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パートⅡ.旧約時代8章 出エジプト
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出エジプトをめぐる神と悪魔の葛藤について学ぶ。
パートⅡ.旧約時代
8
章 出エジプト
イントロダクション
1.「神の国と悪魔の国の葛藤」というテーマに沿って聖書を読み解いている。
(1)この葛藤は、創世記3章以来続いているものである。
(2)今も、私たちはこの葛藤の中で生活している。
(3)この葛藤は、黙示録20章と21章で終わる。
2.パートⅠ.葛藤の舞台設定(1~3章)
(1)サタンは、悪魔の国を造るという目的を達成したかに見えた。
(2)神は、直ちにサタンを滅ぼすこともできたが、そうはしなかった。
(3)神は、創世記3章15節で福音の原型を示された(原福音)。
3.パートⅡ.旧約時代(4~17章)
4章 カインとアベル
5章 大洪水
6章 バベルの塔
7章 アブラハム契約
①ヤコブの息子たちの霊性(特にユダの霊性)は、極めて堕落していた。
②ヤコブの一家がこのままカナンの地に留まり続けるのは、危険である。
③カナン人と同化し、契約の民としての聖さも特徴も失ってしまう。
④神は、ヤコブの一家をエジプトに移住させ、一大民族として育てようとした。
⑤移住は、裁きであると同時に、ヤコブの一家を守る恵みの手段でもあった。
⑥ヨセフが売られたのは、一家がエジプトに移住するための準備であった。
⑦契約の民は、ゴシェンでエジプト人から分離して一大民族として育った。
⑧彼らの最終ゴールは、カナンの地への帰還である。
8章 出エジプト
4.アウトライン
(1)エジプトの反ユダヤ主義
(2)解放者モーセの登場
(3)悪魔の妨害
出エジプトをめぐる神と悪魔の葛藤について学ぶ。
Ⅰ.エジプトの反ユダヤ主義
1.神は、契約の民をエジプトに移し替え、一大民族として育てようとされた。
(1)居住地として選ばれたのは、ゴシェンの地であった。
①牧畜に適した下エジプトの地
②エジプト文明の影響からイスラエルの民を隔離する地
(2)やがて民は、その地で増え広がった。
①出1:7
Exo 1:7 イスラエルの子らは多くの子を生んで、群れ広がり、増えて非常に強くなった。こうしてその地は彼らで満ちた。
2.悪魔は、エジプトで拡大し続けるイスラエルの民を危険視した。
(1)悪魔は、「女の子孫」(メシア)がこの民から誕生することを知っていた。
①悪魔は、エジプトの政治権力を用いて、イスラエルの民への攻撃を開始する。
②エジプトは、史上初めて反ユダヤ主義を政策として採用する国となった。
③悪魔の手先となったのが、エジプトの王ファラオである。
*ファラオは、物事の本質が見えない哀れな存在である。
*自分が悪魔の策略に荷担していることを理解することができなかった。
④神を恐れず、自分が神であるかのように振る舞う者は、愚か者である。
(2)反ユダヤ主義の本質
①契約の民を滅ぼすための悪魔の策略である。
②さまざまに形を変えて、今日まで続いている。
③イスラエルの民を抹殺することで、神の計画を妨害しようとする。
3.ファラオは、3段階の方法で、契約の民を抹殺しようとした。
(1)奴隷として酷使する段階
①苦しめれば苦しめるほど、民はますます増え広がった。
②その結果、エジプトたちはイスラエル人に恐怖を抱くようになった。
(2)男子の新生児を殺害する段階
①ファラオは、男子の新生児の殺害をヘブル人の助産婦たちに命じた。
②神を恐れる助産婦たちは、それを実行しなかった。
(3)男子の新生児をナイル川に遺棄する段階
①ヘブル人の家に生まれた子が男児なら、ナイル川に遺棄せよと命じた。
②しかし神は、幼子モーセを守られた。
Ⅱ.解放者モーセの登場
1.悪魔の策略を打ち破る神の対抗策は、モーセの誕生であった。
(1)幼子モーセは、パロの娘によってナイル川から引き上げられた。
①王宮で王子としての教育を受けた。
(2)モーセの120年の生涯は、各40年に3区分することができる。
①最初の40年は、エジプトの帝王学を身に付ける期間であった。
