私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
申命記(57)モーセの祝福のことば33:1~29
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モーセの祝福のことばについて学ぶ。
申命記 57回
「モーセの祝福のことば」
申33:1~29 (朗読33:1~5)
1.はじめに
(1)4つの説教が終わると、リーダーシップの移行がテーマとなる(31~34章)。
①モーセからヨシュアへ(31:1~29)
②モーセの歌(31:30~32:43)
③モーセの死の予告(32:44~52)
④モーセの祝福のことば(33章)
⑤モーセの死(34章)
(2)文脈の確認
①モーセは、モーセの歌を語り聞かせた。
②モーセは、【主】の命令によって死の準備を始めた。
③モーセは、12部族に対して最後の祝福のことばを語った。
2.アウトライン
(1)イントロダクション(1節)
(2)【主】を賛美することば(2~5節)
(3)12部族を祝福することば(6~25節)
(4)まとめのことば(26~29節)
3.結論: 新約時代の信者に対する励ましのことば
モーセの祝福のことばについて学ぶ。
Ⅰ.イントロダクション(1節)
1.1節
Deu 33:1 次は神の人モーセが、その死を前にしてイスラエルの子らを祝福した、祝福のことばである。
(1)これは、散文(韻を踏んでいない通常の文体)によるイントロダクション。
①イスラエルでは、死の目前に控えた父が子どもを祝福する習慣があった。
②創世記49章のヤコブの祝福が、最も有名である。
③モーセは、いろいろな意味においてイスラエルの父であった。
(2)12部族のリスト
①ヨセフ族がマナセ族とエフライム族として出て来る場合は、レビ族が省略
されることが多い。
②この箇所では、シメオン族が省略されている。
*恐らく、その領土がユダ族に吸収されるからであろう。
③珍しい単語が出て来るので、解釈が難しい箇所がある。
Ⅱ.【主】を賛美することば(2~5節)
1.2節
Deu 33:2
彼は言った。/「【主】はシナイから来て、/セイルから彼らを照らし、/パランの山から光を放ち、/幾万もの聖なる者のところから/近づいて来られる。/その右手に彼らの御使いたちを伴って。
(1)【主】への賛美は、出エジプトの出来事から始まっている。
①出エジプトの出来事は、イスラエルという国を造った一大事件である。
②【主】はシナイ山に現れ、モーセを通して律法を付与された。
③国が出来るためには、国民、法体系、土地が必要であった。
(2)シナイ山での【主】の顕現の描写
①セイル山から来られたようであった。
*シナイ山の北東、エドムの地にある山
②パランの山から来られたようでもあった。
*シナイ山の北、パランの荒野にある山
③パランの山とセイル山は、シナイ山から約束の地に移動するルートにある。
④【主】の顕現の場面には、天使たちもいた。
2.3~5節
Deu 33:3
まことに、あなたはもろもろの民を愛する方、/御手のうちにすべての聖なる者がいる。/彼らはあなたの足もとにひれ伏し、/あなたの御告げを受ける。
Deu 33:4 みおしえはモーセが私たちに命じ、/それをヤコブの会衆の所有とした。
Deu 33:5 民のかしらたちが/イスラエルの部族とともに集まったとき、/主はエシュルンで王となられた。」
(1)【主】はイスラエルの民を愛するお方である。
①御手のうちにすべての「聖なる者」(天使)がいる。
②天使たちは【主】から御告げを受け、それをモーセに伝えた。
③モーセは、天使たちから受けた律法を民に伝えた(使7:38)。
(2)【主】はイスラエルの民の王となられた。
①エシュルンとは、イスラエルのことである。
②申33:5(新共同訳)
Deu 33:5 民の長たちがイスラエルの諸族と共に集うとき/主はエシュルンの王として臨まれる。
