メシアの生涯(82)—バプテスマのヨハネの死—

  • 2013.10.21
  • マルコ6章:14〜29、マタイ14章:1〜12、ルカ9章:7〜9
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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バプテスマのヨハネの死の意味について学ぶ。
(ヘロデの系図が参考資料として添付されています。)

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「バプテスマのヨハネの死」

§071 マコ6:14~29

1.はじめに

  (1)文脈の確認

    ①3度目のガリラヤ伝道で、弟子たちが2人一組で派遣された。

    ②イエスも活動された。

    ③弟子たちが癒しや悪霊の追い出しをしていることがヘロデの耳に入った。

    ④罪責感に悩む彼は、この知らせを恐れた。

  (2)A.T.ロバートソンの調和表

      「バプテスマのヨハネの首をはねた罪責感から、イエスを恐れたヘロデ・アンテ

パス」(§71)

  マコ6:14~29、マタ14:1~12、ルカ9:7~9

2.アウトライン

  (1)オープニング

  (2)フラッシュバック

    ①投獄の場面

    ②宴会の場面

    ③処刑の場面

  (3)エンディング

  3.結論:

バプテスマのヨハネの死の意味について学ぶ

Ⅰ.オープニング(14~16節)

  1.罪責感に苦しむヘロデ(14節a)

「イエスの名が知れ渡ったので、ヘロデ王の耳にも入った」

   (1)ヘロデ王とは、ヘロデ・アンテパスのことである。

    ①彼は王ではなく、ガリラヤ地方とペレア地方の「国主」である。

    ②ギリシア語で「テトラーク」という(父の4分の1の領地を支配した)。

    ③彼を王と呼ぶのは、マルコだけである。

    ④これは皮肉である。ヘロデは王のように振る舞い、墓穴を掘る。

  (2)イエスと弟子たちの働きが、評判になっていた。

    ①それを耳にしたヘロデは、恐れを覚えた。

    ②罪責感から来る恐れである。

2.ヘロデの結論(14b~16節)

「人々は、『バプテスマのヨハネが死人の中からよみがえったのだ。だから、あんな力が、

彼のうちに働いているのだ』と言っていた。別の人々は、『彼はエリヤだ』と言い、さら

に別の人々は、『昔の預言者の中のひとりのような預言者だ』と言っていた。しかし、ヘ

ロデはうわさを聞いて、『私が首をはねたあのヨハネが生き返ったのだ』と言っていた」

   (1)3つの意見

    ①バプテスマのヨハネが死人の中から復活した。

    ②死を経ないで天に上げられたエリヤが登場した。

    ③途切れていた預言者の系譜を復活させる預言者が登場した。

  (2)ヘロデは、バプテスマのヨハネが復活したと考えていた。

「悪者は追う者もないのに逃げる。しかし、正しい人は若獅子のように頼もしい」

(箴28:1)

「わざわいは罪人を追いかけ、幸いは正しい者に報いる」(箴13:21)

