私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
メシアの生涯(72)—畑に隠された宝のたとえ、高価な真珠のたとえ—
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畑に隠された宝と高価な真珠のたとえを理解する。
(チャート資料「神の国」を添付してあります)
「畑に隠された宝のたとえ、高価な真珠のたとえ」
§064 マタ13:44~46
1.はじめに
(1)文脈の確認
①イエスの教えは、たとえ話が中心となった。
②9つのたとえ話のテーマは、「奥義としての王国」である。
③チャートで「奥義としての王国」の意味を確認する。
(2)「奥義としての王国」に関する9つのたとえ話
①種蒔く人のたとえ(詳細な解説がある)
②種のたとえ
③毒麦のたとえ(詳細な解説がある)
④からし種のたとえ
⑤パン種のたとえ
これ以降、弟子たちだけに話したたとえ話になる。
⑥畑に隠された宝のたとえ
⑦高価な真珠のたとえ
⑧網のたとえ
⑨一家の主人のたとえ
(3)A.T.ロバートソンの調和表
「最初の主要なたとえ話群」(§64)
2.アウトライン
(1)畑に隠された宝のたとえ(マタ13:44)
(2)高価な真珠のたとえ(マタ13:45~46)
3.結論:現代への適用
畑に隠された宝と高価な真珠のたとえを理解する。
Ⅰ.畑に隠された宝のたとえ
「天の御国は、畑に隠された宝のようなものです。人はその宝を見つけると、それを隠して
おいて、大喜びで帰り、持ち物を全部売り払ってその畑を買います」 (44節)
1.間違った解釈
(1)イエスが解釈していないので、種々の解釈が生まれる。
①畑に隠された宝とは、福音のことである。
②その宝を見つけた人とは、罪人のことである。
③その人は、あらゆる犠牲を払って、その畑を買う。
(2)この解釈の問題点
①これまでのたとえ話(奥義としての王国)の流れに合っていない。
②業による救いを教える結果になる。
2.「宝」とはイスラエル人のことである。
(1)出19:5
「今、もしあなたがたが、まことにわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るなら、
あなたがたはすべての国々の民の中にあって、わたしの宝となる。全世界はわたしの
ものであるから」
(2)申14:2
「あなたは、あなたの神、【主】の聖なる民である。【主】は、地の面のすべての国々
の民のうちから、あなたを選んでご自分の宝の民とされた」
(3)詩135:4
「まことに、主はヤコブを選び、ご自分のものとされ、イスラエルを選んで、ご自分
の宝とされた」
(4)「畑に隠された宝」の意味
①人目に触れない宝
②奥義としての王国の間、イスラエル人は世界に離散した民となる。
3.持ち物を売り払って畑を買う人は、イエス・キリストである。
(1)イエスの辱めの預言
①人間としての誕生
②十字架の死
4.このたとえ話が教えていること
(1)奥義としての王国の間、イスラエルの民の中から救われる人たちがいる。
①これが、レムナント(イスラエルの残れる者)である。
(2)ロマ11:4~5
「ところが彼に対して何とお答えになりましたか。『バアルにひざをかがめていない
男子七千人が、わたしのために残してある』。それと同じように、今も、恵みの選び
によって残された者がいます」
①「恵みの選びによって残された者」とは、メシアニックジューのことである。
(3)ガラ6:15~16
「割礼を受けているか受けていないかは、大事なことではありません。大事なのは新
しい創造です。どうか、この基準に従って進む人々、すなわち神のイスラエルの上に、
平安とあわれみがありますように」 (新改訳)
「割礼のあるなしは問題ではなく、ただ、新しく造られることこそ、重要なのである。
この法則に従って進む人々の上に、平和とあわれみとがあるように。また、神のイス
ラエルの上にあるように」 (口語訳)
①新改訳、新共同訳は誤訳である。
②「神のイスラエル」とは、メシアニックジューのことである。
③パウロは、異邦人信者と、ユダヤ人信者を祝福している。
Ⅱ.高価な真珠のたとえ(45~46節)
「また、天の御国は、良い真珠を捜している商人のようなものです。すばらしい値うちの
真珠を一つ見つけた者は、行って持ち物を全部売り払ってそれを買ってしまいます」 (45
