コリント人への手紙第一(27)復活(1)―キリストの復活―15:1~11

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キリストの復活について学ぶ。

コリント人への手紙第一 27回

復活(1)

―キリストの復活―

15:1~11

はじめに

1.文脈の確認

(1)結婚に関する教え(7:1~40)

(2)偶像に献げられた肉(8:1~11:1)

(3)女のかぶり物(11:2~16)

(4)聖餐式(11:17~34)

(5)御霊の賜物(12~14)

(6)復活(15)

  ①キリストの復活(1~11節)

  ②死者の復活(12~34節)

  ③からだの復活(35~49節)

  ④奥義(50~58節)

2.注目すべき点

(1)復活に関する質問は、コリント教会からの手紙にはなかった。

(2)しかしパウロは、このテーマを取り上げる必要性を感じていた。

(3)パウロが18か月に及ぶ奉仕を終えて教会を去ると、偽教師が侵入して来た。

  ①ある者たちは、死後のいのちは信じたが、肉体の復活は否定した。

  ②また、パウロの使徒としての権威を疑問視する者も出て来た。

(4)パウロは、復活がキリスト教信仰の土台であることを教える。

3.アウトライン-キリストの復活―

(1)復活の事実(1~4節)

(2)復活の目撃者(5~7節)

(3)パウロの体験(8~10節)

(4)まとめ(11節)

4.結論:福音の信頼性

キリストの復活について学ぶ。

Ⅰ.復活の事実(1~4節)

1.1~2節

1Co 15:1

兄弟たち。私があなたがたに宣べ伝えた福音を、改めて知らせます。あなたがたはその福音を受け入れ、その福音によって立っているのです。

1Co 15:2

私がどのようなことばで福音を伝えたか、あなたがたがしっかり覚えているなら、この福音によって救われます。そうでなければ、あなたがたが信じたことは無駄になってしまいます。

(1)パウロは、福音の内容を確認する。

  ①これは新しい教えではなく、すでに知っていることの確認である。

  ②これは、パウロが伝えた福音である。

  ③コリントの信者たちはこれを受け入れ、その結果、救われた。

(2)パウロが伝えた福音には、復活という要素が含まれている。

  ①もし復活が事実でないなら、福音は福音でなくなる。

  ②欠陥のある福音を信じても、それは無駄になってしまう。

  ③それゆえ、偽りに惑わされないで、パウロから聞いた福音に立つべきである。

2.3~4節

1Co 15:3

私があなたがたに最も大切なこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次のことです。キリストは、聖書に書いてあるとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、

1Co 15:4

また、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおりに、三日目によみがえられたこと、

(1)パウロは神から福音に関する啓示を受けた。

  ①それを最も大切なこととしてコリントの信者たちに伝えた。

  ②それは聖書(旧約聖書)に書いてあるとおりの内容である。

(2)啓示の内容は3項目ある。

  ①キリストは、私たちの罪のために死なれた。

    *キリストの死は、自分の罪を贖うためではなかった。

    *キリストの死は、殉教の死でもなかった。

    *キリストの死は、私たちの罪の代価を支払うためであった。

    *イザ53:5~6

  ②また、葬られた。

    *キリストが肉的死を経験したことを示している。

    *キリストの遺体は、丁寧に埋葬された。

    *イザ53:9

  ③三日目によみがえられた。

    *多数の目撃者たちがいる。

    *詩16:9~10

(3)この3項目を私たちは「福音の三要素」と呼んでいる。

  ①これを受け入れ、キリストに信頼を置いた人は救われる。

Ⅱ.復活の目撃者(5~7節)

1.5~7節

1Co 15:5 また、ケファに現れ、それから十二弟子に現れたことです。

1Co 15:6

その後、キリストは五百人以上の兄弟たちに同時に現れました。その中にはすでに眠った人も何人かいますが、大多数は今なお生き残っています。

1Co 15:7

その後、キリストはヤコブに現れ、それからすべての使徒たちに現れました。

(1)5~7節では、復活の目撃者がリストアップされる。

  ①ケファ(ペテロ)

