私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
申命記(46)諸々の規定(15)~(19)23:15~25
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諸々の規定の中の(15)~(19)について学ぶ。
申命記 46回
「諸々の規定(15)~(19)」
申23:15~25
1.はじめに
(1)第2の説教:契約に基づく義務
③律法の解説と日常生活への適用(12:1~26:15)
(2)「律法の解説と日常生活への適用」は、律法の各論的解説とその適用である。
①この箇所を12項目に分割して説明している。
②第11の項目:諸々の規定(21:1~25:19)
③諸々の規定の中には34の細かい項目がある。
④今回は(15)~(19)を取り上げる。
*これらの規定が与えられている理由を考えると、霊的に成長する。
2.メッセージのアウトライン
(15)逃亡奴隷(23:15~16)
(16)神殿娼婦(23:17~18)
(17)利息(23:19~20)
(18)誓願(23:21~23)
(19)隣人の畑(23:24~25)
3.結論:私たちへの適用
諸々の規定の中の(15)~(19)について学ぶ。
XV.逃亡奴隷(23:15~16)
1.15~16節
Deu 23:15 主人のもとからあなたのところに逃れて来た奴隷を、その主人に引き渡してはならない。
Deu 23:16
あなたがたのうちに、あなたの町囲みの中のどこでも彼が好むままに選んだ場所に、あなたとともに住まわせなければならない。彼を虐げてはならない。
(1)ここに登場する逃亡奴隷は、イスラエル人の奴隷ではない。
①イスラエル人の奴隷の場合は、6年間働いて7年目に自由になる。
②ただし、自発的に奴隷としての身分を保持する場合もあった。
③外国人の捕虜は、永続した奴隷となった。
(2)逃亡奴隷は、イスラエルに逃れの場を求めて来た異邦人の奴隷である。
①逃亡出来たということは、近隣の国から来た奴隷である(カナン人)。
②モーセは、逃亡奴隷をその主人に引き渡してはならないと命じた。
③この命令は、当時の中近東の習慣に反するものである。
④古代中近東の契約の中には、逃亡奴隷や亡命者の返還合意が含まれていた。
(3)この規定が与えられている理由
①イスラエルは、隣国と契約を締結する必要はない。
②なぜなら、イスラエルは【主】と宗主権契約を結んでいる。
③イスラエルは、エジプトで奴隷生活を経験した。
④それゆえ、抑圧されている者に憐れみの心を示すべきである。
⑤つまり、イスラエルは抑圧されている者たちの避難所となるのである。
(4)逃亡奴隷は、町囲みの中のどこでも、選んだ場所に住むことができた。
①イスラエルに逃げ込んだ奴隷は、自由人として生きることができた。
②イエス・キリストに逃げ込んだ罪人は、自由人として生きることができる。
XVI.神殿娼婦(23:17~18)
1.17節
Deu 23:17 イスラエルの女子は神殿娼婦になってはならない。イスラエルの男子は神殿男娼になってはならない。
(1)古代中近東の諸宗教では、神殿娼婦との交わりが礼拝の一部となっていた。
①バアル礼拝やアシュタロテ礼拝が、有名である。
②神殿娼婦との交わりは、豊穣をもたらす礼拝の一部となっていた。
③バアルやアシュタロテの神殿では、神殿娼婦と神殿男娼が活動していた。
(2)この禁止令は、ヤハウェ礼拝を堕落から守るためのものである。
①しかし、イスラエルの民はこの禁止令に違反するようになる。
②1列14:24(この国とは、南王国ユダ)
1Ki 14:24
この国には神殿男娼もいた。彼らは、【主】がイスラエルの子らの前から追い払われた異邦の民の、すべての忌み嫌うべき慣わしをまねて行っていた。
③ホセ4:14(女だけでなく、男も同じ罪を犯している)
Hos 4:14
わたしは、あなたがたの娘が姦淫をしても、/あなたがたの嫁が姦通をしても、罰しない。/男たちは遊女とともに離れ去り、/神殿娼婦とともにいけにえを献げている。/悟ることのない民は滅びに落ちる。
