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メシアの生涯(107)—姦淫の場で捕えられた女—

  • 2014.05.04
  • ヨハネ7章:53〜8章:11
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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イエスのことばに関する誤解を正す。

「姦淫の場で捕えられた女」

§097 ヨハ7:53~8:11

1.はじめに

  (1)文脈の確認

①十字架にかかる前の年の仮庵の祭り(半年前)

②イエスは、祭りの終わりの大いなる日に、立って大声で人々を招かれた。

③そして、祭りが終わった。

  (2)A.T.ロバートソンの調和表

「姦淫の女がイエスの前に連れてこられた話」(§97)

ヨハ7:53~8:11

  2.この箇所は聖書の一部なのか。

(1)初期の写本群には、この箇所は含まれていない。

    (2)ほとんどの学者が、この箇所はヨハネの福音書の原典の一部ではないと考える。

  ①プロテスタントの福音派は、これを聖典の一部とは認めない。

  ②カトリックは、ブルガタ訳に入っているので、聖典の一部と認める。

    (3)後になって、ギリシア語のヨハネの福音書に付加された(4種類の箇所がある)。

  ①ヨハ7:36の後

  ②ヨハ7:44の後

  ③ヨハ7:52の後

  ④ルカ21:38の後

(4)ヨハ20:30

「この書には書かれていないが、まだほかの多くのしるしをも、イエスは弟子たちの

前で行われた」

  ①聖書に書かれていないが、歴史的事実であることが多くある。

  ②ほとんどの学者が、これを歴史的事実と認める。

  ③信頼できる初期の伝承が、写本製作をする書記によって付加されたのであろう。

3.アウトライン

  (1)状況説明(7:53~8:2)

  (2)指導者たちが仕掛けた罠(3~6節a)

  (3)イエスの応答(6b~8節)

(4)結末(9~12節)

  4.結論:3つの誤解

    (1)罪に関する誤解

    (2)イエスのことばに関する誤解

    (3)イエスに関する誤解

イエスのことばに関する誤解を正す。

Ⅰ.状況説明(7:53~8:2)

  
1.7:53~8:1

  「そして人々はそれぞれ家に帰った。イエスはオリーブ山に行かれた」

    
(1)祭りが終わったので、人々はそれぞれの家に帰った。

  ①イエスを顔と顔を合わせて見て、信じる人たちが起こった。

  ②しかし、大半の人たちがイエスを拒否した。

  ③指導者たちの危機感はさらに深くなった。早くイエスを逮捕せねばならない。

    (2)訳語の問題

  ①1節の冒頭にあるギリシア語の「de」が訳されていない。

  ②「but」を入れるべきである。

  ③「そして人々はそれぞれ家に帰った。しかし、イエスはオリーブ山に行かれた」

       ④イエスには、枕するところもないのである。

  ⑤ベタニヤに宿泊することもあったが、オリーブ山が主な宿泊地であった。

  2.2節


「そして、朝早く、イエスはもう一度宮に入られた。民衆はみな、みもとに寄って来た。イエスはすわって、彼らに教え始められた」

  
(1)文脈上、この日は祭りの8日目である。

  ①仮庵の祭りは、7日間続いた。

  ②8日目は、聖なる会合の日、安息の日である。

  ③イエスは、オリーブ山から神殿に向かわれた。徒歩で約30分弱。

  (2)ルカ21:37~38

「さてイエスは、昼は宮で教え、夜はいつも外に出てオリーブという山で過ごされた。民衆はみな朝早く起きて、教えを聞こうとして、宮におられるイエスのもとに集まって来た」

  ①民衆は、いつものパターンで行動している。

  ②指導者たちは、イエスが神殿のどこに姿を現すかを予想できた。

Ⅱ.指導者たちが仕掛けた罠(3~6節a)

