私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ローマ人への手紙(16)—義認と律法の調和—
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義認と律法の関係について学ぶ。
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「義認と律法の調和」
1.はじめに
(1)義認(1:18~5:21)
①有罪宣言(1:18~3:20)
②義の提供(3:21~26)
*信仰義認の原則
*イエスは「なだめの供え物」となられた。
*3:23~24が重要である。
(2)きょうの箇所でパウロは、2つのことを論じている。
①義認と律法の関係
②義認と律法の調和
2.メッセージのアウトライン
(1)人間の誇りはどこにあるのか。
(2)救いの道は、ユダヤ人と異邦人で異なるのか。
(3)信仰は律法を無効にするのか。
4.メッセージのゴール
(1)義認のために、人間が付け加える余計なものについて論じる。
このメッセージは、義認と律法の関係について学ぶためのものである。
Ⅰ.人間の誇りはどこにあるのか。
1.1コリ1:22~24
「ユダヤ人はしるしを要求し、ギリシヤ人は知恵を追求します。しかし、私たちは十字架につけられたキリストを宣べ伝えるのです。ユダヤ人にとってはつまずき、異邦人にとっては愚かでしょうが、しかし、ユダヤ人であってもギリシヤ人であっても、召された者にとっては、キリストは神の力、神の知恵なのです」
(1)ユダヤ人も異邦人も、自らが大切だと思うものを持っていた。
(2)キリストの福音は、それらのものとは根本的に異なる。
2.ユダヤ人の誇り
(1)アブラハムの子孫であることを誇りとした。
①マタ3:9
「『われわれの父はアブラハムだ』と心の中で言うような考えではいけない。あな
たがたに言っておくが、神は、この石ころからでも、アブラハムの子孫を起こす
ことがおできになるのです」
②ヨハ8:38
「彼らはイエスに答えた。『私たちはアブラハムの子孫であって、決してだれの奴
隷になったこともありません。あなたはどうして、「あなたがたは自由になる」と
言われるのですか』」
(2)割礼を誇りとしていた。
①エペ2:11
「ですから、思い出してください。あなたがたは、以前は肉において異邦人でし
た。すなわち、肉において人の手による、いわゆる割礼を持つ人々からは、無割
礼の人々と呼ばれる者であって、」
(3)律法を持ち、それを守っていることを誇りとしていた。
①ロマ2:17~18
「もし、あなたが自分をユダヤ人ととなえ、律法を持つことに安んじ、神を誇り、
みこころを知り、なすべきことが何であるかを律法に教えられてわきまえ、」
(4)神が自分たちの神であることを誇りとしていた。
①「アブラハム、イサク、ヤコブの神」
②自分たちは、イスラエル人である。ヤコブの子孫である。
3.異邦人の誇り
(1)知恵(学問)(ギリシア文明)
(2)力(ローマ文明)
(3)自由(ローマ文明)
(4)自足している(自分のことは自分でできる)
(例話)東日本大震災で日本人の誇りが砕かれつつある。
4.信仰義認の教理を受け入れた場合は、それらの誇りはどうなるのか。
(1)「それはすでに取り除かれた」
①部屋から閉め出された。鍵がかけられた。
②英語で「shut up once for all」
③ギリシア語の文法で、「アオリスト」という時制である。
(2)どういう原理(原則)によって閉め出されたのか。
①行いの原理によってではない。
*行いのよる義の獲得は、誇りを生む。
②信仰の原理によって、誇りは閉め出された。
Ⅱ.救いの道は、ユダヤ人と異邦人で異なるのか。
1.信仰義認は、全ての人に適用される原理である。
「人が義と認められるのは、律法の行いによるのではなく、信仰によるというのが、私た
ちの考えです」(28節)
(1)「それゆえ」という接続詞が入る。
①これまでの議論をまとめている。
(2)「人が」とあり、ユダヤ人という言葉も、異邦人という言葉もない。
①すべての人に同じ原理が適用される。
(3)同じ原理とは、「信仰義認」である。
2.神はすべての人の神である。
(1)3:29
「それとも、神はユダヤ人だけの神でしょうか。異邦人にとっても神ではないのでし
ょうか。確かに神は、異邦人にとっても、神です」(29節)
①ユダヤ人は、神は自分たちだけの神だと考えて来た。
②しかし、神は異邦人にとっての神でもある。
*アブラハム契約の中には、異邦人の救いが含まれている。
*ロマ11章には、オリーブの木の神学が展開されている。
(2)3:30
「神が唯一ならばそうです。この神は、割礼のある者を信仰によって義と認めてくだ
さるとともに、割礼のない者をも、信仰によって義と認めてくださるのです」