2.18節
Deu 23:18
いかなる誓願のためであっても、遊女の儲けや犬の稼ぎをあなたの神、【主】の家に携えて行ってはならない。これはどちらも、あなたの神、【主】が忌み嫌われるからである。
(1)この規定は、神殿娼婦との交わりだけでなく、売春一般を含んでいる。
①遊女の稼ぎとは、娼婦の稼ぎである。
②犬の稼ぎとは、男娼の稼ぎである。
*そこから上がる収入は、神殿に納めた。
③しかし、売春から得た利益は、【主】に献げてはならない。
④【主】は、遊女の儲けや犬の稼ぎを忌み嫌われる。
XVII.利息(23:19~20)
1.19節
Deu 23:19 金銭の利息であれ食物の利息であれ、すべて利息をつけて貸すことのできるものの利息を、あなたの同胞から取ってはならない。
(1)この場合、金銭や食物を必要としている人は、同胞のイスラエル人である。
①出22:25
Exo 22:25 もし、あなたとともにいる、わたしの民の貧しい人に金を貸すなら、彼に対して金貸しのようであってはならない。利息を取ってはならない。
②この人は、事業のためではなく、生活のために助けを必要としている。
③そういう人から利息を取るなら、その人の生活はより一層苦しくなる。
④また、利息を許可すると、貸す側の貪欲を奨励することになる。
2.20節
Deu 23:20
異国人からは利息を取ってもよいが、あなたの同胞からは利息を取ってはならない。それは、あなたが入って行って所有しようとしている地で、あなたの神、【主】があなたのすべての手のわざを祝福されるためである。
(1)異国人からは利息を取ってもよい。
①この人は、契約の民の一員でなく、カナンの地では異国人である。
②恐らく、この異国人は商人であろう。
③彼は、商売のための資金を必要としている。
④利息自体は、悪いことではない。
*ただし、当時の利息は、とてつもなく高利だったようである。
(2)しかし、同胞から利息を取ってはならない。
①神は、契約の民に属するすべての人の繁栄を願っておられる。
XVIII.誓願(23:21~23)
1.21節
Deu 23:21
あなたの神、【主】に誓願をするとき、それを遅れずに果たさなければならない。なぜなら、あなたの神、【主】は必ずあなたからそれを要求し、こうしてあなたが罪責を負うことになるからである。
(1)誓願は、礼拝者が自発的にするものである。
①誓願を立てたなら、必ずそれを果たす必要がある。
②イスラエルの神は、約束を必ず果たされる。
③誓願を果たさないなら、その人は罪責を負うことになる。
2.22~23節
Deu 23:22 誓願をやめる場合、あなたに罪責は生じない。
Deu 23:23
あなたの唇から出たことを守り、あなたの口で約束して、自分から進んであなたの神、【主】に誓願したとおりに行わなければならない。
(1)誓願は自発的なものなので、誓願しなくても罪責を生じない。
①しかし、一旦誓願したなら、それを果たす義務がある。
(2)警告の聖句
①箴20:25
Pro 20:25 軽々しく「これは聖なるもの」と言い、/誓願を立てた後で吟味する者は、/罠にかかっている。
②伝5:4~5
Ecc 5:4 神に誓願を立てるときには、/それを果たすのを遅らせてはならない。/愚かな者は喜ばれない。/誓ったことは果たせ。
Ecc 5:5 誓って果たさないよりは、/誓わないほうがよい。
XIX.隣人の畑(23:24~25)
1.24~25節
Deu 23:24 隣人のぶどう畑に入ったとき、あなたは思う存分、満ち足りるまでぶどうを食べてもよいが、あなたのかごに入れてはならない。
Deu 23:25 隣人の麦畑の中に入ったとき、あなたは穂を手で摘んでもよい。しかし、隣人の麦畑で鎌を使ってはならない。
(1)この規定は、隣人愛の実践を命じたものである。
①神は農夫を祝福された。
②それゆえ、農夫には旅人を祝福する義務がある。
(2)旅人は、隣人のぶどう畑に入り、満ち足りるまで食べることができた。
