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30日でわかる聖書 マタイの福音書(27後半)
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キリストが十字架上で死に至るまでの3つの時間区分について学ぶ。
「マタイ27章後半」
イントロ:
1.文脈を確認する。
(1) イエスの裁判は、2段階で行われた。
①ユダヤ人による宗教裁判
②ローマ総督による政治的裁判
(2)ピラトはバラバを釈放し、イエスを十字架に付けるために引き渡した。
2. ニサンの月の15日(金) 午後3時にイエスは息を引き取る。
3. きょうの箇所は、3つの時間区分が可能。
(1) 死刑の判決を受けてから午前9時までの時間
①十字架の道行き
②ヴィア・ドロローサ(苦しみの道)
(2) 午前9時から午前12時までの3時間
①人の怒りを体験する時間
②十字架を阻止しようとするサタンの最後の試み
(3) 午前12時から午後3時までの3時間
①神の怒りを体験する時間
②霊的死を体験する時間
4. きょうの箇所は、私たちにとってどういう意味があるか。
(1) ローマ6:4~5
(2) キリストを信じる者は、キリストとともに死んだ。
(3) キリストを信じる者は、キリストとともに復活する。
死に至るまでの3つの時間区分
Ⅰ.死刑の判決を受けてから午前9時までの時間
1. 兵士たちによる辱め
(1) 官邸の外から、官邸の中に連れて行かれるイエス。
(2) 全部隊とは、イエスを逮捕するためにゲツセマネの園に行った兵士たち。
(3) 王様ごっこを始めた。
①着物を脱がせ、緋色の上着を着せた。背中の痛み。
②いばらの冠を頭にかぶらせた。アダムの罪の呪い(創世記3:18)。
③右手に葦の棒を持たせた。その棒でイエスの頭をたたいた。
④イエスの前にひざまずいて、「ユダヤ人の王様。ばんざい」と叫んだ。
(4) もとの着物を着せ、十字架に付けるために連れ出した。
2.ヴィア・ドロローサ
(1) 十字架刑の習慣: 横木を負って刑場まで歩かされる。
(2) ゴルゴタ(カルバリ)まで、およそ700メートル弱。
(3) イエスにとっての悲劇
①先に鞭打ちの刑を受けたので、出血多量になっている。
②心拍数が極端に増加し、腎不全、意識朦朧の状態。
③エルサレムの地形は、東から西に向かって上り勾配になっている。
(4) 当時の読者にとっては、自明のことなので、詳細な説明はない。
3.クレネ人シモン
(1) 今日の第5ステーションが、クレネ人シモン登場の場所。急勾配になっている。
(2) 北アフリカのクレネ出身のユダヤ人。
(3) 祭りの間、城壁の外のテント村に宿泊していた。
①木曜の夜に、過越の食事を終えていた。
②金曜の朝に、神殿で過越の子羊がほふられるのを見るため町に入ってきた。
③そして、たまたまその場に居合わせた。
(4) クレネ人シモンのその後
①マルコ15:21 アレキサンデルとルポスの父
②使徒13:1 アンテオケ教会の指導者。ニゲルと呼ばれるシメオン。
(5) 彼は、むりやりイエスの十字架を背負わされる。ローマによる強制労働。
(6) 十字架上のイエスを目撃し、信者となる。
①彼とその家族は、ローマ教会の設立メンバーとなる。
②ローマ教会は、使徒によって設立された教会ではない。
③ローマ16:13にルポスの名が出ている。
(7) 予期せぬ苦難が、祝福につながった例がここにある。
Ⅱ.午前9時から午前12時までの3時間 人の怒りを体験する。
1. ゴルゴタに到着
(1) ゴルゴタとは、「どくろ」、「されこうべの場所」。
(2) 形が「どくろ」に似ていたのではなく、刑場であるがゆえにそう呼ばれた。
①日本の首塚、耳塚。
②考古学的には、聖墳墓教会が建っている場所がゴルゴタ。
(3) 町から近く、人通りが多い場所。
2. 苦味を混ぜたぶどう酒
(1) 鎮痛剤としての効果
(2) イエスはそれを飲まなかった。
(3) 霊の戦いを最後まで戦い抜くために、意識をしっかりと持つ必要があった。
3. 十字架につけられる。
(1) 午前9時に十字架につけられた。
①十字架刑は当時よく知られていたので、詳細な記述はない。
②神殿の丘では、過越の子羊がほふられていた。
③ゴルゴタでは、神の小羊がほふられた。
