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創世記(57)—兄たちを試す第二のテスト—
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ユダとヨセフを通して、キリストを新しく発見する。
創世記57 創世記44章1節~45章15節
「兄たちを試す第二のテスト」
イントロ:
1.文脈を確認する。
(1)ヨセフと兄たちの和解の物語は、非常に長い(42章~45章まで)。
①霊的教訓に満ちている。
②ヤコブの一家がエジプトに下る背景を解説している。
(2)ヨセフの兄弟たち11人は、上機嫌で帰っていく。
①シメオンがいる。
②何よりもベニヤミンがいる。
2.この時点でのヨセフの心理状態
(1)兄たちを赦すことに決めていた。
(2)和解の前に、兄たちが罪を悔いているかどうかテストする必要がある。
(3)今回は、いわば期末テストである。
(4)もしこのテストに合格しなかったらどうなるのか。
①ベニヤミンだけがエジプトに留まる。
②ヨセフはただちにベニヤミンを登用する。
③父ヤコブを迎えにカナンの地に行く。
④10人の兄たちは、カナンの地に残り、自らの罪の刈り取りをする。
3.メッセージのアウトライン
(1)ヨセフが兄たちに課した期末テスト(44:1~17)
(2)テストに合格した兄たち(44:18~34)
(3)自分の身を明かすヨセフ(45:1~15)
4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)ユダとキリストの関係(メシアを送り出す家系)
(2)ヨセフとキリストの関係(長子の権利)
このメッセージは、ユダとヨセフを通して、キリストを新しく発見しようとするものである。
Ⅰ.ヨセフが兄たちに課した期末テスト(44:1~17)
1.ヨセフは管理者(執事)に命令する。
(1)袋を運べるだけの食糧で満たす。
(2)銀をおのおのの袋の口に入れておく。
(3)「私の杯、あの銀の杯を一番年下の者の袋の口に、穀物の代金といっしょに入れ
ておけ」
(4)執事は命じられた通りにする。
2.ヨセフの兄弟たちは明け方に、ロバとともに送り出された。
(1)食事のもてなしを受け、体力を回復した。ロバも元気になった。
(2)ヨセフは朝早く起きて、兄弟たちの出発時間を観察していた。
(3)町を出てまだ遠くに行かないうちに、執事が送られた(単独ではない)。
(4)執事はヨセフの兄弟たちを糾弾する。
①主人が愛用している銀の杯
②いつもまじないに使っている銀の杯(より罪を大きく見せるため)
③アッシリヤ人、カルデヤ人、エジプト人のまじない
*銀の杯に水を入れ、その中に金や銀の破片、宝石を沈める。
*まじないの言葉で悪魔に呼びかけると、返事がある。
④しかし、ヨセフはまじないをしているわけではない。
3.兄弟たちの応答
(1)絶対にあり得ないことである。
(2)間違って袋に入っていた銀でさえも返しに来た。
(3)犯人がいたら殺して下さい。残りの者は奴隷となってもいい(全体責任)。
(4)これは言い過ぎである。自分たちの無罪を強く主張するため。
4.執事の返事
(1)「お前たちの言う通りにしよう」(Let it be.)
(2)自己申告した刑罰を軽減する。
(3)犯人だけが私の奴隷となる(ヨセフの代弁者)。
(4)他の者は無罪となる。
5.袋の吟味
(1)年長の者から調べ始めて、年下の者で終わった(食卓の席順を見ていた)
(2)緊張感を高めるため
(3)杯はベニヤミンの袋から見つかった(執事は自分で隠したので知っていた)。
6.彼らの反応
(1)着物を引き裂いた。
①驚がく、悲しみ、絶望、などの表現
②中近東の人々の習慣。エジプト人もこれを行った。
(2)ロバに荷を負わせて町に引き返した。
①ベニヤミンの身に起こることを心配している。
②ベニヤミンを残して父のもとに帰ることはできない。
7.家で待っているヨセフ
(1)ヨセフは兄弟たちが帰って来るのを知っていた。
(2)「ユダと兄弟たち」となっている。
①ユダが指導的地位に立っている。
②ユダがベニヤミンの保証人となっている。
(3)彼らは、敬意を表するためではなく、権威者の憐みを求めて顔を地に伏せた。
①僕として。
②夢の成就。「私たちを支配しようとでも言うのか」。
(4)「あなたがたのこのしわざは何事ですか。わたしのような人は、必ず占い当てる
ことを知らないのですか」(口語訳)
8.ユダの回答
(1)申し開きはできない。物証がある。
(2)神がしもべどもの咎をあばかれた(ヨセフを奴隷に売ったこと)。
(3)杯を持っているのを見つかった者を含めて全員が奴隷となる。
9.ヨセフの判決
(1)犯人だけが奴隷となればよい。
(2)ほかの者は安心して父のもとに帰れ。
①お前たちに罪はないのだから、安心して帰れ。
②故郷には自分の家族がおり、自分の家畜がいて、平穏な生活が待っている。
