日本人のルーツはユダヤ人か(3)分子人類学から見た日ユ同祖論

  • 2021.12.28
  • スピーカー 中川健一
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アウトライン
   ①日ユ同祖論の状況証拠
  ②預言的要素を含む日ユ同祖論
  ③分子人類学から見た日ユ同祖論

はじめに

(1)「日本人のルーツはユダヤ人か」というテーマで、3回に分けて話している。

  (2)アウトライン

    ①日ユ同祖論の状況証拠

  ②預言的要素を含む日ユ同祖論

  ③分子人類学から見た日ユ同祖論

1.日ユ同祖論の状況証拠

(1)ウズマサ=イシュ・マシャ(佐伯好郎)

  (2)ミカド=御ガド(小谷部全一郎)

  (3)川守田英二(かわもりた)(サンフランシスコ教会牧師)

    ①『日本ヘブル詩歌の研究』(1956年)

    ②伊勢音頭のハヤシコトバ 「ヤートコセーエエ ヨイヤナー」

    ③出エジプト記15章のミリアムの歌だという説を唱えた。

  (4)その他の語呂合わせの例

    ①虎の巻=トーラー

    ②日本書紀と聖書が似ている(ヨセフ・アイデルバーグ)。500語の語呂合わせ

    ③神道とユダヤ教が似ている。

      *神社と神殿

      *「菊のご紋」とヘロデ門の紋章(鎌倉時代から始まった)

      *伊勢神宮の参道の灯籠に「ダビデの星」が刻まれている。

        ・灯籠は戦後寄贈されたもの。「カゴメ紋」

      *「八咫(やた)の鏡の裏にヘブライ文字が刻印されている。

      *お神輿と契約の箱

    ④修験道とユダヤ教の類似点

      *山伏の「兜巾(ときん)」とユダヤ教のテフィリン(経札)

2.預言的要素を含む日ユ同祖論

(1)中田重治は、ホーリネス・リバイバルの中心人物

    ①彼の日ユ同祖論は、聖書を根拠とした預言的なものである。

  (2)「聖書より見たる日本」(1932年)という講演会と書籍

  「教職は個人伝道や教会形成をすることよりも、キリストの再臨とユダヤ民族の回復の

ための祈りが優先事項である」

  「日本には、太古にユダヤ人が渡来し、彼らと原住民との混血によって今日の日本人が

生まれた。キリスト統治の千年王国のひな形として日本は今日まで連綿と続いてきた。

これは神の摂理である。したがって、日本人には、神の選民であるユダヤ人を支援し、

ユダヤ人国家樹立を成し遂げるべき民族的使命が与えられている」

  ①イスラエル建国前からユダヤ人国家樹立のために祈っていた人たちがいた。

3.分子人類学から見た日ユ同祖論

(1)用語の確認

    ①細胞の中に核DNA(遺伝子情報)とミトコンドリアDNAがある。

    ②ミトコンドリアDNAは、母系遺伝子である。

    ③核の中には22対の常染色体と1対の性染色体がある。合計46本ある。

    ④性染色体がXXであれば女性、XYであれば男性である。

    ⑤核DNAのY染色体は男系遺伝子である。

(2)日本人のルーツに関する多数説は、混血説であった。

    ①渡来弥生人が5000年くらい前に、稲とともに日本列島に入って来た。

    ②渡来弥生人と土着の縄文人が混血し、日本人の先祖が誕生した。

    ③渡来弥生人は、朝鮮半島からやって来たと言われていた。

      *司馬遼太郎の「日韓同祖論」も同じである。

  (3)1980年代にDNA(遺伝子情報)分析が始まった。

    ①日本人のハプロタイプは、アジアの中では特異である。

    ②約5割が縄文人(D1a)、約4割が南中国(O1b)、約1割が北中国(O2)

  (4)長浜浩明(評論家)「分子人類学から読み解く日本人のルーツとは?」(YouTube)

    ①2005年、世界規模でジェノグラフィック・プロジェクトが行われた。

      *世界中の諸民族から1万人を選んで、調査した。

    ②「アフリカで誕生した人類が南を通って日本列島に到着し、朝鮮半島を経由して

大陸に渡って行った」

  *この結論は、渡来弥生人説の人の流れとは、逆の流れを示している。

③長浜氏は、日ユ同祖論にも触れている。

  *日本人のハプロタイプ(C, D, O,N)

  *ユダヤ人のパプロタイプ(J, E, R, R)

「日ユ同祖論には、科学的根拠が全くない」

まとめ

  (1)日ユ同祖論は、ユダヤ陰謀論とつながりやすい。

(2)科学的には、日ユ同祖論の誤りが証明されたと思う。

(3)もし日ユ同祖論を主張し続ける人がいるなら、科学的証拠を提示する義務がある。

(4)この論争に終止符を打ち、福音伝達に専念しようではないか。

(5)最後に、「一日一章」の案内

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