コリント人への手紙第二(5)奉仕の本質の解説―大胆な奉仕―3:12~4:6

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大胆な奉仕の理由と内容について学ぶ。

コリント人への手紙第二 5回

奉仕の本質の解説―大胆な奉仕―

3 :12~4:6

はじめに

1.文脈の確認

(1)イントロダクション(1:1~11)

(2)パウロを疑う者たちへの回答(1:12~7:16)

  ①計画変更についての弁明(1:12~2:17)

  ②奉仕の本質の解説(3:1~6:10)

    *新しい契約に仕える祝福(3:1~11)

    *大胆な奉仕(3:12~4:6)

    *宝を入れた土の器(4:7~5:10)

    *和解の奉仕(5:11~6:10)

  ③信頼回復の訴え(6:11~7:16)

2.注目すべき点

(1)パウロは、奉仕の本質について語る。

(2)恵みの時代における奉仕は、律法の時代における奉仕よりも優れている。

(3)それゆえ、大胆な奉仕を行っている。

(4)パウロは、コリントの信者たちが自分を見倣ってくれることを期待している。

3.アウトライン:大胆な奉仕(3:12~4:6)

(1)大胆な奉仕の理由(3:12~18)

(2)大胆な奉仕の内容(4:1~6)

4.結論: 日本宣教について

(1)宣教の敵

(2)宣教の内容

(3)宣教の力

大胆な奉仕の理由と内容について学ぶ。

Ⅰ.大胆な奉仕の理由(3:12~18)

1.12節

2Co 3:12

このような望みを抱いているので、私たちはきわめて大胆にふるまいます。

(1)「このような望み」があるので、大胆にふるまうことができる。

  ①パウロには、福音の栄光は消え去ることがないという確信があった(3:11)。

  ②福音に対する絶対的な信頼が、パウロを大胆にしている。

  ③パウロには、隠すものは何もない。

  ④新約聖書における「奥義」とは、隠されていた真理の啓示である。

    *強調点は、啓示されたという点にある。

(2)福音の内容は明白である。

  ①救いは、恵みと信仰によって与えられる。

  ②信仰の内容は、「福音の三要素」である。

  ③天国と地獄が存在することは、明白である。

2.13節

2Co 3:13

モーセのようなことはしません。彼は、消え去るものの最後をイスラエルの子らに見せないように、自分の顔に覆いを掛けました。

(1)出34:29~35を根拠とした説明

  ①【主】と対話したモーセの顔は、栄光の輝きを放っていた。

  ②イスラエルの民は、モーセの前に出ることを恐れた。

  ③モーセは、話し終えると、自分の顔に覆いを掛けた。

  ④栄光が消えて行くところを民に見せたくなかったからである。

    *民の不信仰を促進する危険性がある。

(2)パウロは、モーセがしたようなことはしない。

  ①福音の栄光を隠す必要はない。

  ②福音の栄光は、消え去ることがない。

(3)顔の覆いの2つの意味

  ①覆いは、消え去る栄光を隠す役割を果たした。

  ②覆いは、イスラエルの民の顔に掛けられている。

3.14~15節

2Co 3:14

しかし、イスラエルの子らの理解は鈍くなりました。今日に至るまで、古い契約が朗読されるときには、同じ覆いが掛けられたままで、取りのけられていません。それはキリストによって取り除かれるものだからです。

2Co 3:15

確かに今日まで、モーセの書が朗読されるときはいつでも、彼らの心には覆いが掛かっています。

(1)モーセが顔に覆いを掛けたように、イスラエル人は心に覆いを掛けている。

  ①イスラエル人が心に掛けている覆いは、「霊的な覆い」である。

  ②旧約聖書はキリストを指し示しているが、彼らはその事実を理解できない。

  ③同じ覆いが、今も会堂でモーセの律法の朗読を聞く人々の心に掛かっている。

  ④この状況は、21世紀になった今も変わっていない。

  ⑤この覆いは、キリストによって取り除かれるものである。

4.16節

2Co 3:16 しかし、人が主に立ち返るなら、いつでもその覆いは除かれます。

(1)モーセは、【主】に向く時に覆いを外した。

  ①イスラエル人も、キリストに向けば、霊的覆いが取り除かれる。

  ②霊的覆いとは、律法によって救われようとする頑迷さのことである。

  ③主に立ち返るとは、イエスをメシアと信じることである。

  ④信じるなら、旧約聖書がメシアを指し示していることが分かるようになる。

5.17節

2Co 3:17 主は御霊です。そして、主の御霊がおられるところには自由があります。

(1)主イエスと聖霊は、同じように働かれる。

  ①「主の御霊」とは、キリストの代理として働かれる聖霊である。

(2)「主の御霊がおられるところには自由があります」

  ①律法の束縛からの自由

  ②旧約聖書の不鮮明な解釈からの自由

  ③覆いなしに主の御顔を見ることができる自由

6.18節

2Co 3:18

私たちはみな、覆いを取り除かれた顔に、鏡のように主の栄光を映しつつ、栄光から栄光へと、主と同じかたちに姿を変えられていきます。これはまさに、御霊なる主の働きによるのです。

(1)キリストを仰ぐ者は、顔の覆いなしに主と対面する。

  ①その人は、鏡のように主の栄光を映しつつ、主と同じ姿に変えられていく。

  ②この変化は、聖霊によるものである。

  ③この変化は、時間をかけて徐々に起こる。

Ⅱ.大胆な奉仕の内容(4:1~6)