(3)兄たちがベニヤミンを見捨てて故郷に帰るかどうかをテストしている。
Ⅱ.テストに合格した兄たち(44:18~34)
1.ユダが兄弟たちを代表して執りなしを行う。
(1)エジプトの宰相に近付いている。
(2)勇気を奮った行為である。
(3)対話ではなく、途切れることのない一方的な執りなしである。
①時間と動きが止まったような雰囲気
2.執りなしの内容
(1)反論のない執りなし
①義の主張はしていない。
②ただただ、権威ある者の憐みにすがっている。
③自分はあなたのしもべである。
④あなたは、パロのようなお方である。
⑤神の前に立つ時の私たちの態度はかくあるべき。
(2)ベニヤミンに対する憐みをかきたてる執りなし
①あなたの要請により、末の弟を連れてきた。
②最初父は、末の弟を送ることを躊躇した。
③私たちは、末の弟を連れて行かないと、大変なことになると告げた。
④父は、「妻が産んだ2人の子のひとりは死んだ。もうひとりも死んだなら、あな
たがたは、しらが頭の私を苦しみながらよみに下らせることになる」と言った。
(3)父を案じる執りなし
①末の弟がいないのを見たら、父は死んでしまう。
②「あなたのしもべでしらが頭の父」。夢の成就。
③しもべどもが父の死の原因を作ることになる。
(4)捨て身の執りなし
①自分は、末の弟の保証人となっている。
②自分が奴隷となるので、あの子を帰らせて欲しい。
*ベニヤミンよりも自分の方が体力がある。
*ヨセフにとっても悪い提案ではない。
③父に起こるわざわいを見たくない。
3.A+の内容
(1)かつてヨセフを奴隷に売った首謀者であるユダが変化した。
(2)ベニヤミンを見捨てて、自分は助かろうとはしなかった。
(3)ベニヤミンを救うために、自分が身代わりとなるという提案をした。
Ⅲ.自分の身を明かすヨセフ(45:1~15)(章が変わるのは残念なこと)
1.これ以上演技ができなくなる。
(1)自分を制することができない。
(2)エジプト人は誰もいなくなった。
(3)大声を上げて泣いたので、パロの家の者もそれを聞いた。
(4)ヨセフの家はパロの宮廷に近かった。
2.ヨセフの答え
(1)44:18~34に及ぶユダの執りなしの言葉に対する答え
(2)「私はヨセフです」「I am Joseph.」「アニ・ヨセフ(2語)」
(3)「父上はお元気ですか」(父が健在なのは嬉しいことだ)
3.兄弟たちは答えることができなかった。
(1)復活したヨセフを目撃した。
(2)自分たちの罪を思い出した。
(3)ヨセフの復讐を恐れた。
4.ヨセフの招き
(1)「どうか私に近寄ってください」
①兄弟関係に戻る。
(2)「私はあなたがたがエジプトに売った弟のヨセフです」
①本当にヨセフであることの念を押している。
(3)「今、私をここに売ったことで心を痛めたり、怒ったりしてはなりません。神は
いのちを救うために、あなたがたより先に、私を遣わしてくださったのです」
①神の計画の中で人間が演じる役割がある。
②神の御心は必ず成る。
③ヤコブの一家がエジプトで生き延びるのが神の御心である。
(4)飢饉はまだ5年続く。
(5)父にこれを伝え、すぐにエジプトに移住するように。
①場所はゴシェンの地。
②都に近く、羊を飼うには最適な地。
(6)ベニヤミンも自分の目でしかと見るように。
①ベニヤミンの言うことなら、父も信じるだろう。
5.口づけ
(1)ベニヤミンとは再会の抱擁と口づけ
(2)兄たちとは和解の抱擁と口づけ
結論:ユダとヨセフを通して、キリストを新しく発見する。
1.ユダの捨て身の祈り
(1)イエスの十字架の祈りが響いてくる。
①カルトの教祖:俺は生きるから、お前は死ね。
②イエスの祈り:わたしは死ぬから、お前が生きるように。
(2)ユダの高潔な性質を見よ。
「ユダよ。兄弟たちはあなたをたたえ、あなたの手は敵のうなじの上にあり、あなた
の父の子らはあなたを伏し拝む」(創49:8)
①ユダとは、「神をたたえる」、「兄弟たちからたたえられる」の意味。
②12部族の中で優位に立つ。
③ヨセフは長子の権利を得たが、ユダはメシアを生み出す家系になる。
2.ヨセフの自己開示
(1)ヨセフを奴隷に売った兄たちの前に、救出者として立つ。
(2)兄たちの驚愕と涙
(3)ゼカ12:10の預言
「わたしは、ダビデの家とエルサレムの住民の上に、恵みと哀願の霊を注ぐ。彼らは、
自分たちが突き刺した者、わたしを仰ぎ見、ひとり子を失って嘆くように、その者の
ために嘆き、初子を失って激しく泣くように、その者のために激しく泣く」
(4)ロマ11:25~26
(例話)メシアニック・ジュー12人の証しを撮影してきた。
イエスが直接姿を現したという証しが多い。
個人的レベルで起こっていることが、民族的レベルで起こる。
(5)異邦人である私たちにも、主イエスの顕現があるように。
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