340　どうして神はすべての人を救わないのか

Q：神が愛なら、どうして神はすべての人を救わないのですか。神ならできると思うのですが。

A：はじめに

「どうして神は、〇〇をしないのですか」という質問をよく受け取ります。この種の質問には共通した問題点があります。それを意識しながら、いつものように3つ申し上げます。

1番目に、この質問の背後には、ある種の「思い込み」があります。

（1）それは、自分は神よりも愛について良く理解しているという思い込みです。

（2）神は宇宙の創造主です。

（3）私たち人間は、宇宙の中のひとかけらの塵です。

（4）有限な理性しか持たないひとかけらの塵が、無限の知性を持った方に向って、「こ

うあるべきだ」と言うのは、傲慢です。

（5）神の知恵は、人間の理解をはるかに超えたものです。

2番目に、この質問の背後には、ある種の「無知」があります。

（1）それは、神がいかに素晴らしいものを人間に与えたかに関しての無知です。

（2）神は「ことば」を発することによって、被造世界を創造されました。

（3）動物界も、そのようにして創造されました。

（4）しかし人間は、鼻にいのちの息を吹き込むことによって造られました。

　　①つまり、人間は「神のかたち」に似せて造られたということです。

　　②人間には知情意があるので、神と交流することができます。

　　③人間には自由意志があるので、自分で生き方を選ぶことができます。

　　④これ以下のものは、最高とは呼べません。

（5）神は、ご自分が人間に与えた祝福（自由意志）を取り去ることはしません。

3番目に、この質問の背後には、ある種の「誤解」があります。

（1）それは、愛の関係に関する誤解です。

（2）愛の関係は、両者の間に成立する自発的な関係です。

（3）神は、イエス・キリストという最高のプレゼントを人類に与えてくださいました。

（4）そのプレゼントを強制的に受け取らせるなら、愛の関係は成立しません。

（5）それゆえ神は、私たちが自発的に応答するのを待っておられるのです。

（6）救いは、信仰によって受け取るものです。それ以外に、救いの方法はありません。

　愛の関係は、自発的なものです。