*彼は、自力でヘブル人を救済しようとしたが、ものの見事に失敗した。
②次の40年は、荒野で羊飼いとしての経験を積む期間であった。
*出エジプトのリーダーとなるべく神から実践的な訓練を受けた。
③最後の40年は、契約の民をカナンの地に連れ上る働きをする期間であった。
*モーセの生涯は、80歳から120歳までの期間が最も輝いていた。
2.神は、モーセを通してエジプトの上に10の裁きを下された。
(1)それらはすべて、エジプトの偶像の上に下る裁きであった。
(2)特に熾烈だったのは、第10の裁き(最後の裁き)である。
①エジプトの地のすべての初子が、奴隷や家畜に至るまで打たれた。
②さらに、ファラオの初子も打たれた。
③ファラオは、最高位の神であり、初子はその地位を継承する後継者である。
④イスラエルの神がエジプトの神々に勝利したということを表わしている。
(3)裁きの天使がエジプト中の家々を巡った。
①しかし、イスラエル人の家だけは過ぎ越した。
②鴨居と門柱に、身代わりとなる過越の子羊の血が塗られていたからである。
③これが、過越の祭りの起源である。
④今もイスラエル人たちは、この祭りを最も重要な祭りとしている。
(4)ファラオは、イスラエルの民に直ちにエジプトを出るように命じた。
①カナンの地に向けての旅は、容易なものではなかった。
②悪魔は、あらゆる機会を捉えて、民を攻撃し、挫折させようとした。
Ⅲ.悪魔の妨害
1.悪魔は、パロに心変わりを促し、イスラエルの民を滅ぼそうとした。
(1)パロは豹変し、エジプトを出たイスラエルの民の後を追いかけた。
①戦車部隊は、イスラエルの民を紅海の岸に追い詰めた。
②悪魔は、勝利を確信したことであろう。
(2)しかし、神は悪魔の策略を粉砕された。
①紅海の水が真っ二つに割れ、真ん中に乾いた地が現れた。
②イスラエルの民は、そこを歩いて向こう岸に渡って行った。
③同じことをしようとしたエジプトの戦車部隊は、全員溺死した。
2.悪魔は、水不足によってイスラエルの民を滅ぼそうとした。
(1)最初の3日間、民には水がなかった。
①ようやく水のある場所に来たが、その水は苦くて飲むことができなかった。
②落胆した民は、モーセに対してつぶやいた。
③モーセが神に祈ると、神は彼に1本の木を示された。
④それを水に投げ入れると、水は浄化された。
⑤神はまたもや悪魔の妨害を退けられたのである。
3.悪魔は、飢餓によってイスラエルの民を滅ぼそうとした。
(1)神は、うずらの肉を与え、天からのパンであるマナを降らせた。
①この場合も、神が悪魔に勝利されたのである。
②マナは、イエス・キリストの型である。
4.悪魔は、再度水不足で民を滅ぼそうとした。
(1)しかし神は、ある岩(岩盤)を示し、モーセに杖で打たせた。
①すると、岩から水が出た(出17章)。
②水を出した岩は、イエス・キリストの型である。
③打たれたキリスト(岩)から聖霊(水)が豊かに流れ出るようになる。
5.悪魔は、アマレク人を用いて、イスラエルの民を滅ぼそうとした。
(1)アマレク人は、先手を取って攻撃を仕かけてきた。
①攻撃方法は、最後部の者(落後者)たちから切り倒して行くというもの。
②イスラエルの民がエジプトから持って来た富を略奪しようとした。
③イスラエルにとっては最初の戦いとなった。
④イスラエルは、誕生したばかりの若い国で、戦争経験がなかった。
⑤実践経験がなかったので、人間的には勝ち目のない戦いであった。
(2)しかしイスラエルの民は、祈りの力によってこの戦いに勝利した。
①モーセは丘の頂に立って祈った。
②モーセの手を両側から支えたのが、アロンとフルある。
③アマレク人との戦いにおいても、神は勝利されたのである。
*神は、悪魔の攻撃をことごとく退けられた。
*イスラエルの民が問うべき質問は、2つある。
(1)自分たちに対する神の御心は何か。
①この質問に対する答えは、モーセの律法の中にある。
(2)どのようにして神を礼拝すればよいのか。
①この質問に対する答えは、幕屋建設の中にある。
*次回は、モーセの律法と幕屋を取り上げる。
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