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使徒の働き(17)―第2回目の教会成長報告―
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第2回目の教会成長報告について学ぶ。
「第2回目の教会成長報告」
使徒4:32~37
1.はじめに
(1)ペテロとヨハネは、サンヘドリンから脅迫された。
①個人的な会話の中でイエス(この名)について語ってはならない。
②公のメッセージによってイエス(この名)について教えてはならない。
(2)彼らは脅しに屈することはなかった。
①教会は一致して神に祈った。
②神はその祈りにお答えになった。
Act 4:31 彼らがこう祈ると、その集まっていた場所が震い動き、一同は聖霊に満たされ、神のことばを大胆に語りだした。
③きょうの箇所は、その大胆な宣教活動がどのような実を結んだかの報告である。
(3)第1回目の教会成長報告は、使2:42~47にあった。
①決心した信者たちの弟子訓練が継続して行われた。
Act 2:42 そして、彼らは使徒たちの教えを堅く守り、交わりをし、パンを裂き、祈りをしていた。
②貧しい兄弟たちのために、自分の持ち物を売って分配していた。
Act 2:44 信者となった者たちはみないっしょにいて、いっさいの物を共有にしていた。
Act 2:45 そして、資産や持ち物を売っては、それぞれの必要に応じて、みなに分配していた。
2.アウトライン
(1)教会の成長(32~33節)
(2)相互扶助(34~35節)
(3)バルナバの例(36~37節)
結論:家の教会について
第2回目の教会成長報告について学ぶ。
Ⅰ.教会の成長(32~33節)
1.32節
Act 4:32 信じた者の群れは、心と思いを一つにして、だれひとりその持ち物を自分のものと言わず、すべてを共有にしていた。
(1)「信じた者の群れ」
①イエスの復活を目撃した人は500人以上いた。
1Co 15:6 その後、キリストは五百人以上の兄弟たちに同時に現れました。その中の大多数の者は今なお生き残っていますが、すでに眠った者もいくらかいます。
②二階部屋で祈っていたのは、120人ほどの兄弟たちであった。
Act 1:15 そのころ、百二十名ほどの兄弟たちが集まっていたが、ペテロはその中に立ってこう言った。
③ペンテコステの日に、3000人ほどが弟子に加えられた。
Act 2:41 そこで、彼のことばを受け入れた者は、バプテスマを受けた。その日、三千人ほどが弟子に加えられた。
*この段階で、女性や子どもも含めると、約1万人の信者になった。
④ペテロの第2回目のメッセージによって、5000人ほどが救われた。
Act 4:4 しかし、みことばを聞いた人々が大ぜい信じ、男の数が五千人ほどになった。
*この段階で、女性や子ども含めると、約2万5000人の信者になった。
*ディアスポラのユダヤ人たちはエルサレムを離れたと思われる。
*それでも、2万人前後の信者がエルサレムとその近郊にいたことになる。
⑤パリサイ派やサドカイ派との比較(ヨセフスが残した記録)
*パリサイ派の正式なメンバーは、約6000人。
*サドカイ派の正式なメンバーは、それよりもはるかに少数である。
*両派が教会を敵視する理由がよく分かる。
⑥使徒たちは、エルサレム教会の奉仕に手一杯で、外に出て行く余裕がなかった。
(2)「心と思いを一つにして、…すべてを共有にしていた」
①キリストに愛による一致があった。
②その一致は、物の共有という形で表現された。
③必要が生じた場合、土地や家を売って、その代金を貧しい人に与えた。
④これは、富の平等を目指したものではない。
⑤また、私有財産を否定するものでもない。
⑥これは、イエスの弟子たちによる自発的な慈善の実行である。
2.33節
Act 4:33 使徒たちは、主イエスの復活を非常に力強くあかしし、大きな恵みがそのすべての者の上にあった。
(1)神の御心に叶う行為は、神に喜ばれる。
①使徒たちの力強いあかし(超自然的な力)
②大きな恵み
Ⅱ.相互扶助(34~35節)
1.34~35節
Act 4:34 彼らの中には、ひとりも乏しい者がなかった。地所や家を持っている者は、それを売り、代金を携えて来て、
Act 4:35 使徒たちの足もとに置き、その金は必要に従っておのおのに分け与えられたからである。
(1)相互扶助の原則
①信者の中に生活苦の者たちが出る。
②それを知った誰かが、自発的に地所や家を売り、金に変える。
③その金を教会に委ねる。
④使徒たちが責任をもって管理し、必要に従っておのおのに分け与えた。
(2)使徒たちのこの奉仕は、後になって別の人たちに委譲されるようになる。
①使6:1~6
②7人のリーダーが選ばれる。
Ⅲ.バルナバの例(36~37節)
1.36~37節
Act 4:36 キプロス生まれのレビ人で、使徒たちによってバルナバ(訳すと、慰めの子)と呼ばれていたヨセフも、
Act 4:37 畑を持っていたので、それを売り、その代金を持って来て、使徒たちの足もとに置いた。
(1)バルナバの登場
①ルカはここでバルナバを登場させている。
②バルナバは、使徒の働きの中で重要は役割を演じるようになる。
③バルナバは、ここでは、慈善を実行した人物の例として登場する。