(2) 4種類の十字架
①I型 主にイタリア半島で使用。
②X型 主にイタリア半島で使用。ペテロの十字架。
③T型
④十字型
(3) 罪状書きがあった。「これはユダヤ人の王である」
①ピラトがユダヤ人に小さな抵抗を試みた結果。
②ヘブル語、ギリシア語、ラテン語で書かれていた。
③罪状書きを打ち付けるためには、I字型か十字型。
④可能性としては、十字型が95パーセント。
⑤どの型であるかは、釘の数が異なるだけで問題ではない。
(4) 釘の数は3本
①両手の手首にそれぞれ釘が打ち込まれた。
②足は、両足そろえて、1本の釘を打つ。
(5) 関節がはずれ、骨々がばらばらになり、激痛が走る。
①長時間苦しめるための刑
②足台が付いている場合もあった。
(例話)ロシア十字、八端十字架(はったんじゅうじか)
③死因は、窒息死。
(6) イエスは6時間で息を引き取るが、これは自発的な死であった。
4. 着物をくじで分ける。
(1) 十字架刑は、まる裸にされる刑。
(2) 当時の男性の衣服。
①上着
②下着
③頭を覆う布
④サンダル
⑤外套
(3) 4人のローマ兵が①~④を分け合う。
(4) ⑤の外套は、くじを引いてひとりが独占する。
①「下着」(ヨハネ19:23)という訳は、適切ではない。
②詩篇22:18の成就。
5. ふたりの強盗
(1) イザヤ53:12の成就。
(2) 最初はふたりともイエスをののしったが、最後にひとりは救われる。
(3) クレネ人シモンと同じように、イエスの言葉と態度に感銘を受けた。
6. イエスをあざける人々
(1) 道行く人々
(2) 祭司長、律法学者、長老たち。
(3) ローマ兵たち(ルカ23:36)
(4) あざけりの内容
①イエスのメシア宣言に対する攻撃。
②メシアなら十字架から降りて来い。
(5) イエスが十字架から降りていたなら、罪の贖いは達成されなかった。
Ⅲ.午前12時から午後3時 神の怒りを体験する。
1. 午前12時から午後3時まで、全地が暗くなる。
(1) 日中の最も明るい時間に、暗黒が襲った。
2. 十字架上の第4の祈り
(1) 「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」
(2) 詩篇22:1の引用。当時の理解では、22篇すべてを引用したことになる。
(3) 「父」(170回)、「わたしの父」(21回)
(4) ここでは、「わが神」と呼びかけている。
(5) イエスは霊的に死んだ状態になっている。
(6) 失敗者の祈りではなく、神に助けを求める祈り。
3. エリヤを呼んでいるとの誤解
(1) ヘブル語で、エリヤの短縮形はエリ。
(2) ひとりがイエスに酸いぶどう酒を差し出す。慈悲の行為であろう。
(3) イエスはそれを飲んだ(ヨハネ19:30)。発声しやすいように。
4. 大声で叫んで、息を引き取る。
(1) ルカ23:46 「父よ。わが霊を御手にゆだねます」
(2) 「父よ」 父なる神との関係が回復した。
(3) イエスは肉体に死を遂げる前に、霊的に死んで復活された。
5. 裂けた神殿の幕
(1) 聖所と至聖所を仕切る幕。18メートル×9メートル、手のひらほどの厚み
(2) 旧約時代には、大祭司が年に一度だけ至聖所に入れた。
(3) この幕が上から下に裂けた。
(4) ヘブル10:19~20
①クリスチャンの自己認識が大切。
②万人祭司の事実を理解する。
6. 開いた墓
(1)大地震。墓が開いて、死んでいた聖徒たちの体が生き返った。
(2)イエスが復活してから、彼らはエルサレムに入ってきた。
(3)この現象をどう理解するか。
①旧約時代に死んだ聖徒たちが永遠のいのちに甦ったというのではない。
②ラザロの蘇生と同じ現象。その後、彼らがどうなったかの記述はない。
③私たちが経験する甦りは、永遠のいのちへの甦り(Ⅰテサロニケ4章)。
7. 百人隊長とその部下たちの信仰告白
(1) イエスの十字架と、その後の諸現象を目撃し、恐れを感じた。
(2) 「この方はまことに神の子であった」と言った。
結論
1. 私たちも信仰を告白しよう。
2. イエスの死は、私たちの死である。
3. イエスの復活は、私たちの復活である。
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