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出エジプト記(48)—幕屋建設—
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幕屋建設から私たちに適用される霊的真理を学ぶ。
出エジ48 出エジプト記35章1節~39章43節
「幕屋建設」
1.文脈の確認
(1)金の子牛事件が決着した。
①モーセの執りなしの祈りによって、神の赦しが得られた。
②神の栄光を見たモーセの顔が輝いた。
③神は再びイスラエルの民の中に住み、彼らとともに進むことを約束された。
(2)きょうの箇所から、幕屋建設が始まる。
①幕屋は神の臨在が現れる場所である。
②きょうの箇所は、出25~31章で扱った内容の繰り返しである。
*順番が異なる部分が若干ある。
③それゆえ、要約だけを述べる。
2.メッセージのアウトライン
(1)安息日の規定(35:1~3)
(2)幕屋のための捧げもの(35:4~36:7)
(3)幕屋と器具の制作(36:8~39:43)
3.メッセージのゴール
(1)リピート(繰り返し)の教訓
(2)【主】への奉納物の教訓
このメッセージは、幕屋建設から私たちに適用される霊的真理を学ぶためのものである。
Ⅰ.安息日の規定(35:1~3)
1.「これは、【主】が行えと命じられたことばである」(1節)
(1)安息日の規定の再確認をしている。
①出31:12~18の繰り返し
(2)幕屋建設の前に、この規定が再確認されている。
①つまり、幕屋建設の間も、安息日の規定を守るということ。
②安息日には、火さえもたいてはならない。
2.安息日は、シナイ契約の「しるし」である。
(1)幕屋建設はシナイ契約の一部であるから、その「しるし」を守る必要がある。
(2)モーセは、割礼を無視したために殺されそうになったことがある(出4章)。
①割礼はアブラハム契約の「しるし」である。
②モーセは、アブラハム契約に基づいて民を奴隷から解放しようとしている。
Ⅱ.幕屋のための捧げもの(35:4~36:7)
1.必要な品物(35:4~9)
(1)モーセは民に主への奉納物を持ってくるように命じた。
①15種類の品物(25:4~7で指定されていた物)
②すべてエジプト人から受けた物である。長年の労働の対価である。
(2)心から進んで捧げることが条件である。
①誰もが参加できる。
②自分の能力に応じて参加できる。
(3)新約聖書の原則(2コリ9:6~7)
「私はこう考えます。少しだけ蒔く者は、少しだけ刈り取り、豊かに蒔く者は、豊か
に刈り取ります。ひとりひとり、いやいやながらでなく、強いられてでもなく、心で
決めたとおりにしなさい。神は喜んで与える人を愛してくださいます」
2.必要な人材(35:10~19)
「あなたがたのうちの心に知恵のある者は、みな来て、【主】が命じられたものをすべて造
らなければならない」(10節)
(1)奉仕者の召集が行われる。
①「心に知恵のある者」が招かれた。
②すでにベツァルエルとオホリアブの名が上がっていた(出31章)。
③このふたりのもとに、多くの人たちが集まった。芸術家集団である。
(2)24種類の作品が列挙されている。
3.民の応答(35:20~29)
「イスラエル人の全会衆は、モーセの前から立ち去った。感動した者と、心から進んです
る者とはみな、会見の天幕の仕事のため、また、そのすべての作業のため、また、聖なる
装束のために、【主】への奉納物を持って来た」(20~21節)
(1)民はつぶやいたりせずに、すぐに行動に移した。
(2)「感動した者と、心から進んでする者」が行動を起こした。
①聖霊による感動である。
②金の子牛事件の罪が赦された感動である。
③【主】の臨在が再び宿るという恵みへの感動である。
(例話)2009年の第一回ANRCで感じた印象
④詩110:3(メシア的詩篇。神の国が世界中に広がる)
「あなたの民は、あなたの戦いの日に、聖なる飾り物を着けて、夜明け前から喜
んで仕える。あなたの若者は、あなたにとっては、朝露のようだ」
(3)締めくくりの言葉(29節)
「イスラエル人は、男も女もみな、【主】がモーセを通して、こうせよと命じられた
すべての仕事のために、心から進んでささげたのであって、彼らはそれを進んでささ
げるささげ物として【主】に持って来た」
4.制作者の任命(35:30~36:1)
(1)ベツァルエル
①ユダ族のフルの孫
②神は彼に、知恵と英知と知識の霊で満たした。
③霊で満たすとは、霊の支配下に置くことである。
(2)オホリアブ
①ベツァルエルの補助者
②最小部族のダン部族出身
(3)心に知恵のある多くの工人
(4)捧げ物はすべての人に関係するが、制作者の任命は神の主権による。
①妬ましく思う必要はない。
5.あり余る奉納物(36:2~7)
(1)困った問題が起きた。
①民は朝ごとに捧げ物をモーセのもとに持って来た。
②その量が多すぎたので、制作者たちは困惑した。
③彼らは一時仕事を中断して、モーセのもとに来て、状況報告をした。
③そこでモーセは、捧げ物を中止するというおふれを出した。
(2)2歴31:10(ヒゼキヤ王の時代)
