メシアの生涯(83)—5千人のパンの奇跡—

  • 2013.10.28
  • マルコ6章:30〜44、ヨハネ6章:14〜15
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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5千人のパンの奇跡を通して、イエスの弟子訓練について学ぶ。

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「5千人のパンの奇跡」

§072 マコ6:30~44

§073 ヨハ6:14~15

1.はじめに

  (1)文脈の確認

    ①3度目のガリラヤ伝道で、弟子たちが2人一組で派遣された。

    ②戻ってきた彼らは、イエスに報告をした。

    ③その直後にこの奇跡が起こった。

    ④非常に重要な奇跡である。

      *四福音書すべてにこれが記録されている。

      *ヨハネの福音書では、7つの「しるし」の第4番目に当たる。

      *ヨハ6:4によれば、過越の祭りが近づいていた。

      *つまり、イエスの公生涯の最後の1年の始まりである。

    ⑤イエスの興味は、弟子訓練にある。

  (2)A.T.ロバートソンの調和表

      「5千人を養った奇跡」(§72)

マコ6:30~44、マタ14:13~21、ルカ9:10~17、ヨハ6:1~13

「政治的メシア擁立の動き」(§73)

マコ6:45~46、マタ14:22~23、ヨハ6:14~15

2.アウトライン

  (1)場面設定

    ①伝道旅行の報告

    ②多くの群衆

  (2)奇跡

    ①イエスと弟子たちの対話

    ②イエスの命令

  (3)結果

  3.結論:

    (1)弟子訓練の内容

    (2)私たちへの適用

5千人のパンの奇跡を通して、イエスの弟子訓練について学ぶ。

Ⅰ.場面設定

  1.伝道旅行の報告

     (1)30節

    「さて、使徒たちは、イエスのもとに集まって来て、自分たちのしたこと、教えたこ

とを残らずイエスに報告した」

       ①イエスのいない初めての伝道旅行から帰還した弟子たち

      ②あらかじめ、集合の日時と場所を決めていたのであろう(カペナウム周辺)。

      ③彼らは、行為(works)、言葉(words)の順で報告した。

      ④気分の高揚があるが、疲れも見て取れる。

     (2)31節

    「そこでイエスは彼らに、『さあ、あなたがただけで、寂しい所へ行って、しばらく

休みなさい』と言われた。人々の出入りが多くて、ゆっくり食事する時間さえなかっ

たからである」

       ①今も、この言葉が必要な人がたくさんいる。

      ②忠実なしもべにとっては、「ゴールデンタイム」である。

  2.多くの群衆

     (1)32~33節

「そこで彼らは、舟に乗って、自分たちだけで寂しい所へ行った。ところが、多くの

人々が、彼らの出て行くのを見、それと気づいて、方々の町々からそこへ徒歩で駆け

つけ、彼らよりも先に着いてしまった」

   ①舟に乗って、寂しい所へ行った。

  ②「自分たちだけで」とは、プライベートに(個人的に、密かに)という意味。

  ③ルカ9:10には、「ベツサイダという町」とある。

    *ガリラヤ湖の北西にある町(ペテロ、アンデレ、ピリポの出身地)

    *ガリラヤ湖の北東にある町(ベツサイダ・ユリアス)

  ④多くの人々が湖岸を駆けて、船よりも先に目的地に着いていた。

  ⑤弟子たちの休息の時間は、舟の中だけとなった。

(2)34節

   「イエスは、舟から上がられると、多くの群衆をご覧になった。そして彼らが羊飼い

のいない羊のようであるのを深くあわれみ、いろいろと教え始められた」

   ①イエスは群衆に悩まされたのではなく、彼らを深くあわれまれた。

    *「スプランクニゾマイ」という動詞。はらわたと関係がある。

  ②「羊飼いのいない羊のよう」という表現は、マタ9:6に出てきた。

    *マルコは、それとは異なった文脈でこの表現を用いている。

    *群衆は、誰に従っていいのか分からなくなっていた。

  ③イエスの羊飼いとしてのケア(働き)