1.1節

2Co 4:1

こういうわけで、私たちは、あわれみを受けてこの務めについているので、落胆することがありません。

(1)新しい契約に仕えることの特権

  ①奉仕者は、あわれみを受けてその務めについている。

  ②それゆえ、落胆することなく、大胆に福音を語るのである。

2.2節

2Co 4:2

かえって、恥となるような隠し事を捨て、ずる賢い歩みをせず、神のことばを曲げず、真理を明らかにすることで、神の御前で自分自身をすべての人の良心に推薦しています。

(1)パウロは、偽教師たちとは正反対の奉仕を実践している。

  ①恥となるような隠し事を捨てる。

  ②ずる賢い歩みをしない。

  ③神のことばを曲げない。

  ④真理を明らかにする。

  ⑤神の御前で自分自身をすべての人の良心に推薦する。

3.3~4節

2Co 4:3

それでもなお私たちの福音に覆いが掛かっているとしたら、それは、滅び行く人々に対して覆いが掛かっているということです。

2Co 4:4

彼らの場合は、この世の神が、信じない者たちの思いを暗くし、神のかたちであるキリストの栄光に関わる福音の光を、輝かせないようにしているのです。

(1)パウロは、誠実に、明快に、大胆に、福音を語っている。

  ①それでも、福音に応答しない人たちがいる。

  ②それは、神の責任でも、パウロの責任でもない。

  ③彼らは滅び行く人々である。

  ④彼らの顔には覆いが掛かっている。

(2)その責任は、「この世の神」にある。

  ①「この世の神」とは、悪魔である。

  ②悪魔は、信じない者たちの思いを暗くしている。

  ③福音の光を輝かせないようにしている。

    *神のかたちであるキリストの栄光に関わる福音

    *父なる神の右に座しておられるキリストに関わる福音

4.5節

2Co 4:5

私たちは自分自身を宣べ伝えているのではなく、主なるイエス・キリストを宣べ伝えています。私たち自身は、イエスのためにあなたがたに仕えるしもべなのです。

(1)パウロの宣教

  ①偽教師(ユダヤ主義者)のように、自分自身を宣べ伝えるのではない。

  ②主なるイエス・キリストだけを宣べ伝える。

  ③主イエスのしもべとして、コリントの信者たちに仕えている。

5.6節

2Co 4:6

「闇の中から光が輝き出よ」と言われた神が、キリストの御顔にある神の栄光を知る知識を輝かせるために、私たちの心を照らしてくださったのです。

(1)最初の創造と新しい創造の対比

  ①神は、「闇の中から光が輝き出よ」と言われた。

  ②新しい創造においては、神ご自身が私たちの心の中で輝いてくださる。

  ③最初の創造では、御霊が地の表を覆っていた。

  ④新しい創造では、御霊が罪人を覆い、キリストに導かれる。

(2)新しく造られた者の使命

  ①キリストの御顔には、神の栄光を知る知識がある。

  ②そのキリストを伝えることが、信者の使命である。

  ③ダマスコ途上で回心したパウロは、その使命を実行してきた。

結論:日本宣教について

1.宣教の敵

(1)2コリ4:4

2Co 4:4

彼らの場合は、この世の神が、信じない者たちの思いを暗くし、神のかたちであるキリストの栄光に関わる福音の光を、輝かせないようにしているのです。

(2)「この世の神」とは、悪魔である。

(3)「この世を支配する者」(ヨハ12:31、14:30、16:11)

  ①「この世の神」の描写は、「この世を支配する者」である。

  ②悪魔はイエスにこの世の栄華を差し出すことができた。

    *マタ4:8~10、ルカ4:5~8

  ③悪魔は、アダムに与えられていた特権を奪った。

  ④イエスは、悪魔がこの世の支配者であることを否定しなかった。

(4)イエスは、悪魔に対する勝利を宣言された(ヨハ12:31)。

Joh 12:31

今、この世に対するさばきが行われ、今、この世を支配する者が追い出されます。

  ①ゴルゴタの丘で、悪魔は裁かれた。

  ②刑の執行はまだ行われていない。

  ③それゆえ、「この世の神」は今も暗躍している。

2.宣教の内容

(1)2コリ4:2

2Co 4:2

かえって、恥となるような隠し事を捨て、ずる賢い歩みをせず、神のことばを曲げず、真理を明らかにすることで、神の御前で自分自身をすべての人の良心に推薦しています。

(2)福音をそのまま伝える。

  ①パウロは、偽教師たちとは正反対の奉仕を実践している。

  ②神のことばを曲げない。

    *悪徳商人は、商品(ぶどう酒、金など)に混ぜ物をして売った。

    *偽教師たちは、神のことばに混ぜ物をした。

(3)混ぜ物をしない(不純物が混入している)。

  ①聴衆を盛り上げるために、みことばに私的解釈を付け加えない。

  ②文脈を無視して都合のよい聖句だけを取り出さない。

3.宣教の力

(1)2コリ4:6

2Co 4:6

「闇の中から光が輝き出よ」と言われた神が、キリストの御顔にある神の栄光を知る知識を輝かせるために、私たちの心を照らしてくださったのです。

(2)最初の創造では、神は、「闇の中から光が輝き出よ」と言われた。

(3)新しい創造においては、神ご自身が私たちの心の中で輝いてくださる。

(4)これが、信者に与えられた聖霊の内住である。

(5)聖霊の力によって栄光のキリストを伝えることが、信者の使命である。

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