私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ローマ人への手紙(19)—義認の喜び(1)—
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義認を受けた者のその後の歩みを教える。
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「義認の喜び(1)」
1.はじめに
(1)ロマ5:1
「ですから、信仰によって義と認められた私たちは、」で始まる。
①私たちの今の状態(信仰によって義とされた)を確認しておく必要がある。
(2)ロマ5:1の最初の句は、ここまでの義認に関する議論のまとめである。
①有罪宣言(1:18~3:20)
*ユダヤ人も異邦人も罪人である。人類の普遍的罪の証明がなされた。
②義の提供(3:21~26)
*ユダヤ人にも異邦人にも、キリストを信じる信仰による義が提供された。
③義認と律法の関係(3:27~31)
*ユダヤ人から来るであろう質問に答えた。
*信仰による義と律法をいかに調和させるかという問題である。
*信仰は結果的に律法を確立する。
④アブラハムの例(4:1~25)
*アブラハムは律法が与えられる前の時代に、信仰によって義とされた。
*また、割礼を受ける前に義とされた(業による救いではない)。
(3)きょうの箇所で、義認の後に何が起こるかという議論が展開される。
①過去の問題は、義認で解決した。
②将来に不安がある。さまざまな試練や苦難が待っている。
③しかし、将来の問題も、義認で解決する。
④義認の結果、信者に与えられた5つの祝福が列挙される。
2.メッセージのアウトライン
(1)神との平和(1節)
(2)恵みへのアクセス(利用する権利)(2節a)
(3)栄光の希望に関する誇り(2節b)
(4)今の時の忍耐心(3~10節)
(5)神に関する誇り(11節)
今回は、(1)~(3)を取り上げる。
次回は、(4)~(5)を取り上げる。
3.メッセージのゴール
(1)義認を受けた者に与えられている位置
(2)義認を受けた者に与えられている力
(3)義認を受けた者に与えられている希望
このメッセージは、義認を受けた者のその後の歩みを教えるものである。
Ⅰ.神との平和(5:1)
1.1節
「ですから、信仰によって義と認められた私たちは、私たちの主イエス・キリストによっ
て、神との平和を持っています」
(1)私たちの状態は、「信仰によって義と認められた」というものである。
①動詞の時制は、アオリストである。
②一度限りの行為であり、再度繰り返されることはない。決定的事実である。
③それゆえ、過去を振り返るのではなく、将来を見るのである。
(2)神との平和もまた、義認と同様に、イエス・キリストを通して与えられる。
①ロマ1:18
「というのは、不義をもって真理をはばんでいる人々のあらゆる不敬虔と不正に
対して、神の怒りが天から啓示されているからです」
②ロマ5:1では、神との平和が語られている。
(例話)創33章のヤコブとエサウ
③神の怒りがイエス・キリストに注がれ、神は満足された。怒りが静められた。
④それゆえ、イエス・キリストを信じる者は、神との平和を得ている。
⑤神との平和は、最も重要な祝福である。
2.感情的なものではなく、成就した真理である。
(1)これは心に平安があるかどうかを論じているのではない。
①感情に頼る信仰生活の危険性
②聖書研究と神のことばに信頼することの重要性
(2)「持っている」という動詞は、現在形である。
①これは、継続する動作や状態を表す時制である。
②義認はすでに起こった事実であり、神との平和は現在進行形の事実である。
(3)神と私たちの間にあった敵意が取り去られた。
①先ず神が、罪人に対する態度を変化させた。
②次に罪人が、その事実に応答した。
③2コリ5:19~20
「すなわち、神は、キリストにあって、この世をご自分と和解させ、違反行為の
責めを人々に負わせないで、和解のことばを私たちにゆだねられたのです。こう
いうわけで、私たちはキリストの使節なのです。ちょうど神が私たちを通して懇
願しておられるようです。私たちは、キリストに代わって、あなたがたに願いま
す。神の和解を受け入れなさい」
Ⅱ.恵みへのアクセス(利用する権利)(2節a)
1.2節a
「このキリストのお陰で、今の恵みに信仰によって導き入れられ、」(新共同訳)
(1)キリストにあって、これが真理となっている(位置的真理)。
①動詞の時制は、完了形である。今も継続している事実である。
(2)信者には、恵みへのアクセス(利用権)が与えられている。
①恵みへの道は、「オープン・ドア」の状態にある。
②義認が恵みにより成就したように、信者としての生活にも恵みが必要である。
③いかなる不安や試練も、恵みによって乗り越えることができる。
2.ヘブ4:14~16
「さて、私たちのためには、もろもろの天を通られた偉大な大祭司である神の子イエスが
おられるのですから、私たちの信仰の告白を堅く保とうではありませんか。私たちの大祭
司は、私たちの弱さに同情できない方ではありません。罪は犯されませんでしたが、すべ
ての点で、私たちと同じように、試みに会われたのです。ですから、私たちは、あわれみ
を受け、また恵みをいただいて、おりにかなった助けを受けるために、大胆に恵みの御座
に近づこうではありませんか」
(1)信仰から離れそうになっている人たちへの、励ましの言葉である。
①離れて行く理由は、恵みにアクセスしないからである。
(2)恵みとは、信者を祝福し、守り、支える超自然的な神の御手である。
①祝された生活の秘訣が、「恵み(カリス)」という言葉で表現されている。
②大切なのは、この恵みを自分のものとして受け取り、体験することである。
③日々恵みにより頼むことが、祝されたクリスチャン生活の鍵である。
(例話)母親にプレゼントを届ける娘
Ⅲ.栄光の希望に関する誇り(2節b)
1.2節b
「神の栄光にあずかる希望を誇りにしています」(新共同訳)
(1)「カウカオマイ」という動詞は、「誇りとする」、次に「喜ぶ」という意味。
①ロマ2:17
「もし、あなたが自分をユダヤ人ととなえ、律法を持つことに安んじ、神を誇り、」
②ロマ2:23
「律法を誇りとしているあなたが、どうして律法に違反して、神を侮るのですか」
③ロマ5:2、3、11
新改訳はともに、「喜ぶ」と訳している。
(2)クリスチャンの希望は、聖化の完成である。これを栄化という。
①恵みにより聖化され、恵みにより栄化される。
②霊的指導者の役割は、霊的幼子に「恵みへのアクセス」を教えることである。
(3)ロマ8:17
「もし子どもであるなら、相続人でもあります。私たちがキリストと、栄光をともに
受けるために苦難をともにしているなら、私たちは神の相続人であり、キリストとの
共同相続人であります」
①キリストと、栄光をともに受ける。
②そのために苦難をともにしている。
③「体の贖われることを待ち望んでいる」(8:23)
④「目に見える望みは、望みではありません」(ロマ8:24)
2.コロ3:4
「私たちのいのちであるキリストが現れると、そのときあなたがたも、キリストとともに、
栄光のうちに現れます」
(1)自分が栄化されるだけでなく、神の栄光の中に入る。
結論:
(1)義認を受けた者に与えられている位置
①神との平和
②人との平和ではない。
③すでに成就した真理(神との平和)を、実践によって体験して行く。
(2)義認を受けた者に与えられている力
①恵みへのアクセス
②真剣に神の恵みにより頼み、神の恵みを体験する。
(例話)ローマ時代の殉教者の死(火あぶりの刑)
(3)義認を受けた者に与えられている希望
①復活の希望
②死は、クリスチャンにとっては悲劇ではない。
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