    *キリストは、3度もご自身を否んだペテロに最初に現れた。

    *これは、キリストの恵み深さの現れである。

    *これは、ペテロの優位性の現れである。

  ②12弟子

    *イスカリオテのユダは死んでいた。

    *12弟子ということばは、使徒集団を指すことばである。

  ③500人以上の兄弟たち

    *これは、ガリラヤで起こった出来事である。

    *500人の目撃者の大多数は、今なお生き残っている。

    *キリストの復活を疑うなら、彼らに質問すればよい。

  ④ヤコブ

    *これは、主イエスの弟ヤコブである。

    *彼は未信者の状態で復活のイエスに出会い、信者になった。

    *後に、エルサレム教会の監督となった(使15:13)。

  ⑤すべての使徒たち

    *12使徒は第1グループの使徒たちである。

    *それ以外に、第2グループの使徒たちがいた。

    *使徒の資格は、復活のイエスに出会っていることである。

Ⅲ.パウロの体験(8~10節)

1.8~9節

1Co 15:8

そして最後に、月足らずで生まれた者のような私にも現れてくださいました。

1Co 15:9

私は使徒の中では最も小さい者であり、神の教会を迫害したのですから、使徒と呼ばれるに値しない者です。

(1)リストの6番目はパウロである。

  ①パウロは、最後に使徒となった。

  ②パウロは、復活のキリストに出会った(使9:3~6)。

(2)パウロの自己認識

  ①「月足らずで生まれた者のような私」

    *公生涯の期間、イエスと生活をともにすることはなかった。

  ②「使徒の中では最も小さい者」

  ③「使徒と呼ばれるに値しない者」

    *神の教会を迫害した。

3.10節

1Co 15:10

ところが、神の恵みによって、私は今の私になりました。そして、私に対するこの神の恵みは無駄にはならず、私はほかのすべての使徒たちよりも多く働きました。働いたのは私ではなく、私とともにあった神の恵みなのですが。

(1)パウロが今あるのは、神の恵みによる。

  ①多く赦された者は、多く愛する。

  ②多くの恵みを受けた者は、多くの奉仕をする。

(2)パウロが受けた神の恵みは、無駄にはならなかった。

  ①パウロは、ほかのすべての使徒たちよりも多く働いた。

  ②それは事実であるが、自慢にならないように、補足説明をする。

  ③パウロとともにあった神の恵みが働いたのである。

Ⅳ.まとめ(11節)

1.11節

1Co 15:11

とにかく、私にせよ、ほかの人たちにせよ、私たちはこのように宣べ伝えているのであり、あなたがたはこのように信じたのです。

(1)使徒たちは、福音理解においては一致している。

  ①特に、キリストの復活は歴史的事実であるという点で一致している。

(2)どの使徒から福音を聞いたかは、問題ではない。

  ①コリントの信者たちは、唯一の福音を聞いたのである。

  ②そして、福音を信じたことにより、救われたのである。

結論:福音の信頼性

1.旧約聖書の裏付けがある。

(1)キリストは、私たちの罪のために死なれた。

  ①イザ53:5~6

Isa 53:5

しかし、彼は私たちの背きのために刺され、/私たちの咎のために砕かれたのだ。/彼への懲らしめが私たちに平安をもたらし、/その打ち傷のゆえに、私たちは癒やされた。

Isa 53:6

私たちはみな、羊のようにさまよい、/それぞれ自分勝手な道に向かって行った。/しかし、【主】は私たちすべての者の咎を/彼に負わせた。

(2)また、葬られた。

  ①イザ53:9

Isa 53:9

彼の墓は、悪者どもとともに、/富む者とともに、その死の時に設けられた。/彼は不法を働かず、/その口に欺きはなかったが。

(3)三日目によみがえられた。

  ①詩16:9~10

Psa 16:9

それゆえ 私の心は喜び/私の胸は喜びにあふれます。/私の身も安らかに住まいます。

Psa 16:10

あなたは 私のたましいをよみに捨て置かず/あなたにある敬虔な者に/滅びをお見せにならないからです。

2.目撃者が多数存在している。

(1)6つのグループがリストアップされていた。

(2)12使徒たちは、福音のために命を捨てた。

3.理屈に合っている。

(1)複数の独立した証人がいる。

(2)彼らの証言は、その出来事からさほどの時間を経ずに記録された。

(3)複数の反対者たちがいる。

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