私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(25)—イテロの助言—
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聖書的リーダーシップを学ぶ。
出エジ25 出エジプト記18章13節~27節
「イテロの助言」
1.文脈の確認
(1)レフィディムでの体験
①メリバの水
②アマレクとの戦い
③イテロとの出会い(激闘の後の静寂とでも言うべき風景)
*イテロの到着
*イテロの助言
(2)摂理による神の業
①これまでは奇跡の連続であった。
②ここでは、摂理による神の業に目を留めたいと思う。
2.アウトライン
(1)モーセの激務(18:13~16)
(2)イテロの助言(18:17~23)
(3)助言の受容と実行(18:24~26)
(4)イテロの帰還(18:27)
3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)リーダーのあるべき姿
(2)リーダーの行動力
(3)聖書的教会像
このメッセージは、聖書的リーダーシップを学ぶためのものである。
Ⅰ.モーセの激務(18:13~16)
1.忠実なリーダー(13節)
(1)「翌日」
①イテロと食事をした翌日のことである。
②しゅうとをもてなす暇もなく、モーセは仕事に励んだ。
(2)「座に着いた」
①さばきつかさ(裁判官)としての責務を行っている。
②争い好き、口論好きな民である(モーセやアロンにも反抗する)。
(3)「朝から夕方まで」
①種類も深刻さも異なる雑多な争いごとが持ち込まれて来た。
②150~200万人の争いごとが持ち込まれて来た。
③いつ果てるともしれない激務である。
2.イテロの疑問(14節)
「モーセのしゅうとは、モーセが民のためにしているすべてのことを見て、こう言っ
た。『あなたが民にしているこのことは、いったい何ですか。なぜあなたひとりだけ
がさばきの座に着き、民はみな朝から夕方まであなたのところに立っているのです
か』」
(1)観察
①観察しているのは、イテロが有能なリーダーであることの証拠である。
②その観察は、モーセとイスラエルの民に祝福をもたらすという動機に基づく。
(2)質問
①知らないからではなく、会話を導くための知恵である。
②なぜ責任を分担しないのか。
③なぜ民はいつまで経っても自分の問題を聞いてもらえないのか。
3.モーセの回答(15~16節)
「モーセはしゅうとに答えた。『民は、神のみこころを求めて、私のところに来るの
です。彼らに何か事件があると、私のところに来ます。私は双方の間をさばいて、神
のおきてとおしえを知らせるのです』」
(1)神のみこころを求めて
①マナと安息日に関して
②礼拝の規定に関して
③相互に果たすべき義務に関して
(2)何か事件があると
①刑法的なもの
②民法的なもの
③道徳法的なもの
(3)モーセは双方の言い分を聞いて、判断を下す。
①律法がまだ与えられていないので、モーセの指示を仰ぐ必要があった。
②判断を下し、何を為すべきかを教えた。
(4)このようなリーダーシップを取っていた理由
①エジプトの統治形態は、パロによる専制政治である。
②エジプトからは、ハムラビ法典のような法体系は発掘されていない。
③すべては、状況に応じたパロの命令によって決定された。
④エジプトで教育を受けたモーセは、エジプト風リーダーシップを採用した。
Ⅱ.イテロの助言(18:17~23)
1.現状評価(17~18節)
「するとモーセのしゅうとは言った。『あなたのしていることは良くありません』」
(1)道徳的・倫理的評価ではない。
(2)今の方法は、正しくないという意味である。
①ひとりで重荷を担ぎ過ぎている。
②モーセも民も、疲れ果ててしまう。
2.助言(19~23節)
(1)イテロはモーセに、預言者としての役割と管理的役割の分離を勧めた。
(2)預言者としての役割
①民の代表として神の前に出る。
②事件を神のところに持って行く。
③神の教えを民に伝える。
④なすべきことを民に教える。
(3)管理的役割
①千人の長、百人の長、50人の長、10人の長を民の上に立てる(さばきつかさ)。
②資格は4つある。
*力のある人々(精神的力のこと)
*神を恐れる人々