①割礼のある者とは、ユダヤ人のこと。
②割礼のない者とは、異邦人のこと。
(例話)二契約神学(ユダヤ人の救い方法と、異邦人の救いの方法は異なる)
Ⅲ.信仰は律法を無効にするのか。
1.では、律法は無駄だったのか、無益だったのか。
「それでは、私たちは信仰によって律法を無効にすることになるのでしょうか。絶対にそ
んなことはありません。かえって、律法を確立することになるのです」(31節)
(1)驚愕の感情が背後にある。
①ユダヤ人の歴史の否定につながる。
②放縦につながる。
(2)パウロは強く否定する(顔をしかめて言葉を発しているような印象)。
①律法の否定ではない。
②律法の確立である。
③4:1~25でその説明が入る(アブラハムの例)。
(3)とりあえず原理を説明しておく。
①律法により罪が示される。
②信仰義認の道を選ぶようになる。
③その結果、聖霊の内住が与えられる。
④聖霊の力によって、律法の要求を満たすようになる。
(4)(例話)札幌聖書塾(8期生)M姉のコメント
「私が所属していた教会は、霊の戦いが中心の教会で、私の確信をもってやっていま
した。しかし、霊の戦いをしてもなんの実もなく、霊の戦いにも教会形成にも疑問を
持ち始めました。それと同時に、信仰に喜びも期待も持つ事ができなくなり、3年間
ほご過ごしていました。中川先生のメッセージに出会い、そのメッセージを聞くと、
神さまの素晴らしさ、愛に感動し、喜びが溢れ、神に喜ばれるように歩みたいという
願いがわくのです。「~しなければならない」「~すべきだ」ではなく、みことばを通
して神様にふれた時、神様の御心に喜んで従いたくなるのだ、と分かりました。人を
変えるのは、みころばの力であり、それを正しく理解しなければならないのだと思い
ました」
結論:人間が付け加える余計なもの
1.罪の告白
(1)1ヨハ1:9
「もし、私たちが自分の罪を言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を
赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます」
①この聖句は、救いの方法を教えたものではない。
②すでに救われている人に対して書かれたものである。
③信者の罪の処理に関する教えである。
(2)この教えの問題点
①自分が犯した罪をすべて覚えている人などいない。
②もしすべての罪を告白することが救いの条件であるなら、救いは不可能である。
2
.洗礼
(1)マコ16:15~16
「それから、イエスは彼らにこう言われた。『全世界に出て行き、すべての造られた
者に、福音を宣べ伝えなさい。信じてバプテスマを受ける者は、救われます。しかし、
信じない者は罪に定められます』」
①この聖句は、バプテスマを受けなければ救われないとは教えていない。
②否定的な言葉がない。
③当時は、信じた直後に洗礼を受けた。
④この聖句は、最も古い写本にはない。
(2)使2:38
「そこでペテロは彼らに答えた。『悔い改めなさい。そして、それぞれ罪を赦してい
ただくために、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、
賜物として聖霊を受けるでしょう』」
①訳語の問題 「エイス」という前置詞。「○○のために」
②「○○のゆえに」「○○だから」とも訳せる。
③「罪が赦されたのだから、バプテスマを受けなさい」という訳が正しい。
(3)使22:16
「さあ、なぜためらっているのですか。立ちなさい。その御名を呼んでバプテスマを
受け、自分の罪を洗い流しなさい」
①訳語の問題
②「Arise and be baptized, and wash away your sins, calling on the name
of
the Lord.
」
③前半は、洗礼は「立つ」ことに続くことを教えている。
3・メシアの主権に従う(ロードシップ論)
(1)イエスをメシアとして信じるだけでなく、メシアの主権に従う必要がある。
(2)ロマ12:1~2
「そういうわけですから、兄弟たち。私は、神のあわれみのゆえに、あなたがたにお
願いします。あなたがたのからだを、神に受け入れられる、聖い、生きた供え物とし
てささげなさい。それこそ、あなたがたの霊的な礼拝です。この世と調子を合わせて
はいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神
に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変
えなさい」
①この聖句は、救いの条件を教えているのではない。
②すでに救われた者に、弟子となるための条件を教えている。
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