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メシアの生涯(106)—仮庵の祭りで姿を現すイエス(3)—
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イエスの招きの意味について、考える。
「仮庵の祭りで姿を現すイエス(3)」
§096 ヨハ7:11~52(朗読は7:37~52)
1.はじめに
(1)文脈の確認
①十字架にかかる前の年の仮庵の祭り(半年前)
②イエスは、公にではなく、内密にエルサレムに上った(10節)。
③イエスの登場によって、緊張感が高まる。
(2)A.T.ロバートソンの調和表
「イエスが仮庵の祭りに来たことで、イエスのメシア性に関する議論が激しくな
る」(§96)
ヨハ7:11~52
2.アウトライン
(1)状況説明(11~13節)
(2)Q&A(1)(14~19節)
(3)Q&A(2)(20~24節)
(4)Q&A(3)(25~30節)
(5)群衆の反応(31~36節)
(6)イエスの招き(37~44節)
(7)パリサイ人の反応(45~52節)
(今回は、(6)~(7)を取り上げる)
3.結論(救いの構造)
(1)招きの対象
(2)救いの前提
(3)救われた者への約束
(4)救いの証明
イエスの招きの意味について、考える。
Ⅵ.イエスの招き(37~44節)
1.37節a
「さて、祭りの終わりの大いなる日に、イエスは立って、大声で言われた」
(1)「祭りの終わりの大いなる日」
①仮庵の祭りは、7日間の祭りである。
②8日目は、聖なる会合の日、安息の日である。
「七日間、あなたがたは火によるささげ物を【主】にささげなければならない。八日目も、あなたがたは聖なる会合を開かなければならない。あなたがたは火によるささげ物を【主】にささげる。これはきよめの集会で、労働の仕事はいっさいしてはならない」(レビ23:36)
(2)仮庵の祭りの間に行われた儀式(最初の6日間)
①ギホンの泉に行列が向かい、金の水差しに水を汲む。
②その際、聖歌隊がイザ12:3を歌う。
「あなたがたは喜びながら/救いの泉から水を汲む」(イザ12:3)
*「マイム・マイム」は、1900年代に作曲された曲である。
*歌詞は、イザ12:3がそのまま採用された。
③神殿の祭壇の回りを1度回り、水を祭壇のそばに置いた容器に注ぐ。
(3)7日目の儀式
①前半は同じ。
②祭壇の回りを7度回り、水を注ぐ。
③この日から、雨のために祈り始める。
*乾季から雨季に移行する時期である。
*仮庵は、屋根が雨を防ぐ構造になっていない。
④この祭りのテーマは、水である。
(4)仮庵の祭りの意味
①荒野の放浪を記念する。
*水を汲むのは、岩から水が出たことを記念している。
②メシア時代を預言する。
*朗読される聖書箇所は、ゼカ14:1~21とエゼ47:1~23である。
「その日には、エルサレムから湧き水が流れ出て、その半分は東の海に、他の半分は西の海に流れ、夏にも冬にも、それは流れる」(ゼカ14:8)
「彼は私を神殿の入口に連れ戻した。見ると、水が神殿の敷居の下から東のほうへと流れ出ていた。神殿が東に向いていたからである。その水は祭壇の南、宮の右側の下から流れていた」(エゼ47:1)
*ユダヤ的理解では、神殿の敷居は地球の中心である。
*地球の中心から水が流れ出て、全地を潤すというイメージがある。
(5)劇的な状況
①水がテーマになっている日に、水の約束を語る。
②イエスは立っている。通常のラビの姿勢ではない。
③大声で語っている。
2.37節b~38節
「だれでも渇いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい。わたしを信じる者は、聖書が言っているとおりに、その人の心の奥底から、生ける水の川が流れ出るようになる」
(1)イエスは、すべての人を招かれた。
①「わたしのもとに来て飲みなさい」とは、信じなさいという招きである。
②信じれば、「その人の心の奥底から、生ける水の川が流れ出るようになる」。
*「rivers of living water」
(2)イエスは、どの聖書箇所かは語っていない。
①詩78:15~16、ゼカ14:8などが考えられる。
3.39節
「これは、イエスを信じる者が後になってから受ける御霊のことを言われたのである。イエスはまだ栄光を受けておられなかったので、御霊はまだ注がれていなかったからである」
(1)ヨハネによる解説
①「生ける水の川」とは、聖霊のことである。
(2)「栄光を受ける」という意味