①しかし、そこから果実を持ち去ってはならない。
(3)旅人は、隣人の麦畑に入り、穂を手で摘むことができた。
①しかし、鎌で収穫することは禁じられた。
結論:私たちへの適用
(15)逃亡奴隷(23:15~16)
(1)ピレ15~16節
Phm 1:15 オネシモがしばらくの間あなたから離されたのは、おそらく、あなたが永久に彼を取り戻すためであったのでしょう。
Phm 1:16
もはや奴隷としてではなく、奴隷以上の者、愛する兄弟としてです。特に私にとって愛する兄弟ですが、あなたにとっては、肉においても主にあっても、なおのことそうではありませんか。
①オネシモは、主人ピレモンのところから逃亡した奴隷である。
②パウロは、獄中でオネシモをキリストに導いた。
③そしてオネシモを、ピレモンの元に送り返そうとしている。
(2)クリスチャンは、要求されている以上のことを実行する。
①オネシモを匿うだけで十分であるが、パウロはそれ以上のことを行った。
②その結果、この書簡が私たちに遺された。これは、大いなる祝福である。
(16)神殿娼婦(23:17~18)
(1)売春から得た利益は、【主】に献げることができない。
①【主】は、汚れた金を憎まれる。
(2)マタ27:5~7
Mat 27:5 そこで、彼は銀貨を神殿に投げ込んで立ち去った。そして出て行って首をつった。
Mat 27:6 祭司長たちは銀貨を取って、言った。「これは血の代価だから、神殿の金庫に入れることは許されない。」
Mat 27:7 そこで彼らは相談し、その金で陶器師の畑を買って、異国人のための墓地にした。
①イスカリオテのユダは、銀貨30枚を神殿に投げ込んだ。
②祭司長たちは、この銀貨は血の代価なので、汚れていると判断した。
③彼らは、その金で陶器師の畑を買い、無縁墓地にした。
④彼らの行為は、矛盾している。
*イエスを捕らえ、十字架に付けることの方が重大な罪である。
(17)利息(23:19~20)
(1)ルカ6:34~36
Luk 6:34
返してもらうつもりで人に貸したとしても、あなたがたにどんな恵みがあるでしょうか。罪人たちでも、同じだけ返してもらうつもりで、罪人たちに貸しています。
Luk 6:35
しかし、あなたがたは自分の敵を愛しなさい。彼らに良くしてやり、返してもらうことを考えずに貸しなさい。そうすれば、あなたがたの受ける報いは多く、あなたがたは、いと高き方の子どもになります。いと高き方は、恩知らずな者にも悪人にもあわれみ深いからです。
Luk 6:36 あなたがたの父があわれみ深いように、あなたがたも、あわれみ深くなりなさい。
①クリスチャン生活の基本は、隣人愛である。
②恵まれない人を助けるのは、特権である。
(18)誓願(23:21~23)
(1)マコ6:22~23
Mar 6:22
ヘロディアの娘が入って来て踊りを踊り、ヘロデや列席の人々を喜ばせた。そこで王は少女に、「何でも欲しい物を求めなさい。おまえにあげよう」と言った。
Mar 6:23 そして、「おまえが願う物なら、私の国の半分でも与えよう」と堅く誓った。
①ヘロデ・アンティパスは、サロメに愚かな誓いを立てた。
②結果的に、バプテスマのヨハネの首をはねることになった。
(2)マタ5:37
Mat 5:37
あなたがたの言うことばは、『はい』は『はい』、『いいえ』は『いいえ』としなさい。それ以上のことは悪い者から出ているのです。
(19)隣人の畑(23:24~25)
(1)マタ12:1~2
Mat 12:1 そのころ、イエスは安息日に麦畑を通られた。弟子たちは空腹だったので、穂を摘んで食べ始めた。
Mat 12:2
するとパリサイ人たちがそれを見て、イエスに言った。「ご覧なさい。あなたの弟子たちが、安息日にしてはならないことをしています。」
(2)律法は、人生を豊かにするために与えられている。
(3)しかし、律法主義は、人を束縛する。
(4)今は「キリストの律法」(愛の律法)が有効に働く恵みの時代である。
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