善と不法でいっぱいです。

      
①白く塗った墓

        *年に一度、墓は白く塗られた。誤って触れないために。

        *外面はきれいであるが、内側には死人の骨や汚れたものが詰まっている。

      ②パリサイ人たちは、内側の偽善と不法を覆い隠している。

        *人の目には正しく見える。

        *神は、内側にあるものをご存じである。

  
7.メシアの拒否

    (1)29~32節

Mat 23:29 わざわいだ。偽善の律法学者、パリサイ人。おまえたちは預言者の墓を建て、義人の記念碑を飾って、


Mat 23:30 『私たちが、父祖たちの時代に生きていたら、預言者たちの血を流すような仲間にはならなかっただろう』と言います。

Mat 23:31 こうして、預言者を殺した者たちの子孫だと、自分で証言しています。

Mat 23:32 おまえたちも父祖たちの罪の目盛りの不足分を満たしなさい。

      
①パリサイ人たちは、預言者の墓を立てたり、義人の記念碑を飾ったりしている。

      ②当時自分たちが生きていたなら、預言者たちを殺しはしなかったという。

      ③そういう彼らが、すでにイエスを殺すことを決めていた。

      ④イエスは、そのことを知っておられた。

    
(2)33~36節

Mat 23:33 おまえたち蛇ども、まむしのすえども。おまえたちは、ゲヘナの刑罰をどうしてのがれることができよう。


Mat 23:34
だから、わたしが預言者、知者、律法学者たちを遣わすと、おまえたちはそのうちのある者を殺し、十字架につけ、またある者を会堂でむち打ち、町から町へと迫害して行くのです。


Mat 23:35
それは、義人アベルの血からこのかた、神殿と祭壇との間で殺されたバラキヤの子ザカリヤの血に至るまで、地上で流されるすべての正しい血の報復がおまえたちの上に来るためです。

Mat 23:36 まことに、おまえたちに告げます。これらの報いはみな、この時代の上に来ます。

      
①彼らは、ゲヘナの刑罰を免れない。

      ②義人アベルは、最初の殉教者である(創4:8)。

      ③ゼカリヤは、最後の殉教者である(2歴24:20~22)。

      ④旧約聖書はイエス時代の約450年前に完成していた。

        *ユダヤ人たちは、そこに記された預言者たちのメシア預言を無視した。

        *アベルからゼカリヤまでとは、旧約聖書全体のことである。

      ⑤これらの報いは、「この時代」の上に来る。

        *イエスのメシア性を拒否した世代である。

        *紀元70年の神殿崩壊が、その成就である。

結論:

  1.メシアの拒否

    (1)自分では天の御国に入ろうとしない。

    (2)また、天の御国に入ろうとする人たちを妨害する。

    (3)聖書知識が豊かで人格的にも優れた指導者が、福音を語らないことがある。

      ①福音の三要素

      ②生まれながらの人間は、神の恵みに反抗したくなる。

      ③そして、他の人たちが神の恵みに応答することを妨害する。

  2.的はずれの熱心さ

    (1)ひとりの人を改宗させるために、長距離の移動を厭わない。

    (2)改宗者を、自分よりもひどいパリサイ主義者にする。

    (3)現代的例

      ①何軒の戸別訪問を達成せよという教え

      ②「イエスの御名によって」と何度も唱えよという教え

    

  3.優先順位の逆転

    (1)神よりも金やいけにえを重視する。

    (2)彼らは、霊的実質よりも物質に興味がある。

    (3)彼らは、「目の見えぬ手引きども」である(16節)。

    (4)現代的例

      ①収入のほとんどすべてを巻き上げる。

      ②聖餐式でぶどう酒を配らない。

  4.八福の教え

Mat 5:3 「心の貧しい者は幸いです。天の御国はその人たちのものだから。

Mat 5:4 悲しむ者は幸いです。その人たちは慰められるから。

Mat 5:5 柔和な者は幸いです。その人たちは地を受け継ぐから。

Mat 5:6 義に飢え渇く者は幸いです。その人たちは満ち足りるから。

Mat 5:7 あわれみ深い者は幸いです。その人たちはあわれみを受けるから。

Mat 5:8 心のきよい者は幸いです。その人たちは神を見るから。

Mat 5:9 平和をつくる者は幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるから。

Mat 5:10 義のために迫害されている者は幸いです。天の御国はその人たちのものだから。

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