①十字架、復活、昇天のことである。
②昇天したイエスは、聖霊を信者の上に注がれた。
③使2章、ペンテコステの祭りでこの約束が成就した。
④この日は、教会の誕生日となった。
4.40~43節
「このことばを聞いて、群衆のうちのある者は、『あの方は、確かにあの預言者なのだ』と言い、またある者は、『この方はキリストだ』と言った。またある者は言った。『まさか、キリストはガリラヤからは出ないだろう。キリストはダビデの子孫から、またダビデがいたベツレヘムの村から出る、と聖書が言っているではないか』。そこで、群衆の間にイエスのことで分裂が起こった」
(1)イエスの評価に関して、分裂が起こった。
①あの預言者(モーセのような預言者。申18:15)
②キリスト(メシア)
③ガリラヤ出身なので、キリストではない。
*ダビデの子孫であり、ベツレヘムから出るというのは、正解である。
*しかし、イエスがベツレヘムで誕生したことは知らない。
5.44節
「その中にはイエスを捕らえたいと思った者もいたが、イエスに手をかけた者はなかった」
(1)イエスの時がまだ来ていない。
①神の御心を歩む人は、その働きが完成するまでは、守られる。
Ⅶ.パリサイ人の反応(45~52節)
1.45~46節
「それから役人たちは祭司長、パリサイ人たちのもとに帰って来た。彼らは役人たちに言った。『なぜあの人を連れて来なかったのか。』役人たちは答えた。『あの人が話すように話した人は、いまだかつてありません』」
(1)役人たちは、手ぶらで帰ってきた。
①祭司長とパリサイ人たちは怒り、なぜ任務を果たさないのかと詰問する。
(2)役人たちは、イエスの話に感動していた。
①これまでも高名なラビの話を聞いてきた。
②イエスの話は、そのどれとも異なっていた(イエスの神性をほぼ認めている)。
③罪人がイエスの話に感動した例がここにある。
2.47~49節
「すると、パリサイ人が答えた。『おまえたちも惑わされているのか。議員とかパリサイ人のうちで、だれかイエスを信じた者があったか。だが、律法を知らないこの群衆は、のろわれている』」
(1)群衆が惑わされている理由は何か。
①律法に無知だから、こうなる。
②律法を学ばない者は、のろわれている。
(2)議員とかパリサイ人で信じた者はいない。
①律法を学んだ者は、知恵があるので、惑わされない。
②ところが、次に登場するニコデモは信じている。
3.50~52節
「彼らのうちのひとりで、イエスのもとに来たことのあるニコデモが彼らに言った。『私たちの律法では、まずその人から直接聞き、その人が何をしているのか知ったうえでなければ、判決を下さないのではないか。』彼らは答えて言った。『あなたもガリラヤの出身なのか。調べてみなさい。ガリラヤから預言者は起こらない』」
(1)かつて、夜にイエスを訪問したことのあるニコデモが提言した。
①モーセの律法に基づいて、相手の言い分を聞いてから判決を下すべきだ。
②ニコデモは、すでにイエスを信じていたと思われる。
(2)「ガリラヤから預言者は起こらない」
①これは間違っている。
*ホセア、ヨナ、エリシャは、ガリラヤ出身
②ガリラヤにラビの学校がなかったので、こういう発言になったのであろう。
結論
1.招きの対象
「だれでも」
(1)すべての人が招かれている。
(2)滅びに選ばれているという教えは、聖書にはない。
(3)個人への招きである。
(4)イスラエルの民が民族的に救われるのは、終末時代である。
*彼らの救いもまた、聖霊の傾注による。
(5)しかし、すべての人がイエスのもとに来るわけではない。
2.救いの前提
「渇いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい」
(1)霊的渇きを覚えている人だけが、来る。
(例話)祭りの後の空しさ。水差しの土産物。
(2)イエスのもとに来る。
(3)水を飲むことが、比ゆ的にイエスを信じるという意味になっている。
3.救われた者への約束
「わたしを信じる者は、聖書が言っているとおりに、その人の心の奥底から、生ける水の川が流れ出るようになる」
(1)神への渇きが癒される。
(2)霊的に新生する。
(3)聖霊の導きを受けるようになる。
(4)聖霊の力を受ける。
4.救いの証明
(1)内から外への命の流れが始まる。
(例話)クリスチャンの聖地旅行の記憶は、常に新しい。
(2)命の流れは、隣人に影響を与える。
(3)この流れは、信じた瞬間から始まる。
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