  1.3~5節


「すると、律法学者とパリサイ人が、姦淫の場で捕らえられたひとりの女を連れて来て、真ん中に置いてから、イエスに言った。『先生。この女は姦淫の現場でつかまえられたのです。モーセは律法の中で、こういう女を石打ちにするように命じています。ところで、あなたは何と言われますか』」

  
(1)律法学者は、律法の研究をし、写本を作る法律の専門家である。

  ①パリサイ人は、律法学者よりも広い概念である。

(2)申19:15

「どんな咎でも、どんな罪でも、すべて人が犯した罪は、ひとりの証人によっては立証されない。ふたりの証人の証言、または三人の証人の証言によって、そのことは立証されなければならない」

  ①姦淫の場で捕えられたひとりの女が真ん中に置かれた(恐らく既婚の女性)。

  ②証人が複数いる。

  ③有罪のケースである。

  (3)レビ20:10

  「人がもし、他人の妻と姦通するなら、すなわちその隣人の妻と姦通するなら、姦通した男も女も必ず殺されなければならない」

  (4)申22:22

  「夫のある女と寝ている男が見つかった場合は、その女と寝ていた男もその女も、ふたりとも死ななければならない。あなたはイスラエルのうちから悪を除き去りなさい」

  
(5)モーセの律法によれば、男女ともに裁かれなければならない。

  ①男は逃げている。

    ②これは仕組まれた罠である。

  ③指導者たちが訴えている方法自体が、すでに律法違反である。

  (6)モーセの律法によれば、この罪は石打ちに当たる。

  ①「あなた」に強調がある。

  ②イエスが、モーセの律法をどう解釈し、どう適用するかを問うたのである。

2.6節a

「彼らはイエスをためしてこう言ったのである。それは、イエスを告発する理由を得るためであった」

  (1)彼らは、真剣にイエスを告発する理由を得ようとした。

  ①告発する理由が見当たらないので、自分たちでそれを作り出した。

  ②これまでは、口伝律法を巡る議論が行われてきた。

  ③ここでは、モーセの律法がテーマになっている。

  (2)イエスが石打ちの刑を命じた場合

  ①その可能性は、大いにある。

  ②イエスは恵みに欠けると判断され、大衆の支持を失う。

  ③イエスをローマの裁判に引き渡すことができる。

    ④ヨハ18:31

    「そこでピラトは彼らに言った。『あなたがたがこの人を引き取り、自分たちの律法に従ってさばきなさい。』ユダヤ人たちは彼に言った。「私たちには、だれを死刑にすることも許されてはいません」

  (3)イエスが赦しを宣言した場合

  ①イエスはモーセの律法に反することばを語った。

  ②それゆえ、イエスはメシアではないと言える。

Ⅲ.イエスの応答(6b~8節)

  
1.6b節

「しかし、イエスは身をかがめて、指で地面に書いておられた」

  
(1)イエスは地面になにを書かれたのか。

  ①この動詞では、文字でも、絵でも、何かのしるしでも、すべて可能性あり。

  ②ある人たちは、イエスが告発する人たちの罪を書いていたと推測する。

  ③イエスが書いたものは残っていないが、文字を書けたことは確かである。

  (2)強調点は、「指で」にある。

  ①モーセの律法は、613の規定から成っている。

  ②その内、603は人間が手で書いたものである。

  ③十戒だけが、神の手によって書かれた。

  ④姦淫の禁止は、その中に出て来る。

  (3)出31:18

  「こうして主は、シナイ山でモーセと語り終えられたとき、あかしの板二枚、すなわち、神の指で書かれた石の板をモーセに授けられた」

  (4)出32:15~16

  「モーセは向き直り、二枚のあかしの板を手にして山から降りた。板は両面から書いてあった。すなわち、表と裏に書いてあった。板はそれ自体神の作であった。その字は神の字であって、その板に刻まれていた」