    *マルコ:いろいろと教えた。

    *マタイ:いやした。

    *ルカ:教え、いやした。

    *励ましの奉仕の中心は、健全な教えを与えることである

Ⅱ.奇跡

  1.イエスと弟子たちの対話

     (1)35~36節

「そのうち、もう時刻もおそくなったので、弟子たちはイエスのところに来て言った。

『ここはへんぴな所で、もう時刻もおそくなりました。みんなを解散させてください。

そして、近くの部落や村に行って何か食べる物をめいめいで買うようにさせてくださ

い』」

  ①イエスは一日中、群衆に教えたが、その内容は書かれていない。

②しかし、弟子たちとの対話は詳細に描かれている。これがポイントである。

  ③「もう時刻もおそくなりました」

     *ユダヤ的には、午後3時ごろ。

    *夕方となると、日没の時間。

   *弟子たちは、日没になる前に食物を調達させるように提案している。

 ④「近くの部落や村に行って」

    *近くには、ベツサイダ・ユリアスの町がある。

(2)37節

「すると、彼らに答えて言われた。『あなたがたで、あの人たちに何か食べる物を上

げなさい。』そこで弟子たちは言った。『私たちが出かけて行って、二百デナリものパ

ンを買ってあの人たちに食べさせるように、ということでしょうか』」

   ①イエスの回答は、予想外のものであった。

  ②「あなたがたで、あの人たちに何か食べる物を上げなさい」

     *強調点は、「あなたがた」にある。

  ③ヨハ6:5でイエスは、ピリポを試して言われた。

「どこからパンを買って来て、この人々に食べさせようか」

  *恐らくその辺りは、ピリポが伝道したエリヤだったのだろう。

④200デナリとは、当時の農夫の200日分の賃金である(約8ヶ月分)。

(3)38節

「するとイエスは彼らに言われた。『パンはどれぐらいありますか。行って見て来な

さい。』」彼らは確かめて言った。『五つです。それと魚が二匹です』」

   ①ヨハ6:8では、アンデレが少年を連れて来た。

  ②大麦のパン5つと、2匹の魚(塩をして乾燥させた魚。焼いた魚)

  2.イエスの命令

(1)39~40節

「イエスは、みなを、それぞれ組にして青草の上にすわらせるよう、弟子たちにお命

じになった。そこで人々は、百人、五十人と固まって席に着いた」

  ①ガリラヤ湖畔で青草が生えるのは、春の季節だけである。

②座るとは、肘をついて横になること(recline)。

  ③100人、50人の食卓ができたということ。

  ④訳語の比較(40節)

  「そこで人々は、百人、五十人と固まって席に着いた」(新改訳)

  「人々は、百人、五十人ずつまとまって腰を下ろした」(新共同訳)

  「人々は、あるいは百人ずつ、あるいは五十人ずつ、列をつくってすわった」

(口語訳)

⑤ギリシア語では、「プラシアイ、プラシアイ」となっている。

  *花壇のこと(さまざまな色の衣装があった)

  *ここには、秩序と色彩(青草の上に出来た花壇)がある。

⑥この奇跡物語を信じられるか。

  *マタイは目撃者である。

  *ヨハネも目撃者である。

  *マルコの福音書にはペテロの目が反映されている。

    (2)41節

    「するとイエスは、五つのパンと二匹の魚を取り、天を見上げて祝福を求め、パンを

裂き、人々に配るように弟子たちに与えられた。また、二匹の魚もみなに分けられた」

   ①食前の祈りは、食事を与えてくださったお方をたたえる祈りである。

  ②「天を見上げ」とは、父なる神への信頼を示す行為である。

   ③「弟子たちに与えた」は、「与え続けた」である。

(3)42~44節

「人々はみな、食べて満腹した。そして、パン切れを十二のかごにいっぱい取り集め、

魚の残りも取り集めた。パンを食べたのは、男が五千人であった」

   ①人々は満腹した。

  ②残ったパン切れは、12のかごに一杯になった。魚も残った。

    *コプリノスは、小さなかご。

    *スプリスは、大きなかご。

      ・マタ15:37(4千人のパンの奇跡。7つのかご)

  ③満足したのは、男だけで5千人。それ以外に、女や子どもがいた。

Ⅲ.結果(ヨハ6:14~15)

    (1)14節

    「人々は、イエスのなさったしるしを見て、『まことに、この方こそ、世に来られる

はずの預言者だ』と言った」

   ①食べて満腹した人々は、非常に喜んだ。

  ②彼らは、イエスを政治的メシアにしようとした。

(2)15節

「そこで、イエスは、人々が自分を王とするために、むりやりに連れて行こうとして

いるのを知って、ただひとり、また山に退かれた」

   ①人々は、イエスを無理やり王としようとした。

  ②イエスはひとり山に退かれた。

   ③このことを容認できない理由がある。

    *彼らの動機が間違っている。食物を求めたのである。

    *預言的には、メシアが王位に着座するのはエルサレムである。

    *詩2:6

「しかし、わたしは、わたしの王を立てた。わたしの聖なる山、シオンに」

         *赦されない罪はすでに犯された(民族的にイエスを拒否した罪)。

結論:

  1.弟子訓練の内容

    (1)神はご自身のしもべの必要を満たされるお方である。

      ①イエスの力を決して疑ってはならない。

      ②弟子たちは、まだ理解できていない。マコ6:52。

    (2)「あなたがたで、あの人たちに上げなさい」という命令がある。

      ①イエスから受ける。

      ②それを人々に届ける。

      ③イエス自身は、パンを配らなかった。

④神は、ご自身のしもべたちをお用いになる。

    (3)組織的に奉仕することが肝要である。

      ①50人、100人の組

    (4)神の恵みは十分にある。

      ①神は、気前のよい方である。

      ②始めた時よりも、最後の量の方が多い。

      ③5つのパンと2匹の魚を差し出した少年は、どうなったのか。

  2.私たちへの適用

    (1)信仰の動機が問われる。

      ①パンのためにイエスに従うのは、間違っている。

      ②パンのためとは、物質的繁栄のことである。

      ③真の信仰は、神を神と認めるところに育つ。

    (2)イエスのパン裂きは、十字架の恵みを教えている。

      ①空腹の人びとを満足させるため

      ②ここには、最後の晩餐のイメージがある。

        *パンは、イエスのからだの象徴である。

      ③イエスの十字架上の死

        *私たちが永遠のいのちを得るために、イエスのからだが裂かれた。

    (例話)車のキーを失くした人の話

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