③王である【主】の命令に従うなら、約束の地で祝された生活ができる。
Ⅲ.12部族を祝福することば(6~25節)
1.ルベン(6節)
Deu 33:6 「ルベンは生きて、死なないように。/その人数が少なくても。」
(1)ルベン族は、性格上の欠陥により、人口の減少を経験するようになる。
①士5:15~16
Jdg 5:15
イッサカルの長たちはデボラとともにいた。/イッサカルはバラクと同じく/歩兵たちとともに平地に送られた。/ルベンの諸支族の決意は固かった。
Jdg 5:16 なぜ、あなたは二つの鞍袋の間に座って、/羊の群れに笛吹くのを聞いていたのか。/ルベンの諸支族の間には、深い反省があった。
2.ユダ(7節)
Deu 33:7
ユダについては、こう言った。/「【主】よ。ユダの声を聞き、/彼をその民のもとに連れ戻してください。/彼は自分の手で戦っています。/彼の敵の前で助けとなってください。」
(1)ユダ族は、軍団の先頭に立つ(民2:9)。
①それゆえ、戦いにおける守りを求める祈りとなっている。
3.レビ(8~11節)
Deu 33:8
レビについては、こう言った。/「あなたのトンミムとウリムを、/あなたにある敬虔な者に与えてください。/あなたは彼をマサで試み、/メリバの水のほとりで彼と争われました。
Deu 33:9
彼は自分の父と母について/『私は彼らを顧みない』と言い、/自分の兄弟も認めず、/自分の子さえ知らないとし、/ただ、あなたの仰せのことばを守り、/あなたの契約から目を離しませんでした。
Deu 33:10
彼らはあなたの定めをヤコブに、/あなたのみおしえをイスラエルに教えます。/彼らはあなたの御前で香をたき、/全焼のささげ物をあなたの祭壇に献げます。
Deu 33:11
【主】よ。彼の財産を祝福し、/その手のわざを受け入れてください。/彼に向かい立つ者の腰を打ち砕き、/彼を憎む者たちが/立ち上がれないようにしてください。」
(1)レビ族の経歴
①トンミムとウリムは、レビ族に委ねられた。
②レビ族の代表モーセは、マサとメリバの水のほとりで民から非難された。
③金の子牛事件では、レビ族は【主】の側に付いた。
(2)レビ族のための祈り
①レビ族は、祭司として奉仕をする。
②レビ族の生活が祝福されるように。
③レビ族を憎む者が、裁きに会うように。
4.ベニヤミン(12節)
Deu 33:12
ベニヤミンについては、こう言った。/「【主】に愛されている者。/彼は安らかに主のそばに住まい、/主はいつも彼をかばう。/彼は主の背中に負われる。」
(1)神殿はベニヤミン族の領地に置かれることになる。
①ベニヤミン族は、【主】に愛されている者である。
②ベニヤミン族は、神殿にそばに住まい、【主】との交わりを楽しむ。
③ベニヤミン族は、【主】の背中に負われる。
5.ヨセフ(13~17節)
Deu 33:13 ヨセフについては、こう言った。/「彼の地は【主】に祝福されたもの。/天の賜物の露、/下に横たわる大いなる水の賜物、
Deu 33:14 太陽がもたらす賜物、/月が生み出す賜物、
Deu 33:15 いにしえの山々からの最上のもの、/永遠の丘からの賜物、
Deu 33:16
地とそこに満ちているものの賜物、/柴の茂みの中におられた方の恵み、/これらがヨセフの頭の上に、/その兄弟たちの中から選り抜かれた者の/頭の頂に臨むように。
Deu 33:17
彼の牛の初子には威厳があり、/その角は野牛の角。/これをもって地の果ての果てまで、/もろもろの民をことごとく突き倒して行く。/このような者がエフライムに幾万、/このような者がマナセに幾千。」
(1)ヨセフ族の領地は、天からの露と、地からの泉によって潤う。
①その地での産物は、豊かに実る。
(2)ヨセフの2人の息子、エフライムとマナセは、諸国を征服するようになる。
①弟のエフライムが長子の権を得た。幾万とある。
②兄のマナセに関しては、幾千とある。
6.ゼブルンとイッサカル(18~19節)
Deu 33:18