  (5)イエスは、モーセの律法の作者である。

  ①告発する者たちは、罪を正すための正当な手続きを踏んでいない。

  ②イエスは、彼らの動機が間違っていることを知っておられた。

  2.7~8節


「けれども、彼らが問い続けてやめなかったので、イエスは身を起こして言われた。『あなたがたのうちで罪のない者が、最初に彼女に石を投げなさい。』そしてイエスは、もう一度身をかがめて、地面に書かれた」

  
(1)イエスのことばの背景には、モーセの律法のラビ的解釈がある。

  (2)申17:6~7

「ふたりの証人または三人の証人の証言によって、死刑に処さなければならない。ひとりの証言で死刑にしてはならない。死刑に処するには、まず証人たちが手を下し、ついで、民がみな、手を下さなければならない。こうしてあなたがたのうちから悪を除き去りなさい」

  ①最初に石を投げる証人は、同じ罪を犯していない人でなければならない。

  ②イエスは、証人たちが同じ罪を心に宿していることを知っていた。

  (3)ここでイエスは、罪の裁きを否定しているわけではない。

    ①イエスは、モーセの律法に違反していない。

  ②イエスは、モーセの律法の正しい運用を指示された。

  ③イエスは、罪を大目に見ているのではなく、指導者たちの罪を糾弾している。

Ⅳ.結末(9~12節)

  1.9節

「彼らはそれを聞くと、年長者たちから始めて、ひとりひとり出て行き、イエスがひとり残された。女はそのままそこにいた」

  
(1)証人たちは、全員が去って行った。

  ①年長者は先に良心の呵責を覚えたのであろう。

  ②彼らは、同じ罪を心に宿したのである。

  ③告訴する者と証人がいなくなったので、告訴は取り下げられる。

  (2)イエスと女だけがその場に残された。

  ①人の罪を裁くことができるのは、イエスだけである。

2.10~11節


「イエスは身を起こして、その女に言われた。『婦人よ。あの人たちは今どこにいますか。あなたを罪に定める者はなかったのですか。』彼女は言った。『だれもいません。』そこで、イエスは言われた。『わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。今からは決して罪を犯してはなりません』」

    
(1)イエスは、罪を赦す権威をお持ちである。

  ①罪を大目に見たのではない。

  ②イエスは、神の小羊として罪の贖いの代価を支払おうとしておられる。

    (2)パリサイ人たちは、謙遜にさせられた。

  ①これ以降、イエスに罠を仕掛けることはなくなった。

結論:3つの誤解

  1.罪に関する誤解

    (1)律法学者とパリサイ人は、なぜこの女を告訴できたのか。

      ①罪人は、自分よりも重大な罪を犯している人を見ると、糾弾したくなる。

      ②相対的に自分が善人であるかのように思えてくる。

  ③罪の現実は変わらないのに、喜びを覚えるようになる。

    (2)すべての人は、神の前に罪人である。

      ①イエスは、罪を容認していない。

  ②そのために、十字架にかかるのである。

  ③罪の解決法は、他者との比較によって与えられるものではない。

  ④イエスの十字架上での死を受け取る信仰が必要である。

  2.イエスのことばに関する誤解

  「あなたがたのうちで罪のない者が、最初に彼女に石を投げなさい」(7節)

    (1)このことばは、私たちは他者を裁くべきではないという意味に誤解される。

      ①しかし、このことばは、他者を裁く者は罪のない者でなければならないという

一般論を論じているのではない。

    (2)マタ18章にあった手順

  ①傷つけられた人が、罪を犯した人と対面する。

  ②ひとりかふたりの証人を連れて行って悔い改めを迫る。

  ③それでもだめなら、地域教会に事実を告げる。

  ④それさえも拒否したなら、教会の交わりから追放する。

  3.イエスに関する誤解

  ヨハ1:14


  「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた」

    (1)まことを強調することも、恵みを強調することも、アンバランスにつながる。

    (2)まこと(真理)

  ①罪に対して厳しく対応する。

  ②今後、決して罪を犯してはならないと言われた。

    (3)恵み

  ①罪の女を赦された。

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