Ⅱ.フラッシュバック

  1.投獄の場面

    (1)17~18節

    「実は、このヘロデが、自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことで、──ヘロデはこの

女を妻としていた──人をやってヨハネを捕らえ、牢につないだのであった。これは、

ヨハネがヘロデに、『あなたが兄弟の妻を自分のものとしていることは不法です』と

言い張ったからである」

   ①ヘロデヤは、叔父のヘロデ・ピリポと結婚した(近親結婚。律法違反)。

    *この結婚から、サロメが誕生した。

  ②ヘロデとヘロデヤの結婚は、律法違反である(レビ18:12~16、20:19~21)。

    *ヘロデヤは姦淫の罪を犯した。

    *ヘロデは元の妻(ナバテヤのアレタ4世の娘)を離縁させた。

③ヨハネは、ヘロデとヘロデヤの結婚を非難したため、投獄された。

  ②投獄の場所は、マケラスの砦である(ヨルダン川の東、死海の北端の辺り)。

    *ヘロデ王が建設した3つの要塞。マサダ、ヘロデイウム、マケラス。

    *マケラスは王宮であるが、その中に牢獄があった。

    *以上は、ヨセフスによる情報である。

    (2)19~20節

「ところが、ヘロデヤはヨハネを恨み、彼を殺したいと思いながら、果たせないでい

た。それはヘロデが、ヨハネを正しい聖なる人と知って、彼を恐れ、保護を加えてい

たからである。また、ヘロデはヨハネの教えを聞くとき、非常に当惑しながらも、喜

んで耳を傾けていた」

   ①ヘロデヤは、ヨハネに対して殺意を抱いていた。

    *非常に野心家で残忍な女性

  ②ヘロデは、ヨハネを保護していた。

    *ヨハネを恐れていた。これは、迷信的恐れである。

    *当惑しながらも、ヨハネの話を喜んで聞いていた。

    *ローマ人の貴族たちは、哲学者の話を聞くことを趣味としていた。

    *ヘロデはローマ文化の影響を受けていた。

  ③ヘロデは、妻のヘロデヤとバプテスマのヨハネの板挟みになっていた。

    *性格的に弱い人物

  2.宴会の場面

    (1)21節

    「ところが、良い機会が訪れた。ヘロデがその誕生日に、重臣や、千人隊長や、ガリ

ラヤのおもだった人などを招いて、祝宴を設けたとき、」

   ①誕生パーティは、ギリシア人やローマ人の習慣で、ユダヤ人のものではない。

  ②彼は、ローマ風文化の影響を受けている。

(2)22~23節

「ヘロデヤの娘が入って来て、踊りを踊ったので、ヘロデも列席の人々も喜んだ。そ

こで王は、この少女に、『何でもほしい物を言いなさい。与えよう』と言った。また、

『おまえの望む物なら、私の国の半分でも、与えよう』と言って、誓った」

   ①ヘロデヤの娘とは、サロメのことである。

  ②「娘」(コラシオン)とは、12~14歳の女性。結婚可能な年齢。

  ③彼女は、ヘロデヤの策略によって宴会場に送り込まれた。

  ④この踊りは、官能的なものであった。

  ⑤ヘロデは義理の娘に欲情を覚えた(兄弟の妻をめとった後、さらに…)。

  ⑥レビ20:14

  「人がもし、女をその母といっしょにめとるなら、それは破廉恥なことである。

彼も彼女らも共に火で焼かれなければならない。あなたがたの間で破廉恥な行為

があってはならないためである」

  「おまえの望む物なら、私の国の半分でも、与えよう」とは格言である。

    *これを文字通りに受け取る必要はない。

    *ヘロデには、自分の自由になる王国はない。

(3)24~25節

「そこで少女は出て行って、『何を願いましょうか』とその母親に言った。すると母

親は、『バプテスマのヨハネの首』と言った。そこで少女はすぐに、大急ぎで王の前

に行き、こう言って頼んだ。『今すぐに、バプテスマのヨハネの首を盆に載せていた

だきとうございます』」

   ①母親は同席していなかった。

    *マケラスの要塞には、食堂が2つあった。男女が分かれて食事をした。

  ②母親は間髪を入れずに、「バプテスマのヨハネの首」と言った。

    *あらかじめシナリオを作っていた。

  ③大急ぎで王の前に行ったのは、王が心変わりをする前にことを行うためである。

  ④首を盆に乗せるのは、宴会のメニューのひとつに見立てたものである。

  3.処刑の場面

    (1)26節

    「王は非常に心を痛めたが、自分の誓いもあり、列席の人々の手前もあって、少女の

願いを退けることを好まなかった」

     ①ヘロデはこの申し出を断ることもできた。

    ②しかし、面子を保つために少女の願いを聞き入れた。

    ③彼に必要なのは、「蛇のようにさとく、鳩のようにすなおであれ」という教え。

(2)27~28節

「そこで王は、すぐに護衛兵をやって、ヨハネの首を持って来るように命令した。護

衛兵は行って、牢の中でヨハネの首をはね、その首を盆に載せて持って来て、少女に

渡した。少女は、それを母親に渡した」

   ①ユダヤ地方では、イエスを処刑する際にローマの許可が必要であった。

  ②ガリラヤ地方では、ヘロデ・アンテパスが王のように振る舞っていた。

Ⅲ.エンディング

   1.弟子たちによる埋葬(29節)

