ルカの福音書(102)イエスの埋葬23:50~56

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イエスの埋葬について学ぶ。

ルカの福音書 102回

イエスの埋葬

23 :50~56

1.文脈の確認

(1)イエスの埋葬(23:50~56)

(2)イエスの復活(24:1~49)

  ①復活の出来事(1~12節)

  ②エマオ途上にて(13~35節)

  ③エルサレムの部屋にて(36~49節)

(3)イエスの昇天(24:50~53)

2.注目すべき点

(1)この箇所は、イエスの死と復活の出来事を結ぶ架け橋である。

(2)この箇所は、イエスの死を確証している。

(3)ルカは、アリマタヤのヨセフに光を当てている。

3.アウトライン

(1)ヨセフの紹介(50~51節)

(2)ヨセフの行為(52~54節)

(3)ガリラヤの女たち(55~56節)

4.結論

(1)3種類の弟子たち

(2)埋葬の神学的意味

イエスの埋葬について学ぶ。

Ⅰ.ヨセフの紹介(50~51節)

1.50~51節

Luk 23:50

さて、ここにヨセフという人がいたが、議員の一人で、善良で正しい人であった。

Luk 23:51

ユダヤ人の町アリマタヤの出身で、神の国を待ち望んでいた彼は、議員たちの計画や行動には同意していなかった。

(1)ユダヤ人の指導者全員が、イエスを拒否したわけではない。

  ①イエスを信じる者たちもいた。

  ②この情報は、ルカの読者には励ましとなる。

  ③不信者たちの中で暮らしていても、信仰を保持することは可能である。

(2)ヨセフの紹介

  ①議員の一人(最高法院の議員)

  ②善良で正しい人(イエスが無罪であることを証明している)

  ③金持ち(ルカは、この点は強調していない)

    *マタ27:57

Mat 27:57 夕方になり、アリマタヤ出身で金持ちの、ヨセフという名の人が来た。彼自身もイエスの弟子になっていた。

  ④アリマタヤの出身(エルサレムの北西約35キロにある町)

  ⑤神の国を待ち望んでいた(イエスがメシアであることを信じていた)。

  ⑥最高法院の決定に同意していなかった。

  ⑦彼とニコデモは、裁判の席に呼ばれなかった。

    *マコ14:64

Mar 14:64 あなたがたは、神を冒涜することばを聞いたのだ。どう考えるか。」すると彼らは全員で、イエスは死に値すると決めた。

Ⅱ.ヨセフの行為(52~54節)

1.52節

Luk 23:52この人がピラトのところに行って、イエスのからだの下げ渡しを願い出た。

(1)彼は、イエスのからだの下げ渡しを願い出た。

  ①ヨセフは、イエスの遺体を手厚く葬り、イエスに敬意を表そうとした。

  ②これはイエスに対する愛から出た行為である。

(2)アリマタヤのヨセフにとっては、自分になんの利益もない危険な行為である。

  ①これがなかったら、ユダヤ人がからだを取り外し、城壁の外に投げていた。

  ②ピラトは許可を与えた(恩赦)。彼なりのユダヤ人に対する抵抗である。

  ③埋葬は、時間がないので、大急ぎで行う必要があった。

2.53節

Luk 23:53

彼はからだを降ろして亜麻布で包み、まだだれも葬られていない、岩に掘った墓に納めた。

(1)ヨセフは、注意深く、敬意を込めて、イエスのからだを扱った。

  ①亜麻布で包んだ。

  ②まだだれも葬られていない、岩に掘った墓に納めた。

    *ヨセフが自分のために用意していた墓である。

  ③イザ53:9が成就した。

Isa 53:9 彼の墓は、悪者どもとともに、/富む者とともに、その死の時に設けられた。/彼は不法を働かず、/その口に欺きはなかったが。

(2)福音の三要素

  ①イエスは、私たちの罪のために死なれた。

  ②墓に葬られた。

  ③3日目によみがえられた。

3.54節

Luk 23:54 この日は備え日で、安息日が始まろうとしていた。

(1)「備え日」とは、金曜日である。

  ①日没から安息日が始まる。

  ②ルカは、異邦人読者のためにこの情報を書いている。

  ③イエスは午後3時に死んだので、日没までに3時間弱しかない。

Ⅲ.ガリラヤの女たち(55~56節)

1.55節

Luk 23:55

イエスとともにガリラヤから来ていた女たちは、ヨセフの後について行き、墓と、イエスのからだが納められる様子を見届けた。

(1)ガリラヤの女たちの存在は、復活物語への準備である。

  ①彼女たちは、ヨセフの後について行き、墓を見届けた。

  ②イエスのからだが納められる様子を見届けた。

(2)彼女たちが墓を間違えるはずはない。

  ①イエスの復活を否定する論には、根拠がない。

2.56節

Luk 23:56

それから、戻って香料と香油を用意した。そして安息日には、戒めにしたがって休んだ。

(1)彼女たちは、その日のうちに香料と香油を用意した。

  ①イエスに、さらなる敬意を払うためである。

(2)彼女たちは、モーセの律法に従って、翌日の安息日には休んだ。

  ①18:32~34が成就した。

Luk 18:32 人の子は異邦人に引き渡され、彼らに嘲られ、辱められ、唾をかけられます。

Luk 18:33 彼らは人の子をむちで打ってから殺します。しかし、人の子は三日目によみがえります。」

Luk 18:34 弟子たちには、これらのことが何一つ分からなかった。彼らにはこのことばが隠されていて、話されたことが理解できなかった。

  ②金曜日に死んで葬られ、日曜日に復活した。

結論

1.3種類の弟子たち

(1)イエスを捨てて逃げた弟子たち。

(2)アリマタヤのヨセフ

  ①危険を冒した。

  ②自分の持てる物でイエスに仕えた。

(3)ガリラヤの女たち

  ①自分にできることを行った。

  ②復活の最初の目撃者となった。

2.埋葬の神学的意味

(1)埋葬は、「福音の三要素」のひとつである。

  ①埋葬は、イエスの辱めの最後であり、復活のための舞台でもある。

(2)イエスの死は、メシア預言の成就である。

  ①神は、イエスがメシアであることを証明された。

  ②「血と水」(ヨハ19:34)への言及は、肉体的な死の確認である。

(3)当時、論駁する必要のある異端が存在していた。

  ①グノーシス主義

    ・物質と霊の二元論に特徴がある。

    ・物質は悪であり、霊は善である。

    ・神の子が肉体を持つはずがない。

  ②ドケチズム

    ・イエスが肉体を持っていたことを否定する説

    ・イエスの人間としての歩み(死も)は、人間の目にそう見えただけである。

(4)イエスは、死んで葬られる私たち信者と一体になってくださった。

  ①それゆえ、イエスの復活は私たちの体験ともなるのである。

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