ゼブルンについては、こう言った。/「ゼブルンよ、喜べ。/あなたが外に出て行くときに。/イッサカルよ、あなたは天幕の中で。
Deu 33:19
彼らはもろもろの民を山に招き、/そこで義のいけにえを献げる。/彼らが海の富と、砂に隠されている宝で/育まれるからである。」
(1)ゼブルンとイッサカルは、諸国民をエルサレムに導くようになる。
①この預言は成就していない。
②メシア的王国(千年王国)で成就すると思われる。
7.ガド(20~21節)
Deu 33:20
ガドについては、こう言った。/「ガドの土地を広げる方はほむべきかな。/ガドは雌獅子のように伏し、/腕や頭の頂をかみ裂く。
Deu 33:21
彼は自分のために最良の地を見つけた。/そこには指導者の分が割り当てられていたのだ。/彼は民の先頭に立ち、/【主】の正義と/主の公正をイスラエルのために行った。」
(1)ガド族は、ヨルダン川の東に領地を得た。
①そこは、牧畜に最適な地である。
②そこは、指導者が得るような地である。
③ガド族は、ヨルダン川の西での戦いにも参戦した。
8.ダン(22節)
Deu 33:22 ダンについては、こう言った。/「ダンは獅子の子。/バシャンから躍り出る。」
(1)ダンは、獅子の子のように勇猛である。
①ダン族は、カナンの地の南西部に領地を得たが、そこから北方に移住した。
②彼らは、バシャンに面した土地を得た。
9.ナフタリ(23節)
Deu 33:23 ナフタリについては、こう言った。/「ナフタリは恵みに満ち足り、/【主】の祝福に満ちている。/彼は西と南を所有せよ。」
(1)ナフタリ族は、カナンの地の北西に領地を得た。
①南の境界線は、ガリラヤ湖であった。
②【主】の祝福が約束された。
10.アシェル(24~25節)
Deu 33:24
アシェルについては、こう言った。/「アシェルは子らの中で/最も祝福されている。/その兄弟たちに愛されて、/その足を油の中に浸すようになれ。
Deu 33:25 あなたのかんぬきは鉄と青銅。/あなたの力が、生きるかぎり続くように。」
(1)アシュル族に祝福が約束された。
①彼らは、他の部族との平和な関係を維持する。
②豊かなオリーブ油を産出するようになる。
③鉄と青銅は、安全を暗示する言葉である。
Ⅳ.まとめのことば(26~29節)
1.26~27節
Deu 33:26 「エシュルンよ、/神に並ぶ者はほかにない。/神はあなたを助けるため天に乗り、/威光のうちに雲に乗られる。
Deu 33:27
いにしえよりの神は、住まう家。/下には永遠の腕がある。/神はあなたの前から敵を追い払い、/『根絶やしにせよ』と命じられた。
(1)「エシュルンよ」は、イスラエルの民に対する呼びかけの言葉である。
(2)イスラエルの神は、比類なきお方である。
①【主】は、天を駆け、雲に乗られるお方である。
②【主】は、苦難の時の避け所である。
③【主】は、永遠の腕で支えてくださる。
④【主】は、イスラエルの前から敵を追い払われる。
2.28~29節
Deu 33:28 こうしてイスラエルは安らかに住まい、/ヤコブの泉だけが/穀物と新しいぶどう酒の地を満たす。/天も露を滴らす。
Deu 33:29
幸いなイスラエルよ、/だれがあなたのような、/【主】に救われた民であろうか。/主はあなたを助ける盾、あなたの勝利の剣。/敵はあなたに屈し、/あなたは彼らの背を踏みつける。」
(1)神への従順がもたらすもの
①イスラエルの民は、カナンの地を征服できる。
②カナンの地での豊かな生活が保障される。
③イスラエルの民は、地上において偉大な民となる。
結論:新約時代の信者に対する励ましのことば
1.ヨハネ15:5
Joh 15:5
わたしはぶどうの木、あなたがたは枝です。人がわたしにとどまり、わたしもその人にとどまっているなら、その人は多くの実を結びます。わたしを離れては、あなたがたは何もすることができないのです。
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