「ヨハネの弟子たちは、このことを聞いたので、やって来て、遺体を引き取り、墓に納め

たのであった」

   (1)通常は、遺体を埋葬するのは、長男の仕事である。

    ①ここでは、弟子たちがその役割を果たしている。

  (2)これは非常に危険な行為でもあった。

    ①イエスの弟子たちは、埋葬の場にいなかった。

    ②切断された遺体は、牢獄から出され、外に捨て置かれた(ヨセフスの情報)。

    ③弟子たちは、それを拾って墓に納めたのであろう。

2.エンディングロール

  (1)この後、ヘロデ、ヘロデヤ、サロメの3人は悲惨な最期を迎えることになる。

結論:

  1.神をあなどってはならない。

  (1)ヘロデとヘロデヤはどうなったのか。

①しばらくして、ナバテヤのアレタ4世が離縁された娘の遺恨を晴らすために、

戦争を仕かけて来た。

    ②ヘロデとヘロデヤは、大敗を喫し、大急ぎで逃亡した。

    ③ヘロデヤの誘惑で、ヘロデは「王」の称号をローマに求めたが、元老院の決定

    により、ガリア(リオン)に追放された。

    ④その地で二人は、悲惨な死を遂げた。

  (2)サロメは母親と同じ道を歩んだ。

    ①叔父のピリポ(国主)と結婚した。

    ②後に、従弟のアリストブロスと再婚した。

    ③氷の上を歩いていた時、氷が割れて水に落ちた。

    ④首だけが氷の上に出ていた。

    ⑤もがいているうちに、氷の鋭利な刃で首がはねられたような状態になった。

  2.ヨハネとヘロデヤの葛藤は、エリヤとイゼベルの葛藤と相関関係にある。

  「彼らはイエスに尋ねて言った。『律法学者たちは、まずエリヤが来るはずだと言ってい

ますが、それはなぜでしょうか。』イエスは言われた。『エリヤがまず来て、すべてのこと

を立て直します。では、人の子について、多くの苦しみを受け、さげすまれると書いてあ

るのは、どうしてなのですか。しかし、あなたがたに告げます。エリヤはもう来たのです。

そして人々は、彼について書いてあるとおりに、好き勝手なことを彼にしたのです』」(マ

コ9:11~13)

    (1)イゼベルとヘロデヤは、ともにドミナント(支配的な)女性である。

      ①人だけでなく、神さえも自分の思い通りに動かそうとする。

    (2)エリヤの場合は、命が守られ、最後は生きたまま天に上げられた。

      ①バプテスマのヨハネの場合は、殉教の死を遂げた。

  3.ヨハネの苦しみ(パッション)は、メシアの苦しみ(パッション)の型である。

    (1)きょうの箇所は、メシアの先駆者のパッションの記録である。

      ①メシアに起こることは、メシアの先駆者にも起こる。

    (2)ヨハネの死のタイミング

      ①彼の奉仕期間は、12~14ヶ月である。

      ②その後、約2年間獄中にあった。

      ③合計、3年強の期間の奉仕である。イエスの公生涯とほぼ同じ。

      ④イスラエルは民族的にメシアを拒否した。

      ⑤このタイミングで、ヨハネの先駆者としての奉仕も終了した。

    (3)私たちへの教訓

      ①生きるのも死ぬのも、神の御心のままである。

      ②奉仕の方法と期間も、神の御心のままである。

      ③短期計画、中期計画、長期計画

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