*不正の利を憎む人々
*誠実な人々
(4)権威の委譲
①さばきつかさたちが、民をさばく。
②大きい事件の場合は、それをモーセのところに持って来させる。
③小さい事件はみな、彼らがさばく。
(5)神の御心
「もしあなたがこのことを行えば、──神があなたに命じられるのですが──あなた
はもちこたえることができ、この民もみな、平安のうちに自分のところに帰ることが
できましょう」
①イテロは、モーセがこのことについて神に祈るであろうことを確信していた。
②自分の助言が神の御心と合致するなら、という意味である。
③自分の助言を受け入れてそれを実行するなら、長く奉仕することができる。
④民にとっても祝福となる。短時間の内に、自分の住まいに帰ることができる。
Ⅲ.助言の受容と実行(18:24~26)
1.モーセはしゅうとイテロの助言を聞き入、すべて言われた通りにした(24~26節)。
(1)千人の長、百人の長、50人の長、10人の長の任命
(2)役割の分担
①彼らは、むずかしい事件はモーセのところに持って来た。
②小さい事件は、自分たちでさばいた。
Ⅳ.イテロの帰還(18:27)
1.安心して国に帰った。
(1)ミデヤンの地
(2)老年のゆえに、約束の地への旅には加わらなかった。
2.彼の子孫は、イスラエルの信仰に改宗する。
(1)士1:16 ケニ人
「モーセの義兄弟であるケニ人の子孫は、ユダ族といっしょに、なつめやしの町
からアラデの南にあるユダの荒野に上って行って、民とともに住んだ」
(2)Ⅰ歴2:55 レカブ家
「ヤベツに住んでいた書記の諸氏族は、ティルア人、シムア人、スカ人。彼らは
レカブ家の父祖ハマテから出たケニ人である」
(3)エレ35:1~19 レカブ人の家
「イスラエルの神、万軍の【主】は、こう仰せられる。『あなたがたは、先祖ヨ
ナダブの命令に聞き従い、そのすべての命令を守り、すべて彼があなたがたに命
じたとおりに行った』。それゆえ、イスラエルの神、万軍の【主】は、こう仰せ
られる。『レカブの子、ヨナダブには、いつも、わたしの前に立つ人が絶えるこ
とはない』」(18~19節)
結論:このメッセージは、聖書的リーダーシップを学ぶためのものである。
1.リーダーのあるべき姿
(1)熱心さ(勤勉)
①始めたことを完成させようという決意
②フォロワーよりも多く働くという決意
(2)謙遜(心が柔らかい)
①民12:3
「さて、モーセという人は、地上のだれにもまさって非常に謙遜であった」
②イテロはモーセのしゅうとであり、年長者である。
③しかし、神に関する知識においてはモーセが格段に上である。
(3)良きリーダーは、良きフォロワーでもある。
2.リーダーの実行力
(1)真の実行力とは、暴走する力ではない。
(2)神の御心に沿って実行する力である。
①申1:9~18 モーセの律法を与えられて以降のことである。
②イテロの助言を受け入れたが、それを実行に移すまでに時間が経過している。
③モーセは神に祈って、それを実行に移した。
④民の同意を得て、それを実行に移した。
(3)実行する前の熟慮
①神のみこころを確認したか。
②状況が整っているか。
③かかわる人たちの同意を得ているか。
3.聖書的教会像
(1)使6:3~6
「そこで、兄弟たち。あなたがたの中から、御霊と知恵とに満ちた、評判の良い人た
ち七人を選びなさい。私たちはその人たちをこの仕事に当たらせることにします。そ
して、私たちは、もっぱら祈りとみことばの奉仕に励むことにします」。この提案は
全員の承認するところとなり、彼らは、信仰と聖霊とに満ちた人ステパノ、およびピ
リポ、プロコロ、ニカノル、テモン、パルメナ、アンテオケの改宗者ニコラオを選び、
この人たちを使徒たちの前に立たせた。そこで使徒たちは祈って、手を彼らの上に置
いた。
①霊的資質:御霊に満ちた人
②人間的資質:知恵に満ちた人
(2)預言者としての役割と管理的役割の分離
(3)聖書的教会像の特徴
①単独の人物による管理ではない。
②完全な民主主義でもない。
③複数のリーダーシップによる管理が想定されている。
(4)単独の人物による管理の危険性
①カルト化の危険性
②その人物がいなくなった時に、教会が消滅する危険性
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