*アナニヤとサッピラとの対比のためである。
(2)バルナバという人物
①キプロス生まれのユダヤ人で、レビ人(レビ族の人)である。
*彼は、ディアスポラのユダヤ人であるが、今はエルサレムに住んでいる。
②本名は、ヨセフである。
③ニックネームは、「慰めの子」である。
*「Son of consolation」
*「子(son)」は、その人の性質を表わす言葉である。
④エウセビオスの記録
*バルナバは、イエスが派遣した70人の弟子たちのひとりである(ルカ10)。
⑤バルナバのいとこがマルコである。
Col 4:10 私といっしょに囚人となっているアリスタルコが、あなたがたによろしくと言っています。バルナバのいとこであるマルコも同じです──この人については、もし彼があなたがたのところに行ったなら、歓迎するようにという指示をあなたがたは受けています。──
(3)バルナバの行為
①「畑を持っていたので、それを売り、」
②モーセの律法では、レビ族の者は土地を所有することができなかった。
Num 18:23b 彼らはイスラエル人の中にあって相続地を持ってはならない。
Num 18:24 それは、イスラエル人が、奉納物として【主】に供える十分の一を、わたしは彼らの相続財産としてレビ人に与えるからである。それゆえわたしは彼らがイスラエル人の中で相続地を持ってはならないと、彼らに言ったのである。」
③バルナバは、なぜ土地を所有していたのか。
*この土地は、キプロス島の土地の可能性がある。
*捕囚からの帰還以降、レビ族に対する土地所有禁止命令が緩やかになった。
*その証拠に、サドカイ派の人たちは大金持ちになっていた。
(4)使徒の働きが記録するバルナバの奉仕
①バルナバは、迫害が起こってもエルサレムから避難しなかった(8章)。
②パウロの友となった。
Act 9:26 サウロはエルサレムに着いて、弟子たちの仲間に入ろうと試みたが、みなは彼を弟子だとは信じないで、恐れていた。
Act 9:27 ところが、バルナバは彼を引き受けて、使徒たちのところへ連れて行き、彼がダマスコへ行く途中で主を見た様子や、主が彼に向かって語られたこと、また彼がダマスコでイエスの御名を大胆に宣べた様子などを彼らに説明した。
③使徒たちの信任を受け、アンテオケ教会に派遣された。
Act 11:22 この知らせが、エルサレムにある教会に聞こえたので、彼らはバルナバをアンテオケに派遣した。
Act 11:23 彼はそこに到着したとき、神の恵みを見て喜び、みなが心を堅く保って、常に主にとどまっているようにと励ました。
④彼は、聖霊の満たしによって奉仕した。
Act 11:24 彼はりっぱな人物で、聖霊と信仰に満ちている人であった。こうして、大ぜいの人が主に導かれた。
⑤彼は、パウロをアンテオケ教会での奉仕に誘い出した。
Act 11:25 バルナバはサウロを捜しにタルソへ行き、
Act 11:26 彼に会って、アンテオケに連れて来た。そして、まる一年の間、彼らは教会に集まり、大ぜいの人たちを教えた。弟子たちは、アンテオケで初めて、キリスト者と呼ばれるようになった。
⑥パウロと協力して異邦人伝道に取り組んだ(第1回伝道旅行)(13~14章)。
⑦マルコの処遇を巡ってパウロと対立した(15:36~39)。
結論:家の教会について
(1)初期の教会は、すべて家の教会であった。
①信仰は、限定的な聖なる場所(神殿)から解放され、普遍的な生活の場である家に
本拠を移した。
②この状態が、約200年間続いた。
(2)私たちは、家の教会しかなかったのは経済的理由によると思いがちである。
①このこと自体が、建物中心の教会しか考えられない現代人の限界性を示している。
②今こそ、家の教会の利点に目を開かれる必要がある。
(3)家の教会の利点
①経済的利点
*建物のためにお金を使う必要がなくなる。
*献金を伝道のため、愛の実践のために用いることができる。
②物理的利点
*建物がなくても集会を開くことができる。
*会堂の使用頻度を考えると、建築費、維持費、補修費などは割に合わない。
③伝道上の利点
*建物を巡る競争心、嫉妬心などから解放される。
*建物がないと信用されないので、伝道は難しくなるという人がいる。
*初期の教会においては、家の教会は信徒のための礼拝と交わりの場であった。
*彼らは日常生活の場で伝道し、決心した人を家の教会に招いた。
*新しく救われた人たちは、家の教会に受け入れられ、そこで弟子訓練を受けた。
④文化的利点
*未信者は教会に対して警戒心を抱いている。
・形式主義への恐れ
・組織に束縛されることへの恐れ
・献金への恐れ
*家の教会は、どの文化とも調和する形態である。
・日常的な雰囲気
・少人数の集会
・対話型の集会
(4)教会とは何か。
①イエス・キリストを救い主と信じる人たちの群れである。
②一番重要なのは、イエス・キリストが中心にいるかどうかである。
③使徒の働きの中に見られるパターン
*新しい地に出て行き、伝道する。
*信者が起されたなら、彼らを地域集会として組織化する。
*群れを導く指導者として、複数の長老を任命する。
*群れによって選ばれた複数の執事が置かれる。
④神は、このような教会を通してご自身の働きを進めてくださる。
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