~46節)
1.間違った解釈
(1)イエスが解釈していないので、種々の解釈が生まれる。
①高価な真珠とは、福音のことである。
②その真珠を見つけた人とは、罪人のことである。
③その人は、あらゆる犠牲を払って、その真珠を買う。
(2)この解釈の問題点
①これまでのたとえ話(奥義としての王国)の流れに合っていない。
②業による救いを教える結果になる。
2.高価な真珠とは何か。
(1)「宝」ほど意味が鮮明ではない。
①類推によって意味を見つける必要がある。
②宝がユダヤ人のことなら、真珠は異邦人のことではないか。
③真珠は海から採れる(ペルシヤ湾が有名)。
④海という言葉が象徴的に用いられた場合は、異邦人世界を指す。
⑤これらのことから、高価な真珠は異邦人信者のことである。
(2)ダニ7:2~3
「ダニエルは言った。『私が夜、幻を見ていると、突然、天の四方の風が大海をかき
立て、四頭の大きな獣が海から上がって来た。その四頭はそれぞれ異なっていた』」
①海とは、異邦人世界のことである。
②この幻は、異邦人世界から出て来る支配者に関するものである。
(3)黙17:1
「また、七つの鉢を持つ七人の御使いのひとりが来て、私に話して、こう言った。『こ
こに来なさい。大水の上にすわっている大淫婦へのさばきを見せましょう。地の王た
ちは、この女と不品行を行い、地に住む人々も、この女の不品行のぶどう酒に酔った
のです』」
(4)黙17:15
「御使いはまた私に言った。『あなたが見た水、すなわち淫婦がすわっている所は、
もろもろの民族、群衆、国民、国語です』」
3.商人とは、イエス・キリストである。
(1)この商人は、持ち物を全部売り払った。
結論:現代への適用
1.これまでのたとえ話では、奥義としての王国においては、善と悪がともに存在するこ
とが教えられていた。
2.今回の2つのたとえ話は、奥義としての王国の間に、救いに与るユダヤ人と異邦人が
ともに起こされることを教えている。
(1)それは、ユダヤ人個人としての救いである。
①現在ユダヤ人伝道を行う理由が、そこにある。
②民族的救いは、大患難時代の最後、再臨の直前に実現する。
③それから、メシア的王国が成就する。
④メシア的王国は、メシアが王として地上にいて王国を統治される状態である。
(2)異邦人も救われるというのは、弟子たちにとっては新しい情報であった。
①使15:13~14
「ふたりが話し終えると、ヤコブがこう言った。『兄弟たち。私の言うことを聞
いてください。神が初めに、どのように異邦人を顧みて、その中から御名をもっ
て呼ばれる民をお召しになったかは、シメオンが説明したとおりです』」
②エルサレム会議で、異邦人の救いの条件について議論された。
③ペテロが自らの体験を話した。
④バルナバとパウロが、伝道旅行の成果を分かち合った。
⑤イエスの弟のヤコブが裁定を下した。
⑥「主の御名をもって呼ばれる民」は、高価な真珠である。
3.畑を買った人も、高価な真珠を買った人も、ともに最大の犠牲を払った。
(1)これは、イエス・キリストの犠牲を意味している。
①イエスは、十字架への道を歩んでおられた。
②弟子たちとイエスの認識には、大きな隔たりがあった。
③イエスは、ユダヤ人の中からも、異邦人の中からも、救いに与る人を起こそう
としておられた。
(2)2コリ8:9
「あなたがたは、私たちの主イエス・キリストの恵みを知っています。すなわち、主
は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられました。それは、あなたが
たが、キリストの貧しさによって富む者となるためです」
(3)ピリ2:4~8
「自分のことだけではなく、他の人のことも顧みなさい。あなたがたの間では、その
ような心構えでいなさい。それはキリスト・イエスのうちにも見られるものです。キ
リストは神の御姿である方なのに、神のあり方を捨てられないとは考えず、ご自分を
無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられました。人としての性質を
もって現れ、自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架の死にまでも従われました」
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