「すると、ツァドクの家のかしら、祭司アザルヤが彼に答えて言った。『人々が奉納
物を【主】の宮に携えて来始めてから、食べて、満ち足り、たくさん残りました。【主】
が御民を祝福されたからです。その残りがこんなにたくさんあるのです』」
①残ったものは、宮の脇部屋に保管された。
②幕屋建設の時も、余分なものは将来の必要のために保管されたと思われる。
Ⅲ.幕屋と器具の制作(36:8~39:43)
1.制作した物:13項目(36:8~38:20)
(1)幕屋の幕
①亜麻布の撚り糸で織られたもの
②10枚の幕で幕屋を作った。
③ケルビムの刺繍が施されていた。
(2)幕屋の上に掛ける天幕
①山羊の毛で作られていた。
②11枚あった。
③その上に、赤くなめした雄羊の皮と、じゅごんの皮を乗せた。
(3)アカシヤ材の板と横木
①板は56枚
②横木は15本
(4)垂れ幕と入り口の幕
①垂れ幕は聖所と至聖所を仕切る幕であり、大祭司と一般の祭司を区別した。
②入口の幕は外光を遮断し、祭司とイスラエルの民を区別した。
(5)契約の箱
①至聖所に置かれた。
②マナを入れた金の壺、十戒が記された石の板2枚、芽を出したアロンの杖
③この上にシャカイナグローリーがとどまった。
(6)贖いの蓋
①蓋の両側にケルビムが置かれた。
②3つの役割
*神の御座
*贖いの場
*啓示の場
(7)パンを置く机
①供えのパンを置く。
②12個のパン(イスラエルの民は神の前に覚えられている)
(8)燭台
①七枝の燭台
②聖所の中に置かれ、光源を提供する。
(9)香の壇
①毎日、朝と夕に香をたく。
②【主】が命じた方法でたく。
(10)聖なる注ぎの油
①祭司や器具を聖別するためのもの
②【主】が命じた通りの調合法
(11)祭壇
①幕屋の庭の中央に置かれた。
②この祭壇の上でいけにえの動物が焼かれた。
(12)洗盤
①祭壇と幕屋の間に置かれた。
②幕屋で奉仕をする祭司が水で手と足を洗うためのもの
(13)幕屋の庭
①亜麻布の掛け幕で覆われた。
②約990平米
③イスラエルの民と異邦人を区別する。
2.会計報告(38:21~31)
(1)アロンの子イタマルの指揮で、レビ人が調査した。
①【主】の働きにおける説明責任
(2)使用した貴金属
①金は約900キロ、銀は約3トン、銅は約2トン。
②エジプト人たちがいかにイスラエル人を恐れたかが分かる。
3.祭司のための衣服(39:1~31)
4.モーセによる点検(39:32~43)
(1)仕事が【主】の命令通りに行われたかを確認した。
①【主】からの啓示を受けたのは、彼だけである。
(2)その仕事を忠実に完成した民を祝福した。
「モーセが、すべての仕事を彼らが、まことに【主】が命じられたとおりに、したの
を見たとき、モーセは彼らを祝福した」
結論:私たちに適用される霊的真理
1.リピート(繰り返し)の教訓
(1)きょうの箇所は、出25:1~31:18のリピートである。
①命令とその実行という関係にある。
②「イスラエル人は、すべて、【主】がモーセに命じられたとおりに、そのすべての
奉仕を行った」(出39:42)
③「モーセはそのようにした。すべて【主】が彼に命じられたとおりを行った」(出
40:16)
(2)人間の方法と神の方法の対比
①金の子牛事件は、人間の方法で神の臨在を確保しようとしたものである。
*その結果、民は裁かれ、神の臨在が宿営から去った。
②幕屋は、神の方法による臨在の提供である。
*出40:34~38にその結果が記されている。
(3)幕屋は、罪人が神に近づくための恵みの方法である。
①それゆえ、神が指定した通りに建設する必要がある。
②幕屋全体が、メシアを示す型となっている。
(4)使徒たちに啓示された福音の真理は、決して曲げてはならない。
①偽教師に対するパウロの厳しい言葉(ガラ1:8)
「しかし、私たちであろうと、天の御使いであろうと、もし私たちが宣べ伝えた福音
に反することをあなたがたに宣べ伝えるなら、その者はのろわれるべきです」
②私たちは、使徒たちから伝えられた福音のために労するのである。
③【主】が命じた通りに教会を建設しなければ、私たちの奉仕は空しい。
2.【主】への奉納物の教訓
(1)金の子牛を作るためにアロンが指定したのは、金だけであった。
(2)幕屋のためには、15種類のものが必要とされた。
①誰もが参加できる命令である。
②事実、民はあり余るほど捧げた。
(3)出35:25
「また、心に知恵のある女もみな、自分の手で紡ぎ、その紡いだ青色、紫色、緋色の撚り
糸、それに亜麻布を持って来た」
①彼女たちは、原料と提供したのでも、完成品を作ったのでもない。
②しかし、糸を紡ぐという労働を提供した。中間的作業である。
③これらの糸がなければ、ベツァルエルは幕を作れなかった。
④一見重要でない作業に見えるが、幕の強度は糸の紡ぎにかかっている。
(4)キリストのからだなる教会のイメージがある。
「キリストによって、からだ全体は、一つ一つの部分がその力量にふさわしく働く力によ
り、また、備えられたあらゆる結び目によって、しっかりと組み合わされ、結び合わされ、
成長して、愛のうちに建てられるのです」(エペ4:16)
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